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6月号  『 一品単価・一品粗利益率アップのために・・・』  Ⅴol.77

6月号  『 一品単価・一品粗利益率アップのために・・・』  Ⅴol.77



 みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。

 



 さて、いよいよお中元商戦本格突入といったところで、ドリーム東大阪店では順調に夏ギフト受注及び発送業務進行中であります。特に大口の法人関係のお客様が早めにご注文を頂いたりして、店内及び倉庫には夏ギフトがぎっしり積み上がっております。

 



 今年の東大阪店での夏ギフト売上目標は、650万円 ( 昨年は、593万円 )、販売個数は、3,200個 ( 同2,987個 ) であります。昨年末のお歳暮期に近隣競合の業務スーパーに当店の大口顧客(約10万円、40個口)が価格攻勢で奪われるなどなかなか厳しい環境ではありますが、この夏ギフト期、何とか総数で昨年対比110%を達成したいと意気込んでおります。



 段上店長並びに松藤チーフ共々、しっかりと夏ギフト販促提案活動を実施していく中で、既存顧客には更なるリピーター化、そして地域に点在するお客様に対しては、個人・法人問わず新規獲得を目指していきたいと思います。そして、9月初旬の東大阪店懇親会では、旨い生ビールで目標達成の乾杯をしたいと思います。 

 



 さて、話は変わりますが、本日日経MJ新聞で昨年2014年度の全国大手小売業の売上高・利益高のランキング発表がありました。その一部をピックアップし、表作成いたしましたので、ご覧いただきたいと思います。

   拡大版はココをクリック



 いかがでしょうか? この表から小売流通業の時代変化と共に勢力図が確実に変遷していくのが感じ取れます。そして、我々のような零細小売業とは、規模の大小は別としても消費者の買い物動向としての流れはこの表から読み取れるのです。



 例えば、売上高・営業利益額の一位、二位を競っているセブン&アイホールディングスとイオングループとの利益体質の違い、ドラッグ業界においての新旧勢力の交替、家電最大手のヤマダ電機の苦境など、様々な角度で読み取れます。ここから私たちの商売のあり方について学ばなければなりません。



 出来ましたら、この表を使ってどのように検証し、具体的に次なる行動に繋げていかなければならないかをご説明したいのですが、夏ギフト商戦終了後に解説させていただきたいと思います。とにかく今は包装等で多忙を極めておりますので、ご容赦いただきたいと思います。ホント、しんどいですー。



 さて今回のテーマは、 『 一品単価・一品粗利益率アップのために・・・』 とさせて頂きました。このフレーズについては、今後私どもチェーンとして取り組む最重要課題として以前より再々申し上げてまいりましたが、今回あらためてこのコラムの中で取り上げてみたいと思います。



 話しはさかのぼること今月 6/19 (金) 愛知岐阜エリア会議でのことでした。愛知地区では、毎月夜7時過ぎから会議をスタートさせているのですが、全員が集合するまで、いつも定刻前に来場している岐阜の日乃出屋 市橋さんと雑談や商売についての意見交換をさせて頂いております。



 今月、その懇談の中で 「 井上さん、売上は順調に伸びているのですが利益率が最近落ちてきているんです。何とか粗利益率の高い店頭精米の売上を高めていきたいのですが、どうすればいいんでしょうか?」 という話になりました。当然ことながら、私なりに質問にお答えしたのですが、お米の話の前に店全体の経営指数をお伺いすると、まったくの『どんぶり勘定』 でありました。

 



 いつも経営のお話をさせて頂く時に、例えとしているのが 『人の体の体質改善』 についてです。風邪ひきを治療するにしても体温数値や脈拍数値など最低限のデータが必要となります。お店の体質改善(粗利益率を上げるなど)を実施するにあたって自店の現状数値がどのようなものであるのか、把握なしに根性論で販促を実施してもこの時代なかなかうまくいかない。額に汗水して一生懸命頑張ってみても、『 空回り 』 していることがよくあります。



 これは私のかつての経験から実感しています。現在もまだまだ私自身改善されていないのですが、最近は何か問題が発生すると必ずその問題点の根っこにあるものを探ろうとしています。まだまだ不勉強なところがありますが、その意識をもって取り組むと意外と答えが見えてきます。

 



 市橋さんに逆に質問しました。「店頭精米を始めて三年経過するけど、1000Kg/月に達しないのは、なぜ? そこのところをまず自分自身で深堀りすること。なぜ?を3回繰り返す、そして信頼する仲間に相談すること。今回の自発的な相談は、非常にタイムリーやね!」
とお話ししました。



 そして、私に全ての答えを求めるのではなく、一緒に問題点を洗い出し、そこから浮かび上がった課題を今後努力と時間をかけてどのようにクリアしていくこそが、大切なんです。そして、それが次なる成長につながるんですよ! とお答えしました。 そして続けて 「じゃ、その問題点を一緒にいくつか列記していきましょう!」となりました。



 そして、すぐに問題点が見えてきました。お米の売上が伸びない原因は、『お米に対しての商品知識の無さ』 でした。本人は、非常に納得されておりました。ごく普通の当たり前の事なんですが、本人にはそこのところが見えてないんですね。みなさん、ご存知のように日乃出屋さんの提案販売力は、抜群です。酒匠米匠チェーンの中でもピカイチです。

 



 以前、私どもの秋季勉強会で発表していただいたように、例えば年末のお正月おせちの販売数は70セット(売価15000円)完売いたします。なんとお正月おせちで100万円の売上をあげられております。根性論で商品を売らせば誰にも負けません!



 かつて、20代の時に名古屋の大手酒販店で酒屋業の修業を2年間されてきました。そちらで営業力強化のノウハウを学ばれ家業を引き継がれた訳です。その後、上記のように厳しい商環境の中でも黒字決算を継続されておられます。



 こういう私も修業には行ってませんが、かつてドリーム開業以前、イノウエ酒販時には、宅配専門店として何店かの酒販店ご子息を預かり、3年の期間で商売全般のご指導をさせて頂いたことがありました。今振り返ってみますと、その指導のベースにあるのは『根性論』でありました。



 65才になった今もそのフロンティアスピリットは、忘れてはいませんし、持ち続けていると自負しています。しかし、現社会において、これだけ情報が溢れ、消費者が賢く高度化した時代に根性だけでは、ビジネスはやっていけません。変な例えかもしれませんが、日乃出屋さんの場合、『鬼に金棒』ということで金棒という付加価値を自分自身に取り込んでいかなければならないのです。その一つが販売する商品の知識習得という訳です。

 



 このスローガンは、昨年より幾度となくお伝えしてきている訳ですが、日乃出屋さんの場合、先述したようにお客様との会話の中で、商品情報やお役立ち情報など 『 伝える力 』 に関しては完璧であります。 安売りのチラシに情報提供を全て頼るのではなく、マンパワーいわゆる伝播力が養われておられます。



 実際に6年前酒匠米匠に加盟された時の売上高が、4800万円。その後、様々な分野で営業活動されて売上を伸ばし、昨年は6900万円まで押し上げて来られました。地元プロサッカーのJ2
岐阜FC(ラモス監督)のホームサッカー場での生ビール等の専属業者指名も彼の営業力で獲得されました。

 



 人気相手試合の時は、キリンの生ビール(20L)なんと50本以上販売されるときもあるようです。直接販売ではなく、納入業者としてなので、やはり粗利益率は、10%を下回ってしまいますが、大きな収益源として確保されました。ただ、その為に売上全体の粗利益率の低下を招いているということです。



 そこで粗利益率の高い『店頭精米』を強化したいということです。エリア会議場での話に戻ります。そんな訳で、二人で話す中、相田みつをさんの詩を持ち出しました。

 



 ということで、具体的に毎月エリア会議前の一時間をお米に関する勉強会をマンツーマンで開講することになりました。教材は、はたやすさんや玄米工房の関根さんから、かつて教えを乞うた問題集やプレゼン資料を活用してみようと思います。私自身も彼を教える中で復習となりますし、好都合であります。ついでに、決算書の見方や検証の仕方などもこの際勉強してもらおうと思っております。



 今回の投稿は、日乃出屋の市橋さんとのやり取りが中心となり、テーマとしての、 『 一品単価・一品粗利益率アップのために・・・』 と何ら関係性が無いように思いがちですが、そうじゃないんです。富山稲荷町店の藤澤店長夫妻のワイン・ウィスキー・地酒の造詣の深さ、久宝寺店の店頭精米のレベルの高さ、すべて今回のテーマに直結しています。



 なぜ、そうなっているのか? なぜ? 一生懸命お客さんの為、お店の為、そして自分自身の為に、しっかりと販売する商品の知識習得のため努力されているのです。市橋くんもそうあって欲しい! ということを願って今月の投稿を終えたいと思います。



 ちなみに、2012年4月号 『 酒屋版 学問のすゝめ 』 Vol.39 ( ココをクリック)をお時間のある方は読み返して頂きたいと思います。



                今月もご覧いただき誠にありがとうございました。



 [ P.S ]

なでしこジャパンが、ワールドカップ女子世界大会にてベスト4へと進みました。お忙しい時期ではありますが、さらにお時間のある方は、4年前のコラムに時間をまき戻し、なでしこジャパンの誕生秘話をご覧いただきたいと思います。



   2011年7月号 『 なでしこジャパンから学ぶもの! 』 (ココをクリック)