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10 月号      『 山 陽 道 見 聞 録 』    Ⅴol.116

  10 月号      『 山 陽 道 見 聞 録 』    Ⅴol.116



 みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。



 さて、いよいよ季節もめっきり秋らしくなってまいりました。北海道の大雪山系の旭岳では、すでに冠雪し、ふもとでは紅葉のじゅうたんとなっているようです。

 



 春のさくら前線北上とは、まったく逆に秋は紅葉前線が北海道から徐々に南下してまいります。関西地区では11月中旬から12月初旬まで紅葉の見ごろとなる訳ですが、今夏の猛暑の具合で今年の紅葉の色づきはどうなるのでしょうかね。2017年の色づきは良かったようで、昨年11月に八日市の酒匠米匠しくマルハチ店様に訪問した帰りに、近畿の紅葉名所である永源寺に立ち寄った際にスマホで撮影した画像を掲載いたしました。

 



 『 忙中閑あり 』 と申しますか、忙しい中自然の美を目の当たりにしますと、何かホッとするものがありますね。最近は、ドリーム東大阪店の専従となり、なかなか各地の加盟店様に訪問することが少なくなり、同時に各地の四季折々の自然を車窓ごしに眺めることも少なくなりました。寂しい限りであります。



 ただ、そんな中で先日久しぶりに姫路の田中さんを皮切りに岡山・愛媛・広島各地の加盟店様に訪問してまいりました。

 



 



  朝5:30起床で、まず向かったのがドリーム姫路店です。主な目的は、財務改善と今後の商売のあり方について打ち合わせをすることでした。久しぶりに田中新社長とお父さんの前社長と懇談いたしまして、具体的なプランニングが出来たように思えます。ドリーム東大阪店と同様に、やはり姫路店でも店頭売りが苦戦されていて従来からの外販業務をさらに強化していこうということで一致いたしました。



 あとは、本部から提示されているギフト・店頭精米・そして小口業務用の拡大を最優先課題として営業活動していこうということになりました。さらに経費削減の一環として店舗前の自社私有地に経費面と配送機能強化を目的とした新倉庫を設置することになりました。たった2時間の打合せでありましたが、中身の濃い内容になったと思います。そして、次なる岡山笠岡店の田口さんへと向かいました。

 



  田口さんにお邪魔するのは10年ぶりぐらいで、ご主人と奥様に迎えていただき、先ず昔話しから会話が始まりました。双方懐かしい思いを語り、その次は息子二人の成長とその孫の話に及びました。笠岡もご多分に漏れず、厳しい商環境で今後店舗の有効活用として店舗不動産の賃貸を考えておられるようでした。そこでわたくし、一応宅地建物取引主任者の免許を取得しておりますので、お酒・焼酎の販促指導ではなく、店舗の有効活用として不動産問題でアドバイス してまいりました。とは、言うもののまだ酒類販売に対して継続したい思いもあるようですので、ボチボチと考えられて結論を出されたら良いんじゃないですか
とお話いたしました。何やかやと一時間以上お話いたしました。 そして午後3時すぎ、次はしまなみ海道のいくつかの橋を渡って四国松山の森の駅さんへと車を走らせました。

 



  森の駅さんは、松山市からお隣の陶器 砥部焼き で有名な砥部町にあり、松山市から高知市までの国道33号線沿いに店舗を構えておられます。またご実家は明治から続く地元酒 『 かち鶴 』 の酒蔵 で、お兄さんが酒造りをされておられます。そんな関係で、酒小売業を始められたのですが、ご主人の考え方としては、全てに 『 こだわり 』 が先行し、店名も店内レイアウトもこだわった内容になっております。量り売り梅酒だけでも10種類以上あり、地元では、唯一無二の存在になっておられます。ただ、残念なのは絶対数の人口が少なく、東京や大阪であれば話題のお店になるのは、間違いありません。

 10年ぶりの訪問であるのにもかかわらず奥様は、いつまでも若々しく笑顔で迎えていただき、ここでもまた昔話に花が咲きました。夜7時過ぎの帰り際には、開店当時高校生であったご子息(30)が登場し、歓談ののちお見送りいただきました。





 そして、森の駅さんを出発して、次に向かうのは皆さんご存知の道後温泉です。宿泊は、安いホテルにして温泉につかるのは、最近リニューアルオープンした道後温泉本館です。入湯料は、有名温泉場には珍しく 410円 というリーズナブルな価格で、万葉集の時代からある温泉に浸かり、疲れを癒してまいりました。

 



 一夜明けて翌日は、松山港から広島港に向かって瀬戸内海フェリーで3時間の船旅となりました。曇天の空模様でしたが、今回のような大型船に乗るのは久しぶりで、船旅独特のゆったりとした時間を活用して持参した書籍を読み直しておりました。ちなみに、「トヨタ式仕事カイゼン術」 (著 若松義人) であります。



 途中、呉港にも寄港し、海上自衛隊の自衛艦を数隻眺める先に、大型ショッピングモールの 『 ゆめタウン 』 が港沿岸にあるのを見て、こんなところまで出店している その勢いとドミナント化の怖さ を感じました。おそらく地元の商店街や個人商店は壊滅状態になっているのは間違いないと思われます。

 



 ちょうど12:00ごろに広島港に到着。以前ならこの場所から廿日市の中尾さんまで一時間はかかったのですが、港の横に高速入り口があり、僅か30分余りで廿日市へ。東西南北に延びる高速道路の整備とその周辺に展開する大型ショッピングモールの出現、しばらく来ない間に広島周辺の街並みの変化に驚かされました。大阪だけでなく、どの地域においても厳しい商環境であるなと感じた次第であります。



 さてお昼時でしたので、昼食はやはりうどん玉入り広島焼です。大阪のお好み焼きとはまたひと味違い、これはこれで本当に美味しいソウルフードであります。広島と言えば、みなさまご存知の通りカキも有名で、ソテーされたカキを軽めの赤ワインでマリアージュ、たまりませんねー。次回、広島宿泊の時は是非とも食したいものです。

 



  さて米匠酒匠 なかおさんに到着したのは、午後1:30 ごろになりました。お店は予想通り季節感を出された演出で女性の感性を前面に出されたイメージになっておりました。流石だな!と思わせる売場 でありました。この徒然日記でも再三ご紹介いたしております中尾さんですが、あらためてお話しすると 『 酒匠米匠チェーン 』 の第一号店 は、広島の中尾さんであります。

 というよりも、中尾さんが生みの親と言っても過言ではありません。現在皆さまにお使いいただいている『酒匠米匠』のロゴマークも、全て中尾さんのオープン時に中尾さんの費用で作成されたものであります。それを無償でドリーム本部が使用させていただいていると言う訳です。あれから13年と6ヶ月、おかげさまで全国にたくさんの『酒匠米匠チェーン』の仲間 が出来ました。本当にありがたいことです。



 今回のなかお店様訪問の目的はドリーム姫路店同様、今後の店舗活動のあり方についてのお話であります。中尾さんでは、本年春に永年お勤めいただいておりました外販専従の岡本さんが引退されまして若手の社員を後任として採用するかどうか思案、店売りにおいても近年大型店舗の続出で13年前の商環境より、はるかに厳しくなり、今後とも低価格路線を出していくのかどうか、商品戦略としてもお米をもっと前面に押し出して利益率のとれるカテゴリー強化へと進めていくのかどうか、などなど、過去三年間の決算書とニラメッコしながら、奥さんのみどりさん共々三人で話し合いました。約3時間ほどの打合せでしたが、これまた姫路店同様キチッとした方向性を打ち出されたのではないかと思っております。



 帰る際には、たくさんのお土産(もみじ饅頭など)を頂戴して本当に恐縮いたしました。さらには、お父様の中尾会長や永年勤続でいつまでもお美しい坪根さん、そしてオープン当時まだみどりさんのお腹の中にいた長男の駿平くん(13) (中3なのに身長180cm) まで見送っていただきました。中尾ファミリーのみなさん、本当にありがとうございました。

 



  続いて坂町の酒匠米匠おかの店へと向かいます。これまた、かつては車で一時間の行程でしたが、広島湾岸高速道路を使えば、約20分で到着いたしました。広島の坂町と言えば、7月の西日本水害のTV報道などで度々町名が出てまいりましたが、現地に到着するとかなり道路など復旧されておりました。ただ、岡野さんの店舗前の小川は、当初橋に流木が引っかかったりして大量の土砂が山側から流出してきたそうですが、今は傷ついた橋は倒木など撤去され、川底に堆積した土砂、約4mのうち2mほどは、除去されていました。川底に沈んだ乗用車3台も先月撤去されたそうです。



 店舗の被害としては、運よく床下浸水だけで済んだそうで、災害後一週間で営業再開されたようです。ただ、訪問後店内を見渡し、中尾さんの店舗と比べると、乱雑に商品や備品が散らかっているという状況でした。私も気を使って、「この水害で店の中がクチャクチャになってしまったね」
と言いますと、岡野君が「いえ、社長 今回の水害以前からこんな具合で嫁さんの順子からよく怒られるんですよ」 と平然と言うもので、私自身心配した反動でカチンときて、それから30分ほど説教が始まりました。奥さんは、酒屋業に従事せず、隣町の病院で、看護師と保健師のお仕事をされており、お店は岡野君が一人という具合です。ただ、彼にアドバイスしていく中で彼は彼の人生観で商売をしているんだなという何ともはんなりとした思いになりました。本当に性格の良い男です。あと、もうちょっと真剣に仕事してくれたら、更に良いんですけどね・・・。



 彼から頂いた宿題として、壊れた冷蔵庫を撤去して新しいものを導入したいということなので、リーチインの最安値の業者を紹介するということで退店いたしました。今回の水害で、冷蔵庫を新しく買い替えれば坂町から約80%の助成金が出るそうです。有難いといえば、そうなんですが、それでも、残り20%の出費は痛いですよね。まあ大変な災害でしたが、家族も全員無事で本当に良かったです。





 といった具合で、現地を夜6:30:ごろ出発して一路大阪に向かって車を走らせました。途中食事休憩をはさみながら、夜11:30ごろ帰宅いたしました。年寄りには、ちょっとキツイ長距離運転でした。帰宅後、自宅の熱い風呂に入りながら、“
道後温泉の風呂も良かったけれど、やっぱり家の風呂が一番やな ” とつくづく思った次第であります。





 今回、二日間で約1000 km 近く走行いたしましたが、現地で有意義な時間を持てたことで疲れはそれほどありませんでした。本当に充実した二日間でありました。そして現地で各店の皆さんに別れ際、発した言葉が
「5年後、生きてたらまた来るよ!」 でありました。本当にまた行きたくなるような再会でありました。



 今回の訪問は、自分で言うのも何ですが、ドリームチェーンにご加盟いただいた全国の仲間たちと本当に良い出会いが出来たなという実感 が更に増した二日間であったような気がします。立地・規模・実績は違えどもみんな自然災害や厳しい酒販業界の中で、ある時は逞しく、ある時は開き直って頑張っておられます。



 その姿を見た時に、『 安心と勇気、そして信頼の絆 』 ということの大切さを気付かさせられます。毎日毎日、日々商いを続けていく中で、しんどくて辛いことが大半です。でも自分自身の考え方を変えていく中で、それは半減します。さらには、その苦しさを共有できる仲間がいることで更に半減できるのです。



 孤独感の中で商売を、人生を歩むことなく、楽しく大らかに生きる努力を加盟店の皆さまと共に実践していく事をお伝え申し上げて今月の投稿を終えたいと思います。



   今月もご覧いただき誠にありがとうございました。