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2 月号  『  好事 魔多し! 』    Ⅴol.132

  2 月号     『  好事 魔多し! 』    Ⅴol.132



 みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。



さて、今年も早や2ヶ月が過ぎようとしております。そして、この時期になりますとユーミンの歌じゃないですけど早く 『 春よ、来い!』 って感じになってまいります。私の場合、毎年春を感じる最初の出来事は桜の開花ではなく、ちょっとせっかちか分かりませんが、その1ヶ月前の 『 東大寺二月堂のお水取り 』 であります。



 「お水取り」は、毎年1ヶ月近くに渡って行われる行事ですが、お松明の火 が飛び交う姿を見ることが出来る 「本行」の期間 は、毎年3月1日から3月14日までの2週間となっているようです。そして、その本行の期間のうち「お水取り」当日である3月12日にとりわけ大きなお松明(たいまつ)を見ることが出来ます。

 



 毎年、酷寒の中で行われるこの荒行でありますが、どうも今年はそうでもないようであります。やはり地球温暖化の影響でしょうか例年雪降る中で・・・とはならないとのことです。しかしながら、冬から春への一大行事その風物詩が今年も執り行われることに日本文化の重厚さを心地よく感じさせていただけます。



 さてそのポカポカ陽気の中で、先日家内と共に滋賀県甲賀市信楽町へ 『 半日陶芸教室体験 』 と銘打って信楽焼作りに出かけました。キッカケは、女優戸田恵梨香さん主演の NHK 朝 ドラ 『 スカーレット 』 を毎朝欠かさず夫婦して視聴しているものですから、つい創作心が芽生えましてチャレンジした訳でございます。

 



 当日、朝9時30分から始まり、ちょうどお昼の12時頃に終了いたしました。教室は40代のご夫婦で運営されておられ、その陶芸家の先生に信楽焼の歴史や制作にあたっての注意点など講義を受けたあと、いよいよ電動ろくろを回しながらまず原型を作り上げていきました。



 私の場合は、夜食用のお茶漬けミニどんぶりと会社で飲むコーヒーのマイカップに挑戦いたしました。先生の的確なご指導を頂きながら、初めてにもかかわらず、なかなかの出来栄えのものになったと自画自賛いたしております。

 



 そして、乾燥のあと釉薬 (うわぐすり) をかけ電動窯で焼きを入れ、4月上旬に宅急便で送付されてまいります。釉薬は、いろいろな色合いを選べるのですが、せっかくですので
『 スカーレット色 』 にしてもらうようお願いしてまいりました。今から、完成品を見るのが楽しみにしている次第であります。







 さて話しは変わりまして、そのような穏やかな話題とは一変して今や日本全体、いや世界中が大変な事態となっております。そこで今回のテーマは、『 好事 魔多し!』 とさせていただきました。意味するものは、字の通り、「人生何事も良い時ほど不測の悪いことが起きがちだから、良い事があったからといって有頂天になってはいけない
」 という戒めの言葉であります。



 先日TVの報道番組で、今回の新型コロナウィルス問題の余波の件で大阪ミナミの黒門市場の商店主の取材が放映されておりました。昨年までは、ご存知インバウンド効果で大盛況を帯びていた商店街なんですが、案の定今では閑散としているようでございます。



 ただ、そのような状態の中でも各店舗間での業績の違いが如実に出てきているようであります。中国人観光客をターゲットにインバウンド効果のみを100%頼りにしていた商店は、大打撃を被っているとのことでした。

 



 ところが従来から大阪ミナミの料飲店と地道に取引をされつつ、店頭にて外国人相手に売り上げを伸ばされてきた商店は、インバウンド需要の全体売上に占める構成比が低いため、打撃にはなっているが大打撃になっていないというコメントでありました。常に最悪の事態を予想して日常的にリスクヘッジ してきたという事であります。 『 好事 魔多し!』 を常に意識するか or しないかの差であります。



 そのような危機管理の在り方について商店街レベルから、国政レベルに引き上げてまいりますと、近年やはり政府の経済対策の対応のまずさを感じざるを得ません。去る2月17日に内閣府が2019年10月~12月期の国内総生産数値(GDP)を発表されました。

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 結果は、上記資料のタイトルの通りであります。この大きなマイナスは、10月の消費増税や大型台風の影響が出て、内需の柱である個人消費が落ち込んだのが要因の一つであると指摘されております。我々酒小売業の業績不振のみならず、全ての業種において右下がりになっているのが現状であります。



 消費増税に始まり、お客様の消費心理の冷え込みに繋がり、節約志向へと意識が高まり、さらにはお年寄りを中心に将来生活への不安が募り、余分なものは買わない、買えないという深刻な事態となっております。

若い世帯においても、年々実質賃金は低下していっている中で、生活者の貧富の格差は間違いなく拡大していっております。



 また米中貿易問題や日韓問題などが起因して世界経済の減速で輸出低迷が続き、外需においても日本経済は先行き不安の懸念が強まっております。 



 そして、ここにきて追い打ちをかけるように新型肺炎問題 という激震が走りました。この影響でさらに景気の冷え込みが加速し、中小企業中心に倒産続出 という最悪のシナリオになってくると思われます。

 



 先日ある情報誌をみておりますと、今回の2019年10~12月期のGDP数値発表に続き、2020年1~3月期のGDP数値発表が、GW週間明けの5月中ごろに行われるとのことです。その予想内容として、従来からの落ち込みにさらに、新型肺炎の悪影響 が加わり、おそらく11年前のリーマンショック時 ( 年率換算 17.7%マイナス ) に相当する規模の報告になるともいわれております。



 早く新型肺炎問題がピークを過ぎ、終息してもらわないと大変な事態となってまいります。



 そして、その前に日本よりさらに深刻なのが、中国と韓国の経済が持ち堪えれるのかという事です。その情報誌によると、すでに武漢市や北京市においても今回の
『 新型肺炎倒産 』 が中小企業中心に続出しているとのことです。



 先日2月5日に清華大学と北京大学合同で、中国国内における中小企業995社を抜粋した調査によると、このまま続くと資金繰りによる 倒産予想 が、1ヶ月以内と経営者が回答したのが34%3ヶ月以内と回答したのが何と82% にのぼるという事でありました。そしてこの事態が続くとその後、破産の波が広がり、5年後には中国全体で5000万人が失業するとも報告されております。

 



 あくまでも、最悪のプロセスを予想 しての数値ではありますが、日本でいえば東大・京大の経済専門の学者さんが算定したものでありますので、信ぴょう性は遥かに高いと思われます。さすれば、その影響を受けて日本は、世界はどのように推移していくのか、世界同時不況は避けられない状況となりうるのです。



 いかがでしょうか。その時に私たちのお店は、どのようになっていくのでしょうか。そして、これからの5年間どのように生き残りのため、変化していかなければならないのでしょうか。

 



 ちょっと話しの内容が大げさになってしまいましたが、私たちの商売も今回の新型肺炎対策と同じく生き残りのための特効薬はありません。各報道番組で専門医の先生方がお話しされるように、基本を徹底する、手洗いと うがいなど手じかに出来ることで防御するように、商売においても基本4原則を徹底 して、今ご来店いただいているお客様のご要望をしっかりとヒアリングしながら日々精進し、努力していかなければなりません。



 最後になりますが、今回の一連の騒動は人体的な健康被害のみならず、経済活動そのものの健康被害が今後さらに広がり、暗雲立ち込める時代となっていくと予想されます。 ただ、『 焦らず、怒らず、諦めず!』 の精神で、苦しくて大変ですが、この難局を共に切り抜けていこうではありませんか。



 私も今後さらに不退転の決意をもって臨みたいと思いますので、何かあれば何なりとご相談いただきますようお願い申し上げまして今月の投稿を終えたいと存じます。



       今月もまたご覧いただき誠にありがとうございました。