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2月号    『 あれから 10年経ちました!』    Ⅴol.120

 2月号    『 あれから 10年経ちました!』    Ⅴol.120



 みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。



 いきなりですが、なんとまあ 『徒然日記』 のブログを毎月寄稿して120号、10年の歳月が経過いたしました。10年ひと昔と申しますが、本当に時代の移り変わりをつぶさに見た時、私にとって激動の・・・と言うよりも充実した時間の流れであったように思えます。



 その証拠に今現在もこうして毎月自分勝手ながら、『徒然日記』 に投稿させていただけているのですから・・・。そして老年期に突入しながらも毎月寄稿するプレッシャーと高揚感両面を併せ持ちながら皆さまにご覧いただいている有難さを感じております。その感謝の気持ちをいつまでも忘れずに、これからも書きしたためてまいりたいと思っております。

  



 さて、10年ぶりにスタート時の2月号 『人の出会いを大切に!』 を読み返してみますと、あらためて私の人生は『人との出会い』 の中で様々なドラマが繰りひろげられてきたように思えます。ちょっとオーバーかもしれませんが、十代、二十代、三十代・・・・とそれぞれの年代でいろいろな方々とめぐり逢い、喜怒哀楽を共有させていただき、そして成長させていただいたと感謝いたしております。



 昔、ある方がおっしゃった言葉で「井上さん、人というものは確かに少年期から学校に行き教育を受けて成長していきます。そして社会人になっても本を読んだり、社内研修そして外部セミナーなどスキルを伸ばす場面は多々あります。しかし、人間として本当に成長できるのは、人との出会いの中でスタートしていくのですよ。」と言われたことがあります。



 確かに、あの人のようになりたいという思いで、しっかり勉強したり、あの先生が好きだから何故か英語の教科が好きになり、成績が向上したりする時期がありました。逆にあの先生とは、波長が合わないから、その理由で勉強をしなくなったりとか・・・。



 特にスポーツ選手の方々などは、目標とするアスリートに出会うことで一気にレベルアップすることを美談としてよく耳にします。やはり、人との出会いの中で人間は成長できるんですね。

 



 そして、ドリームにおいてもこの10年の間に新規加盟店様との『出会い』35回 もありました。人数にいたしますと、オーナー様・奥様・従業員様等を加えますと、100名以上の方々との新しい出会いがありました。そして、いまもなおお付き合いが続いております。



 以前と違い、私自身東大阪店の現場で従事しているため、なかなか皆さまとお会いできる頻度は少なくなりましたが、加盟店様からは何かにつけて電話で経営についての相談など、ご連絡を頂いたりして私自身の存在を僅かでも認めていただいているようで、本当にありがたいことです。



 さて、この10年で私どものお店を取り巻く商業環境もガラッと変わってまいりました。10年前と違い、お店の周りを見渡してみますと、残念なが ら『町の酒屋さん』 は、ほとんど壊滅状態にあります。そして、かつては元気のあった酒量販店も倒産・廃業と厳しい状況に追い込まれております。他人事とは思えません。



 代わりに、この10年でコスモスやスギ薬局・ウェルシアなど全国系ドラッグチェーンが、地域にドミナント展開をして我々酒販業界のみならず、食品スーパーなどにも多大な影響を及ぼしております。また、ビジネス全業界の社会現象として、先月号でもお話いたしましたように少子高齢化がこの10年でさらに加速し、『人手不足』 が深刻な様相を呈しております。

 



 また、この10年で 『 人の心 』 も変化 してきております。ちょっとマクロ的に見て国際政治に目をやりますと、みなさまご存知の通り、アメリカのトランプ大統領の 『アメリカンファースト』 に代表されるように世界各国の国民意識の潮流として 『 ナショナリズムが台頭 』 してきております。(例えば、自国第一主義など・・・)



 『米中貿易摩擦』や『日韓における諸問題』、またヨーロッパEUにおける『フランスとイタリアの対立』など、各国が様々な要因において友好関係が崩れ、ギクシャクした関係となっております。



 私自身難しいことは知る由もないですが、かつてドイツのヒトラーの忌まわしい時代があったように、自国の内政において国民の不満や反発を回避するため、時の施政者は国外に仮想敵国を作り、そこへその不満エネルギーをすり替えていくという手法を今日まで世界で繰り返されてまいりました。

 



 逆に衣食足りなければ余裕が無いため、マナーや人に対しての思いやりなどやってられない! という事でしょうか。いまの世の中、世界同時不況とまではいきませんが、間違いなく景気は後退してきています。



 そんな中で、国内において失業率の問題(フランスや韓国の若者は深刻です) や地域経済の低迷などで各国、経済的余裕が全くありません。国と国との間で、お互い生き残りのため必死であります。そのため貿易問題等においては、自国利益のため火花を散らし合うのは当然のことと思われます。



 でも結局は、それぞれが 『目には目を!』 という考えで対立していけば、事態は悪化するばかりでそこには平和的な解決はあり得ません。進化も進歩もないのです。衣食が足りなくても、相互理解の中で知恵を出し合い次なるステージへと高めていかなければならないのです。



 



 相田みつをさんのように各国首脳がそのように考え行動してくれれば良いんでしょうが、事はそんな単純なものではないことは重々承知しております。国と国との駆け引きの中で、間合いを考え、あるタイミングで手打ち式をする といったところでしょうか。しかしながら、結果最終的にツケが回ってくるのが、常に弱者切り捨て であります。



 過去の歴史から見れば明らかですが、常に時代が大きく変わる時は社会的弱者やマイノリティが犠牲となっているのです。指導者の良し悪しで国民の幸福感が大きく左右されてくるんですね。そして、そんなヒドイ指導者の一人が前述のトランプ大統領ではないかな と私は思っております。



 ところが、そのトランプ大統領を先日日本の安倍首相は、何と彼を 『ノーベル平和賞 』 に推薦 したというのですから、ビックリ仰天で本当に情けない話です。

 



 かつての受賞者であります 『 マザー・テレサさん 』 『 ネルソン・マンデラ氏 』 たちがあの世で聞いてビックリしているのではないでしょうか。安倍首相が推薦しても、100%選出されることはないでしょうが、日米首脳の感覚と我々国民の感覚とのズレは、間違いなく否めないでしょう。





 さて、話しは少し硬い話になってしまいましたが、今回10年目という節目において、皆さまにご紹介したい諺というか、格言についてお話ししたいと思います。以前にもご案内したこともあると思いますが、それは下記にあります
『 人間万事塞翁が馬 』 という言葉です。もうすでにご存知の方も多数おられると思いますが、もし良ければ再度読み返していただければ有難いと思います。

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 いかがでしょうか。同じような意味では、「苦あれば、楽あり」や「山あり谷あり」、「捨てる神あれば拾う神あり」などなど、同意語はたくさんありますが、大事なことはこの言葉を常に前向きに捉えて他力本願的に受け身にならないことだと思います。



 先日、お気の毒なことに水泳選手の池江璃花子さんやタレントの堀ちえみさんの報道をみなさんお聞きになったことと思います。本人にとっては 『 青天の霹靂 』 といったところでしょうか、大変なショックだったとお察しいたします。しかしながら、彼女たちのブログでのコメントを見た時に、本当にお二人の精神力の強さを感じ取れました。

 



 さすがだなと思いながら、上記の 『 塞翁が馬 』 のフレーズが頭に浮かび、必ず彼女らは病気を克服して再登場し、さらにバージョンアップした活躍をされるだろうと確信いたしました。本当に人生っていろいろな場面に遭遇するものですね。





 さて話は変わりますが、私のこの10年は、冒頭 充実した時間の流れ と申しましたが、中身を細分化すると決して楽観的に進行したものではなかったです。いま振り返ると、おそらく八割以上が苦しい時間であったように思います。



 ただ当時苦しいと思わなかったのは、そして苦しいと思えなかったのは、やはり周りの人々の協力と支えというものが物心共に頂戴できたからだと思えるのです。仲間の有難さ、そしてその仲間との出会い、それを思うと私にも拾ってくれる神さまが居たんだなとつくづく思います。



 それともう一つは、何か苦しい辛い時があった時、 『 塞翁が馬 』 の言葉を自分自身に発してまいりました。今は苦しいが必ず笑える時が来ると信じて・・・。そして発するその言葉には、 『 力 』 があります。その力がその言葉に更に反響して強い言葉に進化していきます。ある時、その言葉は、『 言 霊 』 となるのです。



 皆さん方にもこれからの長い人生において、楽しいことや、そして苦しい辛い事が、必ず繰り返しやってまいります。そんな時に自分自身を鼓舞する、励ます言葉を一つでも持っておられたら、その言葉があなたを救ってくれるかもしれません。そんな言葉に早く巡り合って自分自身の生きざまをたまには立ち止まって確認していただきたいと思います。



 ちなみに今の私の 『 座右の銘 』 は、昨年2月にスケート選手の小平奈緒さんから頂いたマハトマ・ガンディーの言葉であります。それまでは、33歳から20年間、福沢諭吉翁の 『 和魂洋才 』 でありました。そして15年前から 『 塞翁が馬 』 でありました。それが、70歳を前にして彼女から発せられた言葉にガツンときまして、この言葉を棺桶まで持参しようと決意いたしました。

 



 この『徒然日記』 にも度々ご紹介しているフレーズでありますが、本当に 『 力 』 が伝わってくる言葉であります。この言葉が、いずれ私にとって 『 言 霊 』 へと昇華 できるよう、何年かかるか分かりませんが努力して自分の人生訓にしていきたいと思っております。





 最後になりますが、先日各店のチーフクラスのメンバーが毎月集う 『モチベーション会議 』 におきまして、和歌山えがわ店の森本チーフが、自分の 『 座右の銘 』 として発表していただいた言葉をご紹介したいと思います。それは、

 



 漫画 「 こちら葛飾区亀有公園前派出所 」 の主人公 両津勘吉 が放った言葉らしいです。素晴らしい言葉じゃないですか! いつかこの言葉が森本くんにとっての 『 言 霊 』 になるのを楽しみにしています。



 そして、この森本くんの言葉とまったく同じ内容のものを南アフリカ共和国で27年間に及ぶ獄中生活のあと釈放された時、10万人の国民の前で熱弁されましたネルソン・マンデラ大統領 (先述のノーベル平和賞) の言葉をご紹介して今月の投稿を終えたいと思います。



       今月もご覧いただき誠にありがとうございました。