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5月号  『 値決めが、あなたのお店の浮沈となる・・・ 』   Ⅴol.99

   5月号  『 値決めが、あなたのお店の浮沈となる・・・ 』   Ⅴol.99



  みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿したいと思います。



 さて今月号は、先日 日本気象協会が発表した今年の夏の予想をご紹介しながらスタートしていきたいと思います。

 

      ※tenki.jp 資料参照(http://www.tenki.jp



 この夏は、猛暑・酷暑の可能性があります。その理由を端的に言うと、「高気圧の勢力が強い」、「真夏は例年以上に晴れる」と予想されているためです。高気圧に関しては、チベット高気圧が大陸東部から日本付近にかけて強い見込みで、太平洋高気圧も強く、さらに北への張り出しが強いです。



 ちなみに昨年の8月後半は太平洋高気圧の勢力が日本のはるか東で強かったため、その西の縁にあたる関東や東北、北海道付近が台風の通り道となりました。8月17日に台風7号が、えりも岬付近に上陸(北海道に台風が上陸したのは9年ぶり。)



 その後、台風11号が21日に、台風9号が23日にと、北海道は一週間で3つの台風が上陸しました。また、8月30日に台風10号が岩手県大船渡市付近に上陸。東北の太平洋側に上陸するのは、台風の統計が整備された1951年(昭和26年)以降、初めてのことでした。高気圧の位置は暑さもそうですが、台風の進むコースにも影響があるのです。



 とありました。どうやら、今年も猛暑猛暑の毎日が続くようであります。となりますと、毎年心配されるのが、お年寄りや子供たちの 『熱中症』 ということになります。そして熱中症対策としては、下記の三つのポイントが重要となってまいります。

 

     ※富士ゼロックス福島オリジナルツールより



 そこで提案なんですが、毎年ドリーム東大阪店では『熱中症』対策として、スポーツドリンクや水・お茶の特売などして飲料水の拡売を推進してきましたが、今年は売る事のみに固執するだけではなく、月刊情報誌『スマイル』 に上記のポイントを掲載したり、店頭POPで少しでも高齢者の方々に予防していただくための告知活動を推奨していきたいと思っております。 当然、フェース・トゥー・フェースにおいても!



  『 モノからコトへ!』 とは、そのようなことも指し示しているのではないでしょうか。地域の高齢者の方々やその家族の皆さんが、猛暑の中でも健康で少しでも安全に生活が送れるように我々商売人が見守り、且つアドバイスをさせていただく、そのような位置づけで仕事をしたいものだと思っております。

 



 ただ、こういう私も、もうすでに高齢者となり、昨年の敬老の日には、地元自治会よりお祝の品を頂戴するという年齢層になっているんですけどね。また孫からは、おじいちゃん、いつまでもお元気で!! という似顔絵入りのメッセージをもらって、嬉しい事なんですが、改めて年を感じるようで複雑な心境でございました。



 とにもかくにも、今年の夏は記録づくめの様相でありますので、老いも若きも体に留意して日常活動されんことを望んでおります。再度念を押すようですが、この今の時期から9月のお彼岸まで猛暑が続くわけですから、しっかりとお客様に対して熱中症対策としての飲料水提案を幅広くアピールすることが繁盛の秘訣となりますので、よろしくご準備の程お願いいたします。





 話しは、ゴロッと変わりますが、今回冒頭に今月のテーマを書き込むと同時に 「Vol.99 」 と打込みました。99と言えば、人年齢で言えば、『白寿』 というらしいですね。(百 - ─ = 白) このブログを書き始めて8年と3ヶ月、よくぞまあ続けられたものだと自分でも感心しています。阪神タイガースの鳥谷内野手みたいなもんですかね。(笑)



 そんなオーバーなことではないんですが、こうして今回も皆様にネットを通じてお話しできるのも自分自身の体が健康であるのが何よりの継続理由となっております。それと近年仕事の内容は変化しましたが、社員や加盟店様の仲間と共に楽しく日々仕事に打ち込めている賜物だと感謝しております。



 その想いを次回100回記念号に寄稿したいと思っておりますが、スミマセン! 6月末は、お分かりの通り夏ギフトの包装等で忙殺されていると思いますので、今秋に特別号生前回顧録として、書きしたためてみたいと思っております。 ということで、来月Vol.100 は、夏ギフト奮戦記 としてお話ししたいと思います。



 さて今月号のテーマは、 『 値決めが、あなたのお店の浮沈となる・・・ 』 とさせていただきました。値決めとは、まさしく我々が卸業者から仕入れた商品を経費と利益をのせて販売価格を決定することなんですが、これがまた難解なんですよね。6月からの酒税法改正に伴う各種アルコールの値上げをどれぐらいの利幅で決定するのか、本当に悩むところですね。



 ただ、この値決め自店の繁栄と衰退の基点になっているということを、再度この機会に認識していただきたいと思います。そこで、店頭表示されるプライスカードの金額は、当然われわれ売り手側が決めるんですが、ただそれを受け入れるか否かは、お客様が決められることなんですよね。



 お客様が受け入れなかったら、来店されない、電話がかかってこない、結果売り上げが立たないため、お店が傾き沈んでいく、という構図になってしまいます。逆に受け入れられるとなると繁盛し、真逆の構図となります。



 さて、6月からあなたのお店ではスーパードライを、のどごしを、10Lの生ダルをいくらに値決めしますか?!

 



 ちなみにドリーム東大阪店では、当該地域のプライスリーダーである食品スーパー『 M 』 の新価格にミートさせていこうと思っております。おそらく、M店よりも当店の方が総販売管理費比率は低いと予想されますので、改正酒税法に抵触することは、まずないと思われます。そして何よりも、お客様にとって無料配達で地域最安値となれば、間違いなく支持されるものと期待しております。



 業務用においても、近隣競合店の推移を見ながら、ディスカウントプライスではなく、グッドプライスで値決めしていきたいと思います。本来、販売価格というものは先述の通り、売り手側が決定して買い手側(お客様)がそれを評価する。そこで売買の行為が発生するわけです。



 しかしながら、従来はついついお客様の評価よりも、近隣競合店の折込チラシなどの価格を意識しすぎて値決めをしてしまう。そして、際限のない価格消耗戦へと移行し、それぞれが疲弊していく。これが今の酒販業界を取り巻く現状であると思うのです。今回の値上げ問題でもう一度
C S (顧客満足) という観点から自店の値決めを再構築するべきではないかと考えます。



 再構築のキーワードは、『付加価値を創造し、高めること 』 にあります。このことは、以前から再三お伝えしてきたことではあります。しかしながら、言わんとする意味は分かるけれど、具体的に付加価値って何やねん!
ということになります。それと販売価格とにどのような関係性があるねん!と訊ねられることがあります。



 かつて、ご紹介したことがあると思いますが、下記の数式は、20数年前に或るセミナーに参加した時に、レクチュアしていただき習得したものです。この数式は、私の商売人生の大事な考え方の一つとなっております。

 



 わかりやすく説明しますと、要は1000円の価格をつけた商品が1000円以上の価値を感じてもらえば、CS値が、1.0を越えますのでお客様は満足していただき、次回購買につながるということです。そして逆に1000円の価値がないと判断されると、顧客不満足となり、顧客離反につながります。



 当たり前のことなんですが、これを頭の中に反復的に刷り込む必要があります。



 かつて、24年前にドリーム東大阪店がこの地にオープンさせたとき、スーパードライ350mlが1ケース市場価格5280円でした。いわゆる定価と呼ばれていた時代でした。ドリームでは、価格破壊という名のもとに、4280円で販売いたしました。市場価格よりも1000円安いということで爆発的に売れました

 



 24年後の現在、先述の食品スーパー『M』 は、通常価格スーパードライ税込み4417円で販売、対するドリーム東大阪店は、通常価格税込み4490円であります。

 



 という結果です。じゃ、東大阪店が更に低価格の4400円で売れば、1.0以上になるので、良いんじゃないかとなる訳ですが、お気づきだと思いますが、これを繰り返せば、お店はつぶれます過去20年間で、潰れていくそのようなお店を何度も目にいたしました。



 そして、ここで登場してくるのが、先ほどのキーワード『付加価値を創造し、高めること 』 であります。私の思うところ、我々が実現できる付加価値の一つに、配達サービスというものがあります。ここで来月以降の東大阪店の数式及び値決めについて解説してみましょう。



 おそらく、近隣食品スーパーは、スーパードライ4800円の値付けをすると予想しています。当店では、価格ミートして同じく4800円に設定いたします。さらに付加価値サービスとして、配達無料を大きくアピールいたします。すると、CS値が1.0を上回ってまいります。

 



 また、ここで大事なことは、付加価値としての配達サービスが、300円ぐらいとお客様に評価された場合、4800円のドリーム価格が4900円でも5000円でも可能となる訳です。近隣食品スーパーと同じ価格にする必要はないという論理が成立するわけです。本当かいな?と思われるかもしれませんが、決して『机上の空論』ではありません。



商品価値としては、近隣競合店の低価格攻勢で劣勢に立たされても、その商品に新たなる価値を付け加えると (これを付加価値と言います。) 優位に展開できます。だからこそ、今後の私たちの商いのあり方として

 ①付加価値サービスの充実

 ②付加価値商品の育成

 ③新しい価値を伝えるための情報提供のあり方
 

この3つのポイントを常に意識して毎日の商売に臨まなければなりません。

 



 昨日、近所の学校からアクエリアス500ml 100本の注文が入りました。販売価格は、一本100円(税別)です。冷やして、明日の午後2:00に学校まで配達します。ご存知かもしれませんが、当店から300m先にドラッグストア K店があります。K店の価格は、アクエリアス一本 68円です。

 



 お分かりだと思いますが、それはドラッグ K では提供できない付加価値サービスが、当店では可能だからです。100円 - 68円 = 32円 この32円が付加価値サービスに対しての対価なのです。①大量の冷やしサービス ②希望の時間に配達してもらえるサービス  この2点が32円の価値なのです。

 



 当然100円で販売しますと、20%以上の利益額があります。ビール系飲料なんか、やってられませんね(笑) ただし、今後6月以降は、ビール系飲料もそれなりの利益率が伴ってくると予想されますので楽しみでありますが・・・・。 でも、まだまだ楽観視は出来ませんけどね。

 



 さて、まとめとしてお話を進めてまいります。要は、今回酒税法改正に伴う国税庁からの通達により、ビール系飲料中心に適正価格化の方向に進んでいくようで、たまたまお国の力で何とか無理やりに値上げが実現できそうであります。



 何度も言うようですが、本来の適正価格とは、お買物されるお客様、消費者の方々が決められる事なのです。われわれ商売人は、その消費者心理を読み解き、この商品はいかに安く値決めするか、逆にこの商品は、しっかりと利益のとれる値決めにするか、常に試行錯誤しながら決定していかなければなりません。



 そして、将来性のない価格一辺倒の消耗戦から早く離脱して健全経営に取り組んでいかなければなりません。特に粗利益率アップのため、果敢にチャレンジしなければなりません。そのためには、先ほどの数式でお示ししましたように、競合他店がマネできないような付加価値サービスを提供できるか否かが重要となります。



 常に地域のお客様に必要とされる自店の強みを、頭をひねり、工夫を凝らしながら提示することが最終的に自店へ利益として跳ね返り収益性の高いお店へと進化していくものと思います。



 独居老人の方に熱中症にならぬよう声掛けして誠意ある楽しい会話をすることも、我々にできる大切な付加価値サービスと言えるのではないでしょうか。

 



 まず足元の、すぐに実施出来ることから着手されんことをお願い申し上げまして今月の投稿を締めたいと思います。



      今月もご覧いただき誠にありがとうございました。