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2月号  『安売りするな!価値を売れ!』  Vol.85

 2月号  『安売りするな!価値を売れ!』  Vol.85



  みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。



 昨日2/26 (金) お休みをいただきまして午後半日人間ドックに行ってまいりました。毎年この暇な時期に健康チェックとして10年間続けております。幸いにして、今のところ何の問題もなく、心置きなく仕事に臨めております。あらためて、健康って本当にありがたいものだと感謝いたしております。



 さて、休日となると必ず家内に雑用係として充てにされ、昨日午前中にひな壇づくりを手伝わされる事となりました。毎年、家内が一人でお雛さんを並べているんですが、今年はタイミング悪く動員される羽目になりました。

 



 ただ、二人して段飾りをしながら長女が誕生した38年前を思い起こし、その時の初節句祭りで近所の方々や親戚の皆さんに集まって頂いた事、そして長女に始まり三人の子供を何とかここまで大きなトラブルもなく無事育てて来たなとか、お互い白髪交じりの頭でええ年になったなとかetc、38年間を回顧しながら雛壇づくりをし、何か久しぶりに夫婦間で癒しの会話が出来たようでありました。



 そんな意味では、日本古来からある節句という 政 ( まつりごと ) はいろいろな意味で、人と人とを結ぶ大切な文化であるなと思いました。



 そこで、節句とは何ぞや?ということで、いつものようにウィキペディアで調べてみると下記のような内容でありました。



  節句(せっく)とは、中国の陰陽五行説に由来して定着した日本の暦の一つであり、伝統的な年中行事を行う季節の節目(ふしめ)となる日。日本の文化・風習。



  この日には、平安時代からの宮廷において節会と呼ばれる宴会が開かれました。年間にわたり様々な節句が存在しており、そのうちの5つを江戸時代に幕府が公的な行事・祝日として定めた。それが人日の節句、上巳の節句、端午の節句、七夕の節句、重陽の節句の五節句であります。

 



 さて話はゴロッと変わりますが、同じ平安時代に執筆された 『土佐日記』 について、ここでちょこっとお話しさせていただきたいと思います。



 今からはるか50年ほど前にわが母校布施高校の古典科目の授業の際に 『土佐日記』を 学んだことを少しだけ覚えておりました。内容としては、当時(西暦930年ごろ)土佐国の国司として赴任していた紀貫之(きのつらゆき) が65歳になり、その任期を終えて土佐から京へ帰る紀貫之の55日間の旅路の話を、書き手をわざわざ女性にかえて日記風に綴った作品であります。

 



 作品内容は、道中の人々との様々な出会いのエピソードや出来事を楽しく和気あいあいに綴られております。

今も昔も旅先での一期一会のご縁の大切さや面白さを語られております。人の出会いって本当に不思議なものですね。



 そして次に鎌倉時代末期に吉田兼好(よしだけんこう) が執筆されましたご存知 『徒然草』 、日本三大随筆のひとつとして評価されているようで、有名なさびの部分として冒頭に 「つれづれなるままに、日くらし 硯(すずり) にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、・・・・」(中略・後略) とあります。

 



 内容は、人生論あり、友情論あり、思わず笑ってしまう失敗談あり、辛口の人間批評や政治批評あり、ことわざのようなキラリと光る文言あり、歴史上の人物の逸話あり、バラエティ豊かなものとなっております。今後少し仕事にゆとりができて、ゆっくりと読書する時間ができれば、再度読み返してみたいと思っております。



 ここで何をお話ししたかったのかと申しますと、お察しの方もおいでかと思いますが、『土佐日記』『徒然草』 合わせて 『徒然日記』 となるわけです。著名なお二人の文献にあやかりまして生意気にも私の人生観を語るブログ名を 『徒然日記』 と命名させて頂いた訳です。



 今後、私自身痴呆症になり、頭がボケる手前までは、毎月 「つれづれなるままに、一日一日仕事に没頭し、パソコンにむかひて、日々のボヤキも含めて、そこはかとなく書き綴ってまいりたい」 と思っております。みなさん、どうぞ末永くお付き合いの程お願い申し上げます。





 さて、相変わらず前振りが長くなりましたが、今月のテーマは、『安売りするな!価値を売れ!』 とさせていただきました。皆さん既にご存知の方もおられると思いますが、マーケティングコンサルタントとして著名な藤村正宏氏が執筆されております書籍のタイトルであります。



 現在、SNSなどでの投稿を見ていましても、その本の読者たちが絶賛するスゴイ書籍なのです。この度その書籍がマンガ本として再デビューいたしまして、更に読みやすく理解しやすくなったのです。私も西田社長から拝借いたしまして二時間ほどで読み終えました。

 



 マンガ本としては、定価1200円ということで少しお高いですが、内容的にはその期待を裏切りません。決して出版社のCMをするわけではありませんが、是非ともおすすめの一冊であります。たった1200円で自分自身のこれからやるべき商売のあり方が浮き彫りになってまいります。





 それでは、この本から学ぶものとして、ざっくりとした解説を私からさせて頂きたいと思います。



 いま、日本全国津々浦々モノがあふれており物余りの時代、そして消費者が様々な理由で節約志向へと進んでおり、よっぽどのことが無い限り、余分なものは買わない風潮となっております。さらには、大手小売業を中心にオーバーストア気味に業界は動いており、地域で物販業を営む我々には厳しい環境が続いております。



 そんな中で、さらに売上増を図るため、販売価格をより安くして増客しようという売り方だけでは、今の時代通用しないという事は、みなさんご周知のとおりです。ただ、消費者が安価でお買い物するニーズが薄れてきたというとそうではなく、今後もデフレの時代はまだまだ続く様相であります。(原油安でもありますし・・・)



 しかし、しつこいようですが安価一辺倒で商いをしているようではこの時代生き残れない。お客様の新しいニーズにお応えしていく、さらにはニーズが無くても新しい価値創造の中で、美味しさや楽しさをご提案していくことで需要を喚起することが重要であるとこの本は断言しております。





 ちょっと抽象的な言い回しになってしまいましたが、先日この考え方を実践して素晴らしい成果を挙げられた加盟店様がおられます。先日2月17日の愛知エリア会議にて岐阜市で営業されております 『 酒匠米匠 日乃出屋 』 さんの市橋氏(40)からお聞きした 『 小が大を制する!』 というお話です。



 昨年6月号(ココをクリツク) でご紹介いたしましたように、日乃出屋様は地元 J 2 リーグ『 F C 岐 阜 』 ( ラモス瑠偉監督) のホームである長良川競技場 に生ビール等を納入する業者として指定されております。

 



 今年も2/28 (日) から、J2リーグがスタートするわけですが、開幕にあたって2月初旬に競技場運営会社より呼び出しがあり、今年のホーム開催(年間で21試合あります) に当たり、生ビールの見積もり及び入札を実施するとの通告がありました。



 先方事務所に赴くと岐阜県下ナンバーワン業務用卸 S社 の営業部長が入札競合相手として同席していたとのことです。案の定、激安価格で提示があり(守秘義務がありますので金額は明記出来ません。)
日乃出屋さんの仕入価格を割っていたのです。ただ、彼はそれでも負けてはいません。現在の納入価格を下げずに、運営会社担当者に対して、自店独自の付加価値やS社との優位性を力説して商談を終えたとのことでした。



 翌朝、担当者から電話があり、今年も日乃出屋さんでお願いしたいとの旨であったとのことです。何と年間売上 数百万円という商談でした。なぜ、運営会社は10%以上納入価格の高い日乃出屋さんを選択したのでしょうか。



 なんですよね。

 



 それでは、市橋氏はどのような付加価値や優位性を相手方にアピールしたのでしょうか。70歳前のご両親と本人でたった3人(奥さんは専業主婦です)で、社員何十人もいる大手業務用卸を打ち負かしたのか! ここに我々家業として小規模で営業している酒屋の生き残るべきヒントがあるように思えます。 



 ここで、その内容をご披露すれば「なんだ、そんなことか・・」 という感じで終わりそうなんで、敢えて今回はその内容をお伝えいたしません。どうぞ皆さん、意地悪なようですが、体を動かして汗をかくように、頭もたまには動かして汗をかくことも大事だと思って下さい。そして知恵を出してその答えを導き出していただきたいと思います。ポイントは、3つほどあります。



 そして、知恵を出すのには豊富な知識なんか必要ありません!( ただ、知識があるにこしたことはないですが・・・) 要るのは、負けん気とハングリーさとちょっとしたヒントやアドバイスがあれば、新しい展開が見えてまいります。そういう意味では、今回の藤村正宏さんのマンガ本は、最高のヒントが隠されていると思います。

 



 またマンガ本のCMになってしまいましたが、これから商売していくうえで、たし算、ひき算、かけ算、わり算といったそろばん勘定を中心とした経済学から脱皮して感性を養い、いまお客様が何を欲しておられるか、いま何をご提案すれば楽しく喜んでいただけるかという心理学の商売のあり方 (日乃出屋さん顧客満足の方程式) へ バランスチェンジしていかなければならないという事を最後に申し上げて今月の投稿を終えたいと思います。



    今月もご覧いただき誠にありがとうございました。







[ P S ] 日乃出屋さんの生ビールの一件は、節分の日の岐阜恵方巻き寿司奮戦記を交えて来月号で報告させて頂きたいと思います。それでは、失礼いたします。