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4月号 『 酒屋版 学問のすゝめ 』 Vol.39

4月号 『 酒屋版 学問のすゝめ 』 Vol.39

みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。



 さて、4月上旬の菜種梅雨の期間も終わり、桜の花が散り、そしてGWを間近に控えてきますと、いよいよ初夏が近づいてきたなと思わせる陽気になってまいりました。



 そして、桜の花が終わると、次は『藤の花』です。確か昨年の4月号(クリックで2011年4月へ)でご紹介したと思いますが、大阪府茨木市の酒匠米匠こやま店さんの駐車場の藤棚は、今まさに満開になっていると思われます。今年も、訪問させていただいて藤棚の下で美味しいお茶でもいただきながら、今年の春の最後を満喫したいものです。



 

 

 さて仕事現場に戻りますと、これからGW商戦を皮切りにお中元商戦に向けた夏への準備をしていかなければなりません。今年の夏は猛暑になるのか、冷夏になるのか、農家の方々には及びませんが、われわれの商売もお天気という自然現象に影響される業種ですよね。



 そこで、現在の日本経済の晴れ・くもり・雨を占う記事として、本日の日経流通新聞一面に掲載されていました内容の一部をご紹介したいと思います。



 まず 『 震災1年 消費に春 』 『 おしゃれ支出に余裕 』 『 客数 上昇幅 過去最大に 』 のタイトル記事に注目しました。そして、詳細な記事としてこのようなコメントが掲載されておりました。



 「個人消費の回復基調が鮮明になってきた。消費関連企業の景況感を示す日経消費 D I の4月調査で、現在の業況判断は2008年秋のリーマンショック以降で最も高い水準を更新した。昨年3月の東日本大震災の反動もあるが、客数・売上高とも増加する業種が目立ち、ファッションやレジャーなどでは、消費心理の余裕も見える。ただ、所得が伸びない中、価格以上の品質を見極めようとする選別志向は、根強い。」  とあります。



 



  この記事を見たとき、「ホンマかいな?」 と思いたくなるような内容でした。私たちの業界では、あり得ない傾向と思いがちなんですが、実はCVSや大手スーパーなどの大手組織小売業では、わずかではありますが右上がり傾向であると明記されております。



 ということは、私たちの業界というよりは業種・業態が、徐々に時代の流れの中でお客様離れが進行しているという事を残念ながら認識しなければなりません。



 この現状をしっかりと見極めていく中で、私たちが日々漠然と業務をこなしていくだけでなく、商売のあり方について軌道修正していくことの必要性をまず感じていただきたいと思います。



 そしておそらく皆さんは、すでにそのように感じてはいるけれど 「 じゃ、どのように軌道修正を・・・?」 となる訳ですが、残念ながら即効性のある近道はありません。



 ただ、前述の新聞記事の最後にあったように 「・・・・・・。 ただ、所得が伸びない中、価格以上の品質を見極めようとする選別志向は、根強い。」 とあります。そこにヒントというか、お客様の不変のニーズがあり、商売の原点があると確信します。お客様と商品の品質や付加価値について楽しく会話し、購買につなげるということが、これからの時代はお店やスタッフに求められるということです。


前月号で申し述べたと思いますが、



 「その商品の機能性・付加価値性をキチッとお客様に提案し、ご説明する!」 そのためには、働くスタッフ全員がしっかりと商品に関わる知識や食べ方の提案、その品質・価値を語らなければなりません。そのスキルをどのようにレベルアップさせていくのかが、これからの大きな課題並びにお店存亡の分岐点となってまいります。



 そこで、今月号のテーマであります 『 酒屋版 学問のすゝめ 』 となる訳です。



 



 ちょっとここで話しは変わりますが、みなさんご存知のように元祖 『学問のすゝめ』 の作者といえば、江戸末期から明治初期において活躍された武士でもあり、教育者である『福澤諭吉翁』があまりにも有名であります。東京六大学の『慶應義塾』の創設者でもあり、現在の一万円札にも登場する人物です。



 



  『学問のすゝめ』の初編出版は、明治5年で彼が37歳の時でした。本の販売実績は、最終的に300万部以上売れたとされ、当時の日本の人口が3000万人ほどであったことから、実に10人に1人が読んだことになります。現在のような大規模な流通販路や広告宣伝が難しかった時代においては、驚異的なベストセラーであったといえます。



  私の場合、学生時代にパラパラと読んだ程度で全文を読破しておりませんが、その一部のサビの部分をご紹介すると



   

という一節が、一般的に良く知られているところだと思います。 そして、意外にこの言葉は福澤諭吉の言葉ではなく、アメリカ合衆国の独立宣言からの引用であるということを御存じない方も多いかと思います。



  また、この引用に対応する下の句とも言える一文は、

 

                                であります。  



つまり、

    「 天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと言われている。

      人は生まれながら貴賎・上下の差別ない。  

      けれども今広くこの人間世界を見渡すと、賢い人・愚かな人や

      貧乏な人・金持ちの人・身分の高い人・低い人とある。  

      その違いは、何だろう?  

      それは甚だ明らかだ。  賢人と愚人との別は、

      学ぶと学ばざるとによってできるものなのだ。

      人は生まれながらにして、貴賎・上下の別はないけれど、

      ただ学問に勤めて物事をよく知るものは貴人となり、富人となり、

      無学なる者は貧人となり、下人となるのだ。」

                         という事です。





  大意として学問の有無が人生に与える影響を説いており、日本国民の行くべき道を指し示した。



    したがって 『学問のすゝめ』 なのです。



  ただ、私としては 「 無学なる者は貧人となり、下人となるのだ。」 とあるのは、いささか異論はあるのですが、福澤翁が言わんとする意味は理解できます。



  というのも、明治時代まで 265年間続いた江戸時代に確立された士農工商という身分制度のため、立身出世という夢や目標が持てない時代から、明治維新において様々な制度改革が実施される中 『頑張れば、道は開ける!』 という考えの中で、向学心が高揚されたように思えます。





 さて今回のテーマを 『学問のすゝめ』 にさせていただいた真意は、皆さんほぼご理解いただけていると思いますが、この厳しい商業環境の中で再々お話ししていますように、お客様と私たち販売スタッフとの接点が徐々に薄れていく現状で、再度お客様との会話を通じたコミュニケーション作りが重要となってまいります。





 そのためには、プロとしての意識やスキルを身につけなければなりません。毎日、煩雑な業務をこなして時間に余裕が無いとは思いますが、お店の生き残りのため商品知識の習得や販促技術の向上、また接客応対のトレーニングなどにチャレンジしていっていただきたいと思います。



 



 そこで今回 『学問のすゝめ』 第一弾として、チェーンの重要カテゴリーの一つとしております「お米カテゴリー」の知識・販売向上のサポートとして、ホームページ上に 『寺小屋』 を開設いたします。





 名称は、『 お米倶楽部 』 と名づけまして、お米についての商品知識や情報提供のあり方、また米穀業界の大きな流れについての時事などを継続的にお伝えしてまいりたいと思います。(5月25日スタート予定)



 



 今回の取り組みをキッカケに是非ともお米についての造詣を深めていただき、お客様のために、そしてお店のために、更には自分自身の人生を豊かにするためにも、是非とも『お米のプロ』を目指していただきたいと思います。



 最後になりましたが、ドリーム本部といたしましても



       『 教育は、全ての業務に優先する!』 



という一念にて、皆さまをご支援させていただくことをお伝えいたしまして今月の徒然日記を終わりたいと思います。



      今月もご覧いただきまして、誠にありがとうございました。