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7月号   『 “考え方” を常に考える 』   Ⅴol.101

  7月号   『 “考え方” を常に考える 』   Ⅴol.101



みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿したいと思います。

 



 いやー、本当に毎日暑い日が続きますね! 9月のお彼岸の中日まで、あと二ヶ月弱猛暑の続く日々ですが、みなさん体調管理に留意され、ご商売に精を出して頑張っていただきたいと思います。そして、9月の秋の勉強会でお会いして今年の夏の奮戦ぶりをお聞きできたらなと思います。



 さて先日の日経MJにて今年上半期のビール系飲料の出荷内容について記事がありましたので、冒頭にご紹介させていただきたいと思います。

 



 ビール大手5社が12日発表した1~6月のビール系飲料の課税済み出荷量は、前年同期比1.3%減の1億9025万ケース(1ケースは大瓶20本換算)だった。上半期としては5年連続で過去最低を更新した。

 消費者の嗜好の多様化に加え、6月に施行された酒類の安売り規制でビール系飲料の小売価格が大幅に上昇したことが出荷減につながった。

 1~3月では出荷量は0.7%減にとどまっていたが、下げ幅が拡大した。各社の間では「安売り規制の影響で6月に缶チューハイや輸入品のプライベートブランドビールに流れた」との声が多い。



 分野別では、ビールが1.4%減の9421万ケース、ビールより安い発泡酒が2.4%減の2636万ケース、最も割安な第三のビールが0.7%減の6967万ケースだった。3分野がそろってマイナスになるのは初めてとなる

 都内の食品スーパーの担当者は「安売り規制の強化直後は前年比1割以上販売数量が減った」と語った。



 各社のシェアは、首位のアサヒビールが0.3ポイント上昇の39.5%だった。割安な第三のビール「クリアアサヒ プライムリッチ」が好調だったことが寄与した。2位のキリンビールは0.4ポイント低下し、31.7%。主力のビール「一番搾り」に注力したが、販売が振るわなかった。3位のサントリービールは0.1ポイント低下の15.9%。4位のサッポロビールは横ばいで11.9%だった。

 



 という上半期の成績でありました。なかなか厳しいビール業界でありますが、これまた7月に内閣府が調査した消費者の消費動向をみてみますと、物価上昇に対しての警戒感が高まり、2ヶ月ぶりに悪化したようであります。結果、貯蓄志向へとつながり、消費手控えへと推移 しているようであります。



 こんな大変な折に、政府安倍政権もガタガタでありますし、上向くところの良いところなし。今後の日本経済はオリンピック特需もあと2~3年が限界で、2020年以降、日本の社会・経済はどのような空模様になるんでしょうかね。昨今のゲリラ豪雨のようにならないよう願うのみです。



 さて、ドリーム東大阪店の今夏の業績としては、快晴とまではいきませんが 『 曇りのち晴れ 』 といったところでしょうか。各加盟店の皆さん同様、6月からの値上げによる粗利益率のアップに伴う増益がその要因となっております。



 特にビール系飲料の数値につきましては、7/1~7/27 までで、ビール売上昨対113.35%、粗利益額昨対206.61%、発泡酒売上昨対96.73%粗利益額昨対155.44%、新ジャンル売上昨対102.57%粗利益額昨対224.71% と、とんでもない数字となっております。

 



 さらにその数値を細分化しますと、その好業績のほとんどの要因が、外販売上の好調さにあります。店頭売りは、諸事情により依然として客数減が続いており、売上ベースにおきましても今なお昨対割れをおこしております。ただ、年初より外販強化という合言葉の元、ここに来て店頭売上減をカバーしてやっとその成果が実ってきたように思えます。



 各加盟店の皆様におかれましては、今後の生き残り対策としてそれぞれの立地やスタッフ構成など諸条件は異なりますが、私個人の意見としてはもう店売りオンリーだけでは、店舗存続は不可能ではないでしょうか。規模の大小はともかくとして、販売スタイルのあり方として宅配部門の構成比を高める努力は、積極的にしていくべきであるとご提案いたします。

 (もうすでに宅配強化されておられるお店が、ほとんどだと思いますが・・・。)



 店売りが芳しくないから仕方なく宅配を始めるというのではなく、新しい生き残りの活路として外販強化は必須のものとして考えていかなければなりません。何故なら、そこに我々がお客様ニーズにお応えできる 『すき間 』 があるからです。ドラッグや食品スーパーなど近隣競合他店が手を出しにくいところでもあります。

配達サービスを我々の 『 強み 』 (付加価値) にしていかなければなりません。

 



 話しは変わりますが、昨日TVのニュース番組で町の新聞屋さんが、牛丼・ピザチェーンや廻る寿司チェーンとのコラボで出前の配達代行を実施するという報道がされておりました。消費者の口に入るという食品の衛生面での問題や今すぐの速配に対応できるのか、様々な解決すべき問題点はありますが、やはり消費者の宅配ニーズというものが、ある意味大きなマーケットサイズがある証拠でもあります。そして各飲食チェーンの外食需要の限界を新しい切口で新規マーケット(中食)を創出していくという狙いがあります。

 



 また消費者ニーズ満足の最先端を突っ走るセブンイレブンが、今までにない画期的な店舗レイアウトの全面刷新を実施することが先日発表されました。すでに実験店舗が数店開業されており、好成績を上げているようです。さすが世の中の移り変わり、女性の社会進出や独居老人の増加など社会構造の変化の中で常に変化させていく凄さを感じます。



 今までのコンビニのコンセプトや営業方法をガラッと変えて冷凍食品の拡充を含めた新レイアウトらしいです。今月のテーマにいたしました 『 考え方 』 を切り替えるというのは、なかなか勇気のいることです。何かを変化させることにより、不安要素を常に抱え、さらに増大させることになるからです。



 しかし、好調を持続しているセブンイレブンでさえも大胆な改革を敢行するように、発想の転換を図り、今までの考え方を進化させていっているのです。そこのところを我々も学び、実践していかなければなりません。



 例えば、先述の 『 配達サービス 』 ですが、サービスという言葉感覚から、ついつい無料であるという発想が出てまいります。付加価値サービスは、常に我々店側の犠牲のもとに裏付けられているという構造であると、必ずそれは将来破たんいたします。



 逆に、これからは付加価値サービスを我々の収益構造のベースとしていかなければなりません。その努力をしなければなりません。じゃ、配達料を別途にいただくのか? ということですが、これまたこれはなかなか難しい! 通常のビール1ケース配達とヤマト宅急便に依頼したギフトの配達料とは、また意味が違ってきますからね。



 今回6月のビール系飲料を中心とした値上げを契機にドリーム東大阪店では、値決め(販売価格)について、スタッフ達といろいろと相談いたしました。彼らにとっても商売というものの基本・セオリーを学ぶ絶好の機会でありましたので、販売価格の決め方について『 考え方 』 というものを様々な角度からレクチュアいたしました。



 教材として活用させていただいたのが、兵庫県三木市の津田本店さんの 『 考え方 』 です。津田本店さんでは、外販の利益率は料飲店も含めて16%~18%を確保されております。要は、配達料は商品価格の中に含まれており、よほどでない限り配達料を別途頂いておられません。そして外販に関しては、低価格を前面に押し出した戦略を取っておられません。いわゆる「安かろう、悪かろう」を常に経営コンセプトから排除されております。

 



 この発想で、東大阪店では6月の値上げ時にキリンの「のどごし」350ml 1ケース特売チラシ価格2228円(外税)から2480円(+252円) に思い切って値上げいたしました。(当然、店頭価格も同額です。) しかしながら、先述の通り7月の新ジャンルの売上は、昨対100%超を維持しており、なお且つ利益額は昨年の2倍以上となっております。要は、将来を見据えて宅配価格を意識して、しっかりとした利益額を確保した訳です。



 東大阪店から車で10分のところに、〇〇マンションがあります。そのマンションの3階に林さんというお得意さんがおられます。毎回必ず、土日の週間特売時に、のどごし10ケースの配達依頼があります。(1ケース50円の利益額です。) 以前は、配達時いまいちテンションは上がらなかったのですが、今はしっかり利益額を稼ぐことができますので、楽しい配達に様変わりいたしました。(利益額が、5倍になりましたので・・・) 

 



 当初お客様も値上げ時には、ボヤキを頂きましたが、その後配達サービスそのものには大変喜んで頂いております。そのため、引き続きお取引いただいております。 お互いこれが、本音のところだと思います。



 今回この東大阪店の 『 考え方 』 が果たして今後も通用するかどうかわかりません。でも、間違っていたらその時また考え方を変えればいいのです。そのためには、今回の変更を常に検証することが大事なファクターとなります。特に数値検証は絶対的なものです。



  何事も何かに挑戦するときは、その前の、その時の、その後の数値の把握・分析が必須なのです。



 数字に強い商売人になってください。歴史的に見ても、ゼロの発見じゃありませんが、人類は数字を発明して飛躍的に進化したのですから数値の把握については、生き方としても大事なことだと思います。そして、その数値把握の前に必ず大事なことが、いつの時代も
『 考え方を常に考える 』 ということが重要であると思います。当然、不変性のものは変える必要はありませんが・・・。



 最後になりますが、このコラムで何度も取り上げてまいりました稲森和夫さんの人生成功の方程式を再度復習を兼ねてご紹介いたしまして今月の投稿を終えたいと思います。    



      今月もご覧いただき誠にありがとうございました。

 



***詳しくは、2015年5月号を参照(←ココをクリック)してください。