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6月号  『 一品単価・一品粗利益率アップのために・・・』  Ⅴol.77

6月号  『 一品単価・一品粗利益率アップのために・・・』  Ⅴol.77



 みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。

 



 さて、いよいよお中元商戦本格突入といったところで、ドリーム東大阪店では順調に夏ギフト受注及び発送業務進行中であります。特に大口の法人関係のお客様が早めにご注文を頂いたりして、店内及び倉庫には夏ギフトがぎっしり積み上がっております。

 



 今年の東大阪店での夏ギフト売上目標は、650万円 ( 昨年は、593万円 )、販売個数は、3,200個 ( 同2,987個 ) であります。昨年末のお歳暮期に近隣競合の業務スーパーに当店の大口顧客(約10万円、40個口)が価格攻勢で奪われるなどなかなか厳しい環境ではありますが、この夏ギフト期、何とか総数で昨年対比110%を達成したいと意気込んでおります。



 段上店長並びに松藤チーフ共々、しっかりと夏ギフト販促提案活動を実施していく中で、既存顧客には更なるリピーター化、そして地域に点在するお客様に対しては、個人・法人問わず新規獲得を目指していきたいと思います。そして、9月初旬の東大阪店懇親会では、旨い生ビールで目標達成の乾杯をしたいと思います。 

 



 さて、話は変わりますが、本日日経MJ新聞で昨年2014年度の全国大手小売業の売上高・利益高のランキング発表がありました。その一部をピックアップし、表作成いたしましたので、ご覧いただきたいと思います。

   拡大版はココをクリック



 いかがでしょうか? この表から小売流通業の時代変化と共に勢力図が確実に変遷していくのが感じ取れます。そして、我々のような零細小売業とは、規模の大小は別としても消費者の買い物動向としての流れはこの表から読み取れるのです。



 例えば、売上高・営業利益額の一位、二位を競っているセブン&アイホールディングスとイオングループとの利益体質の違い、ドラッグ業界においての新旧勢力の交替、家電最大手のヤマダ電機の苦境など、様々な角度で読み取れます。ここから私たちの商売のあり方について学ばなければなりません。



 出来ましたら、この表を使ってどのように検証し、具体的に次なる行動に繋げていかなければならないかをご説明したいのですが、夏ギフト商戦終了後に解説させていただきたいと思います。とにかく今は包装等で多忙を極めておりますので、ご容赦いただきたいと思います。ホント、しんどいですー。



 さて今回のテーマは、 『 一品単価・一品粗利益率アップのために・・・』 とさせて頂きました。このフレーズについては、今後私どもチェーンとして取り組む最重要課題として以前より再々申し上げてまいりましたが、今回あらためてこのコラムの中で取り上げてみたいと思います。



 話しはさかのぼること今月 6/19 (金) 愛知岐阜エリア会議でのことでした。愛知地区では、毎月夜7時過ぎから会議をスタートさせているのですが、全員が集合するまで、いつも定刻前に来場している岐阜の日乃出屋 市橋さんと雑談や商売についての意見交換をさせて頂いております。



 今月、その懇談の中で 「 井上さん、売上は順調に伸びているのですが利益率が最近落ちてきているんです。何とか粗利益率の高い店頭精米の売上を高めていきたいのですが、どうすればいいんでしょうか?」 という話になりました。当然ことながら、私なりに質問にお答えしたのですが、お米の話の前に店全体の経営指数をお伺いすると、まったくの『どんぶり勘定』 でありました。

 



 いつも経営のお話をさせて頂く時に、例えとしているのが 『人の体の体質改善』 についてです。風邪ひきを治療するにしても体温数値や脈拍数値など最低限のデータが必要となります。お店の体質改善(粗利益率を上げるなど)を実施するにあたって自店の現状数値がどのようなものであるのか、把握なしに根性論で販促を実施してもこの時代なかなかうまくいかない。額に汗水して一生懸命頑張ってみても、『 空回り 』 していることがよくあります。



 これは私のかつての経験から実感しています。現在もまだまだ私自身改善されていないのですが、最近は何か問題が発生すると必ずその問題点の根っこにあるものを探ろうとしています。まだまだ不勉強なところがありますが、その意識をもって取り組むと意外と答えが見えてきます。

 



 市橋さんに逆に質問しました。「店頭精米を始めて三年経過するけど、1000Kg/月に達しないのは、なぜ? そこのところをまず自分自身で深堀りすること。なぜ?を3回繰り返す、そして信頼する仲間に相談すること。今回の自発的な相談は、非常にタイムリーやね!」
とお話ししました。



 そして、私に全ての答えを求めるのではなく、一緒に問題点を洗い出し、そこから浮かび上がった課題を今後努力と時間をかけてどのようにクリアしていくこそが、大切なんです。そして、それが次なる成長につながるんですよ! とお答えしました。 そして続けて 「じゃ、その問題点を一緒にいくつか列記していきましょう!」となりました。



 そして、すぐに問題点が見えてきました。お米の売上が伸びない原因は、『お米に対しての商品知識の無さ』 でした。本人は、非常に納得されておりました。ごく普通の当たり前の事なんですが、本人にはそこのところが見えてないんですね。みなさん、ご存知のように日乃出屋さんの提案販売力は、抜群です。酒匠米匠チェーンの中でもピカイチです。

 



 以前、私どもの秋季勉強会で発表していただいたように、例えば年末のお正月おせちの販売数は70セット(売価15000円)完売いたします。なんとお正月おせちで100万円の売上をあげられております。根性論で商品を売らせば誰にも負けません!



 かつて、20代の時に名古屋の大手酒販店で酒屋業の修業を2年間されてきました。そちらで営業力強化のノウハウを学ばれ家業を引き継がれた訳です。その後、上記のように厳しい商環境の中でも黒字決算を継続されておられます。



 こういう私も修業には行ってませんが、かつてドリーム開業以前、イノウエ酒販時には、宅配専門店として何店かの酒販店ご子息を預かり、3年の期間で商売全般のご指導をさせて頂いたことがありました。今振り返ってみますと、その指導のベースにあるのは『根性論』でありました。



 65才になった今もそのフロンティアスピリットは、忘れてはいませんし、持ち続けていると自負しています。しかし、現社会において、これだけ情報が溢れ、消費者が賢く高度化した時代に根性だけでは、ビジネスはやっていけません。変な例えかもしれませんが、日乃出屋さんの場合、『鬼に金棒』ということで金棒という付加価値を自分自身に取り込んでいかなければならないのです。その一つが販売する商品の知識習得という訳です。

 



 このスローガンは、昨年より幾度となくお伝えしてきている訳ですが、日乃出屋さんの場合、先述したようにお客様との会話の中で、商品情報やお役立ち情報など 『 伝える力 』 に関しては完璧であります。 安売りのチラシに情報提供を全て頼るのではなく、マンパワーいわゆる伝播力が養われておられます。



 実際に6年前酒匠米匠に加盟された時の売上高が、4800万円。その後、様々な分野で営業活動されて売上を伸ばし、昨年は6900万円まで押し上げて来られました。地元プロサッカーのJ2
岐阜FC(ラモス監督)のホームサッカー場での生ビール等の専属業者指名も彼の営業力で獲得されました。

 



 人気相手試合の時は、キリンの生ビール(20L)なんと50本以上販売されるときもあるようです。直接販売ではなく、納入業者としてなので、やはり粗利益率は、10%を下回ってしまいますが、大きな収益源として確保されました。ただ、その為に売上全体の粗利益率の低下を招いているということです。



 そこで粗利益率の高い『店頭精米』を強化したいということです。エリア会議場での話に戻ります。そんな訳で、二人で話す中、相田みつをさんの詩を持ち出しました。

 



 ということで、具体的に毎月エリア会議前の一時間をお米に関する勉強会をマンツーマンで開講することになりました。教材は、はたやすさんや玄米工房の関根さんから、かつて教えを乞うた問題集やプレゼン資料を活用してみようと思います。私自身も彼を教える中で復習となりますし、好都合であります。ついでに、決算書の見方や検証の仕方などもこの際勉強してもらおうと思っております。



 今回の投稿は、日乃出屋の市橋さんとのやり取りが中心となり、テーマとしての、 『 一品単価・一品粗利益率アップのために・・・』 と何ら関係性が無いように思いがちですが、そうじゃないんです。富山稲荷町店の藤澤店長夫妻のワイン・ウィスキー・地酒の造詣の深さ、久宝寺店の店頭精米のレベルの高さ、すべて今回のテーマに直結しています。



 なぜ、そうなっているのか? なぜ? 一生懸命お客さんの為、お店の為、そして自分自身の為に、しっかりと販売する商品の知識習得のため努力されているのです。市橋くんもそうあって欲しい! ということを願って今月の投稿を終えたいと思います。



 ちなみに、2012年4月号 『 酒屋版 学問のすゝめ 』 Vol.39 ( ココをクリック)をお時間のある方は読み返して頂きたいと思います。



                今月もご覧いただき誠にありがとうございました。



 [ P.S ]

なでしこジャパンが、ワールドカップ女子世界大会にてベスト4へと進みました。お忙しい時期ではありますが、さらにお時間のある方は、4年前のコラムに時間をまき戻し、なでしこジャパンの誕生秘話をご覧いただきたいと思います。



   2011年7月号 『 なでしこジャパンから学ぶもの! 』 (ココをクリック)

5月号 『 ありふれた考え方に問題あり 』 Ⅴol.76

  5月号 『 ありふれた考え方に問題あり 』 Ⅴol.76



 みなさん、こんにちは!今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。



 さて皆さん、世の中 気温30°を超えていよいよ夏到来といったところですかね。そして、我々にとって夏と言えば 『近くて便利 夏ギフト!』これからお盆明けの8/20頃までの約3ヶ月間、ビールに、飲料水に、夏ギフトの販促など慌ただしい季節に突入してまいります。毎年思うことですが、この時期夏に向かって忙しくなるという事は本当に有難いものです。ドリーム東大阪店のお客様に感謝、感謝
です!



 そして、忙しいと言えば、先日鳥取県でこのような出来事がありましたね。



***鳥取県にスターバックスが初オープン!

    開店時は1000人以上待機、夜になっても列が絶えない盛況ぶり

  47都道府県でスタバが唯一未出店だった県に、とうとう第1号店が!***


 



 5月23日、47都道府県で唯一スターバックス・コーヒーがなかった鳥取県に、第1号店となる「シャミネ鳥取店」がオープンしました。同店では県内初出店の記念タンブラーが数量限定で販売されることもあって、開店時間の午前7時前には1000人以上の行列が発生。お店をはみ出る列は午後7時を過ぎても無くならず、大盛況の様子を撮影した写真がTwitterへ数々と投稿されています。

 



 駄洒落を連発する鳥取県知事 平井伸治氏が地方創生に奔走する中で、発した名言句であります。このキャッチコピーのおかげで鳥取県の知名度は一気に高まることとなりました。ちなみに、ネットで調べますとGoogel で検索をかけてリサーチしたデータを見ますと、鳥取県の知名度は、佐賀県と同数で第46位、全国最下位ということでありました。第1位は北海道、第2位は東京、第3位は大阪という順位でした。



 この平井知事の発想こそが、今回のテーマであります 「ありふれた考え」 からの脱却なのです。私たち酒屋は、今日までメーカーが企画立案し、新商品を発売し、それを問屋を通じて我々が消費者に販売しておりました。その商品の特性や目新しさはテレビや雑誌を通じて案内してもらい、酒屋に行けば買い物ができるという「ありふれたモノ」をただ並べて売っておりました。小売価格もすべてメーカーの指示通りでありました。



 その「モノ」に対して何の付加価値を加えなくても、勝手に商品が売れた時代でありました。その「ありふれたモノ」を何の工夫もせず販売していたため、何の危機感も持たず、 「ありふれた考え」 での商売 へと埋没してしまったのではないでしょうか。よく言う『酒販免許に胡坐をかいてしまった』とか『温室育ち』とか様々と揶揄されたものです。



 そして、30数年前に初めて酒の小売屋が、自分自身の考えで価格を打ち出した出来事がありました。1982年宮城県塩釜市で営業していた 『やまや』 が酒デイスカウント業態をスタートしたのであります。その後のプロセスについては、みなさまご周知のとおりです。

 



 前述のスターバックスもそうですが、「ありふれたモノ」「ありふれた考え」で販売するのではなく、「新しい発想」でお客様へアピールしていかなければなりません。結果、それが売上や収益に比例し、新しいビジネス、新しい業態へと進化していくのです。大事なことは、今私たちの業界が低迷するのは、私たちが取り扱う商品そのものに原因があるではなく、販売する私たちの考え方に問題があると自省しなければなりません。



 『考え方』 と言えば、この徒然日記の中でも度々登場してきています稲盛和夫氏の方程式です。

 



 ここで、稲盛氏を信奉してやまない和歌山えがわ店の江川氏の 『考え方』 の変化についてお話させていただきたいと思います。その 『考え方』 の変化とは、自店の販売商品の値付けについて、『価格硬直型』から『価格弾力型』へ移行し、結果数年後に予想を上回る収益アップへと結び付けていったというプロセスです。



 話しはさかのぼること、確か6年ほど前に量り売り麦焼酎 『どんどこどん』 の仕入価格の値上げが実施された時の事でした。



 それに伴い私たちもお客様への小売価格を全店値上げを致しましたのを覚えておられるでしょうか。当時、唯一えがわ店様だけが、値上げを見送りされました。理由は、近隣の競合店との価格の兼ね合いで値上げすると客離れが起きる恐れがあったからです。



 みなさん、ご存知だと思いますが、某メーカーの量り売り麦焼酎が、和歌山各地において激安価格で販売されていたのです。当時、私が和歌山えがわ店様のリテールサポートを毎月訪問して実施しておりましたので、今思い起こすと私も、「そんな状況やったら、値上げの見送りは仕方ないですね」
とか言ったように記憶しています。

 



 しかしながら、3年前の2012年に江川さんから、「井上さん!前からの懸案だったどんどこどんの小売価格をこの際思い切って値上げしようと思うんやけど、どうやろうか?」
という相談がありました。その決断の背景には、エクスマ コンサルタント藤村先生や先述の稲盛和夫氏の考え方が影響しているなと察しました。

 



 その両者からの影響の内容について語りますと大変話しが長くなりますので割愛しますが、要は江川さんの考え方に劇的な変化が見られたということです。特に先月号でもお話ししました小売価格の値付けの考え方についてです。



 



 今となると当たり前の事なのですが、私たち酒ディスカウンターはかつて閉鎖的な酒販小売業界内で激安価格を武器に勝負を制しておりました。しかしながら、それは一時的なものにすぎなかったのであります。



 全国大手小売流通業者が台頭してきた現在では、そのことを維持することは不可能であるのです。今こそ、お客様に対して低価格提供のお店という店舗価値をさらに進化させて新しい付加価値の備わった店舗を創造していかなければなりません。



 話しを戻しますと、そこで早速えがわ店さんでは、どんどこどんの販売価格1.8L当たり、135円値上げと同時に 『モンドセレクション受賞蔵』 という品質の高さを売り物にPOPやチラシの内容を変化させていきました。



 いわゆる販売商品に対して 『価格弾力性』 を持たせて、今までの商品に仕入価格やコストを逆算し、販売価格を決定するのではなく、えがわ店がお客様に提供する商品価値に対して値決めをすることに着手したのでした。3年後の結果は、下記のとおりです。

 



 [ 図 ① ] をご覧いただきたいと思います。2012年の期中にどんどこどんの値上げを実施してから、売上高は確かに低下いたしました。(原因として、値上げによる客離れだけではありませんが・・・後述します )しかしながら、利益率が上がることにより利益額に関しては、逆に増加しております。減収増益という構図であります。



次に、[ 図 ② ] をご覧いただきたいと思います。2012年のどんどこどんの値付け変更をキッカケに店舗全体の利益率の向上が見受けられます。論より証拠、2012年の全体の売上高は前年より、5%以上減少しているのにもかかわらず、利益額に関しては、ほぼ横ばいであります。



 次年度、2013年では、売上高も微増したことも幸いして、大幅な利益額増が達成されております。そして、昨年の利益額は、2011年対比なんと343万円の増益となっております。しかし、2011年に比べて売上高は約1000万円弱ダウンしております。逆の言い方をすれば、売上高は下がっているのに利益額は大幅増である。これまた、減収増益であります。このようなスパイラルの中で、増収増益へとつなげていくのであります。



 ここでの検証としては、たかだかどんどこどんの増益分が、全体の増益分のどれだけを貢献したかといいますと、所詮全体の0.9%(3万円/343万円)にしかすぎません。しかしながら、どんどこどんの値決めをキッカケにその後様々な商品について『新しい発想』で値決めが進められてきました。



 たとえば、店頭精米の利益率は、それまで(2011年)の27%から、昨年は35%と何と8%も向上しています。しかも、お米の売上はさらに上がっているのです。今までの利益率と売上の常識的な相関関係は、利益率が上がれば売上は残念ながら、下がるという構図でした。



 しかしながら、世間ではありきたり、あるいはありふれたお米という商品が、えがわ店のありふれた考え方ではない売り方で、ものの見事に高収益商品へと変貌していくのです。しかも、安心・安全・健康・美味を求める絶大なるお客様の支持を頂戴しながら・・・。ここに、私たちのチャレンジすべき要件が存在するのです。

 



 また、えがわ店さんでは、上記のチラシ内容のように相変わらず地域 No.1 の激安価格 ( 例えば、のどごし税込2415円 ) で販売されています。これもまた大事な価値創造なのです。しかしながら、それを今後とも続けていくためにも、粗利益率の高いカテゴリーを育てていく必要があります。いわゆる
『 ハイブリッド戦略 』 です。



 そして、粗利益率や付加価値性の高い商材は、『ありふれた考え』 では、絶対に売れません!



 『専門性と伝える力』 が、必要となってきます。さらに、発想の転換が重要となります。ここで、最後になりますが、二週間前に江川さんから私の携帯に電話があった内容をお伝えして今月の投稿を終えたいと思います。





 それは、今秋和歌山県で開催される第70回国民体育大会で使用される飲料水の入札の件でした。その入札に採用されたとの電話でした。47年に一度の地元開催ということで今春から「あかんで、もともと!」 という感覚で入札に参加されていたのですが、見事に合格!

 



 ありふれた飲料水という商品が、新しい発想でチャレンジすることにより、とんでもない金額の売上となっていく。これこそが、我々零細な商売人が生き残るための知恵の出しどころであると思います。そして、何よりも江川店さんの利益率アップの副産物として(?)
、スタッフの方々の接客力が向上し、物心ともにクォリティがアップし、結果としてお店の格が一回り大きくなったように思います。 ⇒“ ニワトリが先か? 卵が先か? ”



 どんどこどんの135円値上げから始まった小さなアクションから、今では大きな店舗変革へと進化したこの事例は、加盟店さんにとっても身近なことからカイゼンしていくことの大切さを示唆されているのではないでしょうか。

 



 今回は、和歌山の江川さん特集になってしまいました。最後に老婆心ではありますが、各加盟店様におかれましては、まずは店内外の掃除徹底の励行をお願い致しまして今月の投稿を終えたいと存じます。



       今月もご覧いただき誠にありがとうございました。





(P.S)最後にひと言、江川さんへ



 2014年のどんどこどんの売上が落ちすぎています。2011年対比 30%ダウン!いくら利益率重視といえども、ちょっと落ちすぎだと思います。

売場の画像を拝見すると、モンドセレクション受賞蔵のPOPが自然消滅しています。かつて掲示されていた価値を語るべきPOPがなくなり売場劣化が売上ダウンの一因かもしれません。小さな変化が店舗全体に良くも悪くも影響します。

『 原点回帰 』偉そうなことを言ってすみません。カイゼンよろしくお願い致します。

    開店時は1000人以上待機、夜になっても列が絶えない盛況ぶり

  47都道府県でスタバが唯一未出店だった県に、とうとう第1号店が!***

 



 5月23日、47都道府県で唯一スターバックス・コーヒーがなかった鳥取県に、第1号店となる「シャミネ鳥取店」がオープンしました。同店では県内初出店の記念タンブラーが数量限定で販売されることもあって、開店時間の午前7時前には1000人以上の行列が発生。お店をはみ出る列は午後7時を過ぎても無くならず、大盛況の様子を撮影した写真がTwitterへ数々と投稿されています。

 



 駄洒落を連発する鳥取県知事 平井伸治氏が地方創生に奔走する中で、発した名言句であります。このキャッチコピーのおかげで鳥取県の知名度は一気に高まることとなりました。ちなみに、ネットで調べますとGoogel で検索をかけてリサーチしたデータを見ますと、鳥取県の知名度は、佐賀県と同数で第46位、全国最下位ということでありました。第1位は北海道、第2位は東京、第3位は大阪という順位でした。



 この平井知事の発想こそが、今回のテーマであります 「ありふれた考え」 からの脱却なのです。私たち酒屋は、今日までメーカーが企画立案し、新商品を発売し、それを問屋を通じて我々が消費者に販売しておりました。その商品の特性や目新しさはテレビや雑誌を通じて案内してもらい、酒屋に行けば買い物ができるという「ありふれたモノ」をただ並べて売っておりました。小売価格もすべてメーカーの指示通りでありました。



 その「モノ」に対して何の付加価値を加えなくても、勝手に商品が売れた時代でありました。その「ありふれたモノ」を何の工夫もせず販売していたため、何の危機感も持たず、 「ありふれた考え」 での商売 へと埋没してしまったのではないでしょうか。よく言う『酒販免許に胡坐をかいてしまった』とか『温室育ち』とか様々と揶揄されたものです。



 そして、30数年前に初めて酒の小売屋が、自分自身の考えで価格を打ち出した出来事がありました。1982年宮城県塩釜市で営業していた 『やまや』 が酒デイスカウント業態をスタートしたのであります。その後のプロセスについては、みなさまご周知のとおりです。

 



 前述のスターバックスもそうですが、「ありふれたモノ」「ありふれた考え」で販売するのではなく、「新しい発想」でお客様へアピールしていかなければなりません。結果、それが売上や収益に比例し、新しいビジネス、新しい業態へと進化していくのです。大事なことは、今私たちの業界が低迷するのは、私たちが取り扱う商品そのものに原因があるではなく、販売する私たちの考え方に問題があると自省しなければなりません。



 『考え方』 と言えば、この徒然日記の中でも度々登場してきています稲盛和夫氏の方程式です。

 



 ここで、稲盛氏を信奉してやまない和歌山えがわ店の江川氏の 『考え方』 の変化についてお話させていただきたいと思います。その 『考え方』 の変化とは、自店の販売商品の値付けについて、『価格硬直型』から『価格弾力型』へ移行し、結果数年後に予想を上回る収益アップへと結び付けていったというプロセスです。



 話しはさかのぼること、確か6年ほど前に量り売り麦焼酎 『どんどこどん』 の仕入価格の値上げが実施された時の事でした。



 それに伴い私たちもお客様への小売価格を全店値上げを致しましたのを覚えておられるでしょうか。当時、唯一えがわ店様だけが、値上げを見送りされました。理由は、近隣の競合店との価格の兼ね合いで値上げすると客離れが起きる恐れがあったからです。



 みなさん、ご存知だと思いますが、某メーカーの量り売り麦焼酎が、和歌山各地において激安価格で販売されていたのです。当時、私が和歌山えがわ店様のリテールサポートを毎月訪問して実施しておりましたので、今思い起こすと私も、「そんな状況やったら、値上げの見送りは仕方ないですね」
とか言ったように記憶しています。

 



 しかしながら、3年前の2012年に江川さんから、「井上さん!前からの懸案だったどんどこどんの小売価格をこの際思い切って値上げしようと思うんやけど、どうやろうか?」
という相談がありました。その決断の背景には、エクスマ コンサルタント藤村先生や先述の稲盛和夫氏の考え方が影響しているなと察しました。

 



 その両者からの影響の内容について語りますと大変話しが長くなりますので割愛しますが、要は江川さんの考え方に劇的な変化が見られたということです。特に先月号でもお話ししました小売価格の値付けの考え方についてです。



 



 今となると当たり前の事なのですが、私たち酒ディスカウンターはかつて閉鎖的な酒販小売業界内で激安価格を武器に勝負を制しておりました。しかしながら、それは一時的なものにすぎなかったのであります。



 全国大手小売流通業者が台頭してきた現在では、そのことを維持することは不可能であるのです。今こそ、お客様に対して低価格提供のお店という店舗価値をさらに進化させて新しい付加価値の備わった店舗を創造していかなければなりません。



 話しを戻しますと、そこで早速えがわ店さんでは、どんどこどんの販売価格1.8L当たり、135円値上げと同時に 『モンドセレクション受賞蔵』 という品質の高さを売り物にPOPやチラシの内容を変化させていきました。



 いわゆる販売商品に対して 『価格弾力性』 を持たせて、今までの商品に仕入価格やコストを逆算し、販売価格を決定するのではなく、えがわ店がお客様に提供する商品価値に対して値決めをすることに着手したのでした。3年後の結果は、下記のとおりです。

 



 [ 図 ① ] をご覧いただきたいと思います。2012年の期中にどんどこどんの値上げを実施してから、売上高は確かに低下いたしました。(原因として、値上げによる客離れだけではありませんが・・・後述します )しかしながら、利益率が上がることにより利益額に関しては、逆に増加しております。減収増益という構図であります。



次に、[ 図 ② ] をご覧いただきたいと思います。2012年のどんどこどんの値付け変更をキッカケに店舗全体の利益率の向上が見受けられます。論より証拠、2012年の全体の売上高は前年より、5%以上減少しているのにもかかわらず、利益額に関しては、ほぼ横ばいであります。



 次年度、2013年では、売上高も微増したことも幸いして、大幅な利益額増が達成されております。そして、昨年の利益額は、2011年対比なんと343万円の増益となっております。しかし、2011年に比べて売上高は約1000万円弱ダウンしております。逆の言い方をすれば、売上高は下がっているのに利益額は大幅増である。これまた、減収増益であります。このようなスパイラルの中で、増収増益へとつなげていくのであります。



 ここでの検証としては、たかだかどんどこどんの増益分が、全体の増益分のどれだけを貢献したかといいますと、所詮全体の0.9%(3万円/343万円)にしかすぎません。しかしながら、どんどこどんの値決めをキッカケにその後様々な商品について『新しい発想』で値決めが進められてきました。



 たとえば、店頭精米の利益率は、それまで(2011年)の27%から、昨年は35%と何と8%も向上しています。しかも、お米の売上はさらに上がっているのです。今までの利益率と売上の常識的な相関関係は、利益率が上がれば売上は残念ながら、下がるという構図でした。



 しかしながら、世間ではありきたり、あるいはありふれたお米という商品が、えがわ店のありふれた考え方ではない売り方で、ものの見事に高収益商品へと変貌していくのです。しかも、安心・安全・健康・美味を求める絶大なるお客様の支持を頂戴しながら・・・。ここに、私たちのチャレンジすべき要件が存在するのです。

 



 また、えがわ店さんでは、上記のチラシ内容のように相変わらず地域 No.1 の激安価格 ( 例えば、のどごし税込2415円 ) で販売されています。これもまた大事な価値創造なのです。しかしながら、それを今後とも続けていくためにも、粗利益率の高いカテゴリーを育てていく必要があります。いわゆる
『 ハイブリッド戦略 』 です。



 そして、粗利益率や付加価値性の高い商材は、『ありふれた考え』 では、絶対に売れません!



 『専門性と伝える力』 が、必要となってきます。さらに、発想の転換が重要となります。ここで、最後になりますが、二週間前に江川さんから私の携帯に電話があった内容をお伝えして今月の投稿を終えたいと思います。





 それは、今秋和歌山県で開催される第70回国民体育大会で使用される飲料水の入札の件でした。その入札に採用されたとの電話でした。47年に一度の地元開催ということで今春から「あかんで、もともと!」 という感覚で入札に参加されていたのですが、見事に合格!

 



 ありふれた飲料水という商品が、新しい発想でチャレンジすることにより、とんでもない金額の売上となっていく。これこそが、我々零細な商売人が生き残るための知恵の出しどころであると思います。そして、何よりも江川店さんの利益率アップの副産物として(?)
、スタッフの方々の接客力が向上し、物心ともにクォリティがアップし、結果としてお店の格が一回り大きくなったように思います。 ⇒“ ニワトリが先か? 卵が先か? ”



 どんどこどんの135円値上げから始まった小さなアクションから、今では大きな店舗変革へと進化したこの事例は、加盟店さんにとっても身近なことからカイゼンしていくことの大切さを示唆されているのではないでしょうか。

 



 今回は、和歌山の江川さん特集になってしまいました。最後に老婆心ではありますが、各加盟店様におかれましては、まずは店内外の掃除徹底の励行をお願い致しまして今月の投稿を終えたいと存じます。



       今月もご覧いただき誠にありがとうございました。





(P.S)最後にひと言、江川さんへ



 2014年のどんどこどんの売上が落ちすぎています。2011年対比 30%ダウン!いくら利益率重視といえども、ちょっと落ちすぎだと思います。

売場の画像を拝見すると、モンドセレクション受賞蔵のPOPが自然消滅しています。かつて掲示されていた価値を語るべきPOPがなくなり売場劣化が売上ダウンの一因かもしれません。小さな変化が店舗全体に良くも悪くも影響します。

『 原点回帰 』偉そうなことを言ってすみません。カイゼンよろしくお願い致します。

4月号   『 販売価格について 』       Ⅴol.75

  4月号   『 販売価格について 』       Ⅴol.75



 みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。



 さて今月のテーマは、前回言いそびれました 『 ビジネスは、価格に生きて、価格で死ぬ!』 という内容でお話を進めてまいりたいと存じます。



 その前に先日久方ぶりに兵庫西エリア会議に参加した時の模様を報告させていただきたいと思います。過日4/20 (月) に、当該会議を担当する本部木学並びに東大阪店段上店長と共に会議に出席いたしました。会議場所は、毎月姫路市の酒匠米匠サトウ店様の2階会議室(ウィスキーボトルの中)を佐藤様のご好意でお借りいたしております。

 



 議事は、昨年より木学くんが進行してくれており、私はオブザーバー的な感じで参加させていただきました。議事内容は下記のとおりです。

      【 ↑ 拡大版はここをクリック】



 上記のとおり、会議スタート時間は夜の8時からです。会議終了は、11時過ぎになります。当日の参加者は、我々3名をいれて13名でありました。今回、高砂市の春日野商店さんが店頭スタッフの都合がつかなくて欠席されましたが、いつもは全店ほぼ100%の出席率ということです。



 私の思うところ、酒販業界において毎月こんな遅くに、しかも大所帯で販促活動について会議しているグループは、日本全国どこ探しても無いのでは・・・?と思います。昼間ならともかく・・・。



 本当に熱心なメンバーだなと感心させられます。ただ残念ながら、夜遅くまで私的な時間を費やして眠い目をこすりながら情報交換をすれば、必ず売上や利益が上がるという保証は一切ありません。現実は、そう甘くはありませんからね。そこが本当に辛いところです。でもコツコツと努力を積み重ねていくことが重要だと思います。



 ちょうど良い機会だったので、当日昼間に酒匠米匠サトウ店の近くのスーパーセンター『トライアル』 を視察してきました。かつて10年ほど前に千葉県の八千代市で『トライアル』を見たことがあるんですが、あの時代よりもさらに店舗が進化しておりました。そして、何よりも値段が安い!

 

 



 コスモス薬品といい、九州福岡県出身企業の強さを肌で感じさせられます。九州地盤企業という関係であるのか、焼酎の安さは半端じゃありません。たとえば、黒霧島25°パック 1350円(税込)、いいちこ25°パック 1350円(税込) エブリデイ ロープライスといったところです。



 ちなみにドリーム東大阪店では、下記の売場画像にあるように『トライアル』とは、一本当たり200円~300円の価格格差がありますので、もし近所に出現でもしたら大変なことになります。

 



 そんな厳しい商環境の中で、兵庫西地区のメンバーは頑張っておられます。先々、様々な不安や課題を抱えてはおりますが、楽しく和気藹々に会議が進められているのを見て安堵いたしました。笑顔の絶えない勉強会がなりよりですからね。また、ちょくちょくと顔を出してお話しをさせていただきたいと思います。





 さて、それでは本題の 『 販売価格について 』 というテーマでお話ししたいと思います。先日ある書籍を購入いたしまして読んでおりますと、次のような文節が書かれておりました。

 



 とありました。確かに値決めと値段の打ち出し方が、いかにビジネスの様々な要素を左右する元であるかと改めて感じさせていただきました。売上も利益も、そしてそこから捻出される経費もすべて、お客様との取引の根源である価格から生み出されるものなんですからね。



 今回は、その書籍 「世界一ずる賢い価格戦略 」 という本をベースに皆さまに私の考えをお聞きいただきたいと思います。著者のプロフィールは下記にあります。

 



 <プロフィール>

 著書14冊以上(13冊は日本語にも翻訳されている)出版しているダイレクト・レスポンス・マーケティング・コンサルタント、コピーライター。

 「日本一のマーケッター」にも選ばれた神田昌典氏も、彼の著書を監修し、絶賛のコメントを寄せる。ダイレクト・レスポンス・マーケティングの世界的権威で、アメリカで最も有名なコンサルタントのひとり。

 当たり障りのない成功法則ではなく、耳の痛い・あまり聞きたくないことでも、すべて包み隠さず話してくれることから「不都合な真実を教えてくれる先生」と呼ばれ、クライアントから多数の億万長者が生まれていることから「億万長者メーカー」とも呼ばれている。

 ブッシュ元大統領、 マーガレットサッチャー元英国首相、 ジグジグラーやブライアントレーシー、フォード元大統領、レーガン元大統領、ノーマンシュワルツコフ将軍、などのスーパースターと共に講演を行なっている。





 さて、今回購読いたしました書籍 『 世界一ずる賢い価格戦略 』 何かウサン臭いものが漂っているようなタイトルですが、決して決してなかなかのコンテンツでありました。約300ページの本で姿かたちなど普通なら1500円~1800円程度の価格なんですが、この本の価格こそがこの書籍の価値価格であると本自らがアピールしているのです。 



 いわゆる価格というものは、仕入原価から逆算して小売価格を決定したり、地域の市場性を常に勘案して(例えば、新聞折込の競合店チラシを参考に・・・とか)決定するのではなく、地域のお客様に提供する商品やサービスに対しての価値がどの程度の価格であるかということを意識してお店自らがお客様本位の値決めをしていくことの重要性を語っております。あらためて言いますが、本当に値段の高い書籍です。紙の原料や製本代は他の書籍と同じ原価ですのにね。



 確かに、スーパードライやキリンのどごし等、画一化された商品の場合、唯一の価値訴求は、価格の安さのみということになります。その価値に支えられて我々量販店は数年前まで消費者の支持を得てきたわけです。しかし今は、その価値は大手競合店の出現で半減したわけです。決して消滅していないという事実は現存します。なぜなら、いまだに売上として確実にいくらかはあるからです。



 だからこそ、次に私たちが挑戦しなければならないのは、その売上を支えていただいている既存のお客様を中心に、今後どのような価値提供をしていくのかを創造することに他ならないのです。単なる粗利益ミックスがどうのこうのではなく、そこにお客様への価値提供、お客様満足が存在するのかということであります。



 低価格販売を中心に営業活動をしてきた私たちは、毎月判で押したように競合他店の価格情報を基に新聞折込のチラシ原稿作成に注力してきました。それは決して間違ってはおりません。今後も大事な仕事の一つです。ただ今までは、そのことに重きを置くことにより、自店の価値を安さ以外でお客様にアピールしたり、新しく価値創造する努力を怠ってきたのであります。そのことに深く反省しなければなりません。



 商売の原点は、時代と共に移り変わりゆく 『お客様満足の提供 』 にあります。かつて低価格で支持していただけたお客様に対して次なる付加価値の提供とは・・・?! 販促行動すべきことは、もうすでに春の勉強会などでご理解いただけていると思います。

 



 昨今、ファーストフードにおいてマクドナルドの業績が世界的に不振を極めていることをみなさんお聞きになっておられると存じます。単なる食品偽装問題だけではなく、かつての80円バーカーのリバウンドがここにきてやってきたと私は分析しております。かたやモスフードは、さらに品質・サービス向上を推進するため、5月から販売価格をこの時代に敢えて値上げする予定であります。



 同じハンバーガーチェーンとして、ここにきて戦略性の違いが如実に出てまいりました。日本の流通小売業において過去の歴史から見ても長期的に利益を出し続けている優良企業はみんな安売りはしていません。あるいは、安売りから脱皮しております。かつて激安価格でスタートしたユニクロでさえ、今回販売価格の値上げを実施し、次なる高みを目指しております。 品質において「ユニクロブランド」と呼ばれるように競合他社よりも高い品質でなおかつ高度な接客サービスを提供しようと長期ビジョンを掲げております。



 規模の大小は別として、我々チェーンの目指すべきところはそこの部分であると思います。次月は、今回の書籍の中にありました 『 スターバックスコーヒー 』 と 『 コンビニコーヒー 』 との販売戦略及び価格の違いについてお話させていただくことといたします。ついでに 『 コピ・ルアク 』 についてもお話させていただきます。

 



 また、身近なところではいつも徒然日記でご紹介させていただいております和歌山えがわ店さんでの焼酎量り売りの 『 販売価格の値決め 』 についてのエピソードなども参考にお話ししたいと存じます。お楽しみに!



 今月号は、販売価格の値決めについての序章ということで、つかみだけの内容となりましたが、今回購読いたしました本のさびの部分を今後毎月ご紹介してまいりますことをお約束いたしまして今月の投稿を終えたいと存じます。



今月もご覧いただきまして誠にありがとうございます。



              それでは、ごきげんよう さようなら

  

3月号   『 感謝・感謝・感謝・・・・・ 』       Ⅴol.74

3月号   『 感謝・感謝・感謝・・・・・ 』       Ⅴol.74



 みなさん、こんにちは! 3月末・春爛漫、今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。



 さてみなさん、いよいよ待ちに待った春がやってきましたね!我が家の近くに長瀬川という川がありまして、毎年の事ですが、その川沿いに約1kmの桜並木の花が咲き乱れ春の訪れを感じさせてもらっております。そして、毎年4月の初め頃になると仕事を終え帰宅後、カミさんと散歩がてら手軽な夜桜見物をしております。

 



 そして、ドリーム東大阪店の方では長い3ヶ月の冬眠から覚めて積極的に前に打って出る時期になりました。(この3ヶ月寒い中、それなりに一生懸命に頑張ってきたんですけどね・・・) ⇒ そらそうと啓蟄ってご存知ですか?

 



 3月末、この3日間の特売期間の営業成績もこの1月2月の月末と違って春めいて、何か活気を帯びてきた感じがいたします。月末晴天が続きましたからね。この勢いで、春から夏へ強気の商いへと繋げていきたいと思います。





 話は変わりますが、毎年年度末の3月末になりますと日本全国津々浦々で何かが終わり、そして4月に何かが新しく始まるそんな時期であります。その中の一つとして、NHKの朝ドラ 『マッサン』 が本日最終回を迎えました。今回の朝ドラは、ウィスキー絡みということでこの半年間欠かさず視聴しておりました。

 



 今朝、カミさんとテレビの前に陣取って正座こそしませんが、神妙な面持ちで 8:00 からの最終放映を視聴いたしました。最後、マッサンに連れ添ってきた奥さんのエリーさんが他界するのですが、私もカミさんも見終わった後、顔はクシャクシャになっており、「エリーさん、よう日本でがんばったなー」 とか 「マッサン、エリーちゃんがいなくなったら寂しいやろな」 とかお互い老夫婦を自分たちに重ねながら涙しておりました。

 

エリーさんが、若い頃スコットランドのお父さんから授かった人生訓です。まさしく幸せな冒険旅行を終えたのです。

 



 私もこの年になって自分の人生をふと振り返り、ある時はなつかしく、ある時は悔しがり、ある時は自省し、そして人生を支えていただいていた周りの人たちの有難さに感謝する想いにふれるときが多々あります。40代、50代の時には、そんなに意識はしなかったことも今回のドラマのように自分自身に重ねることが多くなりました。





 半年前のことになりますが、これもNHKのBS放送で 『小椋 佳さん』 の特番を視聴いたしました。9/12~9/15までの4日間コンサートを前半後半として二夜続けての後日放映でしたが、40数年前のわが青春の歌ということで楽しみに見ました。

 



 そのコンサート名は風変りで上記の通り、『生前葬コンサート』 ということでした。ご覧になった方々も多いかもしれませんが、その一部をご披露させていただく前に、小椋佳さんのプロフィールをご紹介いたします。

 



 いかがでしょうか?上記の異色な履歴の持ち主ですが、今の若い方々はなかなかご存じないかなと思います。小田和正は知ってるけど、小椋佳は?ってな具合ですかね。「さらば青春」「少しは私に愛を下さい」「めまい」などなど素晴らしい名曲が多いんです。そして、なんといっても小椋佳さんの楽曲の素晴らしいのは、その歌詞です。

 



 



 花鳥風月や哲学的なフレーズが織りなす美しい日本語が絶賛です。人生の機微などもその歌詞からうかがい知ることができます。その感性は、どこから来ているのかと思いましたら、やはり彼もまた山あり谷ありの人生であったようです。



 57歳のとき、胃がんの手術を受けて胃の4分の3を切除されたこともあり、またご子息が若年性脳梗塞を発症し、寝たきりの長い闘病生活を看病されたりと様々な苦難を乗り越えられたと聞いております。



 そんな小椋さんが、4日間コンサートの最終日最後の100曲目に歌われた曲が、この日の為に作詞作曲された新曲 『 顧みれば 』 でした。笑みを浮かべてさらりと歌われたのですが、でも私には彼の人生のすべてを凝縮された熱い言霊が伝わってまいりました。まさしく生前葬コンサートにふさわしいものでした。

 

 恥ずかしいことに涙しながら、その言葉の意味するものを噛みしめ聞かせていただきました。皆様にもその歌詞をご覧いただきたいと思います。特に、60歳以上の方には是非とも・・・・。

 



 まことに僭越ではありますが、この小椋佳さんの歌詞を拝借して私自身も



   『 私の人生に関わったすべての方々に ありがとう!』



                 と皆さまに申し上げたいと思います。





 今回の投稿は、仕事関係抜きになりました。今朝の 『 マッサン 』 を見て、つい感傷的になり、小椋佳さんまでの話になってしまいました。予定していた今月のテーマは 『 ビジネスは、価格に生きて、価格で死ぬ!』 という内容にしていたのですが・・・・。



 次月号で、春の勉強会のおさらいと商品価格値付けの大切さについてお話させていただくことをお伝えして今月の投稿を終えたいと思います。



今月もご覧いただきまして誠にありがとうございます。



                 それでは、ごきげんよう さようなら

2月号 『 お客様目線でビジネスモデル構築 』  Vol.73

2月号 『 お客様目線でビジネスモデル構築 』  Vol.73



   みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。



 さて2月も残すところ僅かとなりましたが、この時期になりますとTVや雑誌・新聞でよく取り上げられてくるのが、『春の訪れ』 という文言や様々な話題となります。特に太平洋側の各地区でのウメや菜の花の開花情報、そしてあの嫌な花粉や黄砂の飛来と、毎年同じ繰り返しの中で季節が巡ってまいります。



 身近な所では、奈良の東大寺二月堂の 『お水取り』 も春の訪れとして確か3/1~14日までの期間で 『本行』 が執り行われます。そしてクライマックスは、3/12の 『 お松明 』 です。

 

 そして、この催事が終わるといよいよ 「 暑さ寒さも彼岸まで 」 と言われている春のお彼岸へと移ってまいります。そこで次なるは、『 近くて便利 まちギフト まかせて安心 まちギフト 』 となる訳です。東大阪店では、今年のお彼岸ギフトにかなり力が入っております。2015年の年間ギフト強化のため、ここから好スタートを切りたいと思います。



         “ 冬来たりなば 春遠からじ ”



 自然の摂理もそうですが、ビジネスも人生もそうありたいと常に信じながら頑張っております。





 さて本題に入る前に、前月号でお話ししておりました東大阪店のたばこ販売免許取得による店舗改装が先日終了いたしました。オープン冷蔵ショーケースの一部撤去や玄米工房・焼酎玄人売場の変更など全面的にレイアウト変更いたしました。



 其々のカテゴリー売場にちょっとオーバーですが、今年の東大阪店の商品戦略を意識した売場へと展開いたしました。すぐには、なかなか結果がでませんが、大きな意味で
『 専門性と伝える力の強化 』 をテーマといたしました。

 

 

 ちなみに、間違いなく売り上げに貢献するであろうタバコの年間売上目標は、初年度1000万円といたしております。ただ私自身タバコを喫煙しませんのでタバコに関してまったく無知でありますので、この機会にタバコについていろいろと考えてみました。



 みなさんご存知のように、タバコとお酒は同じような境遇にあり、それぞれタバコ税・酒税が課せられております。またその上に消費税まで課税されて常に2重課税の状態になっております。それゆえ特にタバコについては、商品価格よりも税金の方がはるかに上回る価格体系になっています。いわゆる税金の塊りのような商品という訳です。



 さらに、近年医療費の増大に苦しむ政府の考えに伴い、予防医学との観点から国主導で禁煙を推進しているため、我々の酒類業界以上に消費量の激減がおきている状態であります。確かにお酒の場合、飲酒運転や未成年の飲酒防止の立場から必ずしも良いイメージはありませんが、うまく飲酒すれば
『酒は百薬の長 』 とも言われますし、人と人とのコミュニケーション作りには欠かせない存在であります。

 

 しかし、タバコは 『百害あって一利なし 』 と言われ続けております。私もそう思います。しかしながら、そうも言いながらそんなタバコに東大阪店の利益貢献を期待している自分自身に複雑な思いを感じております。 でも、いいんじゃないでしょうか、難しく考えないようにしていきます。



 ちなみに一昨年の国の歳入における租税収入は、43兆960億円でした。そのうち、酒税の歳入は1兆3470億円、タバコ税は9910億円でした。また、全国の喫煙率は男性30.3%・女性9.8%・男女計19.7%という事で、禁煙化は推進されておりますが現在5人に1人は喫煙されているという状況です。





 さて本題に入りまして、今月のテーマは 『お客様目線でビジネスモデル構築 』 とさせていただきました。ちょっと仰々しい言葉になっていますが、来る 3/17 の 『春の勉強会 』 においても討議される課題でもあります。



 と言いますのも、これだけ多様化する消費者のニーズへの対応や大手競合店の出現、寡占化する流通小売業の台頭など、この厳しい環境下私どもの立ち位置のあり方がぶれないよう再度加盟店の皆様と確認する必要性に迫られております。



 話しは変わりますが、2月の初めごろ和歌山の江川さんとお会いした折、江川さんの方から 「井上さん、先日アメリカの家電量販店大手ラジオシャックとかいう会社が潰れたの、知ってる?」と聞かれました。何のことか、全く分からず 「ラジオシャックって、何者?」 と逆に聞き返しました。

 

 江川さんから聞くところによりますと、日本でいうヤマダ電機のような会社で全米で4400店舗展開している全米業界第2位の家電量販店チェーンという事でした。ちなみ日本におけるに業界第1位のヤマダ電機の店舗数は、確か全国で900店舗ぐらいだったと思います。



 早速、日経新聞のネットで調べてみると次のような記事が出ておりました。



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【ニューヨーク=杉本貴司】 「米家電量販専業2位のラジオシャックは5日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用をデラウェア州連邦破産裁判所に申請し、経営破綻した。負債総額は13億8700万ドル(約1630億円)。米国ではネット通販の普及で家電量販店の顧客離れが進んだ。専業大手が相次ぎ破綻し、残る大手はベストバイだけになった。

 近年はネット通販の普及が価格競争に火を付け、家電量販店の体力を奪っていった。米調査会社カンター・リテールによると、米国では昨年に家電購入の25%がネット経由だった。

 ラジオシャックは「固定ファン」が多く、差別化を図ってきたが昨年春に経営難が表面化。当時、全米に約4400あった店舗網の4分の1を閉鎖するリストラを表明したが、昨年9月に資金繰りに行き詰まった。存続に向けて複数の金融機関と交渉を進めたが、再建のメドが立たなかった。」

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 時代の流れと申しますか、やはりネット通販の威力に白旗を揚げたという事です。ネットショッピングの急成長で、『ショールーミング 』 と呼ばれる新しい消費行動にラジオシャックのようなリアル店舗が対応できなかったという事です。



 今年の1月に末娘がダンナと一緒に我が家に孫を連れて遊びに参りました。孫二人は、女房が預かり二人はドリーム東大阪店の近くにあるJS電機に冷蔵庫を買い替えるために出かけました。私は同行しませんでしたが、あとから二人に買い物内容を聞きますと、思わず愕然といたしました。



 『 ショールーミング 』 なのです。身近にこのような購買行動を見ますとやはり時代が変わってきたと痛感させられました。内容は次の通りです。



 まずは、目当てのメーカーや機種をネットで下調べ、そしてJS電機でその商品や同じような他メーカーの商品を品定め、さらにはJS電機のスタッフにその商品のスペック(機能)などを説明してもらい、最終的に価格をメモって取りあえず帰宅。

 

 大体その先はお分かりだと思いますが、ネットでその商品の型番などを検索して価格を確認。案の定、JS電機より10%ほど安価で購入。下取りも問題なく対応してもらい、さらにアフターフォローも万全。『人の褌(ふんどし)で相撲を取る 』 とは、この事だとつくづく娘の厚かましさに感心させられました。



 まさしくJS電機の売場をショールームに利用して、さらに詳しく使用法まで聞いて・・・・、スタッフの給料は誰が払ってるねん! と叫びたくなります。

 

  アメリカで起きている流通変革と淘汰は、必ず日本にもやってまいります。しかもスピーディに・・・。第1位ヤマダ電機・第2位ビックカメラ・第3位エディオン・第4位ケーズデンキ・第5位ヨドバシカメラ・第6位上新電機・・・、どこの企業が退場を余儀なくされ、どこだけがどのような形で生き残るのか、今後の家電量販業界の構図をしっかりと見ながら私どものお店の参考にしていかなければなりません。



 ネット通販大手のアマゾンは、今春より酒類の直接販売に乗り出します。例えば、スーパドライ350ml 2ケース 8500円、のどごし350ml 2ケース 4800円で無料配達。しかも翌日に玄関までお届けし、支払いはカードでキャッシュレス。さらには、取扱い酒類アイテムが数千種類、そんな時代がもうすでにそこに来ているのです。



 だからと言って、まったくドライやのどごしが売れなくなるのかと言うとそうではありません。それなりの売り方があるのです。しかしながら、ドライやのどごしだけで飯が食える時代は終わったという事です。低価格商品プラス高付加価値商品や高付加価値サービス、いわゆるハイブリッド戦略の構築が急務となります。

 

 しかも、アマゾンが、楽天が、その他ネット通販業者の苦手とするところの分野でビジネスモデルを構築することが重要となります。そのためには、戦う土俵を変えるそのキーワードを探索していかなければなりません。例えば、 『 まちギフト 』 のキャッチコピーであります “ 近くて便利 ” “ まかせて安心 ” “ 相談できる ” などなど、少しの工夫を駆使することでモンスターと共生できる事は可能となります。



 最後に、加盟店様一店一店の精度と情熱を高め、常にお客様目線で変化に対応できる集合体であることを目指して日々精進されんことをお願い申し上げまして今月の投稿を終えたいと思います。



    今月もご覧いただきまして誠にありがとうございます。



      それでは、ごきげんよう さようなら

1月号 『 変化への対応と基本の徹底 』  Vol.72

1月号 『 変化への対応と基本の徹底 』  Vol.72



   みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。

 さて1月も、この間正月休みが終わったかと思うと、あっという間に2月に入ろうとしております。昨年12月のバタバタ感とは打って変わって毎年の事ですが、ゆっくりとした1月です。



 そこで先日2日間の連休を頂いてカミさんと共に今話題のウィンターイルミネーション 『 なばなの里 』 に行ってまいりました。旅行社のバスツァーに便乗して出かけたのですが、なかなかロマンティックなもので

65歳の老夫婦と言えども、あの光のページェントには感動させられました。

 

 また近くには、長島温泉や大型遊園地スパーランド、そしてアウトレットモール『ジャズドリーム長島』があり、それぞれの施設にもいきましたが、平日でありながら満員御礼の状態でした。昨今、格差社会がさらに進行していると言われておりますが、このような大型商業施設の盛況ぶりを見ておりますと我々の現場とのギャップをしみじみと感じさせられました。

  

 さて、今月のテーマは 『 変化への対応と基本の徹底 』 とさせていただきました。その内容につきましては、後ほどお話しすることといたしまして、まずは皆さま、昨年末から今年に入っての各店の業績は、いかがなものでありましょうか? 



 昨年の日経平均株価の推移を目安に『アベノミクス効果で好景気 』 と巷では言われ続けてまいりましたが、我々の酒販小売業界では昨年に引き続き今年もアゲインストの風が吹き、しかも北西の寒風が吹き荒れております。

 

 昨年春の消費税増税後、消費者の財布の紐はさらに固くなり、最近の日経流通新聞の記事によりますと、内閣府の試算では、増税後の半年で消費は約1兆円も縮んだとありました。円安効果で絶好調の輸出関連大手企業の好景気とは裏腹に我々のような零細な小売業が消費の冷え込みに苦しんでいるのが実情ではないでしょうか。



 そこで、そのような厳しい外的環境の中で我々ドリーム・酒匠米匠チェーン各店は、今年どのように諸問題を解決し、現状を打開していくのかが問われる1年となってまいります。本部としての本年の行動方針としては、来る3月17日(火)に新大阪にて開催される 『春の勉強会 』 にて皆様方にご提案させていただく予定となっております。

 

 それに先駆けて、先日直営店舗でありますドリーム東大阪店の今年の営業方針について、現場スタッフ共々打合せを実施して 『 昨年の振返りと今年の課題 』 について話し合いをいたしました。今月は、その会議の内容について皆様方にお伝えいたしたいと思います。



まずは、東大阪店の昨年2014年の売上高・粗利益額等の推移ですが、下記の数値表をご覧いただきたいと思います。

 

 ドリーム東大阪店の昨年業績は、減収減益という事で残念な結果となってしまいました。ただ幸いにして経費面にて約140万円の削減がありましたので何とか営業利益は黒字となりました。(2013年は、冷蔵庫や電飾看板の修理費がかさみました。)



 しかしながら、春の消費税増税対策や増税後のビール系飲料の販売価格値下げ等の価格戦略失敗のため、全体の粗利益率目標15.0%としたものが、結果13.9%となってしまいました。ただ、下半期におきましては、お中元・お歳暮ギフト売上増や店頭精米の粗利益率アップのため、総粗利益率も14.5%までにカイゼンすることが出来ました。



 そこで、東大阪店会議におきまして私が提出しました 『 昨年の振返りと今年の課題』について をご覧いただきたいと思います。

        拡売版はココをクリック(PDFファイルが開きます)

 今年の春から東大阪店では、様々な取組みにチャレンジします。まず営業時間を朝10:00~夜10:00までを朝9:30~夜9:00へと変更いたします。当然売上高に影響してきます。夜9:00~10:00までの一時間当たりの年間売り上げは、550万円あります。粗利益率15%として粗利益額83万円。この金額は、100%消失いたします。



 ただし、一時間の経費1300円(人件費・電気代等)×364日として約47万円が経費削減となります。それでも差引36万円の減益となります。このマイナスをどうカバーして更には増益に繋げていくのか、その真価が問われます。



 話しは変わりますが、先日、本部の木学くんが下記の本を購読し、彼から 東大阪店の段上店長に貸し出しされ、さらには松藤 チーフへと、そして最後に私が読ませていただきました。

    

 180ページほどのマンガを取り入れた読みやすい本です ので、集中して読めば、約1時間ほどで読みきれます。

 ただし、内容は非常に大切な事を解説されており、加盟店 の皆様にはゼッタイにお奨めの一冊です。

 よくぞ木学くん、見つけてきてくれたことです。そして、その 本の中にセブンイレブンの企業ビジョンの言葉として  『変化への対応と基本の徹底』 が解説されておりました。

 さっそく東大阪店では、本部からの提案された2015年の 年間スローガンとは別に、東大阪店としての店舗ビジョンと して、そっくりそのまま拝借して事務所内に掲示することと いたしました。

 



このスローガンのポイントは、二つです。 ( 書いてる内容の通りですが・・・・。)

 

 ②の基本四原則のフレンドリーとクリンニネスについて、東大阪店では昨年からスタッフが常に意識することで、現在はほぼ実践できてきていると評価しています。実際に接客について、お客様からのクレームもなく、逆に喜んで頂く場面が多々出てまいりました。



 ただ、飲料水・お菓子やギフトに関しての鮮度管理、いわゆるフレッシュローテーションの徹底がまだまだ不十分で課題が残っています。今年は、この部分を検証してなぜ廃棄や見切りが発生するのかを見つけ出し、カイゼンしていきたいと思っております。⇒適正発注と日付管理



 次に、①の変化への対応 です。この部分が、今年東大阪店がチャレンジする最大の課題です。消費者ニーズの変化や買い物動向、そして日本全体の政治・経済・社会・文化の変化に対応するため、私どもが標榜する地域密着型の店舗のあり方について当然のことながら常に変化していかなければなりません。そして、それが次なる進化へと繋がってまいります。

 

 ドリームチェーンが発足して20年余りとなります。その間まだまだ不十分ではありますが、世の中の変化の中で当チェーンのあり方も進化してきたとそれなりに自負しております。しかしながら、現在の流通業界の変化のスピードや規模の大きさは、今までのそれとは比べようもないものとなっております。



 時間がありません! これからは、自店の経営・営業活動の中で、 『ジリ貧状態 』 という言葉はあてはまりません。スピードが速くなっています。結果は、この4~5年の間に必ず出てまいります。 

 

 そこで東大阪店が今後生き残っていくにあたって、まず今年チャレンジすべきいくつかの事案をお話ししたいと思います。まず結論としてあげられるのが、粗利益率の向上です。当然、売上や客数を増やすことも大事ですが、優先順位としては、既存客への高粗利益率商品の提案、そのための商品知識・販売技術の習得、媒体ツールの多様化など商品価値を伝えることのできる販売形態に移行させていきます。



 そのために、段上店長はじめ各スタッフ(パートの堀井さんも含む)の研修会への参加や定期的なミーティングの実施など、販売員のスキル向上を促進していきます。またPDCAサイクルに基づいた販売手法も身に付けることにより数値での分析を自らが実施できるようにアドバイスしていきます。

 

 そして何よりも仕事が楽しくなってきます。営業時間が一時間短縮した部分をスタッフが成長するための時間づくりに費やすことを目的とした場合、将来的に必ず価値ある一時間になると信じます。これが次なるチャレンジではないでしょうか。この厳しい世の中、そんなにうまくはいくものではありません。ただ変化を好まず、ジッとしていては、『座して死を待つ 』 のみです。



 次に商品戦略的にチャレンジするのは、やはり高粗利益商材の日本酒・ワイン・店頭精米、そしてギフトです。今まで本部からも言われ続けてきたカテゴリーでありますが、今よりもさらに本腰で、そして一工夫も二工夫もしながらお客様への提案力を高めていきたいと思います。

 

 さらに販売戦略としては、店売りと外販との比率バランスです。現在、東大阪店では80:20の割合ですが、5年以内には50:50に移行させていきます。そのためには、新規宅配顧客開拓のため、月末折込チラシの内容を店売り中心から、宅配推進バージョンに変化させなければなりません。



 ちなみに、東大阪店の昨年の店売り売上の平均客単価は2,917円、外販宅配売上の客単価は8,844円でした。ここにも、外販強化の魅力が垣間見ることが出来ます。ただし、皆さまもご存知のように宅配コストを考えた場合、最終利益がどうなるのか、という事になります。配達の効率化、チャレンジ目標です。



 ひとつひとつ考え出すと限りない課題が噴出してくる訳ですが、何か先の見えない漠然としたチャレンジであれば、どうしても不安が伴います。そのため、アクションを起こすことに躊躇して最終的には何も行動が起こせないという構図に陥っている部分がどうしても見え隠れします。



 今年の東大阪店は、違います。列記としたビジュアルな目標店があります。それは、皆さまご存知の兵庫県三木市の酒匠米匠津田本店様であります。近隣に強力なコスモス薬品2店に挟み撃ちされて、さらにはジャパンなど有力競合店に囲まれる中で、微増と言えども今もなお増収増益を続けておられます。

 

 それでは、どのようにして津田本店さんでは、大手競合店と戦われているのでしょうか? その内容を細分化し、いくつかのパーツに分けていく。そして、その全てでなくても自店に取り入れる部分があれば、拝借する。東大阪店では、津田さんの了解を取らずに勝手にそう解釈して今後の商売の課題とさせていただきたいと思っています。 津田さん!よろしく!



 そして、いずれは逆に津田本店さんから目標とされる店舗になれるようスタッフ一丸となって、お客様変化対応型のお店作りにまい進してまいりたいと思います。



 昨年のある会議の中で和歌山の江川さんが、「今後地域で商売していく中で発想の転換をしていかなければならない。今までは近隣の競合店のチラシ価格や動向を気にしていたが、今後は地域に居られる大事なお客様を常に意識して、お客様満足を実現するためにどのような業務活動をしていくのかを真剣に考えなければならない。競合店との差別化ではなく、お客様を見据えた独自化が重要!」 とおっしゃっておられました。



 まさしく津田本店さんは、その路線を確信し、明確なビジョンをもって楽しくお仕事をされておられると拝察いたします。そしてここで、先ほど申し上げました津田本店様の活動内容の詳細については、来る3/17日(火)の
『春の勉強会 』 にて発表いただく予定となっております。



東大阪店ともども各店の皆様方におかれましても、当日の津田本店様のお話を参考にされ、今後の販売活動の一助となりますようご案内申し上げまして、2015年冒頭の投稿を終えたいと思います。



      今月もご覧いただきまして誠にありがとうございます。



            それでは、ごきげんよう さようなら

12月号  『 2014年を振り返って・・・ 』  Ⅴol.71

12月号  『 2014年を振り返って・・・ 』  Ⅴol.71

みなさん、こんにちは!いよいよ今年最後の徒然日記を投稿したいと思います。




 さて今年も残すところ、あと数日といったところですね。各店では、本日から大晦日までの予定で年末特売チラシを配布されているところも多々あると思います。いよいよ最後の追い込みといったところですかね。



 東大阪店でも12/25~12/28までの4日間歳末大売り出しのチラシ配布の予定としております。また、12/25・12/26の両日は、ガラガラ抽選会のイベントを催す予定となっております。消費者の節約志向が蔓延する中で、何とかお客様の財布の紐を少しでも緩めて頂けるよう盛り上げていきたいと思っております。



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 さて12/3に月刊情報誌 「日経トレンディ」が、 『 2014年 ヒット商品ベスト10 』 を発表いたしました。毎年恒例のこの発表内容は、日本全国で2014年に発売された商品やサービスを 「売れ行き」 「新規性」 「影響力」 の3つの項目で総合的に判断し、それぞれのヒットの度合いを評価し、ランキング集計したものであるらしいです。私たちの業界には、それほど関係するものは見当たらないようでしたが、この1年を思い起こしながら振り返り参考にしていただきたいと思います。





 そして、国内外で発生した2014年 10大ニュースとして取り上げられた事としては、4月の消費税8%スタートから始まり、STAP細胞論文の改ざんや広島の土砂災害や御嶽山の噴火によって多数の犠牲者が出た事、ノーベル物理学賞に青色LEDを開発された3人の日本人教授が受賞したことなど、悲喜交々な事がございました。


 


 また、政治の世界においては、年末の衆議院解散に伴う国政選挙実施、アベノミクスの評価賛否両論、私の危惧する安倍内閣による集団的自衛権の限定容認、そしてお笑いなのは政務活動費を巡る兵庫県議による号泣会見など、政治家に対しての不信感が募る1年であったと思います。

 


 さらには、スポーツ界においては、冬季オリンピックでのレジェンド葛西紀明さんの銀メダルやフィギュアスケートの羽生結弦さんの不慮のケガを克服してのファイナル優勝、世界4大大会のひとつ全米テニスで錦織圭さんが準優勝、また楽天の田中投手が移籍先のヤンキースで活躍したことが挙げられるでしょう。


 


 そして、芸能関係では、高倉健さんと菅原文太さんの逝去がショックでした。特に高倉健さんについては、生前NHKのドキュメンタリーで特集が組まれたときにカミさんと二人でテレビを見ながら、高倉さんの人生ドラマ・その生き様に感動したものでした。人間として軽薄な私が、寡黙で重厚な高倉さんに憧れもしました。スゴイ人は、やっぱり凄いなーと感じさせて頂いた昭和・平成の時代を生き抜いた偉人でした。心からお二人のご冥福をお祈り申しあげます。





 さて、ドリーム・酒匠米匠チェーンの10大ニュースと言えばちょっと大げさですが、今年もいくつかの出来事がありました。何といっても今年の話題NO.1は、『まちギフト』のパッケージスタートといったところでしょう。ご存知、名付け親は和歌山の江川さんです。



 今春の勉強会で、『近くて便利まちギフト』 『まかせて安心 まちギフト』 をご披露させていただきました。あれから約10ケ月。何とチェーン全体でのギフト売上高は、昨年対比140%という成果が出ております。詳しくは、2015年の各地区エリア会議にて分析及び報告させていただく予定となっております。

 


 そして、恒例の2015年春季勉強会は3月17日に新大阪駅前の新マルビル大会議室にて開催することに決定いたしました。本部スタツフ一同、準備万端のうえ実りある研修会にしてまいりたいと思っております。




 また、過日の本部会議にて2015年の行動スローガン及び春季勉強会のテーマが下記の内容にて決定いたしました。

 

 

 今回のスローガン及びテーマ決定の背景には、本年各店の皆様が拡売されました『まちギフト』を強化するに当たり、越えなければならないいくつかのハードルが見えてきたことにあります。その部分を来年は更に具現化することを努力目標にされ、次なる時代への生き残り策としていただきたいと思っております。

 例えば、自店の健康診断をご自身で実施できるように数値の洗い出しと分析・検証を明確にすることです。特段難しく考えることではなく、ごくシンプルに売上高や利益額を弾き出し、その数値を昨年対比や他店対比することにより、何が良くて何が悪いのか、その原因を見つけ出し、そして今後どのようなカイゼンを成さねばならないのかを知る必要があります。




 ここで、ひとつ問題を投げかけてみましょう。先月号でも、ご案内しましたように現在ドリーム東大阪店では、冬ギフト販売実績が順調に推移しております。11/1~12/20までの冬ギフト売上額 昨年対比120%、粗利益額では130%となっております。これから、お年賀ギフトの需要となりますがおそらく同じような推移だと思われます。しかしながら、2014年全体のカテゴリー構成はどうだったでしょうか。そこで今年初めの1/1~12/20までの約1年間のPOSデータの一部を下記の表にまとめてみました。

 

 果たして、上記の数値構成配分は、健全な数値であるのかどうか?売上高全体の50%を占める『低価格系酒類カテゴリー』の利益貢献度は、全体の20%でしかありません。残り半分を占める他のカテゴリーで全体の80%の利益を創出しているのです。

 

 決して『低価格系酒類カテゴリー』 に旨味がないとは申しません。 『薄利多売』 という特質を持つこのカテゴリーが来店及び宅配の客数を呼び込んでいる訳ですから、重要なカテゴリーであるのには間違いありません。ただ、大手の競合店がひしめくこの時代に、このカテゴリーと他のカテゴリーとの販売割合が重要なファクターとなってくるのです。



  2015年は、どのカテゴリーをどのような目標数値として業務活動していくのか、把握する必要があるのです。そのような定量的な目標設定の中で来年は、もう一歩前に進み、数値を意識することが急務であると思います。そして、それを形にしていく事で必ずお店の財務内容は改善されていきます。




 詳しくは、3/17 (火) の春季勉強会にて学んでいただきたいと思います。



 さて、私の今年の出来事ベスト1 は、『東大阪店現場従事』 と言えます。この件に関しては、今年の各月徒然日記でも度々ご紹介いたしておりますが、原点回帰という観点からもこの選択は本当に正しかったと実感いたしております。



 確かに体力的にきつい部分もありますが、私の仕事及び人生において『現場に始まり、現場にて帰結する!』 という信念で今後とも頑張ってまいりたいと思っております。そして、全国の現場仲間と共に来たるべき時代のあるべき店舗像をこれからも模索してまいりたいと思っております。



 さて、あと10日ほど致しますと新年恒例の 『箱根駅伝』 が開催されます。毎年テレビで学生諸君の頑張りに、そしてその筋書きの無いドラマに感動させられます。なぜなら、そこにはたくさんの人々の人生の縮図があるからです。


 



 仲間とのタスキをつないでいく連帯感、辛い上り坂でのあきらめない気持ち、良い意味での勝ち負けにこだわる負けん気根性、沿道で彼らに声援を送る人々など、全てが人生のあり方そのものであると思うのです。



 そして、近ごろ年を取った私が近年その中で彼らから教えられる大事なことが一つあります。



 それは、『下り坂の走法』 です。今後、私個人のみならず日本の社会・経済が間違いなく『ダウン・トレンド化』していく事は避けられないでしょう。原因は、国際競争力の低下や人口減少など様々な要件はあります。しかしながら、、これから大事なことは『右下がり』 という事実を真摯に受け止めて、それに対してどのように対処していくのかという覚悟なのです。



 かつて、2009年の三月号の徒然日記で五木寛之さんの『人間の覚悟』 でご紹介させていただきました『下山の哲学』 をまさしく今学ばなければなりません。(2009.3月ココをクリック) ・・・ずいぶん昔の徒然日記です!!(^_^;)

 


 酒類業界も右下がり、個人消費も右下がり、株価もそのうちにリバウンドして右下がり、増税による実質所得も右下がり、全てが右下がりの時代に突入していく訳です。2014年最後のコメントが右下がりの話をして暗い雰囲気となりましたが、問題はここからです。



 そこで、箱根駅伝の『下り坂の走法』 なのです。地球の重力にまかせてただ漠然と下っていくのではなく、全力疾走で走り抜ける。しかも、ガムシャラに走るのではなく、計算されたピッチ走法で駆け抜けていくのです。そして、その先にある目標へ到達するために走り続けるのです。


 

 私もそうありたい!残りの人生を単なるやりがいという自己満足的な仕事観で現場従事するのでなく、次なる新しい創出感のあるものを成し遂げていきたいと思っております。それが、全国の加盟店様や自社の社員たちに恩返しできる最後の仕事であると自分に言い聞かせ、自分自身を鼓舞しております。



 最後になりますが、来る2015年も皆さまのお役にたてるよう全力疾走でダッシュすることをお約束いたしまして、2014年の投稿をこれにて終了させていただきます。



 今年も徒然なるままに他愛無い内容で書き綴ったことと思います。それにもかかわらず、この一年ご覧いただきましたこと厚く御礼申し上げます。



 来る年も世相の流れとともに業界のお話しや消費者の動向、さらには私なりの座学について深掘りしながら語ってまいりたいと存じますので今後ともよろしくお願い申し上げます。



  それでは、みなさま良いお年を!!そして、来年もよろしく!!

  ごきげんよう さようなら

11月号『 丹波・但馬地方 産地研修を終えて・・・ Part2 』Ⅴol.70

11月号『 丹波・但馬地方 産地研修を終えて・・・ Part2 』Ⅴol.70



 みなさん、こんにちは!今月も徒然日記を投稿したいと思います。

 

 いよいよ今年もあと1ヶ月となりました。『光陰矢の如し』 と申しますが、本当に2014年もあっと言う間の1年であったように思います。この1年の総括は、12月号でしっかりとご紹介させていただく予定ですが、今思うになかなか充実した内容の濃い1年間であったと実感しています。



 と申しますのも、今年年初から直営店舗でありますドリーム東大阪店に従事したことに起因いたします。まだまだ本格的に現場従事とはなりきれていませんが、本部の仕事を兼務しながら、20数年ぶりにレジ打ちしたり、配達したり、リフトに乗り倉庫での商品の出し入れなどの仕事をこなしてまいりました。

 



 そして、何よりも東大阪店にご来店されるお客様との接点が増えることにより、接客の楽しさと難しさを体験させていただいております。さらには、改めて現場従事者の大変さも理解しながら、毎日一緒に段上店長や松藤チーフ、そしてパートの堀井さん、さらには大学・高校生のアルバイト諸君等、スタッフ全員と良い雰囲気で働いております。



これで、売上が順調に伸びていたらね最高なんですがね!現実は、そううまくはいかないのが世の常です!まあ、そちらの方はコツコツと頑張るしかないですがね。ただ、そんなに悠長なことはいっていられない状況下でもありますが・・・。



 しかし、毎日元気で楽しく仕事が出来るのは幸せなことだと思います。と同時に私を支えて頂いている周りの人すべてに感謝の思いでいっぱいです。そして、この体験と成果を再度チェーン全体にフィードバックして各店への次なる目標事例へと繋げていければと願っております。どうぞ、ご期待ください!

 



 話は変わりまして、今年の冬ギフトの出足は?といいますと、東大阪店では順調な動きを見せております。先日も、今年の夏に新規でお中元ギフト150セットお買い上げいただきました法人のお客様が、ご来店いただき何と100セット増えて257セットご注文いただきました。金額にして、約35万円、ヤッタね!



 ただ、会社へギフト全てを11/30までのお届けなんですが、包装が大変!何と贅沢な悩みだとおっしゃるかもしれませんが、私自身の性格上寡黙にコツコツと作業することが本当に苦手なんです。しかし、そこはプロの商売人、スタッフの誰にも負けない速さと丁寧さで大口包装をこなしていきます。ちょっと自慢していますが・・・。(笑)



 今年の冬ギフト包装総数は、おそらく 2500個 ( 昨年対比120%) は超えると予想しています。1日100個が25日間続くわけです。風邪などひいてられません!老体鞭打って頑張りたいと思います。本音のところ、忙しいことは大歓迎で、気合が入って疲れなど本当に感じないのが不思議な位です。そうです、まだまだ若いもんには負けられまへん!



 さて、大阪のおっさんのしょーもない話は、この辺にして前回の続きであります 『 丹波・但馬地方 産地研修を終えて・・・ 』 の探訪記Part 2 をお話ししたいと思います。

 



 前月号では、有機肥料にこだわる宮垣さんのお米をご紹介して終わりましたが、その後松葉ガニで有名な香住漁港手前の 『香住鶴福壽蔵 』 へ車で移動いたしました。酒蔵視察は、かつて鹿児島県南さつま市の本坊酒造株式会社津貫貴匠蔵へ訪問して以来10数年ぶりの事でした。

 



 現地では、福本専務、松本杜氏、森上営業課長にわざわざお出迎えをいただき、福本専務より会社概要や酒蔵の歴史等をご挨拶を兼ねてご説明頂きました。その後、参加者全員手洗いの後、ヘヤーキャップ着用し、いよいよ 『福壽蔵』 見学スタートです。

 



 香住鶴さんのお酒の特色は、すべての商品が生もと・山廃造りであることです。生もと造りとは、江戸時代から続く酒造りの伝統技法で、櫂を使って米と麹をすり潰す 「山卸し」 という作業を行う事です。そして、発酵力の強い優良酵母を育て、天然の乳酸菌や微生物の力によって、奥深いふくよかな味を醸し出し、約1ヵ月の日数と手間をかけて日本酒本来の風味を造り上げることです。



 また、「山廃造り」 とは、上記の工程の中で 「山卸し」 を荒櫂や暖気樽入れをもって代行し、廃止する技法だという事です。私自身、親の酒屋を継いで以来、何十年となりますが、日本酒についての知識はまったく無知でございまして、改めて今回の見学で日本酒についての奥深さを感じさせていただきました。

 



 さてここで、私のように日本酒を販売しながら、まだまだ不勉強の方々に 「日本酒の出来るまで」 の製造工程を図式化した資料を見つけましたので、ご紹介いたしたいと存じます。基本的な工程でございますので、あらためて復習を兼ねてご覧いただきたいと思います。
『釈迦に説法』 となりましたら、ご容赦いただきたいと思います。

 
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 今回の酒蔵見学は、かつて私が経験してきた蔵見学の中で一番勉強になったものでした。各工程を懇切丁寧にご説明頂きました。そして、上記の図式通りにその工程一つ一つを詳しく杜氏の松本氏より聴講し、最後の瓶詰め工程の説明にて終了いたしました。



 そして、いよいよ次はお楽しみの香住鶴各商品の試飲会となります。一番価格のリーズナブルな「山廃仕込 但馬の誇り」から始まり、「山廃 大吟醸」 まで10アイテムほど、テイスティングさせていただきました。



 余談になりますが、実は今年のお正月に家内と長女三人で香住鶴さんの近くに位置する城崎温泉に行ってまいりました。その際、旅籠でカニ料理と一緒に出された冬季限定の香住鶴「しぼりたて 山廃 純米生原酒」 がカニとのマリアージュで抜群に美味しかったことを覚えています。

 



 今回の酒蔵見学の試飲で一番楽しみにしていたのが、その「しぼりたて」でした。しかしながら、冬季限定という事で、商品化が一ケ月後というお話しでした。残念!!ただ、その時に試飲させて頂いた「山廃 純米原酒 二夏越え ひやおろし」 がこれまた大吟醸よりも旨かったぁー。 まるみがあって、しかもコクがある。いろんなお酒に出会えるのは、本当に楽しいもので驚きでもあります。



 さらに驚かされたのは、約一時間の見学が終わり、香住鶴 「福壽蔵」 からの帰りぎわ、福本専務より参加者全員にその「ひやおろし」をお土産に用意して頂いたことでした。さらには、「香住鶴 酒 大福餅」 まで添えていただきました。

       


 本当に、何から何までのお心遣いをいただいた事に感激いたしました。これこそ、まさしく「お・も・て・な・し」の心という事ではないでしょうか。創業290年の歴史を形成しているものは、単なる酒質だけのものではなく、そのクォリティを支えるスタッフ全員の情熱とおもてなしの心にあるのでは、とその社風と文化性に感じ入りました。



 今回の酒蔵見学は、いろいろな意味で勉強になるものでした。ちなみに東大阪店では、さっそく香住鶴コーナーの売場を作り、お客様に今回体得した造り手の思いを伝えることにいたしました。何と結果はすぐに出てまいりました。香住鶴販売金額 昨年対比 200% という11月の実績が、はじき出されました。

 



 まだまだ、基礎数が小さいこともありますが、日本酒担当の松藤チーフの努力の甲斐あって好結果に繋がりました。さらに驚いたのは、香住鶴に引っ張られて地酒全体の伸び率が140%、さらになぜか低価格パック酒までが110%、日本酒全体では、昨年対比 125% の伸び率となりました。店舗全体の売上が昨年対比95%、客数93%の中で日本酒カテゴリーの伸びは、何を物語っているのか・・・。



 ここで、検証すべきことは、造り手の思いの中に 「情熱とおもてなしの心」 が大事ですよ、と申し上げました。われわれ販売する立場のスタッフもその 「情熱とおもてなしの心」 が必要なのではないでしょうか。そして、数字に裏付けされたものとして・・・。目先の売上や利益という数値ではなく、本来の分析管理という重要さを再認識して頂きたいと思います。



 『頑張っている』 というだけでは、ダメなんです。どのように頑張っているのか、そして頑張った結果がどうであったか、数値で検証し、良いも悪いも次に繋げていくことの大切さをご理解いただきたいと思います。



 さて、みなさん次に日々の販売活動の中で、情熱を持って従事されているでしょうか?実は、こういう私も 『NO』 と言わざるを得ません。情熱を持ち続けるという事は、本当に大変な事です。ただ、今回の酒蔵見学で私は日頃忘れていた情熱というものを覚醒させていただきました。



 私は、25年ほど前から酒販業界内のいくつかの組織に加盟させていただいておりました。その中で、学んだ事は組織とはどうあるべきか?そして、組織をどのように運営していくべきか、さらにはそのために必要なシステム化やそれを遂行するためのマニュアル作りに携わってまいりました。



 また、組織の栄枯盛衰もその中で体験してまいりました。そのことが、現在のドリーム、酒匠米匠チェーン運営に活かされてきたと自負いたしております。そして、そのチェーンを西田社長にバトンタッチして4年の月日の中で徐々にその使命と責任を彼に委譲してまいりました。



 今年あたりから、その任務も徐々に軽減され、東大阪店での現場従事に専念できるようになってまいりました。その中で、呼び覚まされたのが 『酒屋スピリット』 でございます。もう一度原点に回帰して今回のような日本酒の商品知識に始まり、接客技術や情報伝達のあり方などを学んでいこうと思っております。



 かつて20年前に宅配専門店のイノウエ酒販が、店舗移転して酒DSという業態で成功を収めました。しかしながら、その 『お酒の安売り』 という成功体験は逆に今の時代に生き残るための阻害となることを自覚し始めています。もちろん、価格でお客様を呼び込むことも大事な要件です。



 しかしながら、今となっては競合同士の低価格競争が業界全体を疲弊させ、減収減益の状況を作り出しているとも言えます。先日の日経新聞によりますと、いつも話題に出ます「コスモス薬品」が、現在近畿2府4県内にある30店舗が、今後10年以内に何と1000店舗に増やす とありました。

 



 このような商環境の中で、われわれチェーンはどのように対策を講じて進化していかなければならないのか。今回の酒蔵見学で何かそのヒントをいただいたように思えます。



 今後の方向性として、言われ尽くした言葉ですが、お客様との密着度の強化、絆づくり、そしてそれを成し遂げるための 『専門性と伝える力』の強化 を常に念頭に置きながら目の前の年末商戦を戦って頂きたいとお願いいたしまして、今月の投稿を終えたいと思います。



 今月もご覧いただきまして誠にありがとうございます。

    それでは、ごきげんようさようなら



 〔P.S〕これより257セットの包装に取り掛かります。ガンバロー!

10月号 『 丹波・但馬地方 産地研修を終えて・・・ 』 Ⅴol.69

10月号 『 丹波・但馬地方 産地研修を終えて・・・ 』 Ⅴol.69



 みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。



 今朝、大阪では今秋初めて最低気温が10℃を下回ったという報道がありました。いよいよ秋深しと申しますか、晩秋の季節となってまいりました。そして、今年も余すところあと二ヵ月になってまいりました。





 この時期から、いよいよ我々の現場においては、『冬ギフト商戦 』 への準備で慌しくなってまいります。昨日もドリーム東大阪店では、昨年お歳暮購入者様へのDM封入が終わり、本日郵便局への発送依頼も完了致しました。既存客発送軒数は、644軒でその中でのギフト発送総個数は1574個でありました。

 

 東大阪店での昨年の冬ギフト販売実績は、個数ベースで店頭お渡しも含めて2021個で、金額ベースでは、売上額504万円・粗利益額103万円でした。今年の目標は、ちょっと強気で昨年対比120%を狙っております。



 といいますのも、今年のチェーン行動スローガンに基づいて、東大阪店では日々の営業活動の中で 『近くて便利 まちギフト』 を連呼してまいりました。連呼といえば、ちょっとオーバーかも知れませんが、本当にギフトカテゴリーに自店の今後の命運を賭けております。

 

 そんな意味でも、今年の冬ギフト商戦に取り組む気合の入れ方は例年以上のものがあります。いよいよ始まるということで、『武者震い』する思いでいっぱいです。空回りしないよう、準備の段階でやるべきことはキチッとやりきって、冬ギフト商戦に突入していきたいと思います。



 そこで、毎年この時期に必ず『徒然日記』に掲載しているデータを今回もご紹介して、私も含めて皆様方に冬ギフト対策について勉強していただきたいと思います。





  【 2014年 冬ギフト商戦のワンポンイト 】



 毎年この時期になるとアサヒビールさんが、外部コンサル会社に依頼して『今年のお歳暮傾向値』としてネット上で発表されております。「ハピ研」(青山ハッピー研究所)というんですが、今年も傾向値を調べて見ますとほぼ昨年と同じようなデータが出てまいりました。昨年のデータをベースに今年のお歳暮商戦の参考にご覧頂きたいと思います。



 まず、「この冬お歳暮を贈りますか?」という設問に対して、60.1%の方が贈答意向があることが確認されました。過去の同時期に実施した調査では、2009年では63.1%、2010年が65.0%、震災のあった一昨年は54.9%とやや意向が下がったものの、この冬は60%台までギフト需要が持ち直しつつあることが伺えるようです。



 このデータから感じ取れるのは、一昨年から本部が提唱する『絆作りマーケティング』の一環としてギフト市場においても、最近では人との絆やコミュニケーションを大事にする傾向も高まっており、身近な家族や友人へのお歳暮ギフトなどを前向きに見直す人々も少なくないようです。

 

 次に世代別についてですが、『贈る予定がある』という声は、若い20代で25.8%と低調であったものの、既婚者の増える30代で39.3%と一気に上昇。さらに40代で44.7%、50代で55.0%と世代とともに徐々に増加し、60代で69.6%70代以上ではピークの69.8%を占めています。

 何と60代以上では、10世帯に7世帯の割合でお歳暮を贈られているわけです。



 このデータから何を検証するのか、そしてどう対策を講じるのかです。我々地域密着型の商いを展開する小規模店舗の実情として、通常どうしても購入単価の低い高年齢層の顧客が中心となっております。ただ、これを逆の視点で捉えてみると、下記のデータ結果から『お歳暮ギフト』は、私どもの店舗においては、顧客(高齢世帯)ターゲットとして最適の商材となる訳です。 『近くて便利 まちギフト』 のコンセプトは、そこのところにあるのです。

 

 さて次は、一家庭あたりの平均贈答件数は、「3.62件」。ちなみに過去の平均贈答件数を振り返ってみますと、2008年が4.04件、2009年が3.96件、2010年が4.18件、2011年が3.99件であったことから、今年の贈答件数はやや減少傾向にあることがうかがえます。最も多かったのが贈り件数「2件」でした。



 やはり、虚礼廃止や節約志向のため、件数減少傾向にあるものの当チェーンにおいて着実に受注件数を増やしている店舗が数店あります。その店舗の活動内容を見てみますと、一家庭当たり一件しか受注できていない顧客に対して、若干のDM費用がかかっても必ず前回お買上リストを送付して受注件数を増やす努力をされておられます。



 ここでも、ギフト好成績店は、やはり新規客獲得活動と同時に、既存客を育てる手法を使っていると推察できます。

 

 そこでくどいようですが、私から加盟店の皆さんに『近くて便利 まちギフト』 をお奨めする理由をいくつか列記いたしたいと思います。

 



そのほか、参考にしていただきたいグラフや表を下記にご紹介しておりますのでご覧いただければ幸甚でございます。



 

 

 

         【拡大画像はここをクリック】PDFファイル



     以上、お歳暮ギフトについての豆知識情報です。 何か参考になりましたでしょうか。





 さて本題に入りまして、今月のテーマは 『丹波・但馬地方 産地研修を終えて・・・ 』 にさせていただきました。



 過日10月20日に加盟店有志の方々及び本部スタッフとで、兵庫県北部に所在する米作農家『宮垣富男さんの田んぼ』と日本酒蔵 『香住鶴 福壽蔵 』 を視察してまいりました。

 

 朝8時集合の夜9時解散のハードスケジュールでしたが、視察内容はとても濃くて充実した研修会となりました。まず、最初に訪問したのが宮垣さんの田んぼでした。あいにくの雨模様で田んぼには入らず、(すでに稲刈りも終わっていましたので・・・) 作業所での説明案内となりました。

 



 ちなみに私の場合、宮垣さんには2年前上記右側のメンバーさん(加盟店様8店舗)と訪問させていただいておりました。前回は、9月後半という事で、鎌で稲刈りしたり、みんなでコンバインを運転させていただいたりで本当にいろいろと楽しく勉強させていただきました。

 

 今回は前述のとおり作業所内で3台連なる乾燥機での玄米乾燥のあり方やこだわりについて、また堆肥場では、宮垣さん独特の土づくりのため、大学の教授との共同研究の中で、そのこだわりについて説明をしていただきました。



 私の場合、酒屋でございますので、そのお米のこだわりや付加価値について、うまく説明できませんので、米紀行「はたやす」さんの畑中氏より、先日宮垣さんでの稲刈り時の現地レポートを頂きましたので、その内容を掲載させていただきたいと思います。

 

 



 

 

 

 



  いかがでしょうか? 上記のこだわりの他にも当日いろいろと貴重なお話をしていただきました。そして、帰り際にはそのこだわりの堆肥で養生した土で育てた無農薬の『丹波の黒豆』を参加者全員にお土産として頂戴いたしました。帰宅してから、早速湯掻いてビールのおつまみで食しました。その美味いこと、最高でしたよ!!



  話は戻りまして、宮垣さんファミリーに参加者全員、研修のお礼を丁重に申し上げ、次なる目的地 『香住鶴 福壽蔵 』 へと向かいました。



 今回の投稿、少し冬ギフトの件もありましたので、長々となりました。そこで  『香住鶴 福壽蔵 』 感動の探訪記は、次回11月号にてご紹介いたしたいと思います。これまた、こだわりの酒蔵さんでして、次回はこの蔵で学んだ事やこの酒蔵訪問をキッカケに、当チェーン内で日本酒担当有志にて日本酒研究会 『日本酒倶楽部 』 を発足させましたので、その活動目的や内容についてお話ししたいと思います。



 



 最後になりますが、今回の産地研修会でお会いした宮垣さん、そして次回ご紹介する香住鶴の福本専務や松本杜氏さん達自ら生産される商品に対する熱い思いをお聞きした時、ふと頭によぎったのは、毎回のように徒然日記にてご紹介しております稲盛和夫さんの言葉でした。



 生産者であっても、われわれ小売業者であっても行き着くところはここかな・・・と思えた今回の産地研修でした。これでまた、上記の方程式の真髄へ少しでも近づけたかなと感じ入りました。



 人との出会いというものは、本当に大切で楽しいものなんですね。これを機にまた気合を入れて今年の年末商戦を頑張っていきたいと思います。

       今月もご覧いただき、誠にありがとうございました。

              それでは、ごきげんよう さようなら

9月号『 商人の魂銀二貫から学ぶもの 』Ⅴol.68

 9月号『 商人の魂銀二貫から学ぶもの 』Ⅴol.68



 みなさん、こんにちは!今月も徒然日記を投稿したいと思います。

 



 “ 天高く馬肥ゆる秋 ”いよいよ日本全国津々浦々に爽やかな秋がやってまいりました。前月号でもお話しいたしましたが、今年の夏のイメージは余り良いものではありませんでしたので、是非とも今秋期は年末商戦に向けての前哨でもありますので質・量とも満足のできる内容にしてまいりたいと思います。



 その先駆けとして、大変嬉しいニュースが昨日入ってまいりました。今夏に酒匠米匠チェーンに加盟されました 『 酒蔵りかこ店 』 (しゅくらりかこてん)様が、9/26 (金) にリニューアルオープンされました。以前は、某大手DSチェーンに加盟されておられたのですが、時代の流れの中でクォリティの高い店舗に変身しなければ・・という強い思いを持たれて我々のグループに参加された訳でございます。



 もちろんビール系飲料を中心とした低価格性も維持しながら、という事でございまして、今秋の全国勉強会にて本部が提唱いたしました『ハイブリッド戦略』、いわゆる安さとこだわりを相併せ持った店舗が誕生したという事でございます。

 



 店舗周辺の商業環境としては、やはり郊外型の小売業が群雄割拠し、厳しい競争に晒されております。今夏には和歌山本拠地の地域スーパー「オークワ」の伊賀上野店が、その厳しさゆえに廃業いたしました。



ただ、自然環境としては、伊賀のコシヒカリの田園風景が連なる、何とも長閑な地域でございます。

 



 オープン後の売れ方も狙い通りのようで、新しく導入した量り売り麦焼酎「どんどこどん」近くて便利「まちギフト」といったような高粗利益商材の購買が促進されているとお聞きいたしております。また親会社であります大田酒造様の付加価値ブランド 「 半 蔵 」 コーナーもアンテナショップとして併設しており(上記画像)、今秋冬の日本酒需要期には、楽しみなアイテム構成となっております。



 今回の新装オープンを起点に地域にとってなくてはならない存在、唯一無二の店舗となりますよう期待して止みません。今後、益々のご繁盛を祈念申し上げます。



 さて、今月のテーマは、『 商人の魂銀二貫から学ぶもの 』 とさせていただきました。



 『銀二貫』 、高田郁 (タカダカオル)さん作の歴史時代小説なんですが、もうすでに読まれた方も多数おられると思いますが、ここであらためてご紹介させていただきたいと思います。ちょっと集中して読めば二日ほどで熟読できる単行本ですが、私にとっては商売に関わる者として大切なバイブル書となっております。

 



 物語の概要としては、江戸時代、大坂の寒天問屋 井川屋の主人 和助が仕入の道中でひょんなことから武家同士の仇討ちを銀二貫で買ったことから始まり、八十二歳で没するまでの商いを通じた生きざまを泣き笑いを取り混ぜて、商人とは・・、人とは・・どうあるべきかを書き綴られております。

 



 大坂商人といえば、淀屋、住友、鴻池、そして三井など、大坂で財を成した大店が代表されますが、井川屋はそうした大店とは程遠いのですが、こつこつと地道に真っ当な商いを通してきた、いわば地域に密着した我々のような中小・零細な商店の鑑であります。



 特に、大坂の老舗高級料理屋 『 浮船 』 に日参し、苦労した甲斐あって納品出入業者として認定されたものの、あることで自ら納品を断りに行くさまは、何とも言えない商人としの魂に感動を持って拍手するものであります。



 そのある事とは、『 浮 船 』 の四代目店主 宗八のビジネス手腕に度が過ぎて、井川屋納品の京丹後産の天草(寒天の原料)を伊豆の天草と偽って料理に出していたという案件でした。当時、伊豆の天草は、貴重品としてなかなか入手困難なもので、余計に評判を呼ぶものとなり、『
浮 船 』 は盛況を博しておりました。

 



和助は、出入業者の立場もわきまえず、いや出入業者ゆえに、店主 宗八に異を唱え、諭しに赴くのですが、案の定、逆に反感を買って出入禁止となる訳でございます。(実際は、和助の方から辞退)



このやりとりを読んでいると、皆さまもご存知の通り、昨年 『食材偽装問題 』 で社会を揺るがした事が頭をよぎりました。メニュー上は、芝エビと表示しながら、実際にはバナメイエビを使用したホテルや料亭など、また最近では牛肉の産地偽装が発覚したしゃぶしゃぶのK店など、消費者を無視した裏切り行為が続出しております。



先日、日経MJを読んでおりましたら、次のような記事に目が留まりました。

 

     マック離れ深刻6割   日経MJ2014年9月22日


日本マクドナルドの社長兼最高経営責任者(CEO)にサラ・カサノバ氏が就いて1年あまりになる。
既存店売上高が前年実績を上回ったのは今年1月だけ。
仕入れ先だった中国の食肉加工会社が試用期限切れの鶏肉を使用していた問題だけではないようだ。
価格・サービスに対する顧客満足度が低下していることも見逃せない。
日経MJは、約1200人の消費者アンケートを実施、「マック離れ」の深層を探った。
                         とありました


 



 その他にも、紙面では 「狭い席、汚れに不満 」 「静かさや接客」 にまでも不満が及びます。いったん、食材などの不正が発覚すると消費者というものは、さらにエスカレートしてクレームをぶつけてくることがよく判りました。

 



 この1年と8ヶ月の既存店売上高と客数の推移を上記のグラフでご覧ください。もしわれわれのような零細な店舗がお客様を裏切ると、取り返しようのないしっぺ返しがやってきて、結果として当然ことながら廃業へと追い込まれていくのです。





  『 商いとは、どうあるべきなのか人として、どう為さねばならないのか 』



  『 人知らずとも良心これを知る 』



一冊 600円の書籍から、学ぶべきものが多くあると確信します。是非とも、お読みになって頂きたいと思います。

       
 話は変わりますが、先日の秋の研修会に参加した際に高砂市の春日野商店 柳田氏にこの 『 銀二貫 』 の本をお薦めしたところ、逆に彼の方から、

 石田ゆうすけ著 『 行かずに死ねるか!』 という本を薦められました。そのうちに時間が出来たら、買い求めようと思っていましたら、先日その本が宅急便にて東大阪店に届きました。



そこで、その際に同封されておりました手紙をご紹介いたしまして、今月の投稿を終えたいと思います。



 




来月は、是非とも 『 行かずに死ねるか!』 の読書感想を述べたいと思います。



今月もご覧いただきまして、誠にありがとうございました。



                それでは、ごきげんようさようなら