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3月号  『 マンダラートシートについて 』        Ⅴol.97

 3月号  『 マンダラートシートについて 』        Ⅴol.97



 みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿したいと思います。



 さて今回も冒頭に、毎年3月号を掲載する時に恒例となっています桜前線の話から進めていきたいと思っております。今年の桜開花予想につきましては、皆さん感じておられるように例年より少し遅れ気味のようです。 下記の通り、大阪地区においては開花は4/2、満開は4/10 ごろと予想されているようです。

 



 われわれと直接関係するお花見宴会のピークは、4/8 (土) 4/9 (日) となりそうで、毎年お花見需要から本格的な夏に向けてバタバタ感が始まります。特にこの両日については、冷えたビール類や缶チューハイ・おつまみなど怠りなく準備して、チャンスロスの無いよう心がけたいものです。

 



 そして桜の開花と同時に開幕するのが、待ちに待ったプロ野球です。先日WBC世界大会では、惜しくも準決勝でアメリカに敗退いたしましたが、得点差は僅か一点差。日ハムの大谷君やNYのマー君が出場していたら、もしかして・・・という想いもありますが、本当に今年のチーム良くやったと思います。小久保監督も地味ではありますが、何とか代表監督として面目がたったのではないでしょうか。長期間のご指導、お疲れ様でした。

 



 そして今年の阪神タイガース、どうなんでしょうね。金本監督も今年は、結果を出さないと 『 挑 む 』 も説得力の無いスローガンになってしまいますね。プレッシャーのかかる一年になると思います。ただ若手もどんどん育ってきていますし、大いに期待していいのではないでしょうか。



 さっそく私も来る4/16 (日) の甲子園広島戦のチケットを買い求め、二人の孫を連れて応援しに行く予定にしています。孫と一緒に7回裏、恒例の風船を飛ばしてきますよ。 いよいよ春が来たー!という具合ですね。そして、この流れで仕事の方も春が来たーってなふうにならないもんですかね。何せ、ヒマな毎日が続くもので・・・。

 



 さて今月のテーマは、2017年春季勉強会からの流れで研修時に使用した 『マンダラートシート』 についてお話ししたいと思います。読者の方々の中には、勉強会に参加されておられない方もいらっしゃるので、改めてこのシートについて説明させていただきたいと思います。

 



 マンダラートシートの語源は、上記の曼荼羅図(古代インド密教の経典内)の絵図から来ています。左図のように3×3の9マスを書き、その中心のマスに考えたいテーマを書き込み、周りのマスにはそれに関連する事柄を埋めていきます。



 次に周りの8マスのうち1マスを選び、そのマスの記載内容を別の紙の中心のマスに転記し、同様に繰り返します。これを何度も反復することにより、思考を深めていきます。勉強会においては、3グループに分かれて、あれこれと意見を出し合いながら作り上げていきました。



 今回、真ん中のテーマは、『地域で存在感のある店になるために・・・』 『利益率アップのために・・・』 という内容で各グループ熱心に書き込んでおられました。またその時に参考にしたのが、北海道日本ハム球団の大谷翔平投手のマンダラートシートでした。

 



 彼が花巻東高校時代に将来 プロ野球選手を目指して目標達成表 (ドラフト一位指名を獲得するために・・・) として作成したものらしいですが、その完成度は驚きの一言です。 技術的な課題のみならず、メンタルや人間性にも目を向けているあたりは、さすが若いのにすごい男だなと感心させられました。



 そんなことで勉強会では、若い大谷選手に負けてられん!ということで、各グループ完成まで四苦八苦しながらいくつかのマスを埋めることが出来ました。ただ時間の関係上、各人未完成で後日自店にて完成させるということで勉強会は、お開きとなりました。



 そこで先日兵庫県三木市の㈱津田本店 津田様より、完成版が送付されてきましたので、ここでご紹介させていただきたいと思います。また作成に至るまでのスタッフとのやり取りも報告していただいていますので合わせてご覧いただきたいと思います。



 なお、内容が濃いものとなっておりますので、是非とも資料プリントアウトのうえ、じっくりと閲覧のうえ自店の参考にしていただきたいと思います。また、資料はPDF加工していますので簡単に印刷できます。

 





 特に 『 ④ スタッフ力 』 については、津田さんが経営者として社員の成長を願う、そしてお客様に深く愛されるスタッフを目指す強い思いが記されていると感じさせられました。当然、スタッフの方々自らも目標とされている内容であると拝察されました。是非とも実現に向けて頑張っていただきたいと思います。

 



 さて東大阪店でも津田本店さんに負けじと、マンダラートシートをスタッフ全員で作成いたしました。テーマは、『東大阪店で、いま抱える問題点とは・・・』 という内容でまず中心部の8コマを全員で宿題として列記いたしました。そこからそれぞれ分解していきました。



 東大阪店の場合、津田本店さんと違い、売上絶不調の状況が続いていますのでどちらかと言えば、まず 『自店の抱える問題点 』 を全員で共有しようということで、このテーマにいたしました。喜んで良いのか、悲しむべきか、社員二人・パートさん一人に空白のシートを渡しますと、迷わず的確に書き込んでありました。



 ということは、日常業務の中で、今の東大阪店の厳しさをしっかりと把握しているということであります。それだけ問題点が山積しているということなのです。さっそく出てきた項目の一つ一つを細分化いたしました。

 



 東大阪店では、中心にある8項目のうち緊急性のある 『 廃棄ロス 』 について対応策を店長共々考えました。

 



 ご存知のように東大阪店では、最近の客数減の影響で今まで以上に各カテゴリーにおいて 『 廃棄ロス 』 が発生しております。数値的に見ますと、廃棄ロス率は総売上の0.05%から0.1%へと2倍に増えております。当然これが売上全体の粗利益率低下につながる要因でもあります。



 基本4原則の一つでもあります 『フレッシュローテーション』 機能がうまく働かず、商品劣化が進んでいるという 『負のスパイラル』 に突入してしまっているという状況であります。客数が減るから商品劣化がおきて、商品が古くなるから客離れをおこし、更に客数が減っていくというシャッター商店街特有の体質になりつつあります。



 対策としては、上記マンダラートシートにあるような作業を日常的に怠りなく実施していく事と、もう一つ大事なことは、今後中長期的に見て今こそランチェスター戦略の
『 弱者の戦略 』 に立ち返って 『選択と集中』 を徹底して実践していかなければなりません。

 



 客数増を期待して、むやみに品揃えを増やしたり、こだわり食品に挑戦すると、案の定廃棄ロスが待ち受けております。それを回避するためには、お取り寄せ商品など在庫リスクゼロの商材や店頭精米のような鮮度管理のリスクが少ないカテゴリーに集中させていくのが必定であると思います。



 各店現在の販売環境はそれぞれ違いがありますが、将来像を見据える中で我々零細小規模店の取る道は、『選択と集中』 に特化することが生き残りの道だと確信します。



 強いカテゴリーや強い販売システムをまずひとつ作り上げていく。そして、その次に2つ目の柱を育てていく。そして、いずれいくつかの強い柱を持った盤石なお店へと進化していく。その実例が、先ほどご紹介いたしました津田本店様の挑戦(マンダラートで詳細明記)であると付け加えておきたいと思います。



 今回のマンダラトシートにつきましては、営業規模の大小に関わらず今後自店の検証と共に、これからのご商売のあり方を明確にしていくためにも大事なツールになってくると思います。ご夫婦で営業されている加盟店様におかれましては、雰囲気的になかなか自店での作成は難しいとは思いますが、是非とも時間をかけてひとコマひとコマ埋めて頂きたいと思います。



 今後、本部といたしましても各地区エリア会議にて議題の一つとして継続的にご提案並びに活用してまいる所存でございますので、皆さんの英知を結集した取り組みを大いに期待いたしまして今月の投稿を終えたいと思います。  



     今月もご覧いただき誠にありがとうございました。