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7月号 『 なでしこジャパンから学ぶもの! 』



7月号 『 なでしこジャパンから学ぶもの! 』


みなさん、こんにちは! 毎日暑い日が続きますね。大阪では、もうすでにお中元ギフト商戦も終盤に差し掛かり、どちらかといえば最近お盆のお供えギフトの包装の方が多くなってきた感があります。皆さん方の地区ではいかがでしょうか。



 ちなみに販売状況といたしまして、大阪地区の各店におかれましては、この厳しい商環境の中でも昨対比100%越えのお店も結構ありまして健闘されておられるようです。以前より、お話していますようにまだまだギフト市場に関しては我々にとってキャパシティは残されていますので販売努力する価値はあると思います。



 

 さて8/6(土)から夏の風物詩、甲子園での全国高校野球が始まります。今年の高校野球は、例年以上に全国の、特に東北地区被災者の方々へ勇気と希望を与えられる大切な大会となると思います。彼らのフェアで躍動感のある爽やかなプレーで、この沈み込んだ日本経済・社会に元気を与えてもらえることを願わずにおられません。



 そして8月末の高校野球の終幕とともに、我々の夏のギフト商戦の終了という流れとなります。そんな訳で残り3週間お盆明けまで頑張ってギフト売上げを伸ばしていきましょう。





 さて今月の徒然日記のテーマは、『 なでしこジャパンから学ぶもの! 』 とさせていただきました。



 



 もうすでに皆さん方ご存知のように、過日7月17日ドイツ・フランクフルトで行われた女子ワールドカップ決勝で、アメリカを延長戦 2-2 その後、PK戦
3-1で破り、“なでしこジャパン日本代表”が初のワールドカップ優勝を達成いたしました。



  皆さんの中にも当日夜中にもかかわらず、眠い目をこすりながら観戦された方も多数おられたと思います。 私も家内と一緒に朝方まで奇声を発しながら応援いたしました。そして、熊谷選手のPKが決まった瞬間はバンザイしながら何ともいえない喜びと興奮がありました。一昨日観戦に行きました甲子園での『六甲おろし』の大合唱に勝る感動を味あわせていただきました。



 また、彼女たちのプレーもさることながら試合終了後のインタビューの内容が更に胸を打つものがありました。素朴でニコニコと笑顔で受け答えする選手たちの表情が大変爽やかで、観戦する私まで嬉しくてたまらなくなり、思わずテレビに向かって“おめでとう!!”と言ったものでした。



 サッカー選手の試合後のインタビューといえば、男子サッカー選手達の淡々とした素っ気のない受け答えが、何故かいつも現代社会の世相を現わしているように思えてならなかったのですが、今回の彼女達の言動はすごく好感の持てたシーンでありました。実は、その理由があとからあらためて知ることとなったのですが、その前に『なでしこジャパン』について調べてみましたのでちょっとお話したいと思います。



 



 まず、『なでしこ』(撫子)の花言葉なんですが、5つほどありまして 「 純愛・大胆・才能・勇敢・器用 」 という言葉に表現されるようです。あのアメリカ戦でのプレーを思い出すと“フムフム”と頷けるような気がいたします。



 また花の起源は日本古来からあるようで、万葉集や「枕草子」にも登場し、古くは平安貴族に愛された花で現在に至るということです。なお、女性を賞賛する言葉として「やまとなでしこ」という表現がありますが、これは江戸時代中期に使い始められたということのようです。



 そこで、何故なでしこの花が日本女子サッカーと関係するのかという事ですが、この言葉の生みの親は皆さんご存知だと思いますが、これまた「Jリーグ」の生みの親、当時の日本サッカー協会会長
川渕三郎氏であります。(川渕氏関連の記事については、昨年の6月号を読んでみて下さい。)



 

 2004年アテネオリンピックに女子サッカー出場が決まった時に川渕氏の発案で一般に愛称を公募し、応募作をもとに付けられたのが、「なでしこジャパン」でありました。



 また、それに付随して2007年に日本サッカー協会は「なでしこヴィジョン」を策定しました。これは、我々のビジネス用語で例えると経営理念といったようなもので「ひたむき・芯が強い・明るい・礼儀正しい」という4つの心を挙げ、「なでしこらしい選手になろう!」 「なでしこらしい選手を育てよう!」と日本女子サッカーに関わる指導陣・選手・事務局の全ての人々が同じ理念の下、心身ともに向上していこうと明確に打ち出されました。



 いわゆる『仏作って魂入れず』では、いけないので2007年から本格的に日本の女子サッカーの『種まき』が始まっていた訳です。今回のワールドカップ優勝の背景には、このような我々には伝わってこない計画がなされていたんだなとつくづく感じる次第です。今回のアメリカ戦では、確かに紙一重のところがいくつかありましたが、試合結果としてそれは偶然ではなく必然性があり、彼女たちの、そしてコーチ陣たちのこの4年間の努力の賜物であると理解することが出来ました。



 そして、彼女たちをここまで力強く、我慢強く、そしてゲームを楽しんでプレーする豊かな心を持てるよう育成されてきたのが日本女子サッカー監督 佐々木則夫氏であるのです。佐々木氏の指導の下、なでしこジャパンの正確なパス回しなどお手本どおりのチームプレーをアメリカ戦で展開する中で “小が大を制す”という偉業を成し遂げられたと思います。ここに私どもの個店およびグループのあるべき姿を重ね合わせてみると何かヒントとなるものがあると思われます。



 さて、みなさん佐々木監督がワールドカップ開催の6ヵ月前、今年の1月に一冊の本を出版されたのをご存知でしょうか。この度の優勝で、楽天の書籍部門でNO.1の売上げをなされているようですが、この本を読んでみますと佐々木監督の人柄と指導者としての能力が様々と見えてまいります。



 



 また、別の角度で捉えて見ますと、この本は監督がワールドカップに臨む心意気、いわゆる『宣言書』になっているように思えます。私なりにこの本の解説をしていますとまた長々となってしまいますので差し控えますが、皆さんも夏場の繁忙期が一段落すれば、是非とも読んでいただければと思います。



 そこで、ここでは少しだけ巻頭にある佐々木則夫流 11(イレブン)の心得をご紹介したいと思います。 



     ①責任 

     ②情熱 

     ③誠実さ 

     ④忍耐 

     ⑤論理的分析思考 

     ⑥適応能力 

     ⑦勇気

     ⑧知識 

     ⑨謙虚さ 

     ⑩パーソナリティ 

     ⑪コミュニケーション




 ◎ これら11の項目は、足し算ではなく掛け算で捉えなければならない。

 一項目でもゼロもしくはゼロに近い値があれば、その人に指導者としての資質はないであろう



 この本を読ませていただいて私は佐々木監督の生き様など、その人物像に凄く魅せられた気がいたします。今月号に限らず、おそらく何度も佐々木則夫氏のエピソードをこの徒然日記の中でご紹介してまいりたいと思います。(9月には、いよいよロンドンオリンピックのアジア予選もありますしね!)



 





 最後に、個々人の生きるためのリスクについて、本文 P.129で語っておられますので、この文面をご紹介いたしまして今月の徒然日記を終わりたいと思います。



 『僕の指導理念は、選手に自分らしさを表現させる、という事で一貫しています。 ところが、選手の立場からすれば、自分を出すということは、失敗した時に自分の評価を下げるというリスクを伴う。言われたことを言われたとおりにやっていれば、もし結果が失敗でも「私はミスをしていない。私にその作戦を与えた監督のミスだ」と、リスクから逃げることも出来る。 だが、本当のリスクとは「失敗すること」ではない。成功の反対は失敗ではなく、「やらないこと」だ。自分らしさを表現できず、指示を待ち、言われたことだけをこなしていては、本当のサッカー選手にはなれないし、本当の自分の人生を生きることもできない!』



 全国の加盟店オーナー・店長の皆さん、そして私も含めて仕事もスポーツも、そして人生のあり方について常に自問自答しながら、今回の『なでしこジャパン』の快挙に喜んだり、感動したりする裏側には、様々な発想の転換と努力があることも知り得て、私たちも少しずつ見習っていきたいものです。





   今月もご覧頂きまして誠に有難うございました。