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1 月号    『 オリンピックイヤーがスタート!』    Ⅴol.131

1 月号    『 オリンピックイヤーがスタート!』    Ⅴol.131



 みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。



 それにしても今年の一月は、地球温暖化の影響か、暖冬のひと月となってしまいましたね。昨年の今頃は日本海側地域を中心に豪雪に見舞われ、大変なことになっていたんですが、今年は全く雪無し。



 そのため関西のスキー場は軒並みクローズで、若干人工雪で運営しているコースをあるようですが、民宿を経営している方などスキー場関係の方々にとっては、大打撃といったところであります。我々の商売も厳しい環境下ではありますが、自然を相手になさっているみなさんは本当に大変だなとお察しいたします。

 



 毎年、自然現象に振り回され、ある方は暖冬を歓迎し、ある方はそれを嘆く、世の中の悲喜こもごもを象徴しているようであります。



 以前にもお話いたしましたが、20年前新潟の米作農家曽我さんの田んぼにお邪魔した時に、曽我さんから「井上さん、酒屋さんのご商売も大変だと思いますが、我々の米作りは常に自然という不可抗力というリスクを背負っての仕事、一年一年予測のできないことがおきるんですよ。」 とよくおっしゃっておられました。



 そう考えると、酒屋という職業、年々厳しさが増す状況ではありますが、不平不満を極力排して気候変動とは関係なく、精一杯の努力と感謝をしながら頑張らんといかんなと思うところであります。



 さて話しをドリーム東大阪店の現場に戻しますと、案の定ヒマな毎日が続いております。繁忙期の12月のリバウンドとして毎年仕方ないとは思うんですが、ど~んと腰を据えてどっしりとした心構えができず、焦燥感の中で店内・倉庫の片付けや日常業務をこなしております。



 そこで、毎年この一月号で昨年の東大阪店の数値報告をさせていただくんですが、残念ながら結果は減収減益で2019年を終えてしまいました。1~9月までは、増益で推移していたんですが、消費増税後の10~12月の3ヶ月間で売上が低迷し、結果として年間売上昨対96.9%、粗利益額97.5% と昨年を割ってしまいました。



 過去5年間、粗利益額に関しては順調に右肩上がりで推移していたんですが、2019年はマイナス数値 となってしまいました。ただ、これも前向きに考えて次なるステップアップの踊り場であると位置付けようと考えております。(本音は、それなりに複雑な心境なんですけどね)

 



 さて、今月のテーマは、いよいよ 『 オリンピックイヤーがスタート!』 とさせていただきました。そう、あの2013年9月、滝川クリステルさんの 『 お・も・て・な・し 』 のプレゼン から6年以上経過し、そしていよいよ東京五輪が今年7月24日(金) 開会式 ~ 8月9日(日) 閉会式 の期間で開催されます。



 スポーツ大好き人間の私としては、期間中自国開催という事ですのでテレビ放映の時差がなく、夜中に目を擦りながら・・、そして寝不足という事はなく、冷たい缶ビール片手に世界のスポーツ祭典を2週間楽しませていただけると心待ちにいたしております。



 ただ、そこで心配なのは、開催地東京・首都圏は良いとして、我々地方の観客動員が見込めない地域において、応援はテレビしかないという事で、料飲店さんの営業状況が少し不安となってまいります。夜のテレビ観戦のため、『 即・帰宅組 』 が増え、確かに 『 家飲み需要 』 は高まりますが、スポーツバー以外の業務店さんの営業不振が予想されます。 季節柄、プロ野球業界もね・・・。



 そうでなくても昨年の増税後、業務店さんの営業状況は深刻でありまして、あちこちで廃業が続いていると聞いております。昨今の忘年会、新年会の〇〇〇スルーなんてのは、最悪のパターンです。その影響を受けてかどうか知りませんが、最近アサヒビールさんの勢いが頭打ちしていると聞いております。



 先日の酒販新聞の記事から、昨年のビール4社の販売実績表を下記に掲載いたしましたので、ご覧いただきたいと思います。

 



 いかがでしょうか。それぞれの数値を分析しておりますと、各社の昨年の販売戦略とその結果が如実に見えてまいります。アサヒさんの場合、2016年までは1億ケース以上を販売 していたスーパードライが、9000万ケースを割ってしまいました。



 やはり、キリン・サントリーさんもそうですが、ビールから第3ビールへのブランドチェンジが進んでいるようで、今後のビール販売戦略において各社どのようになされていくのか、注視していきたいと思います。スーパードライブランドについては、さらに厳しい流れのようで、今年度からは販売量の目標や実績を公表しないと記者会見でアサヒビール社長が述べておられます。



 またアサヒビールの経営手法として、『 ボリューム経営 』 から 『 バリュー経営 』 へと舵取りの切り替えをしていくとも明言されておられます。数量を追いかける時代は、“ 終わった!” ということでしょうか。時代の移り変わりをしみじみと考えさせられる事象であると思います。



 今年は、4月から「受動喫煙防止条例」が施行されることになり、飲食店等においては原則 屋内禁煙 となります。そのことがお客様の来店頻度や飲酒量などにどのような影響 が及ぼされるのか、厳しい状況が予想されると思います。いよいよ飲酒や喫煙に対して、国策として関連業者や消費者も端っこへと追いやられていくようで、酒販業界あげてその対策が緊急に求められるものであります。



 さらには、小売業全体にも影響がある 「 レジ袋 有料化 」 を義務付けされることも7月からスタートいたします。さらに、さらには10月より先述のビール系飲料の酒税改正が実施 されます。ざっくりとビールの酒税値下げと第3ビールの酒税値上げでありますが、9月には仮需対策も考えていかなければなりません。



 昨年、「キャッシュレス対策」や「消費税増税」などで、一年間POS対応などで翻弄されましたが、今年も何やかやとバタバタとした一年が続くようであります。いつも言うように、その混乱の中で、ふるいにかけられ廃業へと追い込まれていくのが、世の常であります。



 昨年も帝国データバンクの調査によると地域食品スーパーの倒産が7年ぶりに前年を上回った とありました。人手不足や人件費の高騰、それに伴う諸経費の負担増ということで、一部業者を除いて我々小売業に携わる者にとっては『オリンピックイヤー』 イコール受難の年 になるのではないでしょうか。



 特に東京五輪が終わった後、景気の落ち込みは避けられないものとなるでしょう。いま、ニュースで毎日のように報道されている 「新型コロナウィルス」の感染騒動 も、日本経済に暗雲をもたらせております。7月の東京五輪までに終息しておかなければ大変な事態となってまいります。



 結果、経済や社会に対しての不安が噴出し、今後さらに全ての経済分野において少子高齢化の二次・三次的な悪影響が蔓延していくものと予想します。



 売上が伸びず、経費がかさむ現在の東大阪店の沈滞ムードを直に感じているせいか、何か全てマイナス発想になっている現在の心境であります。これからの日本経済、日本社会の甦りは、あるのだろうか。このまま、「カエルの釜茹で」 のように死に絶えることの無いように覚醒したいと願うばかりです。

 

 どうも今までの『徒然日記』とは違い、今回は暗くて不安をあおるような内容になってしまいましたね。ただ、それぐらいの覚悟でこれからの時代に臨んでいかなければ間違いなく淘汰されていくことになります。新年の投稿であるがゆえに、皆さまの心構えというものを律していただきたいと思います。



 そして、気合いや覚悟だけではこの時代を乗り越えれるものではありません。次に各店それなりの具体的な対策を講じていかなければなりません。そのための大事なキーワード として、私は 『 生き残ること!』 としております。そうです、潰れない店作りです。儲かる店作りも大事ですが、この時代はまず残ること!



 潰れないためには、何が必要かというと、売上増や客数アップ、更には粗利益率増、そして費用対効果という事で、販売管理費いわゆる 経費管理が非常に重要 となってまいります。特にこの経費管理が非常に大事なファクターとなります。



 そして、この閉塞感ある時代に絶対してはいけないことがあります。過度に売上、客数を追いかけるため、無計画に経費を使い、その割には売上増や利益増につながらない、逆に下げ止まりできない、そんな構図になると最悪であります。二重苦となり、一気に経営は悪化し、最終的にお店は潰れます。私もこの歳になるまで、そのようなパターンで倒産してきたお店を多数見てまいりました。



 経費をむやみに使わない、商売としては消極的に見えるのですが、この考え方での販促は非常に高度なものが要求されます。だから実践しづらくて安易な方に走り、経費を増大させてしまうのです。複合的な価値を高める努力が必要であります。今回アサヒビールさんが全社あげて提唱されている 『 バリュー経営 』 (量よりも価値を優先した取り組み) 、この時代にマッチングした素晴らしい方針であると思います。



 私たちも小さい商いなりに、このような事例を参考に今年一年どのように営業展開していくのかを再度考えてみる必要があります。そのためには時代変化対応型の流れを把握する必要があると思います。私なりにそのポイントをご提案させていただき、今月の投稿を終えたいと思います。







  主体性をもって自立した者同士がお互いに頼り合う仲間、『相互依存』 、これがわれわれドリームチェーンが目指す未来像であると思うのです。

 それではみなさん、今年も泣き笑いの中で何やかやとジタバタしながら頑張っていきましょう!



        今月もご覧いただき誠にありがとうございました。