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6月号  『 ひと手間 』 かける大切さ!   Ⅴol.53

 6月号  『 ひと手間 』 かける大切さ!   Ⅴol.53



 みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。



 さて、いよいよ待ちに待った 『夏ギフト商戦 』 突入です。先日、和歌山のえがわ店さんにお邪魔いたしまして江川店長から、今年の夏ギフトの動きについてお聞きいたしました。最近のお天気傾向として全国的にカラ梅雨模様から一転して雨の日が続いているせいか、どうも動きがイマイチとおっしゃっておられました。

 

とは言うものの、例年受注している法人様で贈り分185セット口の大口需要もすでに受注済のようで、着々と今年も成果をあげられているようです。また、その受注分のやり取りの中で今回のテーマであります 『 ひと手間 』 というものを積極的に意識されて利益率向上を推進されております。

 その件については、姫路のサトウ酒店さんの事例も含めて後述したいと思います。



 話しは変わりますが、先日6月度の関西エリア会議終了後、各店店長数名と本部スタッフとで今話題のJR大阪駅前の複合商業施設 『 グランフロント大阪 』 に行ってまいりました。主たる目的は、その施設内に季節限定でオープンいたしました『キリン一番搾りガーデン』にて、キリンフローズンスタウトやツートン(生)ビールを試飲してみようということでした。

 

 オープンカフェスタイルで、なかなかお洒落な雰囲気のお店でしたが、それとは似つかわない野郎共11名で色気もなく楽しく(?)酒盛りをいたしました。その後、場所を移してやっぱり肉食系男子の定番、焼き肉『本陣』にて、食べ放題メニューでガッツリと腹に収め、飲めや、歌えや(歌えませんでしたが・・・)という具合で楽しい時間を過ごさせていただきました。



私の好きな言葉の一つに

  『 事業なくして親睦なし、親睦なくして事業なし!』

                     というフレーズがあります。



 事業を推進していくために、会議室の中だけでは十分な意思の疎通や連帯感、更には共感というものが味わえないのでは・・・ということを常々思っております。言葉を変えれば、 『 忙中閑あり!』 とも言える事ですが、やはり互いに酒を酌み交わす場面や時間というものは、仕事においても、人生においても非常に大切なことだと実感いたしております。



さて、先述の複合商業施設 『 グランフロント大阪 』 ですが、4月オープン以降順調に集客しているようですが、何と言っても大阪人の気質として 『 熱し易く、冷め易い!』 と申します。今後どのように推移していくのか、まだまだ予断は許さないと思われます。

 いま 『 大阪流通戦争 』 といって、このデフレ下消費低迷のなか、JR大阪駅前では流通各店がひしめき合っております。百貨店で言えば、まず阪急うめだ本店をはじめ、大丸梅田店、大阪三越伊勢丹、阪神梅田本店と各店あの狭いエリアの中で営業展開いたしております。更には、周辺に大型専門店施設として『ルクア』や各種地下街モールが群立いたしております。

 

 更には、更には、少し広域で見てみますと、梅田地区から南下して先日6/13に一部開業いたしました 『あべのハルカス近鉄本店』 が、いよいよ来春に全面オープンいたします。百貨店としては、日本最大の10万平方メートルの売り場面積を持つ超大型巨艦店舗であります。ちなみに、ビルの高さも日本一で、高層複合ビルとして60階建てで、高さは何と300メートルに及びます。

 このように関西経済の地盤沈下が進む中での増床競争が、今後流通各店の高度なオリジナリティを生み出し、互いに切磋琢磨して関西独自の付加価値やアイデアが創出されることを大いに期待するものです。



 さて話しが大きくなったところで、現実の我々の現場に少しクールダウンしてみたいと思います。



  今回のテーマは、『 ひと手間 』 かける大切さ!とさせていただきました。



 先日6月19日に兵庫県高砂市の酒匠米匠 春日野商店さんに行ってまいりました。用件は、柳田店長に以前から夏ギフト商戦に入る前に自店のパートさんにギフト関連の研修をお願いしたいというご依頼でした。当日、8名のパートさんが集合されておりまして、皆さんにギフトカテゴリーの強化についてお話しさせていただきました。

 実は、春日野商店さんはデイリーヤマザキのCVSにも加盟されておりまして、販売方法としては完璧にコンビニスタイルで営業されておられました。その関係で、レジにおいての一声かけ販促などは実施されておられず、コンビニ特有の作業的な接客(第一領域の仕事)に徹しておられました。

 そんな流れのため、お客様との会話の中で夏ギフトをお奨めしていくトレーニングが出来ておらず、今回の研修となった訳です。私の研修スタイルとしていつも植物に例えて、『根っこの部分』 からお話しさせていただきました。

          ①Why から始まり ②How to へ!

 そこで、ギフト拡売のテクニックを学ぶ前に、『なぜ?』 ギフトを強化しなければならないのかをしっかりと全員で共有しようということになりました。その後の研修内容を全てお話しすると長くなりますので、その中で重要なポイントをひとつご紹介したいと思います。



       それが、『 ひと手間 』 かける大切さ!なのです。



 私たちは現状を変えようとする場合、つい何か新しいことをしなければならないと思いがちです。しかし、新しいことはなかなか思いつかないし、つい煩わしさが先行してしまいます。その点、従来の取り組みにひと手間を加えるだけなら比較的に容易であり、実行しやすいのでは とお話しいたしました。

 じゃ、春日野商店さんでギフト販促について今やっていることを見直し、ちょっとだけ手を加えてみようと問題を投げかけました。そこで現在、夏ギフトについて実施していることとは・・?と訊ねると下記のようにギフト売場にただカラーギフトチラシを置いてるだけ、との事でした。ギフトに興味のある方は、持って帰って下さいという無機質なものでした。

 

 じゃ、これからはレジカウンターでギフトちらしを手渡ししようということになりました。そして、更にはギフト受注用紙も挟みこんで、ひと声かけてお渡ししようということになりました。そして、更にはコミュニケーションの取れているお客様には、積極的に会話をしてアピールしていこうとも・・・。

 例えば、「○○さんって、お中元は、どこで買われているんですか?」 とか 「○○さん!ネスカフェのコーヒーギフトが、定価の半額で、しかも全国送料無料ってご存知でした?」などなど・・・です。

 昨日、春日野商店様にお電話を差し上げたところ、パラパラではありますが、その後ギフト受注が舞い込んできているとの事でした。「ギフト売場に置いてるだけのチラシをレジにて手渡しする」、ただそれだけを実行しただけです。このように、ほんのひと手間を加えるだけでお客様の反応・行動・評価・満足が大きく変わっていくのだと思います。



ここで、『 ひと手間 』 をかけて大きな成果をもたらした加盟店 2店をご紹介いたしましょう。

 

 上記のカラーチラシは、姫路市の酒匠米匠サトウさんの5月末に新聞折込をされたものです。このチラシを配布することにより、たまたまお中元ではなく、粗供養ギフトの新規客が舞い込んできました。食品ギフトでその数は、50個でした。(定価3150円⇒半額1550円)

 

 当然の事ながら、ご主人の佐藤さん(63)は大変喜ばれて、今まではビール等の安売り販売が中心だったのですが、いわゆる酒DS業態の時期とは違った手ごたえを感じられ、今年の夏ギフトにかける思いに気合(スイッチ)が入った訳であります。( 成功体験というものは、自然と自らを前向きにさせるものです。)

 そこで、佐藤さんのとられた『 ひと手間 』 とは、今現在のお店の回り(地縁)や自分自身の周り(人脈)を見渡して、お付き合いのある法人個人に対して積極的に夏ギフトのひと声かけを実施されました。

 すると、どうでしょう! なんと佐藤さんが所属するプロパンガス組合から、やま磯のりセット(1380円売り)を全部で457セットという驚異的な新規受注が獲得できました。金額にして、売上額 63万円、粗利益額 30万円 (包装は、全て業者対応) という前代未聞の好結果となりました。

     『 あかんで、もともと!』 『 数撃ちゃ、当る!』 

               ・・・・・ 何とかなるもんですねー!



  さて次に、冒頭ご紹介いたしました和歌山のえがわ店さんの事例です。



 和歌山えがわ店さんでは、今年の夏ギフト商戦を取組むに当たっての課題のひとつとして、全体ギフト粗利益率2%アップを目指しておられます。昨年の6・7・8月三ヶ月のギフト売上額は、1,194万円で粗利益率19.9%、粗利益額237万円でした。

 もし、今年売上額が昨年対比100%と横ばいでも、粗利益率が2%アップしますと、粗利益額は1194万円×2%=23万円とかなりの増益となります。そのためには、高粗利益率の食品ギフトの構成比をさらに高めることと、ギフト既存客に対して商品の再提案(高粗利益商品)をして、粗利益率アップを図ろうとされております。

 

 そこで具体的にご紹介いたしますと、先述の185個口の法人様に昨年のお菓子ギフトと同様の他メーカーお菓子ギフトを提案され、先方もこれを了解され、ブランドチェンジされました。当然の事ながら、品質は同等のものです。

 結果として、1890円のお菓子ギフトの粗利益率が、18.0%から31.7%に改善され増益につながりました。



〔 昨年 〕 1,890円×185セット×18.0% = 62,937円

〔 今年 〕 1,890円×185セット×31.7% = 110,839円




 ここで、江川さんがかけた『 ひと手間 』 は、昨年の購買履歴に基づいて、従来どおりに185個を受注するという営業から更に踏み込んで、品質を下げることなく、粗利益率の高い商材を探し当て、お客様に提案したということです。そして、お客様満足も高めておられます。

 このような高度な営業活動は、一朝一夕に出来るものではありませんが、ここから学ぶべきことは、「 単にモノとしてのギフトを売るのではなく、ギフト周辺を含めて提案できる専門員としての技術を習得する」 ということが、粗利益率向上につながっていくことだと認識していただきたいと思います。

 繰り返しになりますが、この2店の事例に共通することは 「今やっていることにひと手間加え、より良い結果を生む」 という点であると思います。

さて、最後に今年の夏ギフト、期待通りの成果を生むためにも、貴店が「今やっていることにどんなひと手間をかけられるか」 を常に意識しながら 仕事に精進されんことを祈念いたしまして、今月の投稿を終えたいと存じます。



        今月もご覧いただきまして誠にありがとうございました。



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