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最 終 号  『  12年間 ありがとうございました! 』 Ⅴol.145

    最 終 号  『  12年間 ありがとうございました! 』 Ⅴol.145



 みなさん、こんにちは! いよいよ最終号の徒然日記を投稿いたしたいと思います。

 



 最終号を色鮮やかに飾るかのように、世の中コロナ禍であるにもかかわらず全国津々浦々桜の花が満開となってまいりました。今年も残念ながら桜の下で酒盛りとはいきませんが、やはり桜の花を観るとホッとするというか、いよいよ一年のスタートという気がいたします。そこで皆さん日本の国花でもあります桜の花なんですが、サクラ という 名前の由来 をご存知でありましょうか。



 諸説ありまして有力なのが、意外と我々が取り扱うお米との関連性がありまして、「サ」 「サ神」を表しており、これは「田んぼの神様」を意味し、「クラ」 は神様が鎮座する「台座」のことで、『田んぼの神が宿る木』 が由来のようです。そんな訳で、高貴な桃や梅の花と違って一般庶民 がこよなく愛する花となったようですね。



 また、農家さんは、古くから桜を農業の目安にしてきており、つぼみが七部ほど膨らむと稲の籾まきを始め、花が満開になると桜の下で豊作を祈願しました。夏、桜が青々とした姿に変わるとセミ時雨に包まれ、そして畑作の準備を開始。豊作祈願の神事では、花の咲き方で今年の収穫を占うこともあったようです。



 このように桜は、農家さんが、毎年微妙に異なる季節の変化を知るための暦がわり としても大切にされてきたようです。ただ最近の地球温暖化の影響で毎年桜の開花が早まり、今年も各地では約一週間から10日ほど早く咲いているようですね。

 



 さて、私事ですが先日3月8日71歳の誕生日を迎えました。よくぞここまで元気に生きてきたな というのが実感であります。総務省の統計表から見ると私の生まれた昭和25年(1950年)での男女平均寿命が61.5歳でありました。統計が始まった明治25年ごろは、43.5歳 が日本人の平均寿命ということでありました。



 ということは、昔であればとっくにあの世へ旅立っていた訳でありまして、私自身思いたくはないのですが、すでに老人の部類 に入っているということを認識しなくてはならないなと昨今思うところであります。2020年発表されました日本の平均寿命は、84.2歳 (男81.4歳・女87.4歳) スイスを抜いて世界一位であります。



 いよいよ私のこの世に残された時間は10.4年 ということになります。最近、時間のある時に昨年買い求めた 『エンディングノート』 の項目をひとつずつひとつずつ埋めております。その中で感ずることが私なりの死生観と申しますか 残された時間をどう使い切るか など考えることが多々あります。



 よく言われる 『 何歳まで生きれたか 』 ではなく、人生のプロセスにおいて 『 どのように生きたか 』 が大切なことであると。この徒然日記でも再々ご紹介いたしましたインドのマハトマ・ガンジーの言葉が私の残された人生の 『 座右の銘 』 であります。

 



 そのような考えの中で、この度さかのぼる事12年と1ヶ月長年投稿してまいりました 『 徒然日記 』 を終幕 という決断をいたしました。本音のところ、私自身大変残念無念でなりませんが、今この時が潮時 のような気がいたしました。近年、東大阪店の現場で従事することが主流となり、しかも業務内容も重要な仕事は若い連中に任せ、私は極力頭の使わない単純な作業に徹することが多くなりました。



 行動範囲も狭くなり、各地区におられる加盟店様ともお話しする機会も少なくなり、各現場での様々な情報を入手することもかなわなくなりました。いわゆる私の脳の中に多種多様な情報をインプツト(充電)する機会が少なくなり、その結果として 『徒然日記』 において、皆さま方にアウトプット(情報提供)する量も質も低下してきている事をなによりも自分自身が理解しております。



 また11年前の60歳時にドリーム本部の代表を西田社長にバトンタッチいたしましたが、今でこそ申し上げられますが当時ドリーム本部も時代の流れに押されて財務的に非常に厳しい状況でありました。にもかかわらず、そのリスクを背負ってでも事業承継を快諾していただいた西田氏には本当に感謝の言葉しかありません。そして、いま現在私は本部の仕事を全て西田社長に託しております。



 さらにドリーム本部の業績が改善されていく中で、昨年ドリーム東大阪店の代表も松藤店長に移行いたしました。ちょっと早い世代交代かなと思いましたが、その後業績もコロナ禍であるにもかかわらず、順調に推移しております。そしてその安定した会社運営の中で、本年4月1日をもってドリーム本部及びドリーム東大阪店での会社役職を全て勇退することといたしました。



 思い起こせば、28年前に酒販業界の先行きを察知して 『 清水の舞台から飛び降りる 覚悟 』 で酒DS ドリームを創業いたしました。以来、様々な紆余曲折がある中で本当にいろんな方々と出会い、そして助けられ現在に至っております。特に 『徒然日記』
を投稿いたしましたこの12年間は、日本列島そのものが様々な災害や政治・社会情勢の激変の中で揺れ動き、厳しい商環境が続く中、何とか持ちこたえる事が出来たと安堵いたしております。



 そういった意味では、この 『徒然日記』 は皆さまに毎月寄稿しながらも最終的には、私自身に対しての考え方及び行動の再確認 とさらには私宛てへのエールを送ったものであったなと振り返る事が出来ます。そして、その振り返りと同時に波乱万丈の酒屋人生において自分自身精一杯 『 やりきった 』 という思いで今は十分に満足しております。



 徒然日記にとどまらず今後私自身は各種業務の第一線から退いていく訳ですが、私にとっては今後の皆さまの奮闘ぶりを拝見させていただく新たなる始まりでもあります。この徒然日記の中でお話しした事案は皆さま方の多様でかつ自由闊達な発想とともに時代の変遷の中で、さらに新しい形に進化 していくものと確信しております。



 いまコロナ禍で厳しい時代でありますが、困難に直面した時こそ仲間や家族及び従業員の方々等、周りの人たちのために 『 いま自分は、何をなすべきか?!』 と常に自問自答していただきたいと思うのです。そして、現在営業活動の中で実施されていることをさらに深掘りされ、そして先行きが不透明な中でも多面的な物の見方をもってリスクを分散する経営を目指していただきたいと祈念いたしております。



 生意気なことを申しておりますが、老婆心として皆様方にはお聞きいただき受けとめていただければ幸甚と存じます。最後になりますが、この12年間に及ぶ
『 徒然日記 』 の読者の皆さま方にはこの場をお借りして厚く御礼申し上げるとともにコロナ禍の中お体ご自愛いただき、公私ともご活躍されんことをお祈り申し上げまして千秋楽の結びとさせていただきたいと思います。



      本当に皆さま長年ご覧いただき誠にありがとうございました。