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1月号  『 今年もよろしくお願い申し上げます。』  Ⅴol.107

 1月号  『 今年もよろしくお願い申し上げます。』  Ⅴol.107



 みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿したいと思います。



 さて、2018年新年もあっという間に1ヶ月が過ぎようとしています。毎年のことですが、この時期各加盟店さんのオーナーさんとお話しさせていただくと、必ず言葉に出てくるのが、“ 1月は気候も寒いけど、売上の方がもっと寒いわ!” であります。

 



 12月のあの忙しい時期が今では何ヶ月か前に思えて、何かもどかしさと焦りを感じております。ただ前年もお話いたしましたが、繁忙期にあれだけ精いっぱい頑張ったんだから、閑散期にはゆっくりと心身とも休息することも大事な事であると思います。



 ということで先日兵庫県のハチ北スキー場の民宿へ孫と一緒にカニのしゃぶしゃぶを食べに行ってまいりました。最近の民宿も通常の料理旅館同様クォリティの高いおもてなしと食事を提供していただき娘夫婦共々楽しい時間を持つことが出来ました。

 



 翌日、久しぶりにスキー板を履いて何本か孫の子守がてら滑走(?) してまいりました。10年ぶりのスキーということで、案の定足腰がガタガタになり、帰阪途中、地元の温泉施設に立ち寄って露天風呂に入り、ビールと出石そばで心もおなかも目いっぱい満足し帰ってまいりました。本当に贅沢な時間でありました。





 さて、仕事の話に戻りますと先日ある新聞の記事を見ておりますと、昨年のビール業界の販売数値発表と今年の各メーカーの商戦取り組みについてコメントがありましたので簡単にご紹介いたしたいと思います。

 



 2017年のビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)の課税出荷数量は前年比2.6%減 の4億407万箱(1箱は大瓶20本)。 

 現行の記録を取り始めた1992年以降で過去最低を更新し13年連続で減少した。

 少子高齢化の進展や若者のビール離れに加え、特に安売り規制強化が響き、 市場規模はバブル初期の1986年の水準に縮小した。

 大手4社のシェアはアサヒが39.1%(前年比0.1%増)で8年連続首位、 キリンは31.8%(同0.6%減)と唯一ダウン、サントリーは16.0%(同0.3%増)と 初めて16%台を達成、サッポロも12.1%(0.1%増)と健闘した。

 2018年を各社はどう戦うのか。アサヒはビール定義の変更と据えた新商品を4月に投入。 「今年をビール改革元年に」(平野伸一社長)とし、需要創造を目指す。

 キリンは第3のビールの新製品投入で挽回を図る一方、「クラフトビールを含めビールを 魅力的にしていく」(布施孝之社長)。

 サントリーは好調なザ・プレミアム・モルツの品質進化策として、”泡”プロモーションを実施する。 クリーミーな泡を神泡(かみあわ)とし訴求を目指すが「ビールのおいしさの新しい提案」(山田賢治社長)と言う。

 サッポロは黒ラベルとエビスを中心に「続・ビール強化に取り組む」(高島英也社長)方針だ。

              今年も商戦が始まる。



 とありました。2月に入ると各社春から夏への需要期に向けて新製品をデビューさせてまいります。ただ毎年このようなサイクルで需要を喚起していくわけですが、なかなかヒット商品に結び付けられないのが実情ではないでしょうか。乱暴な言い方ですが、「数打ちゃ当たる」 という感覚でやり続けているんでしょうね。



 われわれの商売も同じで、必ず100%売上や利益につながる販促策というものは、実施する前からわかるはずもなく、試行錯誤しながら 『 やり続ける 』 しかありません。何もしないでじっと嵐が通り過ぎるのを待つという手もありますが、 停滞 = 衰退 と言われるように、 『 やり方 』 については各店それぞれ違いはあると思いますが、何か常に仕掛けていく事が大切であると思います。

 



 さて、東大阪店においては12月期決算のため、この時期は在庫たな卸しに始まり昨年の赤字・黒字を算出するための準備をする時期であります。決算書の作成に至るまでの数々の数値記入や領収書・手持ち現金・通帳残高の確認などほとんどの決算作業を全て私自身で実施しております。



 今時ですので、市販の財務ソフトで税理士業務の8割がたは素人でも入力できます。ですので、当店の税理士さんは私の入力した数値を確認して法人税・消費税計算して最後に税理士本人の印鑑を押す。それだけで年間顧問料が25万円です。当然税理士業界は、我々のように仕入れは発生しませんので、粗利益率は100%です。



 いい商売だなと毎年この時期思います。ただ頭脳明晰でなければ税理士資格は取得できませんので、やはり頭のいい人は収入面でも違いが出てまいります。後悔先に立たず・・・もうちょっと頑張って勉強しておけばよかったなと思う時期でもあります。





 さて、ボヤキは、これぐらいにして昨年の成績ですが、ほぼ概算が出てまいりました。決算そのものは、今年も黒字計上できましたが、総売上としては一昨年よりも2.5%ほどタ゜ウンし、また利益率が僅か0.2%しかアップ(16.4%) しなかったために売上総利益いわゆる粗利益額は、昨年対比 約47万円のマイナス となりました。



 ただ人件費を中心に経費節減を図った結果、営業利益額としては何とか昨年対比 25万円のプラス となりました。6/1 以降、酒税法改正におけるビール系の粗利益率が大幅に上がったのにもかかわらず、年間粗利益率がトータルで0.2%しか伸びなかったのは、昨年上半期がいかに業績が悪かったかを物語っております。



 皆様方もおそらく同じ傾向が出ているんではないでしょうか。そう考えると、どのお店においても6/1 の酒税法改正による販売価格是正が下半期の健全数値に反映していると推察されます。

   



 そこで、今年はどのようにして改善された粗利益率を維持できるか 2018年の課題・テーマ としてとらえていかなければなりません。



 近隣競合店間で再び低価格競争が勃発するかもしれません。いやもうすでに激戦となっている地域もございます。しかしながら、いまこそ自店の独自化を推進し、自店の強みは何かを再度生み出していかなければならないのです。もう自店の強みは地域一番の激安価格ではありませんので・・・。





 話しは変わりますが、先日本部会議室で1月度のオーナー会議が開催されました。各店のオーナー様に昨年の実績発表と総括、そして今年の取り組みと抱負をそれぞれ語っていただきました。特に今年の取り組みについては、みなさんいろいろと考えておられて常に次なる一手を模索されておられるという印象を持ちました。

 



 その中で、㈱津田本店 津田社長から販促策もさることながら、今年の大きな課題としてお客様との密度の濃い関係性強化を掲げておられました。そして、小口業務店の新規開発や既存顧客への満足度を高めるために受注時や配達時に出来るだけ “ 何かお聞きすることはありませんか?” とお客様のご要望などをお聞きするよう心がけておられるとお話しされていました。



 私の学生時代、英語の授業で “ いらっしゃいませ!” という言葉を英語で “ May I help you ?” と習いました。その後、30歳代にアメリカの流通業視察に10日間ほど出かけたことがありました。現地のお店に買い物をしようと入りますと、 店員さんが
“ May I help you ?” とは言わずに “ Welcome !” でありました。



 一方通行的な挨拶としては、やはり ウェルカム(ようこそ) がシンプルなんでしょうが、商品について何か知りたいなと迷っているときは、店員さんが
“ May I help you ?” (メイ アイ ヘルプユー) と声をかけてくれます。直訳すれば、「お助けしましょうか?」 という意味なんでしょうが、実際は「何か、お手伝い差し上げましょうか?」
とさりげなくこちらの要望などを訊ねていただけます。



 何店か、お店を回り不愛想な店舗もありましたが、やはり繁盛店は接客レベルが高いし、常に顧客第一主義というのか、お客様の求めに応じる姿勢を積極的に表現されています。

 



 なぜここでアメリカの話をさせていただいたかというと、津田本店さんのお店の考え方とニューヨーク郊外に或る超繁盛店 地域食品スーパー『スチューレオナード』の企業理念が全く同じであると申し上げたかったのです。お客様を大事にする姿勢は万国共通なんですね。あとは、規模の差と申しますか、スタッフが増えてくると果たしてその店舗理念が面展開で拡げていけるか、というのが次なる課題となります。



 ただそのお店で働く一人一人の接客のあり方が、 “ May I help you ?” という気持ちで接することがやはり基本中の基本ではないでしょうか。そして混迷する消費者ニーズの中で、お客様からの要望をこちらから日々の業務活動の中でお聞きすることが、次なる強み構築のヒントが潜んでいると思うのです。



 今年は、東大阪店においてもお客様に物を売り込むことばかりを考えるのではなく、既存顧客中心にさりげなく様々な要望をお聞きし、顧客満足度を高めていく施策を、難しいけれども考え実践してまいりたいと思います。そしてそれが浸透していけば、自然と粗利益率は向上していくと確信しております。



 今年冒頭の会議において、津田さんから改めて、 “ May I help you ?” の大切さを教えて頂けたこと、そして皆様方も是非ともお客様目線で自店の商売のあり方を再度見つめ直されんことをご提案申し上げまして今月の投稿を終えたいと思います。



     今月もご覧いただき誠にありがとうございました。