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10月号 『 オーナー会議から学んだこと 』 Ⅴol.140

10月号 『 オーナー会議から学んだこと 』 Ⅴol.140 



 みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。

 



今朝、TVの天気予報で今週末には大阪で今秋初めて最低気温が10℃を下回るという報道がありました。いよいよ秋深しと申しますか、晩秋の季節となってまいりました。そして、今年も余すところあと二ヵ月になってまいりました。



 この時期から、いよいよ我々の現場においては、『冬ギフト商戦 』 への準備で慌しくなってまいります。昨日ドリーム東大阪店では、昨年お歳暮購入者様へのDM封入が終わり、本日郵便局への発送依頼も完了致しました。

 



 振り返れば今年の5月ごろには、コロナ禍のなかで今年の夏ギフト商戦はどのように推移していくのか、自粛ムードの中でお客様がご来店いただけるのか戦々恐々としておりましたが、終わってしまえば意外と好結果で終わることが出来ました。「 案ずるより産むが易し 」 といったもので何とかクリアできました。



 数字的には、夏期 6~8月までの3ケ月で酒ギフトは307万円 ( 昨対107% ) 、食品ギフト302万円 ( 昨対99% ) 、総計ギフト609万円 ( 昨対103% ) といった具合でした。このコロナ禍で飲食業など他業種においては致命的なダメージを受けているお店もあるなかで安定した数値結果となりました。



 夏ギフト商戦を総括してみますと、まず既存のお客様の存在にあらためて感謝する次第です。このような世知辛い世の中でわざわざ当店でギフトをご注文していただける事に商人として幸せを感じます。



 和歌山の江川さんの発案で 「 こんな時だから絆深める夏ギフト 」 のキャッチフレーズのもとで夏ギフトを展開してきた訳ですが、ギフトを贈ることで依頼されたお客様と先様との絆を深めたのは当然のことですが、同時にお客様を信じてご来店を待つ我々スタッフとお客様との絆がさらに深まったのも事実であります。ありがたいことであります。



 このお客様との人間関係性を大事にしながら、いよいよ始まる冬ギフト商戦を積極的に取り組んでまいりたいと思います。ということで、その販促活動に関して重要な情報交換会議について今月はお話しさせていただきたいと思います。





 今月のテーマは、『 オーナー会議から学んだこと 』 とさせていただきました。前月号でもお話しさせていただきましたように10月1日をもって私はドリーム東大阪店の代表を退いた訳でごさいますが、同時に加盟店有志で組織しております「月例オーナー会議」も10月度の例会をもって卒業させていただきました。

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 思えば5年前に私がドリーム本部の業務から退いて東大阪店の立て直しという事で現場に入ったわけでございます。ただ長い間本部の仕事に専念しておりましたので本格的に現場に入るとなると20年ぶりのこととなり、レジの打ち方やその他諸業務について新入社員のレベルでありました。



 そこで生の現場のあり方を勉強させていただくという事もあり、関西の加盟店さんにお声をかけて「月例オーナー会議」が発足いたしました。主たる開催目的は、参加加盟店様との情報交換と販売ノウハウの共有でありました。



 さらには、ドリーム本部の西田社長はじめ主要メンバーも参加することにより、本部と加盟店様との融合も目的の一つでありました。7月と12月の繁忙期はパスしておりましたが、数えること約50回ほどの例会を重ねております。その間、様々な事案を協議しながら参加各店並びにドリーム・酒匠米匠チェーン全体への体質強化を会議そのものが物心共に貢献してきたのでは・・と思っております。



 私自身も期待した通り、参加メンバーのおかげで現場の勘を取り戻して今や若いスタッフ達に負けないぐらいのスキルを身につける事が出来ました。あと10年(?)現役続行する予定であります。(生きているかどうかわかりませんが・・・)



 そして5年間の総括として10月度の最終例会で卒業のあいさつ代わりに参加店舗様の大まかな数値の比較表を提出させていただきました。各店の売上高・粗利益率・粗利益額でありますが、個店情報守秘の観点から個店の数字はお見せ出来ませんが、参加6店舗の総計と平均数値をご覧いただきたいと思います。 

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 いかがでしようか。2014年から2019年にかけて世の中の様々な社会情勢の変化、例えば少子高齢化の更なる加速による人口減、若者の飲酒離れ、大手競合店の出現等々厳しい商環境にさらされ、ご覧の通り売上高は激減(84.3%) しております。



 しかしながら、粗利益額を見ますと逆に増加 (107.3%) しております。お気づきの通り、粗利益率の向上 がお店の収益性を高めております。この5年間のオーナー会議活動の集大成がこの数値にはっきりと示されております。



 それでは、何故5年間で 粗利益率が3.7%も向上 したかというと、当たり前のことですが各店のオーナー及び各店スタッフの方々が粗利益率アップのための努力をされた結果であります。流れのままでの自然体でこのような数字は達成できません。みなさん、絶えず知恵を働かせ不可能を可能にする努力をされてきました。 これが商売の難しさと面白さであると私は思います。 



 ただもうひとつ大事なポイントがあるんです。というのは個店・個人の能力と努力だけでは、このような数字はなかなか出てこないんです。結論から申しますと、それは「 良き仲間との巡り会い 」 と 「 考え方 」 なんですね。



 まず 「 良き仲間との巡り会い 」 ですが、このオーナー会議のメンバー様とのお付き合いというものは何物にも代えがたいものがあります。一人一人のメンバーに個性があり、ノウハウがあります。そして常に商売に対して前向きな姿勢がありますので、私のような年寄りは毎月の例会で刺激を頂き、さらに頑張ろうというエネルギーを頂戴できます。



 よく言う 「 1+1=2 」 ではなく 3にも4 にもなるという事であると思います。「1」 だけでは達成できないことが仲間の 「1」 を加えれば、面白い結果が見えてくるのです。例えば、会議以外でも仲間と一緒に飲み会をしているときに突拍子もない発想が出てきてそれが 「 ピンポ~ン 」 だったりしてね。

 さすれば、ひとりぽっち個人のみの達成値ってどのように推移していくのか考えてみました。



 いわゆる 「 1+0=1」 であるのが、0.9 ⇒ 0.8 ⇒ 0.7 へと逆に衰退 していくように思います。人生も仕事も 『 孤 独 ( ひとりぽっち ) 』 という魔物 に襲われると何もかもが 「 なげやりやあきらめの世界 」 に入ってしまうのです。そういう酒屋さんを何人も見てまいりました。一人一人努力して磨けば、能力の或る方々なのに、キッカケや刺激を貰える仲間がいないため残念な結果となってしまうのです。



 しかしながら私には、オーナー会議のメンバーも含めて周りに刺激を貰えるたくさんの仲間がいます。本当に有難いことだと思います。周りの方々に助けられているというよりも救われているという境地に最近思えるのです。どうかみなさんもそのような思いになれる仲間づくりをさらに求めていただきたいと思います。

 ここでその巡り会いに遭遇するためのヒントをひとつ提案したいと思います。



 それは、自ら生きてきた環境の中で敢えて 『 考え方 』 を変えてみるのも妙案であると思うのです。私の場合、オーナー会議において和歌山の江川さんから学んだことがあります。それは稲森和夫氏との出会いであります。実際にはご本人とはお会いしたことはないんですが、オーナー会議の中で江川さんから稲森和夫氏の話題があがり、いま稲森氏に間接的薫陶を受けているとのことで私自身も昔40代の頃に読んだ氏の書籍を引っ張り出して読み返してみました。



 その時の読書感想文をここで述べると長々となりますので、割愛いたしまして中核の部分をお話しさせていただきたいと思います。氏によりますと、人生も仕事も過程の中で努力すべき大切なものが三つあるとおっしゃっておられます。



 それは、「考え方」「熱意」「能力」であると。ただ「熱意」「能力」は努力すればどんどんスキルアップしていくのですが、「考え方」に関しては場合によってマイナスに働くという事をおっしゃっています。だから「考え方」なんだと。



 平たく言えば 、いくら「熱意」「能力」が向上しても「考え方」が間違っていれば、まったく逆の方向へ進み、結果として自分の望むところへ着地しないという事であります。

 



 例えば、メーカーや問屋さんから提案された商品を販促する時、売り方の勉強や売る気になる場面作りを段取りして、しっかりと儲けたいと思った時に、果たしてその商品はお客様に喜んでもらえる商品であるのか、納得してもらえる商品であるのかがまず最初に考えなければなりません。でなければ結局のところ継続的に思うような販売量に達しないという事であります。



 人生における人付き合いにおいてもベーシックなところで「考え方」を互いに認め合わなければ真の仲間とは成り得ないのです。生き方・やり方の方向性などどちらを向いていてもそれが本人の個性であるのだから、まったく問題はありません。ただコアとなる「心を高める」という事では合致していかなければならないのです。



 ちょっと漠然としたお話となりましたが、オーナー会議を通じて、そして江川さんを通じて改めて稲森氏の提議される意味を学べたような気がいたします。かつて書籍を読んだときは字面で分かったつもりでありましたが今回改めて思い知らされました。



 冒頭オーナー会議における数値発表の中で、各店3.7%の利益率が向上 したとお話いたしました。各店何が素晴らしかったと申しますと、確かに利益率を上げたいという熱い思いは評価されますが、まずお客様に喜んでいただける商材は何か、支持されるサービスは何か、他競合店にない唯一無二の付加価値商品・サービス を追い求めた結果、5年後たまたま3.7%利益率が上がっていたと解釈してみてはいかがでしょうか。



 目先の利益のみに走るのではなく、その先にある人の心・お客様の心を意識 してこれからも商売に精進してまいりたいと思うところであります。私も含めてこの先迷ったときや混沌とした時に何をすべきか、そして経営や人生に決断や行動を迫られた時にこそ、「動機善なりや」「私心なかりしか」 という稲森氏の戒めの言葉を念頭において進むべき道を選択したいと思うのです。



 長々と持論を申し述べてまいりましたが、最後にかつて徒然日記でもご紹介したこともあります資料をご提示して今月の投稿を終えたいと思います。



         今月もご覧いただきまして、誠にありがとうございました。