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10月号  『 2020年のあるべき姿 』  Ⅴol.57

10月号  『 2020年のあるべき姿 』  Ⅴol.57



 みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。



 さて、巡り来る季節というものは不変性のものがあり正直なものです。いよいよ11月という頃になりますと朝晩が涼しいというよりも肌寒くなってまいりました。そして私の周りでは、寒暖の差のためか鼻をグズグスさせて「ちょっと、風邪気味で・・・」という方が増えてまいりました。みなさん、お体ご自愛下さい。

 



私は・・・というと、いたって元気で相変わらずアチコチへと飛び回っております。そして、明日からは恒例の2013年冬ギフト商戦DM大作戦の口火を切って、ギフト前回お買上リストの封入詰め(DM発送)を実施していきます。今年の夏もそうだったんですが、最近前回お買上リストの封入時に新規のお客様の購買リストが出てきたりして、着実に新規ギフト客が上乗せされているんだなと実感いたします。本当に有難いことです。

      



 さて、今回の徒然日記では前月の予告編でお話しいたしましたように、 セブイレブンの 『セブンカフェ』vs ローソンの 『マチカフェ』 の販売戦略の違いについてお話ししたいと思います。この違いを理解することで、これからの私達の商売のあり方や方向性を明確に見定めていかなければなりません。

 



 そして、さらに今月のテーマで 『 2020年のあるべき姿 』 とあるようにこれからの7年先を見通して自店の生き残りのため、どのような体質改善を実施していかなければを考えていかなければなりません。



 その前になぜ 『2020年』 なのか? ということですが、皆さんお察しの通り 『東京オリンピツク』 の年なんですね。今後、日本国内で交わされる様々な報道や人々の会話の中で 『2020年』 という言葉が頻繁に出てくると思われます。間違いなく、今後は期待と不安の中で、着々とその準備が進められていく訳でございます。



 



 例えば、メイン会場となる新国立競技場は、現国立競技場を改築するため、競技場一つに何と1300億円の巨費を投じる予定となっております。収容人数 8万人という国内最大の競技施設に生まれ変わるのです。その他の施設やそれに伴うアクセスの新設や整備などなど、建設業界中心に首都圏にてオリンピック景気が沸き立つことと思われます。当然のことながら、国民の景気回復の期待は、高揚すると思われます。



 


 しかし、しかしながら現況はどうでしょうか。来年4月からスタートする消費増税、2年後にはスライド式に10%にまで上げられていきます。そして、さらに2020年には、税率10%で留まっているでしょうか。今後の少子高齢化に伴う年金や医療費の増大のため、厳しい社会状況は目に見えております。



 日本政府機関である国立人口問題研究所の発表では、2020年に65歳以上の高齢者が初めて3600万人を突破。高齢化率は、29.1%となるといわれております。高齢化率では、2011年の島根県と同じになるのだそうです。ということは、2020年のニッポンは2年前の島根県の風景となるということであります。そして、その高齢人口の中に私もいるのですがね・・・・・。(ちなみに、私は70歳になります。)



 さらに現実に目を向けてみますと、今年の小売業の倒産件数について日経新聞(10/23付)に次のような記事がありました。

  〔記事内容〕 
    帝国データバンクがまとめた小売業の倒産動向調査によると、
    2013年度上半期(4月~9月)の倒産全体に占める小売業の構成比が、
    リーマンショックの2008年以降で最高となった。
    〔全体の19%〕(スーパー・百貨店・アパレル・家電など)
       ・・・(中略)・・・
    同社は「景気回復途上で増税が決まったことは
    上昇傾向にある小売業の倒産件数を今後さらに押し上げる可能性も
    ある。」と指摘している。



 という訳で、オリンピック需要で今後業績が向上すると予想される建設業界と違い、小売業界の推移については、今もなお混沌としております。ましてや、我々のような零細な小売業者の命運はいかなるものやということであります。



            『 あなたは2020年、7年先を見通せますか?!』

 

 本当は、 「はい!」 と即答したいところですが、ほとんどの方々が7年先この世の中、どうなっているんだろうかと疑問符を持たざるを得ないと思います。しかしながら、7年先は見えなくてもそこへ到達するまでの流れは間違いなく、毎年一年一年予測することが出来ます。だから、7年先の準備は、出来るのです。

    

        『見通すことは出来なくても、見据えることは出来るのです。』



 そのためにも、その手始めとして今年の年末から来年2014年に向けての心構えと実施すべき事柄を具現化していかなければなりません。そこで参考とすべきことが前月号からの宿題であります 『ローソンのマチカフェ』 なのです。



 



 まずは、 『ローソンのマチカフェ』 について、某コンサルティング会社がコメントしている記事をご覧頂きたいと思います。



   〔記事タイトル〕

       ローソン、接客強化、マチカフェ『ファンタジスタ』
       社内資格者4倍の2000人に、
来年度中、固定客の増加狙う。



 ローソンはいれたてコーヒーや関連品の販売技術、商品知識などに関する社内資格制度を利用して各店の接客水準を高める。試験に向けた勉強会を全国規模で実施するなどで同資格を持つ技能者を2014年度中に現在の4倍の2千人に増やす。ローソンは他の大手コンビニエンスストアと違い、いれたてコーヒーを店員が手渡しする。そうした顧客との接点を生かして丁寧な接客で固定客を増やし、客単価の向上にもつなげる。



 ローソンは約1万の国内全店のうち、カフェラテなどコーヒー関連品を10種類以上扱う「MACHIcafe(マチカフェ)」を備えた店が4300前後ある。サンドイッチやケーキなどとのついで買いを誘うため、接客力の高い従業員を11年6月から筆記試験で選抜し「ファンタジスタ」として認証。服装を通常と変え、収入も従来より高くなるようにした。



 ファンタジスタには顧客との会話などコミュニケーションからコーヒー以外の店内の商品の知識まで幅広い能力を求めている。マチカフェ導入店は平均日販が4〜5%上がるが、ファンタジスタがいる店は固定客の比率も5割と、通常店(4割)を大幅に上回る



 ローソンはマチカフェの導入店を13年度中に5千店とし、14年度以降も増やす方針。並行してファンタジスタも増やし、16年度中にはマチカフェの導入店には必ず1人はいる体制にする。



 固定客は店を普段から利用するため、野菜や加工食品などを買う頻度も上がるという。ローソンは近年、既存店の来店客数の増減率がコンビニ全体を下回っており、ファンタジスタのいる店を増やすことで客数確保を目指す。ファンタジスタがアドバイスするなどで他の従業員の接客力が上がり、店全体の士気も高める効果も期待している。



 ローソンは合格率2割前後という試験の難度は変えず、ファンタジスタを増やす方針。このため、今後は試験前の予備学習講座を経営指導員らがいる全国の支店で実施する。従来は一部地域の支店に限っていた。試験向けの参考書も勤務歴の長い従業員らに積極的に配って、受験を促す。



 セブン―イレブン・ジャパンやファミリーマートなどはいれたてコーヒーをセルフ式で提供している。

ローソンのように接客に関する資格制度を持つコンビニは珍しい。



 とあるように、ローソンのコーヒー販売戦略は、明らかに他のコンビニチェーンとは一線を画しております。



特に、コンビニ最大手のセブンイレブンの100円コーヒーに対抗した戦略の違いを見せております。



 



 上記の表についてコメントする前に、先月号でご案内したローソンの新浪社長の書籍から引用した記事をご紹介します。



 



  〔 弱みを強みに! 差別化から、独自化へ! 〕 P.84~86から引用



 2005年7月2日号『週刊東洋経済』のインタビューに応えて、新浪は面白い表現で自社の「あるべき姿」を語っている。( 8年前の取材ですので、競合環境は今と若干違うと思いますが・・・)

 

    「ローソンは、かつて先行者であるセブンに追随し、
     模倣することで成長を続けてきた。
     そして、今もなお僕達が戦う相手は、非常に強く、大きい。
     隣にセブンがあれば、お客様はセブンに行く。
     向こうが“本物”なんだから。
     違う個性があるからこそ、こっちに来る。
     セブンが巨人なら、うちは阪神。早稲田なら、慶応になりたい。」
                  ・・・・・中略・・・・・ 
     同じ土俵の総力戦に引き込まれたなら負けるのであれば、
     戦力を集中投下して「勝てる局地戦」に必ず勝つ。
     どうしても勝てないのなら、イノベーション(革新)に
     よって「戦いのルール」を変える。
     「勝てない」という先入観と諦念を打ち壊していく。



     つまり 「劣化版セブン」 ではなく、ローソンという 「唯一無二の存在」 になる。

    

 どうでしょうか。8年前から、新浪社長が言い続けて来られた事が、この 「唯一無二の存在」になるということなのではないでしょうか。これが実現した時に、初めてローソンはセブンと戦うことが出来るということだと思います。では、私達の店舗は地域のお客様にとって 「唯一無二の存在」になっているのでしょうか。



 ローソンの場合は、この8年の間に商品戦略として常にオリジナルパッケージ化し、ある時は『おにぎり屋』として、ある時は『プレミアムデザート』としてコーナー作りをし、そして爆発的な売上を達成した「プレミアムロールケーキ」の誕生などがあります。そして、続いて今回の『マチ・カフェ』ということなんです。



 それでは、いよいよ上記の表①に基づいてローソンは、コンビニレギュラーコーヒー戦略として、セブンに対してどのような違いを出そうとしているのかを分析してみたいと思います。



 ただし、このコラムで答えを出してしまうと面白くありませんので、是非とも皆さんの中で分析し、ローソンの目指すべき狙いを考えてみていただきたいと思います。ヒントとしては、単なる売上増や利益増だけでなく、コーヒー販売を通じて、地域戦略・顧客戦略・販売戦略・情報戦略そして商品戦略(五つの戦略)をどう展開しようとしているのかを解析していただきたいと思います。



 そして、そのコーヒー戦略こそ、まさしく私どもチェーンが、来年度から本格的に構築していこうとしているドリーム・酒匠米匠ギフト戦略へのお手本となるということをお伝えしたいと思います。



  2020年へ向けてのキーワードは、『価格から価値への提案移行 』



 決して低価格訴求を否定しているのではなく、逆に消費者の低価格志向は景気低迷や生活不安の中で今後さらに強まるのは必至であります。『安くしなければならないものは、更に安く!』
そのためにも、利益を補完すべき価値提案商品の育成は、待ったなし!です。



 今後、各地区エリア会議において上記の内容について積極的にお話ししてまいりたいと思いますので、皆さんもココのところをしっかりと理解し、熟知し、7年先の自店のあるべき姿の実現へと邁進して頂きますようお願い申し上げます。来年の本部からのギフト戦略の提案に期待しておいて下さい。



   それでは、これにて今月の投稿を終えたいと思います。



         今月もご覧いただきまして誠にありがとうございました。

9月号  行動なき理論は、意味が無い!!   Ⅴol.56

 9月号  行動なき理論は、意味が無い!!   Ⅴol.56



 みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。



 昔から先人の方々が『暑さ寒さも彼岸まで』 とよく言ったものですが、やはり地球温暖化のせいですか未だに昼間の気温は30℃前後と日差しのキツイ大阪であります。ただ確かに、朝晩は少しながら涼しくなってきましたので、あの寝苦しい酷暑とはひとまずお別れといったところです。



 



 お店においても、夜間が涼しくなりましたのでお米売場の『虫対策』もちょっとは軽減されるようになり、精神的に楽になりましたね。そして、いよいよ全国的に本格的な『新米キャンペーン』が始まりました。各店におかれましては、『お米のヌーヴォ』イベントをどのように盛り上げていかれるのでしょうか。また、10月の各地区エリア会議にてお話しをお伺いしたいと思います。



 



 さて、今回のテーマは 『 行動なき理論は、意味が無い!!』 とさせていただきました。





 ご存知のように過日 9/10 (火) に大阪南港アカデミア会場にて、2013年秋季店長研修が開催されました。おかげさまで内容及び会場の雰囲気共々盛況のうちに閉幕することが出来ました。本当に有難うございました。

 

 



 今回の研修におきまして、酒匠米匠こやま店様・ドリーム東大阪店・酒匠米匠津田本店様・ドリーム和歌山えがわ店様四店からの具体的で内容の濃い実体験の発表をいただき、参加者の皆さまより多大なる評価を頂戴いたしました。四店の皆さま、夏場のお忙しい中、事例発表のため色々とご準備をいただき本当に有難うございました。



 



 



 また弊社松本より、近年における日本経済の流れや私ども酒販業界を取り巻く流通や取扱商品の変化などをお話しさせていただき、最後のまとめとしては西田社長より『モノを売るより、コトを売れ!』というようにパーソナリティ ( 個人・個性 ) を商売の前面に出し、お客様との関係性をより強化しなければならないとアピールさせていただきました。



 



 



 そこで私達の目指す商売というものは、商品ではなくお客様に焦点を当てることが非常に大切な事であると思います。そのためには、もっと自己表現力を向上させる必要性があります。単なるありきたりの愛想のよさだけでなく、プロの販売員としての知識や接客力をスキルアップすることが今の時代だからこそ求められているのではないでしょうか。



 そのためには、各カテゴリーごとの知識習得のため各種技能資格に挑戦していただきたいと思います。先日開催されました『ライスアドバイザー初級講座』や東大阪店段上店長が現在チャレンジしています『ギフトアドバイザー』資格など是非とも積極的に取組んでいただきたいと思います。



 



 また上記は酒匠米匠こやま店様のプレゼンの表紙でございます。意識が行動を作り・・・・とありますが、弊社西田がまとめの中で

     『 現 状 維 持 』 = 『 衰 退 』

               と、お話しさせていただきました。



 そうなんです!! 今回の研修で学んだことが、行動に移行していかなければ、何のための研修であったのか。意味のなさない一日になってしまうのです。

      『 行動なき研修会は、意味が無い!!』



 『行動しない』 = 『現状維持』 = 『 衰退 』

                           なんですよね。



   じゃ、どう行動すればいいんだ、何かアドバイスがもらえないか!?

                  というお尋ねに対して



 まず、一つ目が今回の研修会のブレスト(意見交換会)で使用しました下記の資料です。



 

                ◆拡大版はここをクリック◆



 この資料は、関東の『玄米工房』 ㈱PNJの関根社長より頂戴した資料です。それをあたかもドリームで作成したようにしてありますが、実は「パクリ」なんです。まあ、そのルーツは別として、この二つの資料の 『言わんとする意味 』 は、非常に奥深いものがあります。



 まず、①はいうまでも無く、行動あるのみ! しかしながら、がむしゃらに行動すればよいということではなく、まず全体像をイメージして優先順位を決め、焦点を絞り込んで行動しなければなりません。



 そこで行動するにあたって、②の『よろずやになるべからず』が重要となってまいります。いわゆるあちこちの商品や仕組みに手を出すのではなく、『選択と集中』という観点で行動を起こしていかなければなりません。



 今回の研修の中で、皆さまにお伝えしたかったことは、今後新商品を育成するに当たって『アイテムではなく、カテゴリーを育てる』という考えで販促活動を強化していかなければならないということです。



 具体的には、『年中ギフト』・『お米』・『飲料水』などなどです。各加盟店の状況に応じて、どのカテゴリーから強化していくのかは、本部スタッフと相談しながら決めていただければよいかと思います。



 しかしながら、どのカテゴリーをとってもしっかりと商品知識や販促の仕掛けについて勉強していただかなければなりません。平たく言えば、それぞれのカテゴリーの専門員(コンシェルジュ)の常駐が今後の生き残りの物差しとなってまいります。プロの販売員のいない店は、今後淘汰されるのは必至であります。



 最後になりましたが、今回の研修の準備で、私は今後の仕事に従事するに当たり非常に大切な書籍と巡り会いました。それは、研修時にもお話ししたかも分かりませんが、ドリームえがわ店の江川さんから、「井上さん、もし良かったらこの本読んでみて」と気さくにお借りした本でした。



 



 内容については、来月号で詳しく述べたいと思いますが、江川さんが私にその本を手渡すときに『我々のチェーンがこの新浪社長の考えるような組織にしてもらいたい!』とおっしゃいました。そして、二日間でその本を読み終えた時、思わず 『 その通り!!』 と唸ったのです。



 おそらく、この本は私のこれからの仕事において『バイブル』になると思います。これから時間のある限り、何回も何回も読み返していくことだろうと思います。今までの自分の人生の中で、運命的な出会いのあった書籍の一冊に間違いなく挙げられます。





 そんな意味でも、江川さんには、感謝!感謝!です。本当に有難うございます。



  



 来月は、是非とも皆様方にも何がこの本の・・というよりも、新浪剛史氏の凄さなのかを私の視点で徒然なるままにお話したいと思います。テーマは、セブイレブンの
『セブンカフェ』vs ローソンの 『マチカフェ』の販売戦略の違いについてをお話しいたします。



    むちゃくちゃ、面白いと思いますので、乞うご期待!!



   それでは、今月もご覧いただきまして誠にありがとうございました。

8月号  店舗運営カイゼンの『順番』を考える!!   Ⅴol.55

 8月号  店舗運営カイゼンの『順番』を考える!!   Ⅴol.55



 みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。

 

 

 いよいよ猛暑続きの8月もあと数日で終わろうとしております。9月に入ってもお彼岸 ( 9/20~) まで、まだまだ残暑厳しい日々が続くと思いますが、みなさんお体ご自愛なされ頑張っていただきたいと思います。



 さて、毎年この時期になると必ず徒然日記に登場するのが、秋季店長研修の話題になります。そこで、今年の研修のテーマは、



  『商品戦略・情報戦略・販売戦略の検証と更なる強化』

                            となっております。

 

 研修内容のプログラムとしては、下記の通りとなっております。是非とも、資料を拡大されて内容に目を通していただきたいと思います。

    
拡大版はここをクリック



 前月、7月号 『 時代の流れを掴む!! 』 でもお話しいたしましたが、今後少子高齢化が加速する中で私ども小売業がとるべき方向性として、『量より質へ!』 とバランスを徐々に移行していかなければなりません。そこで、そのための必須事項として必ず避けて通れないのが、経営者を含めた働くスタッフのスキルアップとなります。



 何故なら店舗の質は、そこに従事するスタッフの質の集合体であるわけですから・・・。



 毎月1回各地区にて開催されるエリア会議とは別に、年2回開催される『新春勉強会』『秋季店長研修』は、自店を大局的に捉えて今後の体質改善のヒントとして学んでいただく恰好の勉強の場であるのです。大げさな言い方になりますが、生き残りのため、『理論武装』する場なのです。



 当然のことですが、日々の業務(ルーティンワーク)は第一優先の仕事なのですが、ついつい場当たり的な仕事の連続となりがちです。いわゆる方向性が見えない羅針盤の無い船舶と同じになります。ちょっと古い言い方になりましたが、現在ではGPSシステムといったところでしょうか。

   



 さて話しは変わりますが、今月忙しい中でしたが、久しぶりに一冊の本を読みきりました。いつもは、だいたい目次とまえがき、そしてあとがきを読んで、そのあと本文は適当に目を通して終わり!って感じでしたが、今回はしっかりと黄色の蛍光ペンを持ってしっかりと読破いたしました。



 そして、その書籍とは、日本マクドナルド原田社長 の “ 成功を決める「順序」の経営 ” というタイトルでした。



 

 ちなみに、目次の一部をご紹介すると下記の通りとなります。

                  目  次

   【 1 時 間 目 】

● 「らしさ」の競争力
● 数字の羅列には「意味」がある

        ・発想は大胆に、実行は慎重に
        ・経営者はお金の使い方を考えよ
        ・常勝を義務づけられる「小さな本部」
  

    【 2 時 間 目 】

● 戦略シーケンス
● 勝つための「順序」を考えよ

        ・矛盾を乗り越えることが経営
        ・健康体でなければ手術はできない
        ・Mac復活の裏にも因果律の魔術

    【 3 時 間 目 】

● マーケティングの要諦
● 顧客は驚きたがっている

        ・消費者の期待をいい意味で裏切る
        ・0.2%の「あがき」が組織の「筋肉」になる
        ・「順序の経営」は逆境でこそ加速する

    【 4 時 間 目 】

● 組織とリーダー
● 情熱には冷静を、冷静には情熱を

        ・堂々と赤いネクタイを締める
        ・組織は常に変化しないと陳腐化する
        ・マック再生は「戦略ストーリー」の傑作




 上記の目次の内容では、なんのこっちゃか わからん!!と、皆さんからブーイングが出そうですが、我々の仕事内容と重ねて読んでみると目次の割には、意外と解かりやすい内容でした。また、機会がありましたら随時お話していきたいと思います。



 そして、この本を読んでいた8/27に電撃的な報道が、なされました。



 

 どうやら、この2年の業績不振の責任を取って退任ということのようですが、この本の読者はそう解釈しないと思います。この書籍の発行日は2013年6月ということで、その本の中で既に女性社長の登場を匂わせている部分がありました。いわゆる現場での事業部門は世代交代して、本人はどうやら財務全体を今後も親会社マクドナルドホールディングスの会長兼CEOとして掌るようです。



 昨今、経済界でもスポーツ界でも若手が台頭し、世代交代がなされており大変好ましいことで、このことにより、各業界においてさらに活性化されるよう期待しております。



 さて本題に入りますが、今月のテーマは

       “店舗運営カイゼンの『順番』を考える!!”

                とさせていただきました。



 実は、先述の通りドリーム21チェーンも3年前から私から西田社長にトップをバトンタッチして世代交代がなされた訳ですが、今後の私の役割はさらに全体を見るというよりも、再度現場におりてドリーム東大阪店の建て直しを図りたいと考えております。



 今回の秋季研修で発表いただく、ドリーム和歌山えがわ店様は、10年前の年間売上は1億9千万円そして昨年は、2億5千万円へと売上増となっております。しかしながら、東大阪店におきましては、10年前は3億5千万円、昨年は1億8千万円と大幅な減収となっております。

 

 幸いにして、毎年単年度黒字は確保しておりますが、今後の事を考えますと、売上の下げ止まりと店舗体質の改善は、緊急課題となっております。そこで、再建着手するにあたって何か参考にと思い、今回の書籍を買い求めた訳でございます。



 日本マクドナルドも原田社長が就任する10年前は、それ以前7期連続減収減益の状態で、就任後は何と逆に8期連続増収増益を実現された訳でございます。私の場合は、そのようにうまくは出来ないと思いますが、この本にあるようにまず基本に立ち返り、基本四原則の徹底から始めていきたいと思っております。



 全国の加盟店様におかれましても、それぞれ各店の立地や規模、更には競合内容において違いはありますが、今後経営改善する上で何から着手していくのか、一つずつ、一つずつ順序を間違わないようにして行動していかなければなりません。



 例えば、今回の研修で成功事例発表いただく、酒匠米匠こやま店・津田本店・ドリーム東大阪店・えがわ店などのお店の事例を参考にして次へステップアップしていくのかを見定めていただきたいと思います。



 ちなみに、日本マクドナルド原田社長は、就任後まず始めたのが、QSCの徹底(基本)、次に100円バーガーに代表される集客増を狙った低価格戦略、次に客単価アップを狙った「メガマック」や「クォーターパウンダー」の販促など、そして働くスタッフ満足向上のため昇給や福利厚生の充実を実現し、「社員満足の向上」から「お客様満足」へと繋げていく・・・それぞれの戦略を当たり前のようですが順序良くある一定の期間毎にバージョンアップさせていって成功しております。



 そこで、この原田社長のとった施策とまったく同じ流れを実践し、増収増益を達成されたのが、「ドリーム和歌山えがわ店」さんなのです。12年前、店舗改装に投資され、QSCの徹底から始められ、100円マックの代わりにビール・飲料水の激安価格で客数増を達成し、次に「メガマック」の代わりにギフトや店頭精米などで客単価・利益額を増やされ、そして現在社員2名の育成に尽力されておられます。

 



 その12年間に実践された『順序』をこの度の秋季研修で発表していただきます。そして、12年間の中で決断し行動された4つのターニングポイントの内容と背景をお話ししていただく予定です。お楽しみにして頂きたいと思います。 (もしかしたら、一冊の本になるかも知れませんね!?)



 最後になりましたが、私達の取り巻く環境は今後一段と進む人口減少や高齢化に伴い本当に厳しい状況に追い込まれております。更には、競合他店の攻勢は激しくオーバーストア気味で商圏範囲は、狭小化してまいります。このような苦しい環境の時こそ原点に立ち返り、五感を研ぎ澄まして現場従事の中でお客様の、そして時代の空気を読み取り、そして仲間との情報交換を密にしてこの難局を切り抜けていただきたいと申し上げて今月の投稿を終えたいと思います。



  今月もご覧いただきまして誠にありがとうございました。



 

7月号  時代の流れを掴む!!   Ⅴol.54

7月号  時代の流れを掴む!!   Ⅴol.54



 みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。

 



 さて、東大阪店ではお中元ギフト期のピークも過ぎ、私の担当するギフト包装もちょっとひと息ついたところです。販売実績として、6月初旬から始まり、7月下旬までのギフト売上高は、昨年対比ほぼ100%、粗利益額ベースでは106%と、目標の110%までには届きませんが、まずまずの進捗状況といったところです。

 

 傾向としては、やはり食品ギフトの伸び率が高くなっていることと、それに伴い期待通りにギフト全体の利益率の向上が顕著に見られると思います。先日より各加盟店様に途中経過としてヒアリングいたしましても、どのお店も東大阪店と同じような傾向が見られております。

 また今年のお中元カラーちらしタイトルを「お中元ギフト大売出し」から、「厳選 夏ギフト!」に変更した結果、東大阪店でギフト包装していましても、のし紙がお中元以外にも、お供え、粗供養や内祝いなどのその他ギフトの包装件数が増えているのが肌で感じることが出来ました。

 ご存知のように、東大阪店では昨年大手食品スーパーが500m先にオープンいたしまして、ビール系飲料や低価格パック酒などを中心にかなりの売り上げ減を余儀なくされております。しかしながら、今夏もさらにギフトや飲料水の販促強化を推進する中、7月の全体売上高・粗利益高は昨年対比100%超を達成いたしております。

 その詳しい販促内容につきましては、今秋 9/10 (火) に開催されます『2013年 秋季店長研修会 』 にて段上店長より活動発表をさせて頂く予定となっております。



 

  さて先日久しぶりに三木市の津田本店様にお邪魔いたしまして、津田社長よりこの夏の業況などをお聞きしてまいりました。特に気がかりだったのが、今年の4月にコスモス薬品2号店(三木市)が津田本店店舗を挟み撃ちにするようにオープンし、その後の影響がどのように出ているのか ということでした。

       上記地図の拡大図はここをクリック

 ここで、簡単にコスモス薬品のお話しをしてみますと、このドラッグチェーンは九州(本社 福岡)を地盤として、お酒や飲料水、お菓子、食品そして薬を中心に販売し、直近5年間で売上高は2.2倍の3,500億円を達成いたしております。現在は、マツモトキヨシ、サンドラッグに次いで業界第3位に躍り出ております。

 ある新聞の記事を見ておりますと、中堅の食品スーパー幹部のコメントとして「近くに出店されると一番影響を受けるのがコスモス!」と述べておられます。九州地区においては、イオン系のマックスバリュを凌いで各地域を席捲いたしております。恐らく今年から来年にかけて兵庫・大阪・京都・奈良・和歌山など多店舗化は必至であるとも報道されています。(この地区だけで500店舗を展開予定)



 そんな中で、津田本店さんがどのように対抗されているのか!という事が気になっておりました。結論としてご報告いたしますと、まったく不安なく健闘されており、6月・7月の売上・利益ともに昨年対比100%超を維持されておられます。 『 なぜ?!』 という驚きと疑問を持ってしまいがちですが、実際のところ、やはりそれなりの努力をされているということです。

 その実践されている内容については、これまた東大阪店同様来たる秋季研修にて発表していただく予定となっております。何か、秋季研修の予告編みたいなコメントになってまいりましたが、どうぞお楽しみにして頂きたいと思います。



 さて、元気な店舗といえば、いつも話題に出てまいります『セブンイレブン』のお店です。毎回、出張に出た際には、コンビニさん、特にセブンイレブンさんには、お世話になっております。最近は、レギュラーコーヒーをよく買い求めております。一杯100円のコーヒーは有難いです。なにせ、缶コーヒーよりも安いんですからね!

 

 ここで皆さん、コーヒーショップといえばスターバックス、ドトールコーヒー、ちょっとマニアになるとコメダ珈琲店となる訳ですが、セブンイレブンのドリップコーヒー『セブン-カフェ』、年間???杯売れていると思いますか? 

答えは、 何と4億5千万杯という驚異的な数字となっております。金額にして、コーヒーだけで450億円ということになります。

   〔注〕セブンカフェは現在、1日1店舗あたり約83杯の販売数で推移。

       年間販売目標4億5千万杯を見込んでいるとのこと。

       セブン-カフェは、今年1月から順次導入され、現在約12,500店

       で販売されているという。

 おそらく、すでに販売杯数で比べると現在スタバを抜いて業界NO.1になっているのは、間違いないでしょう。



 ここで、皆さんにお伝えしたかったのは、セブンイレブンの国内販売戦略の凄さです。ご存知のように、日本の国内個人消費は、人口減の影響を受けて低迷いたしております。以前から、お話ししているように、

          売上=客数×客単価

 ということになります。客数増が、なかなか見込めないなかで客単価をどう上げていくのかが、我々流通小売業の悩みの種になっております。たった100円のコーヒーでも客単価を上げることにより、年間450億円の売上規模になります。 (ただし、若干、缶コーヒーとのカニバリ現象は生じますが・・。)



 取り扱い商品の幅を拡げる。 ここに私達が学ぶべき商品戦略のヒントがあります。



 



2つ目に凄いのが、海外への店舗進出です。今現在、国内ではセブンイレブン15000店舗を含めてコンビニエンスストアは、総数ほぼ5万店舗になっております。さらに驚くべきことは、その5万店以上の規模で、すでに海外で各コンビニ本部が店舗展開しているということです。(中国はじめ東南アジア中心に・・。)

 この戦略のはっきりしていることは、今後国内需要だけでは生き残れないという危機感からくるチェーン本部の思惑があるのです。いわゆる『客数』を国外に求めていくということです。


 ここで、今年1月に作成いたしました今年の行動指針となるべき図表をご覧いただきたいと思います。



 


 先述のセブンイレブンの戦略を簡単に整理してみますと、ひとつは国内においては新商品開発を中心に客単価アップを狙っております。もうひとつが、国外において新顧客開発を目指して客数アップを画策しております。いわゆる国内では、①⇒③⇒④ の流れで、そして国外では、①⇒②⇒④ の流れで売り上げ増を目指しております。

 ここで我々ドリームチェーンにおいては、上記の国内版 ①⇒③⇒④ を推進して売上・利益増を実現しなければなりません。コンビニのように海外に赴くことも出来ませんし、更には国内においても商圏を小さく取っていく中で経費の削減を含めた超地域密着路線を推し進めることが重要な事として認識しなければなりません。



 今夏、本部より加盟店の皆さまに飲料水や夏ギフト、更にはお取り寄せ名人や店頭精米など、これから売上構成比を高めていかなければならないカテゴリーを積極的に拡売して頂きたいと力説しております。それは、上記のような時代の流れの中で、自店を変革していかなければならないという理由があるのです。



         『 変化は、自らを変えることを要求する。』



 最後になりますが、和歌山の江川さんも三木市の津田さんもお店にお邪魔した時に共通した事をお話されていました。それは、「以前は、他店の価格が気になって仕方なかったのですが、今は価格どころか他店の事はあまり気にならなくなってきましたよ。」とおっしゃっておられました。

 

 実際のところ、他店の情報についてはしっかりと把握をされていると思いますが、その言葉の続きに「他店の事よりも、自店に来店されるお客様が満足していただいているのか、喜んでいただいているのか、などを常に考えていると他店の事をあれこれ考える時間の余裕がない」と謙遜しておっしゃっておられました。

 お二人が、日々お客さんにどう喜んでもらえるかを考え具現化し、お客さんはそれを楽しみに来店する。それは商売の基本であるのですが、今どれほどのお店がそれを地道に実践されているのでしょうか。お二人のお店の繁盛ぶりを見て、改めてそれが今日の、またこれからのお店の価値であり、収益をもたらす根源であると私は思います。



 全国の仲間の皆さん、自店の生き残りの鍵は、自店にあり、自分自身にあると強く思い込むことが次なる展開が見えてくると信じて今年も残り半分、頑張ってまいりましょう。



    今月もご覧いただきまして誠にありがとうございました。





6月号  『 ひと手間 』 かける大切さ!   Ⅴol.53

 6月号  『 ひと手間 』 かける大切さ!   Ⅴol.53



 みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。



 さて、いよいよ待ちに待った 『夏ギフト商戦 』 突入です。先日、和歌山のえがわ店さんにお邪魔いたしまして江川店長から、今年の夏ギフトの動きについてお聞きいたしました。最近のお天気傾向として全国的にカラ梅雨模様から一転して雨の日が続いているせいか、どうも動きがイマイチとおっしゃっておられました。

 

とは言うものの、例年受注している法人様で贈り分185セット口の大口需要もすでに受注済のようで、着々と今年も成果をあげられているようです。また、その受注分のやり取りの中で今回のテーマであります 『 ひと手間 』 というものを積極的に意識されて利益率向上を推進されております。

 その件については、姫路のサトウ酒店さんの事例も含めて後述したいと思います。



 話しは変わりますが、先日6月度の関西エリア会議終了後、各店店長数名と本部スタッフとで今話題のJR大阪駅前の複合商業施設 『 グランフロント大阪 』 に行ってまいりました。主たる目的は、その施設内に季節限定でオープンいたしました『キリン一番搾りガーデン』にて、キリンフローズンスタウトやツートン(生)ビールを試飲してみようということでした。

 

 オープンカフェスタイルで、なかなかお洒落な雰囲気のお店でしたが、それとは似つかわない野郎共11名で色気もなく楽しく(?)酒盛りをいたしました。その後、場所を移してやっぱり肉食系男子の定番、焼き肉『本陣』にて、食べ放題メニューでガッツリと腹に収め、飲めや、歌えや(歌えませんでしたが・・・)という具合で楽しい時間を過ごさせていただきました。



私の好きな言葉の一つに

  『 事業なくして親睦なし、親睦なくして事業なし!』

                     というフレーズがあります。



 事業を推進していくために、会議室の中だけでは十分な意思の疎通や連帯感、更には共感というものが味わえないのでは・・・ということを常々思っております。言葉を変えれば、 『 忙中閑あり!』 とも言える事ですが、やはり互いに酒を酌み交わす場面や時間というものは、仕事においても、人生においても非常に大切なことだと実感いたしております。



さて、先述の複合商業施設 『 グランフロント大阪 』 ですが、4月オープン以降順調に集客しているようですが、何と言っても大阪人の気質として 『 熱し易く、冷め易い!』 と申します。今後どのように推移していくのか、まだまだ予断は許さないと思われます。

 いま 『 大阪流通戦争 』 といって、このデフレ下消費低迷のなか、JR大阪駅前では流通各店がひしめき合っております。百貨店で言えば、まず阪急うめだ本店をはじめ、大丸梅田店、大阪三越伊勢丹、阪神梅田本店と各店あの狭いエリアの中で営業展開いたしております。更には、周辺に大型専門店施設として『ルクア』や各種地下街モールが群立いたしております。

 

 更には、更には、少し広域で見てみますと、梅田地区から南下して先日6/13に一部開業いたしました 『あべのハルカス近鉄本店』 が、いよいよ来春に全面オープンいたします。百貨店としては、日本最大の10万平方メートルの売り場面積を持つ超大型巨艦店舗であります。ちなみに、ビルの高さも日本一で、高層複合ビルとして60階建てで、高さは何と300メートルに及びます。

 このように関西経済の地盤沈下が進む中での増床競争が、今後流通各店の高度なオリジナリティを生み出し、互いに切磋琢磨して関西独自の付加価値やアイデアが創出されることを大いに期待するものです。



 さて話しが大きくなったところで、現実の我々の現場に少しクールダウンしてみたいと思います。



  今回のテーマは、『 ひと手間 』 かける大切さ!とさせていただきました。



 先日6月19日に兵庫県高砂市の酒匠米匠 春日野商店さんに行ってまいりました。用件は、柳田店長に以前から夏ギフト商戦に入る前に自店のパートさんにギフト関連の研修をお願いしたいというご依頼でした。当日、8名のパートさんが集合されておりまして、皆さんにギフトカテゴリーの強化についてお話しさせていただきました。

 実は、春日野商店さんはデイリーヤマザキのCVSにも加盟されておりまして、販売方法としては完璧にコンビニスタイルで営業されておられました。その関係で、レジにおいての一声かけ販促などは実施されておられず、コンビニ特有の作業的な接客(第一領域の仕事)に徹しておられました。

 そんな流れのため、お客様との会話の中で夏ギフトをお奨めしていくトレーニングが出来ておらず、今回の研修となった訳です。私の研修スタイルとしていつも植物に例えて、『根っこの部分』 からお話しさせていただきました。

          ①Why から始まり ②How to へ!

 そこで、ギフト拡売のテクニックを学ぶ前に、『なぜ?』 ギフトを強化しなければならないのかをしっかりと全員で共有しようということになりました。その後の研修内容を全てお話しすると長くなりますので、その中で重要なポイントをひとつご紹介したいと思います。



       それが、『 ひと手間 』 かける大切さ!なのです。



 私たちは現状を変えようとする場合、つい何か新しいことをしなければならないと思いがちです。しかし、新しいことはなかなか思いつかないし、つい煩わしさが先行してしまいます。その点、従来の取り組みにひと手間を加えるだけなら比較的に容易であり、実行しやすいのでは とお話しいたしました。

 じゃ、春日野商店さんでギフト販促について今やっていることを見直し、ちょっとだけ手を加えてみようと問題を投げかけました。そこで現在、夏ギフトについて実施していることとは・・?と訊ねると下記のようにギフト売場にただカラーギフトチラシを置いてるだけ、との事でした。ギフトに興味のある方は、持って帰って下さいという無機質なものでした。

 

 じゃ、これからはレジカウンターでギフトちらしを手渡ししようということになりました。そして、更にはギフト受注用紙も挟みこんで、ひと声かけてお渡ししようということになりました。そして、更にはコミュニケーションの取れているお客様には、積極的に会話をしてアピールしていこうとも・・・。

 例えば、「○○さんって、お中元は、どこで買われているんですか?」 とか 「○○さん!ネスカフェのコーヒーギフトが、定価の半額で、しかも全国送料無料ってご存知でした?」などなど・・・です。

 昨日、春日野商店様にお電話を差し上げたところ、パラパラではありますが、その後ギフト受注が舞い込んできているとの事でした。「ギフト売場に置いてるだけのチラシをレジにて手渡しする」、ただそれだけを実行しただけです。このように、ほんのひと手間を加えるだけでお客様の反応・行動・評価・満足が大きく変わっていくのだと思います。



ここで、『 ひと手間 』 をかけて大きな成果をもたらした加盟店 2店をご紹介いたしましょう。

 

 上記のカラーチラシは、姫路市の酒匠米匠サトウさんの5月末に新聞折込をされたものです。このチラシを配布することにより、たまたまお中元ではなく、粗供養ギフトの新規客が舞い込んできました。食品ギフトでその数は、50個でした。(定価3150円⇒半額1550円)

 

 当然の事ながら、ご主人の佐藤さん(63)は大変喜ばれて、今まではビール等の安売り販売が中心だったのですが、いわゆる酒DS業態の時期とは違った手ごたえを感じられ、今年の夏ギフトにかける思いに気合(スイッチ)が入った訳であります。( 成功体験というものは、自然と自らを前向きにさせるものです。)

 そこで、佐藤さんのとられた『 ひと手間 』 とは、今現在のお店の回り(地縁)や自分自身の周り(人脈)を見渡して、お付き合いのある法人個人に対して積極的に夏ギフトのひと声かけを実施されました。

 すると、どうでしょう! なんと佐藤さんが所属するプロパンガス組合から、やま磯のりセット(1380円売り)を全部で457セットという驚異的な新規受注が獲得できました。金額にして、売上額 63万円、粗利益額 30万円 (包装は、全て業者対応) という前代未聞の好結果となりました。

     『 あかんで、もともと!』 『 数撃ちゃ、当る!』 

               ・・・・・ 何とかなるもんですねー!



  さて次に、冒頭ご紹介いたしました和歌山のえがわ店さんの事例です。



 和歌山えがわ店さんでは、今年の夏ギフト商戦を取組むに当たっての課題のひとつとして、全体ギフト粗利益率2%アップを目指しておられます。昨年の6・7・8月三ヶ月のギフト売上額は、1,194万円で粗利益率19.9%、粗利益額237万円でした。

 もし、今年売上額が昨年対比100%と横ばいでも、粗利益率が2%アップしますと、粗利益額は1194万円×2%=23万円とかなりの増益となります。そのためには、高粗利益率の食品ギフトの構成比をさらに高めることと、ギフト既存客に対して商品の再提案(高粗利益商品)をして、粗利益率アップを図ろうとされております。

 

 そこで具体的にご紹介いたしますと、先述の185個口の法人様に昨年のお菓子ギフトと同様の他メーカーお菓子ギフトを提案され、先方もこれを了解され、ブランドチェンジされました。当然の事ながら、品質は同等のものです。

 結果として、1890円のお菓子ギフトの粗利益率が、18.0%から31.7%に改善され増益につながりました。



〔 昨年 〕 1,890円×185セット×18.0% = 62,937円

〔 今年 〕 1,890円×185セット×31.7% = 110,839円




 ここで、江川さんがかけた『 ひと手間 』 は、昨年の購買履歴に基づいて、従来どおりに185個を受注するという営業から更に踏み込んで、品質を下げることなく、粗利益率の高い商材を探し当て、お客様に提案したということです。そして、お客様満足も高めておられます。

 このような高度な営業活動は、一朝一夕に出来るものではありませんが、ここから学ぶべきことは、「 単にモノとしてのギフトを売るのではなく、ギフト周辺を含めて提案できる専門員としての技術を習得する」 ということが、粗利益率向上につながっていくことだと認識していただきたいと思います。

 繰り返しになりますが、この2店の事例に共通することは 「今やっていることにひと手間加え、より良い結果を生む」 という点であると思います。

さて、最後に今年の夏ギフト、期待通りの成果を生むためにも、貴店が「今やっていることにどんなひと手間をかけられるか」 を常に意識しながら 仕事に精進されんことを祈念いたしまして、今月の投稿を終えたいと存じます。



        今月もご覧いただきまして誠にありがとうございました。



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5月号 『 ドリームチェーン 20年の歩み 〔Ⅱ〕 後半 』 Ⅴol.52

 5月号 『 ドリームチェーン 20年の歩み 〔Ⅱ〕 後半 』 Ⅴol.52



 みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。



 



 さて、各店におかれましては、お中元カラーちらしも到着し、いよいよこれより2013年お中元商戦突入といったところでしょうか。今年からは、お中元ギフトあらため『夏ギフト』商戦といった括りで6、7、8月の3ヵ月を奮闘していくわけですが、さて今夏成果いかなることになりましょうや?!

 私自身の予想としては、今年はシャディギフトも充実して品揃えが豊富になり、お客様の『品選びの楽しみ』が増え、満足度は向上するのでは・・と期待いたしております。更には、仕入れ値改善の効あって例年のお中元ギフトちらしよりも2~3%利益率が上がると予想されます。(平均18%
⇒ 20%)

 例えば、直営店舗の東大阪店の場合、昨年のお中元ギフト売上総額(6~8月)は約550万円でしたので、利益率 2%アップとなれば、約11万円の自然増益となります。さらには、今年の夏ギフト売上高
昨対比105%を目指しておりますので、最終利益ベースでは昨年対比116%、金額でプラス16万円となります。

 
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 この夏是非ともこの目標を達成して、9月の徒然日記で販促詳細も含めてご報告できるようにしたいと思います。同時に全国で健闘されている各加盟店の皆様方からの嬉しい成果報告も期待しておりますので、今年の夏は大いに『強気の夏ギフト』で販促展開してまいりましょう!



  さて今月号のテーマは、先月に引き続き 『 ドリームチェーン 20年の歩み 』の後半についてお話しを進めてまいりたいと思います。

 先月号でもお話ししましたが、『酒匠米匠』システムは、今から8年前2005年に広島県廿日市市(はつかいちし)で、第1号店が産声をあげました。それが、『 米匠酒匠 なかお 』 さんでした。

 



 当時、中尾酒米穀店様は観光地で有名な安芸の宮島が近くにある旧国道2号線沿いの場所で、店舗を構えておられました。 しかしながら、国道の拡幅工事の為、店舗を取り壊すことになり住居付き店舗を新築することとなりました。それを契機にお酒の販売を強化する目的で、当時の『ドリームチェーン』に加盟希望され、私が現地にお伺いすることとなりました。

 しかしながら、当時からすでに酒ディスカウンターのみの時代は終焉を迎えておりましたので、高額な加盟金を払ってまで加盟されるメリットはありませんよ!と申し上げてドリーム加盟はお断りした経緯がございます。

 ただ、両者で話しを進めていく中お互いに商売に対する想いが強烈に伝わり、(以心伝心と申しますか・・・)最終的な決着として、私ども本部が中尾酒米穀店様の新築オープンだけお手伝いして、オープン後はご自身で頑張ってご商売なさっていって下さい、ということになりました。

 そして準備を進めていく中、まず新店にあたって『名は体を現す』と申しますように、店名を何か新しいものに命名しましょうということで、いろいろと思案した中決定したのが、『米匠酒匠』でした。当時この店名は、当然中尾さん個人の名称ですので、お米販売中心の営業内容のため、『米匠』を先にいたしました。

 



 ロゴデザインは、中尾さんのお友達のデザイナーに作成していただきました。作成費用は、確か十数万円だったと記憶しております。そして、お支払は中尾さんがされております。

 そして、店舗の新装と同時に会社の根っこの部分の『カイゼン』も着手いたしました。経営理念の確立、そしてスタッフの意識改革、また経営者としてのマネージメント力向上などなど、多岐に渉って筋肉質の組織へと努力されました。

 何か難しいシャープな改革というよりも、中尾ファミリーらしい温かいものが流れる体質改善であったなと振り返ることができます。実際、傍目から見ていても、悲愴感や苦痛感や根性論は全くなく、働くテーマはただひとつ 『 仲良く 楽しく 一所懸命 仕事をしよう!』 ということであったと思います。

 新装オープン後は、その働く姿勢がお客様にも支持されて、順調に会社運営も健全化し、地域の繁盛店になられたのは言うまでもありません。

 そして、そのあたりから私ども本部の運命も左右されてきたのでした。前月号の末尾に『運命的な出会い』というのが、そこから始まったのでした。



 序章は、広島の岡野酒店さんと高橋酒店さんでした。中尾さんの盛況振りをメーカーや地元問屋さんから口コミで聞かれて、私ども大阪の本部へ問合せが舞い込んだのでした。『米匠酒匠』システムに関心があるとのことでした。当然のことながら、そのシステムというのはあるはずもなく、中尾さん個人の看板なんですよ、とお話した訳です。

 



 しかしながら、何とかならないかというお申し出もあり、そこで初めて真剣に取り組む事を考え、中尾さんにその看板名とロゴを使用させていただけないかと相談いたしました。 結果は、即答で快諾いただきました。

 更には失礼なことに、私どもは酒屋中心なので、名称は『酒匠米匠』としたいと厚かましくお願いすると、これまた快諾! さらに、さらにロゴのデザイン料も甘えたままで、未だにお支払いもしていないという状況です。

 



 あれから、8年の歳月が経ちました。今では、『酒匠米匠』の加盟店さまが、何と50店を越える組織となりました。ドリーム店舗もあわせると70店舗を超え、年商ベースでは、もうすぐ100億円に届く規模になってまいりました。ここまで我慢強くご協力いただきましたメーカー・卸・各種取引業者様にも深く感謝し、本当に有難く思っております。



 さてここで過去を振り返ってみますと、この8年間で私どもの業界内では様々な淘汰や店舗閉鎖が進んでまいりました。酒販免許の自由化やそれに伴う大型組織小売業の台頭、少子高齢化に伴い国内消費市場の縮小が顕著化し、デフレも加速化してまいりました。

 そうした逆風の中で、私どもドリーム・酒匠米匠チェーンに集う仲間たちが、地域のお客様の支持を得て、何とか商いをさせていただいている喜びを日々感じ取りながら、これからの商売に活かしていかなければならないと肝に銘じる次第です。

 ふとここで思うことは、今回の『酒匠米匠』の拡がりは、たまたま偶然に起きた現象ではなく、人と人との出会いの中で互いに熱いものを語り合いたいという日頃の想いが『必然的』に巡り合わせてもらえたのでは・・・とつくづく感じるものです。



 最後になりますが、今回ドリームチェーンの救世主とご紹介させていただいた中尾さんにあらためて感謝の言葉を述べると同時に、中尾さんが今後さらに様々な人たちと出会い、その方々にその爽やかな笑顔を振りまいて頂くことをお願いして、今月の投稿を終えたいと思います。



      今月もご覧いただきまして誠にありがとうございました。



  [ P.S ]
  中尾さんへ
   俗に世間では、お世話になった方のほうに足を向けて
   寝られないと申しますが、我が家では、まともに西に向いて
   布団が敷かれておりました。スミマセン!!
   『言動不一致』とは、このことですね (笑) 
   カミさんに、逆にするよう申し伝えます。




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4月号 『 ドリームチェーン 20年の歩み 〔Ⅰ〕 』 Ⅴol.51

4月号 『 ドリームチェーン 20年の歩み 〔Ⅰ〕 』 Ⅴol.51



 みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。





 さて、今年もいよいよGW突入ということで、夏商戦の前哨戦であるこの10日間の『頑張り』は、一年の業績を占なう上で大変重要な意味の或るものとなります。



 おそらく既に各店のみなさんは、準備万端の上それぞれの販促活動に取組んでおられることと存じます。



 本部直営のドリーム東大阪店におきましても 、4/25から “ おかげさまで、20周年 大創業祭 ” と銘打ってイベントを交えて地域のお客様に対して謝恩セールを実施いたしております。



 西田社長を先頭に現場の若いスタッフたちが、準備に始まりセール期間中楽しそうに接客しているのを見るにつけ 「何とかこの激動の20年を乗り越えて来れたな」 という感慨が少なからずございます。



 



 思えば、平成5年4月29日に宅配100%のイノウエ酒販が、店売り100%の酒DS ドリーム東大阪店に業態変化して20年の歳月が流れたわけでございます。当初は、酒DSという業態そのものの概要がわからず船井総合研究所の中村氏にご指導いただき何とかスタートいたしました。



 当時は、東大阪市におきまして酒DS業態が初登場ということで、業界内では様々な軋轢を生み当時70年以上お付き合いのあった各問屋様から出荷ストップという事態に陥ったりして、急遽2㌧トラックを購入して県外の問屋さんに赴き、現金でビール等を仕入れていた事を思い出されます。



  『出る杭は、打たれる!』 そのものでした。 カッコ良く言えば、パイオニアの宿命でしたね。



 本当に苦労と不安の連続のスタートアップでありました。ただ、その分開店いたしますと地域のお客様がビックリするぐらいに来店され、開店当初は徹夜の毎日でありました。



 その時に、痛感したのが我々酒販小売業界のルールとお酒をお求めになられる消費者のニーズとのギャップでありました。当時、組合の酒屋仲間から、『安売り屋』と揶揄されましたが、実際のところ酒DSを開業したことで、真剣にお客様の要望されること・満足されることについて考えることが出来ました。



 来店されるお客様から、地域で商いする商人のあり方について毎日毎日教えていただいたように思えます。 また、その他に当時加盟いたしておりました全国酒DSの勉強会組織『みちのく会』(のちの日本酒販協会)のメンバーの方々にもいろいろとアドバイスをいただきました。当時の会長であられました仙台の『やまや』の山内社長にも経営者のあり様など、お酒を交えて帝王学について懇談したことも今では懐かしい思い出でございます。



 その『みちのく会』のメンバーも今では、半数以上の方々が廃業されており、『栄枯盛衰』と申しますか、いかにこの業界で生き残ることが難しいか ということを改めて考えさせられたものです。



 さて、ドリームチェーン本部のスタートといえば、東大阪店開業一年後のことです。これまた船井総合研究所の指導を受けながら、フランチャイズビジネスにチャレンジしたわけであります。当時、全国に某宅配チェーンに加盟しておりました仲間を中心に5店舗が集まりスタートし、徐々に足元を固めながら仲間集めに着手いたしました。



 最初の7年間は、市場環境もフォローの風が吹いておりましたし、そしてそれに伴いメーカー様や取引業者様のご支援をいただきながら順風満帆の業況でございました。売上高も平成13年には、チェーン全体で90億円(26店舗)の規模となり、PB商品の開発や店舗演出の向上などを積極運営いたしておりました。



          

 しかしながら、いずれ酒類販売免許の自由化やそれに伴う異業種大型店舗の参入を予測して、21世紀へと移行した2001年に 『START 21』 というスローガンのもと、大阪 中ノ島の大阪国際会議場にて全国の加盟店オーナー・店長等や多数のメーカー及び取引業者様にご参集いただき、今後のドリームチェーン販売戦略についてご披露申し上げました。

 
その際の戦略企画書( 32ぺージ )の内容については、下記にありますようにスローガンの5つのアルファベットをもじりまして今後10年間の行動キーワードとして明記いたしました。



 



 いま思いますと、この時の戦略提案が2013年この時代に何とか対応できる営業形態を形作る礎となったのではと、自負する次第です。あの時期、他チェーンにおきましては、まだまだ安さ一辺倒の戦略が通用する時代であったと思います。



 しかしながら、現在まだなお低価格志向の中で、アルコールや食品など多くのメーカーや販売業者が値下げ競争に振り回されている現況を見た時に、次の一手やあるべき姿を予見する洞察力をどう高めていくかが私どもチェーン本部の重要な課題であると認識いたしております。



 さて話しは2001年に戻しますと、先述の全国ドリーム年次大会は皆さまのご協力の下、大盛況のもと終幕いたしまして、その後2002年、2003年と新規店舗も増え、全国30店舗を越える規模となりました。



 しかし、その辺りからドリームチェーンに秋風が吹き、冬の時代が到来してまいりました。いわゆる既存店舗の昨年対比割れが全国的に現象化し、ドリーム各店の衰退が如実に表面化してまいりました。



 本部といたしましても、既存店舗の建て直しに追われ、新規店舗の勧誘はしばらくの間凍結することにいたしました。しかし、そのことによって加盟店同様、本部の収益力も低下していきチェーン全体が、シュリンクしていく非常に危うい状況となってきたのでありました。



 そこで、2005年我々のチェーンにとって、突如救世主が現れてきたのでした。



 



 それが、広島 廿日市市の中尾さんであったのです。彼との劇的な出会いがなければ、今のドリームチェーンは先細りの弱小チェーンに陥ってしまっていたのでは・・・と回顧いたします。



ほぼお察しいただいていると思いますが、『酒匠米匠チェーン』 が、ここから始まったのです。



 そこで誠に申し訳ございませんが、この彼との出会いと酒匠米匠システム構築については、次回5月号にて後半の部としてお話したいと思います。



 次月をお楽しみ・・・、それでは!! 
                        To be continued!



             今月もご覧いただきまして誠にありがとうございました。





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3月号 『 キャッチコピーの大切さ 』 Ⅴol.50

 3月号 『 キャッチコピーの大切さ 』 Ⅴol.50  



 みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。

 さて、やっと・・・やっと待ち遠しい春がやってきましたね。 連日テレビでは、東京の桜が満開で各地の公園の酒盛り風景が報道されていますね! 例年思うことなんですが、特に今年はこの桜の季節が愛おしいというか何ともいえない春のぬくもりを感じてしまうのは、私だけではないと思います。

 是非とも、この週末はお花見弁当を引っさげて・・と思っていたのですが、残念ながら仕事が入っていて京都の夜桜見物は出来そうにはありません。代わりに地元の長瀬川沿いの桜並木でカミさん連れもって朝早く散歩でもすることとします。



  ** 太閤秀吉の茶会で有名な京都 醍醐寺 ( 残念ながら、昨年の画像です。) **



 さて話しは変わりますが、今月の原稿を掲載するにあたって気がついたのですが、何と『徒然日記』を書き始めて今回で第50回目ということなんですね。確か2009年のお正月からスタートして現在に至るわけなんですが、久しぶりに第1回目の『徒然日記』の内容を読み返してみると、リーマンショックや中国の冷凍ギョーザのことなど書き込んでおり時代の流れの変遷をあらためて感じております。

 この4年間の中で、社長交代など私にとっても大きな変化があり、あっという間の月日であったように思います。さらには、つづけて第2回目・第3回目の投稿内容など目を通しておりますとそれぞれに共通した投稿パターンが見えてまいります。

 ひとつは、その時期に応じた時事の対策や考え方のヒント、そしてもうひとつは私達商売人にとって永遠のテーマであるお客様満足の実現のために、基本四原則の実践やお客様目線での商いのやり取りをどう工夫していくのか等、事例を交えてご提案できていたのではないかな と思っております。

 さらには、人生訓と申しますか『商人としてどうあるべきか、人としてどうあるべきか』など、自分自身が目指すべきテーマとして、私自身に問いかけながら書き綴ってきたように思えます。

 これからも、私自身痴呆症防止対策を講じながら、次なる節目100回目を目指して投稿してまいりたいと思っております。今後とも皆さま方には変わらぬご愛顧・ご厚情のほどよろしくお願い申し上げます。



 さて今回のメインテーマは、『 キャッチコピーの大切さ 』についてご提案いたしたいと存じます。



 早速ですが、下記のCMキャッチコピー、誰しもご存知の事と思います。各企業の理念や商品価値をエンドユーザーに対してアピールするにあたって、単純明快なフレーズによって一気に注目していただく、いわゆる「食い付く」ツールとして重要な位置づけとなります。



 

 私たちの日頃の販促においても、その商品価値をどのようにお客様へビジュアルにお伝えしていくか、その大切な手法の一つとして『キャッチコピー』が必要となってきます。ちらしのタイトルや店陳POPなど様々な情報伝達ツールの中に強く表現された手作りのキャッチコピーが必要となります。

 モノがあふれるこの時代では、お客様は私達の売りたい商品をなかなか買ってくれません。お客様が、思わず振り返ったり、手に取ったりしてもらえるような、熱い言葉とユニークな表現でアピールすることが重要となってまいります。



   

  いかがでしょうか? 前月号でご紹介いたしました兵庫県明石市の酒匠米匠マルヤマ店さんのジャガイモ店頭POPです。前月号の中で、途中経過の受注数は32ケースと報告しておりましたが、先日の3/25締めの受注数は、なんと128ケースという驚異的な数字でした。(ちなみに、目標数は56ケースということでした。)

 金額にして売上が15万円、利益額が約 4.5万円と、初めての『お取り寄せ名人』販促取り組みにもかかわらず、見事な成果を生み出されたのではないでしょうか。その成功要因のひとつとして、上記のPOPのキャッチコピーが、大変貢献していることと推察されます。

          『 酒屋ですけど、ジャガイモ始めました!!』

 たかだか、たった一枚のA3サイズの店頭POPなんですが、そこに丸山ご夫妻の熱い思いが伝わり、それがひと声セールス運動につながり、新聞折込チラシにも波及する、そんな連鎖がお客様へ浸透し、大量受注へとつながったように思います。

 たった16文字のシンプルなフレーズなんですが、それが、そしてそれを考えようとしたことがお店の運命を変えていくことになるといっても過言ではありません。今回、50店近くの加盟店様が今回のジャガイモ販促を実施されております。そして、そのお店が本部から供給されたジャガイモPOPを活用されております。

 しかしながら、そのほとんどのお店が何も手を加えず、そのまま活用されております。マルヤマ様のように更にひと工夫 ( キャッチコピーを付加する ) をなすことにより、そのお店のオリジナリティな思いがお客様に強く伝わっていくのだと思います。



   



 今回、キャッチコピーの大切さを訴求している訳ですが、本部として従来から何かある度に『お客様との絆作り』ということを申し上げてまいりました。そこで、今回の『キャッチコピー作り』とは、『お客様との絆作り』にスライドしていくものであると、さらに私は申し上げたいと思います。



 『お客様との絆作り』は、一朝一夕にできるものではなく、様々な取り組みの過程でお客様に変化が表れるものだと思います。そんなとき、こうした変化に敏感になるように心がけることが大切だと思います。この気づきを継続的に実施するためにも常にこちらからの思いをお客様に伝える、それがキャッチコピーの必要理由なのです。



  ここで、今回このキャッチコピーについて覚醒させていただきました酒匠米匠マルヤマ店の奥様から、参考書籍をご提案いただいておりますので、ここでご紹介しておきたいと思います。 



売上倍増!パターンで書く3分間


 今後、本部といたしましても様々な場面で、『キャッチコピー作り』についてアドバイスしてまいる所存でございますので、お互い大いにトレーニングしてお客様へさらに近づいてまいりましょう!



 最後になりましたが、その書籍から抜粋いたしました『カチトク安心今買わなくちゃ』の法則をご披露いたしまして今月の投稿を終わりたいと思います。



 





            今月もご覧いただきまして誠にありがとうございました。



2月号 『 各地区 新春勉強会が終わって・・・ 』 Ⅴol.49

  2月号 『 各地区 新春勉強会が終わって・・・ 』 Ⅴol.49



 みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。



 毎日寒い日が続きますが、どうお過ごしでしょうか? テレビの天気予報などを見ておりますと東北の豪雪の模様が毎日のように報道されております。毎年、それぞれの季節の中で猛暑や豪雨、台風や寒波など本当に自然の猛威というのはどうしようもない厳しいものだと痛感させられます。

 

 幸いにして、私の住む大阪は地の利に恵まれておりまして、毎日雪かきをせずにすんでおります。それだけでも心身ともに疲労感がまったく違いますからね。本当にありがたいことです。



    東北のみなさん、お彼岸まであと3週間頑張ってください!

             もうすぐ春ですからね!
  



 さて今回のテーマであります新春勉強会のお話の前に、先週兵庫県明石市のマルヤマ酒店様に訪問した時のお話をさせていただきたいと思います。お店に入りますとまず目に飛び込んできたのが、桜の花の演出でした。当たり前のことですが、ダイソーで買われた100円均一の造花なんですが、春の雰囲気が出て本当に綺麗に演出されておりました。

 

 さらにしっかりと『蔵出しジャガイモ』の大型POPも天吊りされておりまして、本当に以前とは全く違った素晴らしい提案型売り場になっておりました。 

 マルヤマ酒店様は、昨年10月の新規加盟店でして今回初めて『蔵出しジャガイモ』の販促を実施されているんですが、成果は上々のようです。初めての挑戦にもかかわらず、ご夫婦で64口獲得を目標にされており、2/20の時点で既に半分の32口をクリアされておりました。

  さらには、皆さんにお伝えしたい話は、これからなんです。

 ご夫婦と3人で話をしている中で、奥様の方から「井上さん、ジャガイモがこんなに売れると思わなかったです。そこで結構野菜の当たりが良いので、次は玉ねぎ5kg売りをしてみようかなと思うんです!」 とおっしゃっておられました。

 

 知り合いの方に仕入れルートがあるらしいのですが、今までほとんどアルコール商品しか販売されておられなかったお店が楽しそうに次の販促アイデアを考えておられる。そのことに売場の進化以上に働くお二人の『発想の転換とその豊かさ』 に脱帽いたしました。



  『 常にプラス思考で楽しく仕事をする!』 ってことは、こういうことなんですね。



   皆さんもどうぞ参考になさっていただき、頭をやわらかくしていただきたいと思います。





  さて、本題の『新春勉強会の振り返り』 をしてみたいと思います。今回の勉強会は、大阪から始まり兵庫、静岡、富山の4会場にて開催されました。大阪一ヵ所の秋の研修会と違い、新春勉強会は各地区少人数で行いますので結構中身の濃い意見交換がなされたと思っております。



 

 そこで今回の新春勉強会のおさらいというか、振り返りをしてみますと、まず一番インパクトがあったのが『シャディギフト』の取り扱いだと思います。私が言うのも何なんですが、今回の勉強会のために昨年秋ごろから西田社長を中心に商品企画のスタッフが、よく頑張ったと思います。

 

 キッカケとしては、昨秋広島の中尾さんからの問い合せ電話から、ひょんなことに今回の全体導入OKとなった訳ですが、本当に加盟店からの情報提供や要望事項は有難いものです。 

 ご存知の方もおられると思いますが、そもそも『酒匠米匠』のブランド名とロゴは、広島の中尾さんが8年前に店舗改装される際、友達のデザイナーに依頼してご自身でロゴ制作費用を払い、出来上がったものなんです。それを無償にて使用させていただき現在に至るといったところです。

 あらためて、中尾さん有難うございます。おかげさまで1号店の中尾さんから始まり今では、酒匠米匠加盟店は全国で46店舗となり、ドリーム店を合わせますと65店舗となっております。

 

 さて、話しは新春勉強会に戻りまして、その『シャディギフト』ですが、3月の各地区エリア会議にて更に具体的な導入内容をご説明させて頂きたいと思います。大阪・兵庫会場では、シャディのスタッフも加わりまして細部まで詰めてまいりたいと思います。お楽しみに・・・!!



 次に新春勉強会で注目されたのが、やはり和歌山のえがわ店、江川さんです。ご存知のように毎年の勉強会にはレギュラープレゼンターになっていただいていますが、いつも感心させられるのは毎年進化されている活動内容を発表していただけることです。

 今回も傾聴されていた加盟店・メーカーの皆さんに感動を与える、胸打つものがあったように思います。江川さんのスゴイのは、失礼な言い方かもしれませんが、美辞麗句で固められた語りではなく、全てが熱く本音で自分の商売に懸ける思いを訴えかけておられるところではないでしょうか。



 また、語り口以上にひきつけられるのが、そのプレゼンの内訳です。下記のバブルチャート図にあるように昨年以上に非アルコールカテゴリーの粗利額構成比が上がっており、理想的な酒類・非酒類の粗利益ミックスを実現し、安定した収益構造となっております。

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 さらには、下記のカテゴリー別粗利益額ランキングを見てみると、年間粗利益額ナンバーワンが食品ギフトカテゴリーであることが確認できます。

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 そして、再度バブルチャート図に目をやりますと、お米カテゴリーのバブルを見た時、2年前は現在のワインカテゴリーの大きさしかなかったものが、大きく育っております。
これが 『一番化のある多角化』 と言いまして、粗利益額カテゴリーNo.1である食品ギフトが次に食品や飲料水を引っ張り上げ、そして2年後にはおそらくお米カテゴリーがランキングNo.4 に躍進すると予想されます。

 その一連の流れについて、先日の新春勉強会にて提出しました資料を再度読み直して 『一番の商品や機能を育てる』 ことの意味をしっかりと理解して頂きたいと思います。

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 それでは、先述のえがわ店さんの一番の商品は何か、と言いますと『食品ギフト』となる訳ですが、実はここで見落としているのが、ランキングNo.4・13・14 の 『ビール系飲料』 の貢献度合いなのです。地域最安値のビール系飲料がお客様を呼び込み、そして『食品ギフト』『食品・調味料』『飲料水』『お米』へと連鎖していく訳なのです。ここのところをしっかりと読み取って自店の参考にしなければなりません。

 極端な考えを申しますが、 『ビール系飲料』 が地域標準価格より高い店は、二番手・三番手の商品は育ってきません。何故なら、お客様が来店してくれないからです。しかしながら、2~3年後には、えがわ店さんのように1番の商品が 『食品ギフト』 になっているのが、理想の形ではないでしょうか。



 今回の新春勉強会は、この先5年後のドリーム・酒匠米匠チェーンのあり方を指し示したものではないでしょうか。この勉強会で、これから我々がチャレンジすべことは、見えてまいりました。 あとは、どう具体的に行動するか! となります。 お互いに刺激しながら、そしてエールを送りながら楽しく仕事をすることの大事さを体感していきましょう!



 最後になりますが、今から12年前、私が50歳になった節目にいろいろと資料を集めて作成した 『 ドリームグループ 十訓 』 なるものを久しぶりに皆さんにご紹介して今月の徒然日記を終えたいと思います。

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   今月もご覧いただきまして誠にありがとうございました。



  〔P.S〕 前述の明石のマルヤマ酒店のお二人さん、上記の10項目をさらに実践して、商売人として、そして人間として磨き、輝いていただきたいと思います。 期待してま~す! 

1月号 『 富良野産 蔵出しジャガイモ販促について 』 Ⅴol.48

1月号 『 富良野産 蔵出しジャガイモ販促について 』 Ⅴol.48



 みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。



 さて1月も、この間正月休みが終わったかと思うと、あっという間に2月に入ろうとしております。 『光陰矢のごとし』と申しますが、本当に月日の経つのは早いものです。

 そこで、この1月の流れを見ていますと、日本国内外での大きな出来事として『桜宮高校の体罰・自殺問題』や『アルジェリアでのテロ事件』など血なまぐさいニュースが起きてしまい、2013年は殺伐とした何ともいえない思いからスタートすることとなってしまいました。

 しかしながら、経済面で見ますと『アベノミクス』効果 ( 大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の3つを基本方針 )で、適度な円安や株価の上昇など産業界全体におきましては、今のところフォローの風が吹きつつあります。

 

 ただ私ども小売業界では、価格競争が一段と厳しさを増す一方、外食業界では居酒屋や牛丼チェーンなど低価格業態の息切れが目立っているような気がします。先日の各地区エリア会議で提出いたしました日本マクドナルドの資料を見ましても価格戦略として『暗中模索』が、続いているように思います。



 そうしたなか今後の流通・サービス業界が注視すべき一つのヒントとして「バリュー(お値打ち感)」がお客様の心をつかむ方策であると1/28付の日経流通新聞のコラム「底流を読む」に提議されておりました。「バリュー(お値打ち感)」と「CS(お客様満足)」についての関係性の詳細は、昨年8月号で提示しておりますが、やはり「消費者の低価格慣れ」に対して打つ手が限られてきているのは確かです。

 外資系の或る証券会社のアナリストが、「商品の価格と品質のバランスについては依然消費者の視線は厳しい」と指摘しております。すなわち私たちの販促活動の中で、高価格帯での価値提案は、おそらく見向きもしてもらえないのは必定です。

 



 そんな中で、今回2月~3月にかけて実施する『富良野産 蔵出しジャガイモ』の販促は、先述のバランスという点では格好の商材といえると思います。1180円という低価格帯で、しかも高付加価値の商品ということで間違いなく『CS(お客様満足)』を適える商材であります。

 しかしながら、昨年の販促結果の中でブレイクしたお店とイマイチというお店があったのが現実です。では、その違いは何であったのでしょうか? 下記に昨年の販促アンケートに基づいた『その違い』のスパイラルを明記しておりますので、ご覧頂きたいと思います。

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 ということで、結論として日頃からお客様とのコミュニケーション作りに努力していなければ、ある日突然「これ買ってください、あれ買ってください!」といってもお客様は、財布の紐を緩めてくれません。世の中、そんなに甘くはないということです。

 さらには、成果を出しているお店を検証してみると、やはり販促のための準備を怠っていないということが明確になっております。本部から提示しております『アプローチブック』の内容についてのスタッフ勉強会開催や販売模擬接客(ロールプレーニング)など、販売促進に当たっての原理原則といいますか、方程式というものをしっかりと体得しなければなりません。その内容の一部を下記に掲載しておりますので、ご参考にプリントアウトしてみて下さい。



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 『 富良野産 蔵出しジャガイモ 』の販促は、今年で5年目になります。毎年この時期になりますと、お客様の方から問い合せの電話があったりします。それは、この商品の価格とバリューのバランスに満足されているからです。お客様は、納得感があれば多少支出がかさんでもお買い物いただけるということです。

 そして、何よりもお客様の声として「お兄ちゃん、あのジャガイモ美味しかったわ!ありがとう!」といっていただけることです。今この記事をお読みの皆さんは、日々の業務の中で一日何十回、もしくは何百回とご来店されたお客様に感謝の言葉を述べられていると思います。それでは、逆にお客様の方から「ありがとう!」と言っていただく回数は、一日何回ぐらいあるのでしょうか? おそらく通常の業務では、ほぼゼロに近いと思います。



 ここで、最後になりますが今月号の締め括りとして、ある経営コンサルタントの『ありがとうの連鎖反応』についてコメントがありましたので、その内容の一部を掲載して今月の徒然日記を終えたいと思います。



 『ありがとうの連鎖反応』

   ・・・・・・・前略・・・・・。お客様のお買上げ単価が上昇する現象は、今や一つの因果によって起こるのではない。そこにはいくつもの要因が絡み合っており、玉突き式の連鎖が起こって初めて結果が表れる。

 これまでは、客単価を上げようとすると、より高いものを勧めよう、関連商品も売り込もうと、販売促進策だけを考えがちだった。しかしそれは売り手側の一方的な発想にすぎず、お客様の気持ちは考えられていない。そこには、お客様に喜んでもらおうという意識はない。

 逆に「ありがとうと言われるにはどうするか」を考えることは、自然とお客様の気持ちを考えることに結びつく。

 そこに気を配り、そこから発想しなければ、結果として「ありがとう」を言ってもらえるようなサービスは実行できないからだ。そうして頭の中が切り替わってくると、日々の振る舞いが変わる。また、他のスタッフの接客にも目が行くようになる。お互いに褒め合い、ねぎらい合い、良いところを取り入れようとする。そうすることで一層、日々の振る舞いは変わっていく。

 その一つひとつは、些細なことだろうだろうが、お客様にとっては印象深いものだ。なにせ、「ありがとう」と言いたくなる様な振る舞いなのだから。そして、その好印象は、お客様の様々な行動を引き起こす。それらが、玉突き式の連鎖を起こし、売上や客単価の上昇となって表れる。

   だからこそ、「ありがとう」が成果に結びついていくのである。



 全国の加盟店の皆さんの『 富良野産 蔵出しジャガイモ 』販促が、どのような成果をもたらすのか、大変楽しみにしています。 健闘を祈ります。



     今月もご覧いただきまして誠にありがとうございました。