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4月号  『  ニッチビジネスとは・・・? 』   Vol.86

 4月号  『  ニッチビジネスとは・・・? 』   Vol.86



  みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。



 さて今月号は、大変悲しい話題から入ることになります。先日4月14日21時26分に発生した熊本地震についてなのですが、改めて今回地震が巻き起こす様々な災害の恐ろしさを痛感させられたのではないでしょうか。

ここで今回被災された方々に、この場をお借りして衷心よりお見舞い申し上げます。

 



 幸いにして該当する地域に在住していない我々は、『明日は我が身かな』 という考えで、備え怠りなく心を引き締めていかなければなりません。大げさなようですが、その理由としては日本全国いたるところに今回の地震の原因となった活断層が点在しているからです。



 例えば、私どもの大阪地区においては、今回熊本地区の布田川断層帯のズレにより発生した地震より、はるかに被害が上回る可能性がある上町断層帯や生駒断層帯が地中深く存在しています。もし、ズレが生じた場合、推定ではマグニチュード7.5以上の地震が発生するとされています。

 



 今回の地震で熊本県を象徴する熊本城が被災して県民の心を更に痛めていると聞いておりますが、西日本新聞によりますと、広島大学の三浦教授が今後熊本城の復旧には、10年以上の歳月と200億円以上の費用が必要であると算出しておられます。

 



 もし大阪で地震が発生し、熊本城同様我らの大阪城が崩落するようなことがあれば、あらゆる面で大変な事態となってしまいます。今回の熊本地震を上回る甚大な経済的損失と精神的なダメージは、計り知れないものがあります。



 そして、その他にも和歌山地区では、南海トラフというとてつもない化け物を近くに抱えており、もし何かあればおそらくマグニチュード 8 以上の大災害になるであろうと予測されております。『備えあれば憂いなし』 『大難を小難に、小難を無難に!』 という観点で今の間に出来る事は未然に備えておきましょう。

 



 さて地震のお話から変わりまして、今回のテーマは、『ニッチビジネスとは・・・?』 とさせていただきました。

近年、消費が減少し続けている米穀業界においての商売のあり方についてお話ししたいと思います。



 その前に先日、四国の高生連(高知生産者連合)の松林代表から 『 高生連からのコメ便り 』 が送付されてまいりました。毎年この時期に高知の田んぼの状況報告を頂いておりますので、まずはご紹介いたしたいと思います。

 



 さて東大阪店では、上記にある南国市の 『西村さんの無農薬こしひかり 』 を取り扱っております。販売価格が、なかなかお高い事もあって当店ではお米売上ランキング21番目となっております。商品の特性もあって精米せずに、玄米食をされている方が多いようです。



 先日、私がレジにいるときに赤のフェラーリで来店されたお客様が、玄米のままで30Kg (とりおきチケット)お買い上げいただき、代金20840円。 値引き前粗利益率が32.1%ですので粗利益額が、約6,000円となります。このようなお客様が一日に10人位ご来店いただければ、楽な商いが出来るんですがね・・・。

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 ただ、世の中の消費動向に目を向けてみますと、米穀小売業界は下記のグラフにあるように大変厳しい現状であります。ご覧いただければ、一目瞭然だと思いますが、黄色の折れ線グラフが国民一世帯当たりの年間消費金額の推移であります。この15年間、毎年深刻な下落傾向にあります。

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 さらに小売業よりも厳しいのが、生産農家の方々です。みなさんテレビや新聞で、T P P 協定が大筋で合意したとか、農産物の輸入拡大の方向性であるとか、よく聞かれたことがおありだと思います。

 



  上記の政府系の説明内容では、どうも意味合いが理解しづらいようですので、私なりの解釈で今後の農政の動きやその影響について、お話いたしたいと思います。

  



 今回のTPP協定がいずれ締結された場合、近い将来各国間で関税が撤廃され、貿易の自由化が促進され、輸出においては日本製品(IT部品や乗用車等)の拡大化が期待され、逆に輸入においては農産物中心にかなりの打撃が予想されます。



 例えば、アメリカ・オーストラリアからのコメ輸入が拡大すれば、いずれ関税は0%になり、安い外国米の独壇場になってまいります。(現在は、年間77万トン輸入され、それに778%の関税がかけられています。) 平たく言えば、輸出関連業界発展のために国内の零細な生産農家の方々が、その犠牲となっていくという構図です。



 国際化の波といえば、その通りなんでしょうが、何とも言えない空しさを感じざるを得ません。現在日本の農家の平均年齢は70歳。このままいくと10年後は確実に生産量は低下すると思われます。国内唯一、自給率100%のお米もそうでなくなる日も近いと予想されます。ちなみに、今すでに小麦は86%、大豆は76% を輸入に頼っているという現状であります。



 今後、地球温暖化による干ばつなど天候不順のため世界的に農作物の凶作が続くことがあれば、自給率の低下傾向の日本が食糧飢饉に陥り、大変な事態に遭遇することを考えると、現在の日本の農業政策に対して疑問を感じざるを得ません。



 そんな中で我々ドリーム・酒匠米匠チェーンのメンバーにおかれては、お米を自店の大事な柱にするため日夜努力されております。消費が先細りするカテゴリー、そしていずれ海外から大量に安価なお米がドッと舞い込んでくる業界、マイナス要素ばかりのお米カテゴリーを今後どのように育成させていくのか、真価が問われます。



 今春のチェーン勉強会におきまして、本部より今年もギフト並びにお米カテゴリーの強化が再度アピールされておりました。ただ、その二つのカテゴリーに若干違いがあるのは、かたやマーケットサイズが10兆円以上あり、しかも前年より微増しているギフトカテゴリー、かたや2兆2千億円しかなく、しかも年々減少し続けているお米カテゴリーと一見真逆な要素を見せておりますが、販売戦略の戦い方としては、同じです。

    





 昔、私の若い頃に流行ったビジネス用語に『ニッチビジネス』 というものがありました。いま原点回帰という事で、このビジネスのあり方が注目されています。安心・安全・健康・新鮮というキーワードで店頭精米をベースとしたお米販売、まさにニッチを狙った我々の商売のあり方だと思います。



 そのニッチビジネスを実践され、成果を出されている店舗紹介とその成功のカギとなるであろう食のスタイルを来月号でパートⅡとしてご紹介させていただくことをお伝えして今月の投稿を終えたいと思います。



   今月もご覧いただき誠にありがとうございました。





[ P.S ]

 ニッチビジネスとは潜在的な需要がありながら、これまで

誰も手を付けずに隙間になっていたような特定の分野や

市場を対象にしたビジネスのことを言います。

ニッチ(niche)とは、もともとは生物学で生態学的地位

すなわち自分の適所という意味です。



 ニッチビジネスには、市場規模が小さく

(ターゲットの絶対数が少ないため)メリットの薄さから

敢えて参入が敬遠されていた分野や、それまで誰も考え

つかなかった、あるいは思いついたが事業として構築

できなかった分野などが含まれます。



 市場規模が小さいニッチビジネスは、特定少数の顧客から

強い支持を集めやすく、また 独創性からニッチビジネスに

区分されるものは普及・一般化によって市場規模が大いに

 拡大する可能性があります。

3月号  『 安売りするな!価値を売れ! Part 2 』   Vol.85

3月号  『 安売りするな!価値を売れ! Part 2 』   Vol.85



  みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。



 さぁー、いよいよ待ちに待った 『 春 』 ですねー! 今年もまた自然界の生き物は、寒さから解放され啓蟄から始まり、、にぎやかにあちこちで活発な営みを始めだしました。そして我々人間も、春を告げる
『 お花見 』 という一大イベントをスタートにこれから精力的に動き回るようになってまいります。

 



 私も4月初旬にお休みをいただいて、家内と共に大阪城の西の丸庭園へお花見に出かけてみようかなと思っております。近くに近鉄百貨店がありますので、デパ地下でプチ贅沢なお花見弁当でも買い求め、美味しいワインを持参して『 忙中閑あり 』 という事で春を満喫したいなと思っております。

 



 さて、そもそもお花見の行事って日本人はいつ頃から催すようになったんでしょうか? 毎回の事ですが、ウィキペディアで調べてみました。



 

      お花見の起源は2つあるそうです。



 1つは貴族文化的なものだそうです。奈良朝の貴族にとって花といえば梅でした。それが平安朝に入って梅に変わって桜の花見が貴族の重要な行事となりました。812年、嵯峨天皇が御所南殿で宴を催したのがお花見の最初の風習と言われています。



 もう1つの起源は農民文化的なものだそうです。春になると里の人々が飲食物を持って近くの丘や山に入りました。お花見は桜の咲き具合でその年の豊凶作を占う農事であり、古くから行われていたと考えられています。



 花見は桃山時代には武家の間でも流行しました。豊臣秀吉の醍醐の花見(1598年)はその豪華さで最も有名です。その後、江戸時代に入ってから農耕儀礼から切り離され、貴族の公式行事から離脱し花見は庶民の行事となりました。

 



 江戸幕府は、都市計画の目的で大々的な桜の植樹を行いました。とりわけ徳川吉宗 は都市と農村の接点である江戸の河口周辺部に植樹し、花見の名所が生まれました。花見が都市周辺部で開かれたことで花見の大衆化につながりました。


 と言う訳で、現在我々のような庶民が楽しむ花見というのは、八代将軍徳川吉宗の鶴の一声で始まったようです。世界的に見ても地面に座って花見で宴会というのは、日本以外にはなく、日本独特の文化という事なのでしょうね。





 さて、花見で宴会となれば、我々の商売と無縁と言う訳にはいきません。当然この時期お客さまからお問い合わせがあるのが、冷えた缶ビールと飲料水・おつまみなど配達してもらえる?
とか、生ビールのサーバー貸してもらえるかな? とかが多いですよね。

 

  ※加盟店さま専用ページになりますので一般の方はダウンロード出来ませんのでご了承ください。



 上記のPOPは、三木市の津田本店様の生ビールご案内原稿です。ポカポカ陽気となってまいりますこの時期から、津田本店様では毎月の折り込みチラシや店頭情報誌に掲載されており、また店頭にも掲示されお客さまから大好評のレンタルシステムとなっております。



 従来からお話させていただいているように、お客様への情報内容も 『 モノ から コト 』 へのバランスチェンジへと知恵を出して積極的に行わなければなりません。お客様の季節季節の生活シーンを思い浮かべてタイムリーに情報を流す。大切な事です。



 津田本店様では、このレンタルサービスを数年前から始められて毎年口コミなどで申込み口数が年々増加していっているようです。



 また、滋賀県東近江市のしくマルハチ店様では、下記の内容にてご案内されております。

 



 やはり しくマルハチ店様も口コミでレンタルサービスが拡がり、一昨年には地元大手法人関係の記念祭で生ビールや飲料水等で一回50万円ほどの売上があったそうです。その後、地元自治会の大きな行事などからも要請があり、同じく口コミで各自治会御用達が拡がっているようです。



 この二つの事例をみたときに、価格競争で疲弊してしまっている我々酒類業界において、大手が提供できないようなサービスを前面に打ち出して、単なる利益創出というものだけではなく、お客様の生活シーンを楽しく演出するお手伝いをさせていただく、このようなレンタルサービス、みなさん積極的に実施されてはいかがでしょうか。



 大事なことは、お客さまから依頼されて対応するだけではなく、こちらから各種情報伝達手段を活用して積極的に提案していく事の重要性を感じていただきたいのであります。その提案する内容が良ければ、お客様が満足されて、自然と口コミで地域に拡がっていく、そのような好循環につながる仕事をしていきたいものです。



 もうすでにレンタルサービスを実践されているお店も多数おありだと思いますが、このようなひと手間かける面倒な商品提案こそが、これからの我々の商売の基軸としていかなければなりません。



 さて、生ビール関係でここで先月掲載させていただきました岐阜の日乃出屋さんの 生ビール奮戦記パート2 をご紹介させていただいて何かの参考にしていただければと思います。



 前月号で岐阜の日乃出屋さん市橋氏が、大手業務用酒販との入札競争で価格競争ではなく、付加価値サービスで相手側を退けたというお話をさせて頂きました。 納品価格が10%以上高いにもかかわらず、今年もサッカー場に納品可能となったそのいきさつをお話ししたいと思います。



 そもそも三年前の話から始まります。市橋さんが近所のサッカー場 ( お店から約10分 ) にたまたま行っていた時に、下記にある露天商の生ビールサーバーが、ホースパッキン不良でトラブっていたそうです。その困った姿をみかねて、急きょ修理してあげたそうです。



 その時は、ありがとう、お兄ちゃん!で終わったそうですが、後日その屋台の親方に呼び止められて、この際お前ところで買うてやると言われて取引が始まったそうです。その屋台の周りには、生ビールを扱うお店が他に6店舗あり、その親方の紹介で次々とお得意先となり、ビールサーバーの台数は、17台となりました。

 



 それでは、なぜその親方は同業仲間に日乃出屋さんをご紹介してくれたのでしょうか? その理由は、前月号でご紹介した大手業務用酒販との入札競争の中で、相手を打ち負かした付加価値サービスの根源というものでした。その大手ではできにくいサービスポイントは、三つほどあります とお話ししましたね。

 

 

 いかがでしょうか。特に② ③ については、なかなか面倒でそこまでやるか!という具合ですね。そこまでやるから、価格競争を跳ね飛ばしたのではないでしょうか。誰もやらないことをやり通す! ここがポイントだと思います。



 しかも については、市橋氏のアイデアではなく、業者側の高圧的な要求で仕方なく対応したものです。近くのヤマダ電機に行って最安値の冷凍庫を二台買い求め、しぶしぶ氷の無料提供となった訳です。



 ところが今回の入札競争で決め手になったのが、この氷の無料提供だったのです。約600万円の売上が確保されたのです。最初は、屋台の親方のわがままで仕方なく対応したことが、何と日乃出屋様の強みの一つとなった訳です。



 ここに商売のヒントとして、お客様のワガママ ( お客様からの視点からするとご要望 ) をうまく満足してもらえるよう工夫・努力すると、その行為・そのサービスが自店の大切なノウハウとなるのです。



 全てがこのように当てはまると思えませんが、お客様のご要望に対して頭からできないではなく、どうすればできるか、また実行する中で当初の投資やリスクをその後どのようにプラスに転じさせるかを考える事が商売の真髄であり醍醐味でもあります。



   いかがでしょうか。

 



 再度、この言葉を皆さまにお伝えして今月の投稿を終えたいと思います。



      今月もご覧いただき誠にありがとうございました。

2月号  『安売りするな!価値を売れ!』  Vol.85

 2月号  『安売りするな!価値を売れ!』  Vol.85



  みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。



 昨日2/26 (金) お休みをいただきまして午後半日人間ドックに行ってまいりました。毎年この暇な時期に健康チェックとして10年間続けております。幸いにして、今のところ何の問題もなく、心置きなく仕事に臨めております。あらためて、健康って本当にありがたいものだと感謝いたしております。



 さて、休日となると必ず家内に雑用係として充てにされ、昨日午前中にひな壇づくりを手伝わされる事となりました。毎年、家内が一人でお雛さんを並べているんですが、今年はタイミング悪く動員される羽目になりました。

 



 ただ、二人して段飾りをしながら長女が誕生した38年前を思い起こし、その時の初節句祭りで近所の方々や親戚の皆さんに集まって頂いた事、そして長女に始まり三人の子供を何とかここまで大きなトラブルもなく無事育てて来たなとか、お互い白髪交じりの頭でええ年になったなとかetc、38年間を回顧しながら雛壇づくりをし、何か久しぶりに夫婦間で癒しの会話が出来たようでありました。



 そんな意味では、日本古来からある節句という 政 ( まつりごと ) はいろいろな意味で、人と人とを結ぶ大切な文化であるなと思いました。



 そこで、節句とは何ぞや?ということで、いつものようにウィキペディアで調べてみると下記のような内容でありました。



  節句(せっく)とは、中国の陰陽五行説に由来して定着した日本の暦の一つであり、伝統的な年中行事を行う季節の節目(ふしめ)となる日。日本の文化・風習。



  この日には、平安時代からの宮廷において節会と呼ばれる宴会が開かれました。年間にわたり様々な節句が存在しており、そのうちの5つを江戸時代に幕府が公的な行事・祝日として定めた。それが人日の節句、上巳の節句、端午の節句、七夕の節句、重陽の節句の五節句であります。

 



 さて話はゴロッと変わりますが、同じ平安時代に執筆された 『土佐日記』 について、ここでちょこっとお話しさせていただきたいと思います。



 今からはるか50年ほど前にわが母校布施高校の古典科目の授業の際に 『土佐日記』を 学んだことを少しだけ覚えておりました。内容としては、当時(西暦930年ごろ)土佐国の国司として赴任していた紀貫之(きのつらゆき) が65歳になり、その任期を終えて土佐から京へ帰る紀貫之の55日間の旅路の話を、書き手をわざわざ女性にかえて日記風に綴った作品であります。

 



 作品内容は、道中の人々との様々な出会いのエピソードや出来事を楽しく和気あいあいに綴られております。

今も昔も旅先での一期一会のご縁の大切さや面白さを語られております。人の出会いって本当に不思議なものですね。



 そして次に鎌倉時代末期に吉田兼好(よしだけんこう) が執筆されましたご存知 『徒然草』 、日本三大随筆のひとつとして評価されているようで、有名なさびの部分として冒頭に 「つれづれなるままに、日くらし 硯(すずり) にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、・・・・」(中略・後略) とあります。

 



 内容は、人生論あり、友情論あり、思わず笑ってしまう失敗談あり、辛口の人間批評や政治批評あり、ことわざのようなキラリと光る文言あり、歴史上の人物の逸話あり、バラエティ豊かなものとなっております。今後少し仕事にゆとりができて、ゆっくりと読書する時間ができれば、再度読み返してみたいと思っております。



 ここで何をお話ししたかったのかと申しますと、お察しの方もおいでかと思いますが、『土佐日記』『徒然草』 合わせて 『徒然日記』 となるわけです。著名なお二人の文献にあやかりまして生意気にも私の人生観を語るブログ名を 『徒然日記』 と命名させて頂いた訳です。



 今後、私自身痴呆症になり、頭がボケる手前までは、毎月 「つれづれなるままに、一日一日仕事に没頭し、パソコンにむかひて、日々のボヤキも含めて、そこはかとなく書き綴ってまいりたい」 と思っております。みなさん、どうぞ末永くお付き合いの程お願い申し上げます。





 さて、相変わらず前振りが長くなりましたが、今月のテーマは、『安売りするな!価値を売れ!』 とさせていただきました。皆さん既にご存知の方もおられると思いますが、マーケティングコンサルタントとして著名な藤村正宏氏が執筆されております書籍のタイトルであります。



 現在、SNSなどでの投稿を見ていましても、その本の読者たちが絶賛するスゴイ書籍なのです。この度その書籍がマンガ本として再デビューいたしまして、更に読みやすく理解しやすくなったのです。私も西田社長から拝借いたしまして二時間ほどで読み終えました。

 



 マンガ本としては、定価1200円ということで少しお高いですが、内容的にはその期待を裏切りません。決して出版社のCMをするわけではありませんが、是非ともおすすめの一冊であります。たった1200円で自分自身のこれからやるべき商売のあり方が浮き彫りになってまいります。





 それでは、この本から学ぶものとして、ざっくりとした解説を私からさせて頂きたいと思います。



 いま、日本全国津々浦々モノがあふれており物余りの時代、そして消費者が様々な理由で節約志向へと進んでおり、よっぽどのことが無い限り、余分なものは買わない風潮となっております。さらには、大手小売業を中心にオーバーストア気味に業界は動いており、地域で物販業を営む我々には厳しい環境が続いております。



 そんな中で、さらに売上増を図るため、販売価格をより安くして増客しようという売り方だけでは、今の時代通用しないという事は、みなさんご周知のとおりです。ただ、消費者が安価でお買い物するニーズが薄れてきたというとそうではなく、今後もデフレの時代はまだまだ続く様相であります。(原油安でもありますし・・・)



 しかし、しつこいようですが安価一辺倒で商いをしているようではこの時代生き残れない。お客様の新しいニーズにお応えしていく、さらにはニーズが無くても新しい価値創造の中で、美味しさや楽しさをご提案していくことで需要を喚起することが重要であるとこの本は断言しております。





 ちょっと抽象的な言い回しになってしまいましたが、先日この考え方を実践して素晴らしい成果を挙げられた加盟店様がおられます。先日2月17日の愛知エリア会議にて岐阜市で営業されております 『 酒匠米匠 日乃出屋 』 さんの市橋氏(40)からお聞きした 『 小が大を制する!』 というお話です。



 昨年6月号(ココをクリツク) でご紹介いたしましたように、日乃出屋様は地元 J 2 リーグ『 F C 岐 阜 』 ( ラモス瑠偉監督) のホームである長良川競技場 に生ビール等を納入する業者として指定されております。

 



 今年も2/28 (日) から、J2リーグがスタートするわけですが、開幕にあたって2月初旬に競技場運営会社より呼び出しがあり、今年のホーム開催(年間で21試合あります) に当たり、生ビールの見積もり及び入札を実施するとの通告がありました。



 先方事務所に赴くと岐阜県下ナンバーワン業務用卸 S社 の営業部長が入札競合相手として同席していたとのことです。案の定、激安価格で提示があり(守秘義務がありますので金額は明記出来ません。)
日乃出屋さんの仕入価格を割っていたのです。ただ、彼はそれでも負けてはいません。現在の納入価格を下げずに、運営会社担当者に対して、自店独自の付加価値やS社との優位性を力説して商談を終えたとのことでした。



 翌朝、担当者から電話があり、今年も日乃出屋さんでお願いしたいとの旨であったとのことです。何と年間売上 数百万円という商談でした。なぜ、運営会社は10%以上納入価格の高い日乃出屋さんを選択したのでしょうか。



 なんですよね。

 



 それでは、市橋氏はどのような付加価値や優位性を相手方にアピールしたのでしょうか。70歳前のご両親と本人でたった3人(奥さんは専業主婦です)で、社員何十人もいる大手業務用卸を打ち負かしたのか! ここに我々家業として小規模で営業している酒屋の生き残るべきヒントがあるように思えます。 



 ここで、その内容をご披露すれば「なんだ、そんなことか・・」 という感じで終わりそうなんで、敢えて今回はその内容をお伝えいたしません。どうぞ皆さん、意地悪なようですが、体を動かして汗をかくように、頭もたまには動かして汗をかくことも大事だと思って下さい。そして知恵を出してその答えを導き出していただきたいと思います。ポイントは、3つほどあります。



 そして、知恵を出すのには豊富な知識なんか必要ありません!( ただ、知識があるにこしたことはないですが・・・) 要るのは、負けん気とハングリーさとちょっとしたヒントやアドバイスがあれば、新しい展開が見えてまいります。そういう意味では、今回の藤村正宏さんのマンガ本は、最高のヒントが隠されていると思います。

 



 またマンガ本のCMになってしまいましたが、これから商売していくうえで、たし算、ひき算、かけ算、わり算といったそろばん勘定を中心とした経済学から脱皮して感性を養い、いまお客様が何を欲しておられるか、いま何をご提案すれば楽しく喜んでいただけるかという心理学の商売のあり方 (日乃出屋さん顧客満足の方程式) へ バランスチェンジしていかなければならないという事を最後に申し上げて今月の投稿を終えたいと思います。



    今月もご覧いただき誠にありがとうございました。







[ P S ] 日乃出屋さんの生ビールの一件は、節分の日の岐阜恵方巻き寿司奮戦記を交えて来月号で報告させて頂きたいと思います。それでは、失礼いたします。

1月号 『 今年もよろしくお願い致します! 』  Vol.84

 1月号 『 今年もよろしくお願い致します! 』  Vol.84



   みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。

    



 さて今年も1月後半に真冬並みの寒波が来て全国各地では大変な混乱が起きてしまいました。聞くところによりますと、奄美大島では明治34年以来115年ぶりに初雪が降ったとのこと、テレビのニュースで報じておりました。年末、年始においては暖冬でスキー場が閑古鳥という状態であったのに、本当に自然界というのは儘ならないものです。我々の商売と同じで二極化が進んでいるということですかね。



  

 また大相撲1月場所においては、ダークホースであった大関 琴奨菊関が14勝1敗で見事、10年ぶりの日本人力士優勝という快挙を成し遂げました。今年も1月からいきなり 「〇〇年ぶりの・・・」 という言葉が飛び交うようになってまいりました。どうか楽しい事や良い事で
「〇〇年ぶりに・・・」 というフレーズが使われるようこの1年願いたいものです。



 とは言うものの、新年早々日経株価が12年ぶりの原油価格暴落の影響で急落してしまった事も話題となっております。中東の政府系ファンドが日本株を売り放ちさらに下落が加速するとの推測もあります。また中国経済の不透明さも輪にかけて株価を押し下げております。

 



 果たして、安倍首相の言う元気な日本は取り戻せるんでしょうかね。来年には、消費税10%に増税されますし・・・。間違いなく消費者の節約志向は、ここ数年続いていくであろうと推察されます。これからも耐える商売を覚悟していかなければなりませんね。



 ただ、先日の日経MJ 新聞に次のような記事がありました。

 



 とありました。不景気な中でも、ビール復権とは嬉しいものです。我々にとっては単価アップにつながりますし、なにせお客様が『本物志向』へとバランスチェンジしてもらえるのは大変喜ばしい事です。さらに欲を言えば、いま話題の『クラフトビール』などのこだわり系が浸透していけば、このビール業界に関わるスタッフのモチベーションが上がること間違いなしです。

 



 と言う訳で、ここでまた伝播を通じてお客様への価値提案という課題が、ビールカテゴリーについても浮かび上がってまいります。ピルスナー・ラガー・エール・スタウトの味の違いについて語れますか? ヒマなこの時期にビールについての商品知識習得のため勉強いたしましょう。お客様への価値提案のために・・・。そして結果として粗利益率向上のために・・・。 時代は、それを求めています!

     





 さて、話は変わりますが、毎年ドリーム東大阪店の決算期(1月期)に、昨年の振り返りと今年の課題について、簡単にその内容を自他ともに理解できるよう文章化しております。今年もその内容をご覧いただき、何かの参考にしていただきたいと思います。



 昨年のテーマとしては、売上高を追わずに、まずは粗利益率の改善を最優先に取り組みました。何とかそのテーマは達成でき増益となりましたので、今年は強気に増収増益を狙って次なるステージへと駆け上がりたいと思っております。

 



 今年の3月で私は66歳になります。小学校や中学時代の同窓生たちは、ほとんど定年退職し年金暮らしという悠々自適の人生を送っております。ただ、彼等たちからすると「井上は、エエなぁ いつまでも働けるから・・・」 と言ってくれます。私もそう思います。働ける環境に感謝しています。



 朝、ふとんから目が覚めて「さぁー 今日も1日ガンバロー!」 と気合を入れて家を出ます。確かに繁忙期は、背中や腰に湿布を貼って「ヨッコイショ」 という感じで体が重たい日もありますが、自分がその日一日の目的をもって毎日毎日人生を送れることに喜びを感じております。



 当然、嫌な日もあります。お客さんからキツイお叱りの言葉があった時とか、売上が思うように上がらない日があったりとか、全てが楽しいと思える日々ではありません。現実は、そう甘くはありませんからね。ただ、そういうことも含めて一喜一憂の人生を過ごせていることにお客様を含めてまわりの全ての方々に心から感謝申し上げ有難く思っております。

                



 あと何年このような貴重な時間が過ごせるかどうかわかりませんが、残りわずかの人生の余白を充実あるもので、一つ一つ埋めていきたいと願っております。そのためにも、常に向上心を持って、ただ漠然とゲートボールをプレーする感覚ではなく、緊張感を持って皆さまと接していきたいと思っております。



 常日頃、私は商売というものは、単に「商品を売る」という行為を指すのではなく、「お客様といかにお付き合いさせていただくか」を念頭に置いたものでなくてはならないと思っております。そんな意味でも、今後ドリーム東大阪店の現場でさらに鍛え上げた自分自身が、皆さまのご商売全てにおいてご相談にのれるよう頑張りたいと思います。

        



 そして、今まで以上に現場を意識した的確なアドバイスができるよう鋭意努力してまいる所存でございます。全国の加盟店仲間のためにも今年一年実りあるものにしてまいりたいと存じますので、今後とも末永いお付き合いの程よろしくお願い申し上げまして今月の投稿を終えたいと思います。



          今月もご覧いただき誠にありがとうございました。

12月号  『 2015年を振り返って・・・ 』  Ⅴol.83

  12月号  『 2015年を振り返って・・・ 』  Ⅴol.83



 みなさん、こんにちは! いよいよ今年最後の徒然日記を投稿したいと思います。

 



さて今年も残すところ、あと数日といったところですね。各店では、本日から大晦日までの予定で年末特売チラシを配布されているところも多々あると思います。いよいよ最後の追い込みといったところですかね。



 東大阪店でも12/24~12/27までの4日間歳末大売り出しのチラシ配布の予定としております。また、12/26・12/27の両日は、ガラガラ抽選会のイベントを催す事となっております。消費者の節約志向が蔓延する中で、何とかお客様の財布の紐を少しでも緩めて頂けるよう最後の年末商戦を盛り上げていきたいと思っております。

   【画像クリックで拡大表示(PDF)】



 さて今年も12/2に月刊情報誌 「日経トレンディ」が、 『 2015年 ヒット商品ベスト10 』 を発表いたしました。毎年恒例のこの発表内容は、日本全国で2015年に発売された商品やサービスを 「売れ行き」 「新規性」 「影響力」 の3つの項目で総合的に判断し、それぞれのヒットの度合いを評価し、ランキング集計したものであるらしいです。私たちの業界には、それほど関係するものは見当たらないようでしたが、この1年を思い起こしながら振り返り、何かの参考にしていただければと思います。

 

 



 そして、国内で発生した2015年 10大ニュースとして取り上げられた事としては、昨年に引き続きノーベル物理学賞に、梶田隆章・東京大宇宙線研究所長が選ばれ、また生理学・医学賞を大村智・北里大特別栄誉教授らに贈呈されました。さらには、10月号でも掲載させていただきましたラグビー日本代表の大活躍、特に五郎丸歩選手のルーティンポーズなども人気を博しました。



 そんな明るい話題とは裏腹に、やはり今年も悲しい事件や災害などもありました。イスラム過激集団ISによる日本人殺害や茨城県鬼怒川流域での堤防決壊による水害など、昨年の御嶽山噴火などによる自然災害に続いて今年も痛ましい出来事がありました。そのほか下記に掲載いたしましたので、思い起こしていただきたいと思います。

    



 さて皆様方の今年の大きな出来事としては、どの様な事がありましたでしょうか。仕事面だけでなく、人生というのは、『喜怒哀楽の繰り返し』ですよね。一年一年毎年様々な事案と直面しながら、時代が流れていくものなのですね。



 ドリーム東大阪店においては、今年の大きな出来事と言えば、2月にたばこ販売の許可が下付された事です。この時代厳しい売上低迷の中で今年の売上に約600万円ほどのプラス貢献をしてくれました。ただ、同じく2月より閉店時間を夜10時から9時に1時間短縮しましたので、その1年分の売上減とたばこ売上増とが相殺されるような形になりました。しかしながら、幸いなことに今年も粗利益率昨年対比0.5%増が実現しましたのでおそらく昨年に引き続き年間若干の増益という形で着地するようであります。

 



 またその他の出来事として、10月より新店長として松藤チーフが昇格いたしました。これは皆さまも既にご存知かと思いますが、前店長の段上君が本部の一部業務を兼任することによる新店長着任でございます。今のところ、まだまだ未熟なところが多々見受けられますが、本人のモチベーションはすこぶる高く、店長としての資質向上を今後大いに期待するものであります。肩書が本人を成長させるということもありますので・・・。

 



 そして、チェーン本部としての出来事としては、特段大きな変化がないと言ったところでしょうか。私自身ご存知のようにドリーム東大阪店専従になりましたので、2階本部の活動状況がいまいち掴めていないのが現状で、客観的に見たところ加盟店様の大事なお役立ちとしての事務局機能は無難にこなしてくれていると評価いたしております。



 ただ次なる一手のクリエイティブなところに関しては来年の重要な課題となるところだと思います。少人数での本部運営でありますので、なかなか余裕のない部分もありますが、「昨日の仕事」をこなしていくだけでなく、「明日の仕事」にチャレンジしてもらいたいと切望いたします。

  



 そのような意味でも来年早々より、西田社長を先頭に2016年春季勉強会の準備に取り掛かる予定となっております。日程と研修場所についてはすでに決定しており、平成28年3月15日(火)に新大阪駅前の新マルビル大会議室にて開催予定となっております。



 以前よりご案内のように春の勉強会の目的は、本部から加盟店様への当該年度の運動方針の発表であります。必ずや皆さま方のご期待に応えるべくご提案を出来うると確信しております。研修テーマは、当日西田社長より発表があると聞いております。 お楽しみに!



 さて、今年も、この『徒然日記』の投稿を月一回のペースで実施してまいりましたが、内容を検証してみますと毎月のテーマや表現する言葉は違いますが、一貫してお伝えし続けてきたものがあります。それは、時代の変化の中で私たちの商売のあり方を価格訴求から付加価値訴求へバランス移行をしていかなければならない!という事と基本四原則徹底の重要性でありました。



 各店の営業内容によって低価格訴求カテゴリーと付加価値訴求カテゴリーの構成が、現在8:2のお店であれば、翌年は7:3 或いは6:4に変化しているのか、6:4のお店であれば5:5に移行しているのか、ということであります。単なる願望ではなく、その為にどのような行動を起こしているのかを常に問い掛けてまいりました。

 



 激安価格にして売りやすいものをただ売っているだけで変化しようとしない体質、しかも今や激安価格とはなっていないと分かりつつも、ただ漠然とチラシを配布している現状から脱皮しなければなりません。そして早急に提案販売を強化して付加価値訴求を実践するため、その商品の特性や価値を知る勉強が必要となります。



 そして次に習得した知識を知恵に切り替えるため、失敗を恐れない様々な行動が必要となってまいります。結果として、その付加価値商品を販売促進していこうとする積極的な行動が収益性を高めることにつながっていくのです。皆さんは、すでにこのような流れとしての理屈は十分承知されていると思います。ただどのように行動を起こせばいいのか、それがなかなか見つけられないのがジレンマのところだと思います。



 年商5000万円のお店が、年商2億円のお店のやり方をマネして、果たして通用するのか、という疑問が常に付きまとうのです。だからこそ、この時点での考え方に一工夫することが重要となります。その解決策として、2億円のお店の成功事例を因数分解するのです。細かく分解していくと、物理的に自店では実施できないことがたくさん出てまいります。(実はこの分析と提案が本部の仕事となるんですけどね・・・。)



 逆に、これぐらいなら『やってみようかな』 というパーツも出てまいります。そのパーツを試行し、さらにはブランド化していくことです。例えば、店頭精米というカテゴリーを強化する目的として利益率が高いので儲かるから という発想で入ると必ず失敗します。何故なら、儲かるカテゴリーだからこそ競合する店頭精米業者が回りにたくさんおられるし、いろいろと勉強もされておられます。



 では、その業者との競合の中で一歩抜け出すためには、他業者との違いなどお客様満足度をワンランクアップさせなければなりません。それを 『自店のブランド力』 にしていくのです。キリンさんの『のどごし』を拡売するのにもその『ブランド力』が必要なのです。いわゆる自店は他店よりも勝っているという理由が必要であります。それがかつては激安価格という価値でありました。それが今や通用しない。では、『のどごし』を販促するための新しい私たちのできる価値創造とは・・・。

 



 例えば、それが配達サービスであったり、地味ではありますがスタッフの接客のあり方だったり、一生懸命考える事です。それを形にしていくことです。それが、ブランドなのです。あなたのお店の『ブランド力』って何でしょうか? 店舗も人も同じで必ず一長一短があります。



 どの店も先ほど述べました因数分解をすれば地域のお客様に支持される自店の良さが必ずあるのです。あるからこそ現在このような厳しい環境の中でも自店が存在しているのです。そこをブランド化する。東大阪店でも来年はそのことを意識して自店の店舗ブランドを育成してまいりたいと思っております。



 話しは変わりますが、昨日2020年東京オリンピックに向けての新国立競技場のA案(隈氏設計)が決定いたしました。いろいろな意味でこれからの5年間は変化の連続だと思われます。その初年の来年2016年は、前ぶれとして消費者の購買動向の潮目が変わってまいります。2017年4月には、酒類に対しての消費税率が10%へと移行いたします。結果、消費者の酒類離れがますます加速いたします。

   



 どうぞ来年こそ、むやみに売上を追いかけようとせずに価値を打ち出すことで収益性を高める経営、商売のあり方にかじを切っていただきたいと思います。全面的に本部スタッフもバックアップいたしますので何なりとご相談いただければと思います。



 最後になりますが、来る2016年も皆さまのお役にたてるよう本部スタッフ一同全力疾走でダッシュすることをお約束いたしまして、2015年の投稿をこれにて終了させていただきます。



 今年も徒然なるままに他愛無い内容で書き綴ったことと思います。それにもかかわらず、この一年ご覧いただきましたこと厚く御礼申し上げます。



 来る年も世相の流れとともに業界のお話しや消費者の動向、さらには私なりの座学について深掘りしながら語ってまいりたいと存じますので今後ともよろしくお願い申し上げます。



     それでは、みなさま良いお年を!!  そして、来年もよろしく!!

11月号 『 座右の銘を考える! 』 Ⅴol.82

 11月号 『 座右の銘を考える! 』 Ⅴol.82



 みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。

 



 さて今年も残すところ1ヶ月余りとなりました。現場では、冬ギフト商戦が始まり、各店いよいよギフト包装などで毎日慌ただしくなってまいります。ただドリームチェーン加盟店ではない、かつての酒屋仲間に聞きますと、お店では閑古鳥が鳴き、なかなか酒類を中心とした商品が売れないと嘆いておられました。



 後述いたしますが、かつて明治維新という大きな時代の変化の中で、大阪商人がどのように対応し、生き残りのため新しいことにチャレンジしていったかを先人に学んだ時に、私たちも酒類をかつての大黒柱オンリーと捉えずに一つの支柱として捉えて、さらに新しい支柱を打ち立てていく気概を持たなくてはいけないのではないでしょうか。



 そのような意味では、まだまだ基礎数は小さいけれど、『まちギフト』 という柱が育ちつつあるというのは、本当に頼もしい限りであります。私自身酒屋の三代目として、当然のことながらお酒に対しての思い入れは人一倍ございます。矛盾するようですが、いずれ近い将来酒類を大黒柱として据えることのできる新業態へと復活させたいと常々考えております。



 そのためにも、今は酒類だけに固執するのではなく、様々なカテゴリーに挑戦し、地域のお客様に対しての存在感やイメージ付けを優先し、旧来からの商売のあり様から脱酒屋を目指さなくてはなりません。そして、回りまわっていずれ新しい進化した酒屋業態が生まれてくると確信しています。そのためにも今まで以上に
『酒屋スピリット』 だけは持ち続けていきたいと思っております。



 かつて、何年か前にこの徒然日記において、ご紹介いたしました『小売りの輪 理論』 を覚えておられるでしょうか。60年前、アメリカピッツバーグ大学での経済シンポジウムにて発表されたこの理論は、いまもなお生き続けております。

 





 さて先程ご紹介いたしました明治の大阪商人の話になりますが、そのお店の屋号は『加 野 屋 』 さんです。と言えば、だいたいお察しの方がおられると思います。そうです、10月から始まりましたNHK朝ドラの『あさが来た』 で登場いたします両替商の加野屋さんです。



 先日11/17 (火) に加野屋のあさちゃんに会いに行ってまいりました。実は、下記画像にあるようにドリーム姫路市川台店の田中オーナーより電話があり、NHK大阪のスタジオに遊びに行くのでご一緒しませんか?とのことで、一つ返事で、行きます! ということでスタジオ見学が実現いたしました。

 



 田中さんのお嬢さん(瞳さん)が、NHK大阪の朝ドラ出演者のメイク担当チーフをされておりまして、その関係で一般見学コースではなく、臨場感あふれるスタジオ内密着見学をさせて頂きました。当日は、あさちゃんと新次郎さん中心のロケ撮りでしたが、撮影が始まりますと出演者はじめ撮影スタッフ(約20数名)にピーンとした緊張感が漂い、私自身も物音や咳込しないよう細心の注意を払いました。自分が出演している訳でもないのに、肩に力が入り本当に貴重で疲れた体験でした。

 



 この朝ドラ 『あさが来た』 のあらすじですが、ご存知のない方もおられると思いますので、簡単にご紹介したいと思います。

 

 今回の時代背景は、連続テレビ小説初の、「幕末」からスタートするもので、幕末から大正を生きた女性実業家 広岡浅子さんの実話物語であります。

 



 今回のNHK朝ドラも 『 マッサン 』 の時と同様、毎朝欠かさず第一話から女房共々、しっかりと見ております。すでに民間の視聴率リサーチ会社の発表では、前々回の『 マッサン 』 の時よりもすでに視聴率が高く、近年もっとも好調な推移を見せているようです。



 私が今回注目したのが、「運命の姉妹」を横軸 という所です。詳しく解説いたしますと、京都の名門両替商『今井商店』の長女(はつ)・次女(あさ)として育った姉妹が、大阪の両替商( はつ・山王寺屋
) 、( あさ・加野屋 ) へそれぞれが嫁ぐことになりました。ところが、冒頭述べました通り、明治維新の大きな時代の変化の中で、積極的にチャレンジして生き残りが実現した加野屋、逆に古い慣習やプライドを捨てられず、変化しようとせず没落してしまった山王寺屋、この二つの両替商の運命が、姉妹の人生に大きく陽と陰を投げかけていくのでした。



 ここに、時代に翻弄された商人の立ち回りを今の酒販業界に重ね合せた時、私たちの取るべき道筋、並びに気持ちの持ち方、心構えのヒントが見え隠れしているようであります。
『マッサン』 同様、ドリーム鴻池店の松本社長絶賛の朝ドラでありますので、是非とも加盟店オーナーの方々には、この泣き笑いの人生ドラマをご覧いただきたいと思います。





 さて、今月のテーマは 『 座右の銘を考える!』 にさせて頂きました。実は、今月の日本酒倶楽部勉強会において参加者各人の 『座右の銘 』 の有無を聞きましたところ、持ち合わせていないということでした。そこで、来年1月度の例会時にそれぞれ書物やネットで調べて取り敢えず、現在の心境の中で心に感じる四文字熟語やフレーズ、キャッチコピーを発表しようということになりました。

 



 その11月の勉強会の中で、三木市の津田本店番頭さんの小林君が、「自分は、座右の銘というほどの難しい言葉ではないけれど、好きな言葉があります。」と発言し、「その言葉とは、相田みつをさんの次の言葉です。」 とありました。

 



 そもそも、座右の銘って何なんでしょうね。まずは、そこからお話させていただきます。

 ちなみに、ネットで調べてみますと、次のような解説がありました。



   座右の銘の意味

「座右の銘は○○です」

漢字の意味を知らずに使う人が多いと思います。 自信を持っていう言葉ほど、漢字の意味を知っておきたい。

<座右の銘の読み方> これは、 「ざゆうのめい」 と読みます。

<座右の銘の意味> これは、 「常に自分の心に留めておく戒めや励ましとする格言」 という意味です。



  次に漢字を分解して、それぞれの意味と語源・由来を説明します。

「座」は「座る(すわる)」という意味の漢字です。 本来は「裁判をするところ」を表わす漢字のようです。 「宀」は「建物「を表わし、「坐」は「裁判(法により処罰を受けるところ)」という意味で、
その意味から転じて座ることを表わします。

「右」はそのまま「みぎ」という意味がほとんどですが、 「助ける」という意味もあります。 漢字の由来は「右手で神に奉げるための器を持つ」という象形から、
「神に祈る言葉」という意味になり、「神の助け」を意味します。

よって、この二つを合わせると、 「座右」は「右に座る=手元にある・身近な存在」という意味になります。

「銘」は「刻み込む・刻み込んだ言葉」という意味になります。 本来は「金属に刻み込む」という意味の漢字。 大事なものを忘れないように刻み込むという意味で使います。


よってこの3つを合わせた「座右の銘」は 「手元にある大事な・忘れない・戒めとする言葉」という意味になります。



 私がある方から40年ほど前に教えて頂いた事として、『人生において人が成長する中で、その節目節目において自分自身の人生観が生まれ変わる三人の人物との出会いがある。』 とありました。そして、いま思い起こせば三十代・四十代・五十代と劇的な出会いの方々が頭に浮かんでまいります。



 そのエピソードをここで語れば長くなりますので、またいつかこの徒然日記の中でお話ししたいと思います。今回は人ではなく、『人生の中で、三つの書籍や言葉に出会うことの大切さ 』 をお話ししたいと思います。その言葉の一つとして私は35年前に次の四文字熟語に出会いました。

 



 この言葉は、今から150年ほど前に皆さん1万円札でお馴染みの福沢諭吉翁が、慶応義塾にて書生に戒めた言葉であります。これが私の 『座右の銘』 であります。ウィキペディアでは、下記のような解説がありました。



和魂洋才(わこんようさい)とは、日本古来の精神を大切にしつつ西洋の技術を受け入れ、両者を調和させ発展させていくという意味の言葉である。



 ただ私が解釈する意味は、さらに深堀したものであります。この言葉に出会って35年。常に崖っぷちの35年でしたが、この言葉のおかげで私は明確な目標と強い信念を授けられたような気がいたします。65歳にして、まだまだその域には達しておりません。恐らく死ぬまでこの言葉の言わんとするところには辿り着けないと思います。



 これまでの私の人生、様々な方々に助けられ、支えられて今日があります。そして、この和魂洋才という言葉との人生ドラマも語り尽せないほどあります。出会うことのできた方々とこの言葉との融合が私の人生観となりました。



 そんな訳で、今回日本酒倶楽部の若いメンバーたちに是非とも人生訓となりうる言葉を発見し、人生の糧にしていただきたいと思っております。1月度の日本酒勉強会において提出された各メンバーの座右の銘を(その選んだ理由も含めて) 1月末の徒然日記に掲載して皆様方にご披露させていただくことをお約束して今月の投稿を終えたいと思います。 



  今月もご覧いただき誠にありがとうございました。



 [ P S ] どんな座右の銘が出てくるのか、楽しみでたまりません。また機会がありましたら、皆さまと『座右の銘 』 談義をしたいものです。取り敢えず残り一ヶ月、がむしゃらに包装・包装で頑張ります!

10月号 『 One for All 、 All for One !』  Ⅴol.81

10月号 『 One for All 、 All for One !』  Ⅴol.81



 みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。



 さてこの時期になると、朝晩めっきり冷えてまいり、いよいよ晩秋から初冬への切り替え時期になってまいりました。

一年365日四季折々、南北に長い日本列島ですが最近私の思うところ、春・秋の季節期間が年々短くなってきているような気がいたします。過日9月末には、北海道の大雪山系旭岳において全国で今年初めての初冠雪が報道されておりました。

 



 ただ初雪と言えば、ダントツに早いのは皆さんご存知のやはり冨士の山ですよね。過去の富士山初雪のデータを調べてみましたら、1933年7月8日にその年の初雪が観測されたそうです。富士登山の山開きが毎年真夏の7月1日ですので、山開き一週間後に雪が降るんですから、さすが3776 m日本一の山ですね。

 



 実際、こういう私も10年前の55歳の時に、西田社長やお米のはたやす畑中氏に後押しされて富士登山を敢行いたしました。幸いお天気に恵まれて感動のご来光も拝む事ができ、大変ラッキーな初登山でした。ただ朝方のあの寒さは半端じゃなく、山頂で震えながら熱いコーヒーを飲んだものです。真夏ですので当時ふもとでは30°以上の気温でありながら、山頂では、確か5℃前後の寒さだったと覚えております。本当に過酷な経験と楽しい思い出を体験させていただきました。



 さて話題はガラリと変えて仕事の話に入りたいと思います。現在、東大阪店では、11月初旬からスタートする冬ギフトの準備で大わらわです。ご存知お歳暮の前回お買上リストDMをお客様宅へ10月末到着をめどに袋詰め作業に取り組んでおります。

 【ココをクリック(拡大PDFファイル)】



 



 幸いにして、私どもドリーム・酒匠米匠チェーンにおいては、新米販促や冬ギフト販促効果で何とかバタバタ感はありますが、世の中全体、特に中小の卸・小売業界は低迷しているようであります。先日の日経MJの記事を紹介してみますと・・・、



  



 「中小企業の景況感の回復が遅れている。日本商工会議所が発表した2015年9月の早期景気観測調査で、前年同月と比べた業況DI (好転-悪化) は、2ヶ月ぶりに悪化した。卸売業と小売業は悪天候の影響が大きかったほか、サービス業も訪日外国人客の増加で好調な宿泊業を除く幅広い業種で人件費上昇が重荷となった。」



 「小売業は、1.8ポイント低下し、マイナス24.8となった。地方自治体が発行するプレミアム商品券による消費拡大効果はあったものの、台風や大雨による来店客減による減収が上回った。日商は、今後の先行きについて「家計負担の増大が消費者マインドを下押しする中、消費低迷の長期化を懸念する声も聞かれる」としており、不透明感が避けられない。」    とあります。



 特に私どもの小売酒販業界は、マーケットそのものが縮小傾向にあり、そして尚且つ大手異業種からの参入も全国津々浦々蔓延化しておりますので、他業種以上に厳しい過酷な状況となっております。そのような縮小市場での生き残りのため、どのような対策を講じていかなければならないか。



 はっきりしいるのは、従来の縮小市場の中でしっかりと守りを固める一方、新しい市場へのチャレンジを続けていくことだと思います。このことは、本部として秋季勉強会や各地区エリア会議等あらゆる場面で言い続けていることでございます。是非とも来月の『徒然日記』 では、他業種において成果を出されている事例をいくつか列記しながら、縮小市場においても高い利益を上げていく可能性を示唆させていただきたいと思います。





 そして、今月のテーマは、『 One for All 、 All for One! 』 とさせて頂きました。いまでは、誰しもが知るラグビー用語となっておりますが、この言葉の意味を、ラグビーのチームプレーのあり方と我々本部・加盟店との関係性とをダブらせながらお話させていただきたいと思います。

 



 まずは、みなさん 今話題になっておりますラグビーワールドカップ2015 についてですが、『五郎丸 歩』 カッコイイですよね! そして、今年の流行語大賞の候補になってくるかもしれない言葉 『 ルーティン 』 、仕事言葉としてよく理解していたつもりでしたが、スポーツの世界でも語られているとは、まったく知りませんでした。





 『 ルーティン 』 とは・・?!



[ 決まりきった手続きや手順、また日常の仕事。日課、ルーティンワークとよく言います。]



 五郎丸選手がゴールポストを狙ってプレイスキックを蹴る前のルーティンの1つに両手を組み精神統一を図るポーズがあまりにも有名になりましたね。今から10年ほど前でしたか、彼が早稲田大の15番(フルバック)で大学選手権優勝したのを今でも覚えております。あの時から突出した技能を持った選手だなと思っておりました。





 実は、ご存知の方もあるかもしれませんが、私も若い頃(40数年前)有志でラグビーチームを作っておりまして(チーム名・若鷲クラブ)、結構ラグビーはうるさい方でして昔は東京の国立競技場での日本選手権を見る為に新幹線に乗って日帰りで行ったこともあります。

(1995年1月15日 その時の試合は、神戸製鋼vs大東文化大で102-14の大勝でした。)



 その翌々日1月17日、阪神・淡路大震災が発生いたしました。神戸製鋼の平尾・大八木等選手たちは、試合のため東京にいたので被災は免れたことも当時報道されたものです。





 ちょっと話がそれてしまいましたが、私自身ラグビーをやっていて本当に人生観が変わったというより、生きざまというのか、根性が備わりましたね。なんせあのような格闘技ですから・・・。そして、今月のテーマにあるようにチームプレーの大切さ、難しさ、そして仲間の頼もしさを幾度となく経験して本当に人生の糧になったと今振り返って強く思います。



 そして、その 『 ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン 』 ですが、この言葉の意味について的確にコメントされておられるコラムを見つけましたので、ここでご紹介したいと思います。



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   フェイス総研       代表取締役社長 小倉 広



 ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン



 ラグビーのチームプレイ精神を表す時によく使われるこの言葉は、小説がその出自であることは意外に知られていない。



 フランスの作家アレクサンドル・デュマの『ダルタニャン物語』。『三銃士』といったほうがピンとくるこの小説の中で、この言葉は有名になったようだ。

 そして、その精神がピタリとくるラグビーでよく使われるようになったらしい。



 ところが。

 同志社大・神戸製鋼の名選手にして元全日本監督、平尾誠二氏によれば、

 この言葉の訳は大間違いで伝えられているのだと言う。



 一般的に伝わっている解釈は

 「一人はみんなのために、みんなは一人のために」



 チームプレイの大切さを表す美しい言葉として、座右の銘としている経営者も多いだろう。



 しかし、平尾氏によれば「ワン・フォー・オール(一人はみんなのために)」の訳は正しいが、「オール・フォー・ワン(みんなは一人のために)」の部分が大いなる誤訳である、というのだ。



 「オール・フォー・ワン」の「ワン」とは「一人」という意味ではなく「勝利」 を意味する“ Victory ”である、のだという。



 つまりは

 「一人はみんなのために、みんなは勝利のために」

 が正しい、ということになる。



 どんなに優秀な選手でも一人でできることには限界がある。

 しかし、チームになれば1+1が3 にも5 にもなる。

 これがチームプレイの素晴らしいところだ。



 しかし、それには前提条件がある。

 それは「一人ひとりが『自立』した大人である」ことが必要なのだ。

 つまりは、一人ひとりがきちんと『勝利』に向かって自分の足で立っていること。チームの一員として他のメンバーに甘えたり、寄りかかったりしない、大人の集団であることが必須なのだ。



 考えてみてほしい。

 一人前にも満たない未熟な技術と精神性しか持たないプレイヤーばかりが15人集まったチームを。



 はたしてそんな一人前にも満たない「烏合の衆」が集まった時に「相乗効果」が発揮されるだろうか?



 チームプレイの本質である「相乗効果」とは、一人前以上のプロフェッショナルが集まった時にしか発揮されない。



 「烏合の衆」の寄せ集めでしかない偽チームが行うチームプレイは、「助け合い」ではなく「助けてもらい合い」でしかない。



 全員が互いに「助けて!」「助けて!」と叫び合っているメンバーが相乗効果を発揮することは100%あり得ない。



 そうではなく「自立」し、自分の食いぶちは自分で稼いでいる人間が集まった時に、初めてたくさんの人を救うことができるのだ。

 そして、1+1が3や5や10になるのだと思う。



 だからこそ。僕たちはまず自分の足で立つことから始めよう。

 一人で立てもしないうちから“ All for One ”「一人のために」と、「助けられ合い」をするのは止めよう。



 泳げない人は、溺れている人を助けることはできない。



 まずは自分の足で「勝利」へと向かって立つ。

 そして「相乗効果」を発揮して「勝利」をつかむのだ。


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   いかがでしょうか?! これがラガーマン、『ラグビー精神』 の真骨頂という所であります。



 20年前にドリームチェーンがスタートしたことは皆さんご存知かと思います。当時、私が目指した組織作りは『オオカミが率いる、オオカミの集団』 でありたいと思ったものでした。 初期のFCチェーンでありがちな『オオカミが率いる、ヒツジの集団』では我々のような小規模な組織は維持していけない、とも思いました。



 そして、あれから20年経過して今現在も組織が成り立っているのは、やはり加盟店様の 『 自立意識 』 がここまでの生き残りを支えて頂いたと感謝しております。本部も加盟店様も常にフラットな 関係性を持ち、何でも言い合える、組織体であることを今後とも継続しうることを切に願っております。



 本部・加盟店様お互いに甘え合う、単なる依存体質ではなく、其々が自立しながら、個性を持ち、常に地域のお客様満足に心を配り、日々の商売に精進する個人・個店を形成していきましょう。そして、自立した者同士が 『 相互依存 』 することにより、この難局を切り抜ける事が出来ると確信しております。

 



 そのような規模は小さくても筋肉体質の集合体になるようお互いに粉骨砕身して、ドリーム・酒匠米匠チェーンを進化させていくことをお願い致しまして今月の投稿を終えたいと思います。



   今月もご覧いただき誠にありがとうございました。

9月号   『 2015年 秋季勉強会が終わって 』

 9月号   『 2015年 秋季勉強会が終わって 』   Ⅴol.80



 みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。

 



 さて秋のシルバーウィークの連休も終わり、いよいよこれより秋深しという季節になってまいります。そして秋と言えば、やはり 『食欲の秋 』 そして 『読書の秋 』 『芸術の秋 』 といったところで、特にわれわれ商売人にとっては、年末商戦を控えてこの2ヶ月の間にどれだけ情報収集し、販促仕掛けの準備をしていくのかという 『段取りの秋 』 と言えるのではないでしょうか。



 『 備えあれば憂いなし 』 少しでも早い段階で準備怠りないようにしていただきたいと思います。



 以前にこのコラムでもご紹介させて頂いたかもしれませんが、関西地区の加盟店様のブレーンとして日々頑張っておられる若手有志で 『 日本酒倶楽部 』 というネーミングで毎月一回日本酒の勉強会を開催いたしております。日本酒のスキルアップと販促の共同企画などを立案し、実践・検証等を繰り返し、成果重視を目的として活動いたしております。

     



 また、販促や商品知識の習得以外に座学として、『 主体的に生きる 』 をテーマに仕事を通じて、互いに自他ともに成長し合うことを目指しております。具体的に言うと 『 やらされる仕事 』 から 『 自らやっていきたい仕事
』 への変貌であります。



 この勉強会での私の役割は、若い彼らに 『 商売のいろは 』 の先鞭をつける事のみです。考えて行動するのは、彼らの意思と責任感であり、そしてその中で自分自身の個性を知り、その個性を生かした何らかの能力を身につけ、その能力を持ち味にして仕事をしていく、そして自店の成長発展に寄与できるスタッフに成長していってもらいたいと願っております。

      



 そんな中、昨秋2014年お歳暮ギフトにおいて、日本酒ギフトを (金箔酒セットを中心に・・) 強化してギフトの粗利益率をさらに高めていこうということで昨年10月の勉強会で、10月から本年1月までの4ヶ月日本酒カテゴリー販促マスタープランを作成し、酒ギフト販促活動を実施いたしました。( 下記資料参照 )

   ≪ココをクリック 拡大版≫



 結果として、東大阪店では松藤チーフの頑張りで、昨年11月から本年1月までの3ヶ月の酒ギフト販売実績は、売上額303万円昨年対比109%、粗利益率17.2% ⇒ 21.3% (プラス4.1%)、粗利益額64万円昨年対比135%なんと17万円の増益効果が生み出されました。

 



 その後、どの店舗におきましても、本年8月まで毎月粗利益率は、昨年を上回り増益体質へと移行いたしております。そして、その過程の中で彼ら自身が着実に成果を出し、その手応えを感じながら日本酒に取り組んでいる姿を見て、つくづく人って頑張れば確実に成長するんだなと逆に教えられております。



 先日、東大阪店段上店長の言葉に 『 何事も、真剣だと知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。いい加減だと言い訳ばかり 』 とありましたが、しっかりと勉強して、身につけた知識を駆使して主体的に働いている彼らは、おそらく仕事に対しての満足感や充実感を感じとり、さらなる好循環で成長していってくれると信じております。



 さて、今回のテーマは、『2015年 秋季勉強会が終わって 』 とさせて頂きました。

   ≪ココをクリック 拡大版≫



 上記のプログラムにありますように、今回の研修テーマは、『 伝播力・・・ 「人」にはじまり「人」に終わる 』 ということで、過日9月15日(火)に新大阪マルビル新館にて開催させていただきました。

 



 流れとして恒例ではございますが、まず松本氏からの開会の挨拶をかねた業界の流れの説明や繁盛スーパーのビデオ視聴、そして津田本店様など繁盛店の事例紹介や加盟店同士での意見交換と続き、そしてまとめとして西田社長より
『 考え方を変える4つのポイント 』 ・『 やり方を変える4つのポイント 』 について詳しく説明がありました。



 参加者からの研修後アンケートを拝見しておりますと、みなさん研修内容をよくご理解いただき、年末商戦に向けてモチベーションが上がり、やるべきことが明確になったと異口同音に書いていただいております。ただ 『 忘却の48時間 』 とあるように、何事も2~3日時間が過ぎるとテンションも考え方もやり方も希薄化してしまうのが、人間の常であります。



 今後は、10月11月の各地区エリア会議にて再度研修内容を復習しながら、来たるべき年末商戦への行動規範としていただきたいと思います。このコラムにおきましても、私から皆さまにどうしても今回の研修内容で頭に叩き込んでいだきたい資料がございます。



 それは、西田社長が最後にプレゼンいたしました資料の再プッシュであります。その資料の中から抜粋して再度ご案内いたしたいと思います。

 





 考え方を変える、やり方を変える すごくシンプルで当たり前の事の様ですが、これがなかなか難しい。固定観念もあるし、やり方を変えることに対してのリスクの恐怖もあります。でも変えなければ自店の将来はないと断言できます。あとは、変えようとする 『 本気度 』 があるかどうか。腹をくくって下さい、覚悟を持って実行してください。

 



 上記の4つのポイントを意識しながら、行動に移していきましょう! 特に ◆お客様との関係性 については、今回の研修テーマである 『 伝播力の強化 』 そのものであります。われわれ地域密着型の小規模店舗の場合、このポイントがまさしく今後生き残る生命線でありますので、お客様との会話などお店の存在感ともども常に意識して精度を上げていきましょう!

 



 考え方が変わっても、やり方が変わらなければ実際に何も変わりません。そして、そのやり方も常に試行錯誤しながら継続的に習慣化していかなければなりません。やり続ける大切さと難しさ、商売していくうえでの永遠の課題でしょう。ただ、4つのポイント全てをすぐにやろうとせずに、一つずつ一つずつ着実に実行していきましょう。

    



 東大阪店では、◆店頭・売場のイメージ については、店頭のぼりをさっそく4本からギフト用6本に増設いたしました。のぼりの効果かどうかわかりませんが、9月の食品ギフトは今のところ昨年対比159%の売上になっております。秋の研修でありました明石市のマルヤマ酒店様と同じ成果が実証されました。



 また、◆販促ツール については、新米の問合せや購買されたお客様への説明やお客様との会話を膨らませる販促ツールとして、2015年新米紹介リーフレット(下記参照)を作成して、新米販売を通じてお客様との会話を弾ませる場面作りを推進しています。(伝播力の強化)

 



 このように、秋季勉強会において自店の課題を見出して何を改善しなければならないかを浮かび上がらせることができたとしても、自店に戻って何も行動に移せなかったら何の意味もありません。逆に参加された加盟店仲間が自店に戻り、ご来店されるお客様をじっと見ながら、そして自店の店全体や各売り場を見ながら、何から手を付けていくか、あれこれ考えながら知恵を出し、具体的に改善していくことが重要となります。



 そして、創意工夫された取り組みがうまくいった場合、その結果を参考としつつ、考え方ややり方を学び共有していくことが肝要となります。例えば、冒頭ご案内いたしました東大阪店での歳末酒ギフト粗利益率アップを実現したそのプロセスを関西エリア会議で発表してもらうなど、方法はいろいろとあります。

 



 このようにある店で成功した事例を各店に拡げていくことにより、次なる結果をもたらし、その結果が更に次なる成功事例となる好循環スパイラルとなるよう切望いたしまして、今月の投稿を終えたいと思います。



     今月もご覧いただき誠にありがとうございました。

8月号  『 健全な粗利益率アップの手法 』 Ⅴol.79

8月号  『 健全な粗利益率アップの手法 』 Ⅴol.79



 みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。

 



 さて毎年の事ですが、お盆や帰省シーズンが終わると一気にお店の方はヒマになりますよね。夏ギフト商戦でしっかり頑張ったんだから、ゆっくりすればいいんですが、何か手持無沙汰であのピーク時のバタバタ感が懐かしく思える今日この頃です。ただ有難いことに東大阪店での8月の売上や粗利益額は、今のところ好調で昨年対比110%で推移していますので数字的には問題はないのですが・・・。





 そんな中で先日千葉のグッチートレーディングの川口社長より電話があり、かつて千葉地区での加盟店であったドリーム八千代店の樫山オーナーや社員の方々、またドリーム茂原店の古賀オーナー達が集まって3年ぶりに同窓会をしようということになり、8/22(土)に千葉まで行くことになりました。



 往復の飛行機のチケットは、グッチーの川口社長が用意していただき、21日(土)伊丹発13:00上京、22日(日)羽田発13:00で帰阪という慌ただしいスケジュールでしたが、当地では千葉ブルーベリー園で夜遅くまでバーベキュパーテイと洒落込んで、みんなで昔話に花を咲かせました。



 仲間というものは、ありがたいもので、すでに八千代店が廃業して4年、茂原店が店をたたんで3年となっているのにもかかわらず、忘れず私を呼んでもらえるというのは本当にうれしい限りです。約20名ほどの集まりでした。

 

 

 今回の場合、私は逆に遠方へ行った立場ですが、本当に千葉の仲間というのは一生の朋(友)であると強く思った同窓会でした。



 20年近く前、千葉の両店は開業されピーク時には、それぞれ年商8億円・5億円の規模にあったのにもかかわらず、時代の流れと申しますか、厳しい商環境の変化の中で廃業を余儀なくされました。原因としては、複数要素があるのですが、やはり一番厳しかったのはマツモトキヨシと千葉コープに支払っていたテナント料が売上低下の中でかなりの負担となり、経営を圧迫していったのであります。

 

 

 廃業当時、本部としても道義的な責任もあり、かなりの精神的なダメージもありましたが、今回このようにして第二の人生を着実に歩んでこられた彼らの姿を目の当たりにして本当に安堵したというのが正直な気持ちです。



 それぞれのオーナー様に現在の生活状況をお聞きすると、月末の支払いをするための資金繰りの工面や競合店のチラシを見ながら自店の販促内容を考えたりといろいろと苦労したけれど、今はその必要もなく、契約社員ではあるけれど家内と共稼ぎで何とか生活はやっていっていますよ と明るく笑っておっしゃておられました。

 





 まあ、人間元気で生きていれば、山あり谷あり、一喜一憂、捨てる神あれば拾う神あり、七転び八起きで何とかなるもんですね!(実感です)

 



 さて、今月の徒然日記のテーマは、先月に詳しくお話しできなかったドリーム東大阪店の粗利益率改善のプロセスについて手前味噌になりますが、お話させていただき、何か一つでもご参考にしていただければと思っております。



 先月号で報告させて頂いたようにドリーム東大阪店の本年1月から6月までの上半期の売上高は、6980万円(昨年対比93.7%)粗利益額は、1082万円(昨年対比104.5%)減収増益という内容で推移いたしました。年初の会議で、今年は売上至上主義から徹底した利益至上主義への転換ということで取り組んでまいりました。



 結果として、上半期増益ということで、当初の目的を達成できたのですが、欲言えばやはり売上減は回避したかったです。減収の要因として考えられるのは、やはりビール系飲料を中心とした地域スーパーの低価格攻勢ではないかと考えられます。

  



 ただ、ビール系飲料販促の対抗策として、かつてのように無謀に地域最安値を前面に押し出しするのではなく、ドリーム東大阪店の低価格訴求を独自のスタンス(そこそこの安さ感)でアピールし、現在もその意識でお客様に提案しております。ここにきてなぜか、この7~8月までの2ヶ月でビール系飲料の売上は昨年対比横ばいで、粗利益額は増益となっております。ビール系飲料の利益率が上向いているのに、売上が下がっていないという現象です。



 ここで考えられるのは、低価格訴求型のカテゴリーであっても、必ずしも常に地域最安値でなくともお客様は自店でお買い物頂けるという検証結果であります。ただし、このカテゴリーにおいても配達サービスや無料包装サービス、そして何よりもフレンドリーな接客という価値が付加されているかどうかが重要なポイントとなります。



 続きまして、上半期増益の理由としては、何といっても粗利益率の向上につきます。昨年上半期粗利益率13.9%に対して、本年は15.5%1.6%アップすることにより、減収でありながら増益へとつながったと結論付けられます。近年、全ての業種においてマーケットサイズが飽和から減少へと推移する中で、健全なる粗利益額を確保するためには、やはり粗利益率の向上が必須課題となります。

 



 そこで粗利益率をアップさせるには、二つの方法が考えられます。一つ目は、単純にすべての商品の販売価格を一律に、例えば2%値上げすること、のどごし350ml1ケース2460円を2510円に価格改定したり、全ての現商品を2%引き上げると、当然ながら全体の売上に対して2%粗利益率が上がります。



 みなさん、当然のことながらお感じになられるように、これをやりますと低価格訴求カテゴリー中心に『客離れ』が生じます。と言う訳で、健全なる粗利益率アップを図るには、商品価格の値上げをせずに現商品において、すでに粗利益率の高い商材、例えばワインや地酒・お米やギフトなどの高粗利益カテゴリーの売上構成比を高めることが重要となります。



 当たり前の事のように思えますが、現実に実践していくのは非常に難しいものがあります。何故なら、粗利益率の高い商材は、その商品の価値を語らなければお客様の購買につながらないからです。しかしながら、これからの商売、経営は、その付加価値を向上させなければお客様の支持を得られない、すなわち廃業へと追い込まれてしまうのです。



 新聞折込チラシに頼った安易な安売り商売を続けていると、販売スタッフの考える力(創造力)を減退させます。逆に、粗利益率を上げようとすれば、様々な工夫や知恵、そして提案手法が必要となります。これが、良いんです! 



 東大阪店では、この半年ここに着眼を置いて段上店長並びに松藤チーフが考えながら仕事をする習慣を身につけるよう努力してまいりました。(今回の場合は、粗利益率を上げるためにはどのようなポイントが大事か?と考える)



 まだまだ未熟なレベルではありますが、彼らには常にお客様に目線を合わせ、現場活動をする中で、それぞれの持つ現場の問題点を探り当て、そしてカイゼンを重ね、さらにはお客様の反応を常に意識しながら、そのご要望に応えるべく努力と研鑽を重ねていくことが大切であると語っております。



 今回、東大阪店では先述の上半期粗利益額は、有難いことに昨年より約48万円増益となりました。しかしがら、それ以上に1.6%の粗利益率アップを実現させた彼等の成長が何よりの財産になったのではないかと喜んでおります。この事は、二年後、五年後の東大阪店の成長のための試金石として必ず成果あるものになると確信しております。



 さて、続きましてその『1.6%アップ』を因数分解しますと、やはり粗利益ミックスの大きなウェイトを占めるのが、ギフト販売の好調さであります。今までも再々お話してまいりましたが、ギフトカテゴリーの特色として、大きなマーケットサイズの割に近年意外と競争相手の少ない市場であると思われます。しかも、高粗利益が今のところ確保されております。だから、本気で取り組むと必ず好結果が期待できます。



 また、お中元・お歳暮に限らず、ちょっとしたパーソナルギフトを購買されるお客様をじっくり観察した場合、我々の中心顧客層である50代から70代のいわゆる高齢世代の方々がお買い上げいただいている傾向があります。『近くて便利 まちギフト』が、その世代の方々に支持されていると考えられます。

  



 今年の夏、東大阪店の現場で包装したり、ギフトの相談を受けたりといろいろとお客様と接する中で、お客さまから 『ありがとう!』と言ってもらえる場面が以前よりも増したような気がします。



 例えば、お中元ギフトを宅急便で贈られるときについでに孫へのオモチャも同送して欲しいとか、これとこれは一緒に梱包して欲しいとか、ちょっとしたメッセージカードを添付してもらいたいなどなど、お客様のご要望にお応えできる範囲で対応しておりますと大変喜んでいただけました。しかも、しっかりと粗利益率が高い商品でありながら、ありがとう!と言ってもらえる。



 月末チラシ特売の時に、スーパードライやのどごしを薄利ではあるけれど地域最安値でご提供していても、お客さまから「いつも安い値段で買わさせて頂いて本当にありがとう!」 という言葉は、最近現場で聞いたことがありません。何故なら、いくら安くしても安いのが当たり前という時代だからです。



 ドリーム東大阪店をスタートさせた22年前は、まったく違っておりました。酒類は定価販売の時代でしたから、「ドリームさん、いつも安くしてもらってありがとう!助かるわー!」という言葉をしょっちゅうレジで声掛けしていただいておりました。



 ということは、時代や商品は変われどもお客様満足のバロメーターは、『ありがとう!』という言葉なんですね。当然私たちは商売人ですから、物を売ってなんぼの世界です。しかしながら、お客様に売ろう、売ろうとせずに、常に「ありがとうと言われるにはどうするか」ということを考え、仕事に励まなければなりません。



 そのことが、自然とお客様の気持ちを考えることに結びつき、お客様に喜んでいただけるアイデアが生み出されることになります。極論かも知れませんが、そのアイデアが粗利益率アップにもつながるのです。例えば、食品スーパー万代で販売している「のどごし」よりも割高な価格でも、お客さまから「ありがとう!」と言ってもらうためには、どのような売り方の工夫が必要なのか? 形にして実践する。 これが、商売の神髄なのです。



 現場で、若いスタッフたちが今夏のギフト販促を通じてお客さまから「ありがとう!」と言ってもらっている姿を見て何か微笑ましく思えてなりません。その一つ一つは些細なことでしょうが、お客様にとっては印象深いものだと思います。何故なら、「ありがとう!」と言ってもらえる振る舞いや接客がそこにあるからだと思います。

 



 最後になりますが、我々の取り巻く環境は日に日に厳しく辛いものになっております。しかしながら、様々な試行錯誤を繰り返す中、ある販促活動の中でお客さまからふと「ありがとう!助かるわ!」と言ってもらえる店づくりを目指して頑張ってまいりましょう! 



 今後とも、粗利益率をアップさせるためには何をすべきか?! ということを常に意識して毎日のお仕事に精進されんことを祈念いたしまして、今月の投稿を終えたいと思います。



 今月もご覧いただき誠にありがとうございました。

7月号『1.6%の成長?!』 Ⅴol.78

7月号『1.6%の成長?!』 Ⅴol.78



 みなさん、こんにちは!今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。

 



 さて、先日全国各地で『梅雨明け』が発表されました。と同時に、TVや新聞では『熱中症』により、どこそこで救急車が出動し、お年寄りが病院に搬送されました!との報道が相次いでされております。近年、この時期通例の出来事とはいえ何か自然環境の変化の中で人々が厳しい環境変化への対応に順応できていない現状が見えてまいります。



 『カエルの釜茹で』じゃありませんが、地球規模で自然環境破壊が数十年前から進んでいるのにもかかわらず、ちょっとずつ、ちょっとずつの変化の為、気づいていても思い切った対策を取られず、後手後手の対応に追われているのが将来に向けての大きな問題なのではないでしょうか。

 



 私が小学生のころの『夕立ち』が、いまや『ゲリラ豪雨』、そして『日射病』『熱中症』へと呼び方が変化し、夏といっても何か風情のない表現の時代になってしまいました。それだけ自然環境が厳しくなってきたということでしょう。時代と共に環境の変化に伴い、なかなか即カイゼンできない人間という性の弱さと曖昧さというものを最近つとに思うことしかりです。



 私も仕事において『カエルの釜茹で』にならぬよう常に時流というものを意識しながら、決断すべき時は決断し、自店のみならずチェーン全体の羅針盤となるべく努力を今後とも継続していきたいと思っております。





 さて、時流といえば先日マスコミからこのような報道がありました。

 



 この規模は、スーパーの食料品、日用雑貨、化粧品の売上高が9兆7500億円を上回るものであります。売価が地域スーパーよりも高いにもかかわらず、続伸している理由の大きな要因の一つとしては、24時間営業という身近感や安心感があるのではないでしょうか。



 いわゆる価格以外の要素で支持されていると言う訳です。結果として、コンビニ業界は非常に粗利益率の高い業態として今なお進化し続けているのです。ここで、先月にご提示致しました物販主要企業のランキング表をご覧いただきたいと思います。

    ここをクリック 大きくする(PDFファイル)



 先月号で、セブン&アイHDとイオングループとの違いにちょっとだけ触れましたが、ここで少しだけ解説してみたいと思います。



 表をご覧いただいてお分かりかもしれませんが、売上高については、イオンは業界NO.1であります。しかも前年対比10.7%伸びております。しかしながら、営業利益については前年対比17.5%のダウンで1413億円、競合するセブン&アイHDと何と2000億円以上の差をつけられております。



 この総営業利益額の差は何なんでしょうか?みなさん、お気づきかと思いますか゛、両グループが抱えるコンビニ事業部門の差なのです。いわゆるセブンイレブンとミニストップとの差なのです。セブン&アイグループは、営業利益3433億円のうち約65%(2233億円)の利益をコンビニ部門で稼いでおります。その他、セブン銀行など。

 



 セブングループの基幹事業であるイトーヨーカ堂のGMSスーパー部門では、年間たったの18億円しか(3433億円のうち)収益があげられておりません。イオンの全国スーパー部門も25億円しかありません。ドリーム東大阪店の近くにある地方スーパー「万代」でも年間70億円(経常利益)を計上している訳ですから、いかに全国スーパーが苦戦しているかということです。原因については、また次の機会に解説したいと思います。



 そこで、セブンとイオンの違いについて戻りますと、全体的な収益性の違いの要因は、収益性の高い事業部門の育成の差となってくるのです。冒頭でもお話ししました通り、コンビニ業態の強みはほとんど価格競争に晒されない優位性があるのです。当然その分、常にお客様の日々変わっていくニーズに対して、敏感に反応し、対応していくスピードと企画能力が問われてまいります。



 その差が、セブンとイオンの違いなのです。ここで学ぶべきことは、我々のような小規模な商店に縮小版してみますと、当然セブンやイオンのような別事業部門としての子会社など持ち合わせるものではありませんが、取扱いカテゴリーに置き換えてみますと、薄利多売中心であったアルコールカテゴリーの販促を継続させながら、高粗利益カテゴリーである店頭精米やギフト、その他付加価値酒類、場合によっては『立ち飲み』(飲食業部門)などの高収益部門を強化していくことの重要性がうかがい知ることができます。



 ハッキリしているのは、従来から言われているように『売上重視』から『利益重視』への移行を促進しなければならないのです。イオンの方々には申し訳ないですか、かつてのダイエーのようにならぬよう対策を講じて頂きたいと思います。





 と、偉そうなことを言って、私自身自店を振り返ると人様の事をとやかく言えるような状況ではありません。



 ご承知の通り、今年に入って本格的に現場に従事しておりますが、最近特に現場の難しさというものを痛感させられております。ドリームを始めて22年になりますが、恥ずかしながらこの年齢になって、あらためてここまで現場が大変であるかと思い知らされている毎日であります。



 かつて自分が体験してきた現場とは、数段レベルの高い知恵と体力が要求される時代に直面しているなと実感しております。それだけ、お客様が情報化時代の中で様々な情報入手手段を持ち合わされてきたことだと思います。特に価格についての情報入手は、いとも簡単に可能であります。



 地域の物販業に求める消費者のニーズは常に進化し、しかも多様化しております。先述の全国スーパーの苦戦もそこに要因の一つがあるのかもしれません。また、少子高齢化という日本全体が抱える構造的な変化に対しての取り組みも問題を投げかけております。



 時代の流れをしっかりと読み解き、分析し、新しい試みを実践し、そして検証する。大事をなす時の基本である『PDCA』サイクルをしっかりと繰り返す中で、答えは自ずから見えてくると信じております。まずは、行動あるのみです。

 



 先日、NHK大河ドラマで現在放映されております『 花 燃 ゆ 』を女房と見ておりますと、吉田松陰先生(ドラマでは、すでに亡くなっていますが・・)開設の『松下村塾』の床の間に掛けられておりました掛け軸に、『知行合一』という言葉が画面に映し出され、ちょっと気になりましたのでメモを取り、後ほどネットで調べてみました。そこで、その四文字熟語の指し示す意味に大変共感いたしました。



 今の自分に足りない部分、取り組まなければならない部分を指摘されているようでとても感銘を受けました。そんな訳で今回ネットに掲載されておりました内容を引用いたしまして、皆様にご紹介いたしたいと思います。

 



 明治維新を支えた幕末の志士の精神的指導者として有名な吉田松陰が自身の私塾「松下村塾」の掛け軸に掲げていた名言として有名です。



 中国、明の時代の儒学者・王陽明が始めた「陽明学」の命題のひとつが「知行合一」。



 この陽明学では、「心即理」・「知行合一」・「到良知」の言葉に思想が凝縮されていると言われています。陽明学者でもあった松蔭は、私塾の掛け軸にこの言葉をすえ、指針にしていたことがうかがえます。



     「知行合一」の意味は?



 「知識や耳学問で、物事を知ったかぶり判断するのではなく、実際に体験し、実践をかさね、工夫し鍛錬してはじめて物事を真に理解できる」という意味になります。



 もっと簡単に表現すると「知って、行動してこそ本当の知恵」という感じでしょうか。



 陽明学の「実践重視」の立場をしめす言葉と言われています。当時対立していた儒教の一派「朱子学」が実践よりも、理屈を重視していたのに対する陽明学のスタンスともいえます。

 



 この「知識をつけるだけでなく、行動をすることによって知識を完成させる」という理念を追求するからこそ、徳川幕府に無断で、黒船に乗り込んだり、何度も何度も捕まって、牢獄に入れられてもめげなかったり、カリスマ的影響力で、時代を先導することができたのでしょう。

                   とありました。



 いかがでしょうか。時代は変われども、世に偉人といわれる方々の発する言葉には、素直に「なるほど」と思い知らされ、説得力があります。私自身もただガムシャラに現場で働くだけではなく、今まで培ってきた知識や情報とを現場と常にリンクさせながら酒屋業というものを完成させていきたいと思います。努力します!





 さて、今回のテーマについてですが、『1.6%の成長?!』とさせて頂きました。この1.6%ってなんやねん?ということになりますが、もうすでに察しておられる方もおられると思いますが、粗利益率の数値を表現いたしております。

 



 先日、7/22にドリーム東大阪店のスタッフ会議を実施いたしました。その中で、本年1月から6月までの上半期財務内容をみんなで確認いたしました。東大阪店では、2015年度の課題として、とりあえず売上よりも粗利益重視ということで粗利益率のアップを大きな命題として掲げました。



 そして結果として、狙い通り昨年の粗利益率13.9%から本年15.5%へと1.6%上乗せすることができました。全体の成績としては、減収増益となりました。その要因として、この6ケ月の活動内容や意識の変革などを手前味噌になりますが、そのプロセスを皆さまにご報告し、何かの参考にしていただきたいと思います。



 ただ・・・今回いつものように前段が長くなってしまいましたので申し訳ありませんが、次回8月号にて詳しく述べさせていただきたいと思います。今秋9/15には、恒例の秋季勉強会が開催されます。8月号では、その勉強会への心構えなども併せて投稿いたしたいと思います。中途半端な投稿となりましたが、次回をお楽しみに!!



 最後に、先述の吉田松陰先生の名言集の中から『学びの賞味期限』というフレーズを皆さまにご紹介して今月の投稿を終えたいと思います。



   今月もご覧いただき誠にありがとうございました。