記事一覧

2月号  『 生存者メリットについて 』  Ⅴol.96

   2月号  『 生存者メリットについて 』  Ⅴol.96



 みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿したいと思います。



 さて、2月4日の立春も過ぎ、春めいた気候になるかなと思いきや、ドカ雪が降ったりと本当にこの時期は寒暖の差が激しい時期となっております。これから3月にかけて三寒四温とはよく言ったもので、くれぐれも体調管理には気を付けて頂きたいと思います。

 



 さて、ドリーム東大阪店では、懸案の平成28年度の決算が終わり、やれやれといったところでございます。内容としては、前月号でもお話しさせていただいたように全体として減収増益という結果でした。売上としては、店頭売上が昨年対比93.5%と苦戦 し、宅配売上としては昨年対比111.6%といった具合の好成績でトータルでは、売上昨年対比97.5%でありました。



 ただ、利益率が1.1%アップとなり、売上総利益は昨年対比104.9%の増益となりました。さらに販売管理費については昨年対比96.1%で、結果として営業利益は大幅な増益となり、昨年後半に競合店の出現や店頭交通規制というマイナス要素がありましたが、この決算内容を見た時に、取り敢えず胸を撫で下ろしております。



 この好結果を踏まえて、昨年から学ぶところといたしましては、やはり粗利益率の向上というものがいかに大事であるかということでございます。日本社会全体、特に我々の酒販業界においてマイナス成長の時代において、20年前からの営業形態(薄利多売構造)の延長線上で商売をすることがいかに危うい事であるかという事が再確認出来ました。

 



 1970年代から『薄利多売』 とかつてあの天下のダイエーが合言葉のように豪語していたのが懐かしい限りです。そして、そのダイエーも今や消えようとしています。(今年、イオンの岡田社長は、2018年にダイエーの名称を完全に消滅させると発表しています。) 時代は変わったのです。 



 時代が変わったといえば、しょーもない話をいたしますが、先日2月14日に4人の女性からチョコレートを頂きました。かつて、30年ほど前、私が37、8歳の若いころチョコレートだけでも12~3個は貰っておりました。北新地のクラブのママさんからは、ブランドもののトランクスをプレゼントされ、カミさんに問い詰められ、大変な思いをしたのを覚えております。(笑) いまや男としての迫力がなくなりました。 時代は変わったのです。



 今では、月一回二人の孫を連れて回転ずし屋で寿司をつまむのが何よりの楽しみという具合で、年齢と共に人生の楽しみ方が変化していくのを実感しています。これからもこの4人の女性から毎年プレゼントしていただけるのを楽しみにしております。そして5人目として孫からもらったりしてね。プレゼントされる相手が時代と共に変化することはこれもまた楽しいものです。



 ただ時代が変わることにより変えなければならない事と、いつの時代になっても変えてはいけない、無くしてはいけない大切な事も多々あるということも肝に銘じておきたいと思います。

 



 さて、今月のテーマは 『生存者メリット』 についてお話ししたいと思います。かつて24年前の平成5年4月25日にドリーム東大阪店は、この東大阪市宝持の地にて酒DSとしてオープンいたしました。様々な諸問題やリスクを抱えてオープンに至ったわけですが、その分開店すれば予想以上の賑わいが待っておりました。



 いつの世も誰もが摩擦や危険を感じ取って、その殻を破ろうとしない、しかしながらそこにチャレンジすることの難しさと打ち破るための英断、そしてその後好結果が出た時の面白さ、これがハイリスク・ハイリターンであります。そのためには、打って出る勇気と情熱 が必要となります。その結果、うまくいけば 『先駆者メリット』 というご褒美がもらえます。先にやったもん勝ちです。



 ところが、今この時期・時代に酒DSを開業しようとするものなら、それはチャレンジではなく、『無謀』 というものであります。このことは誰もが理解できることです。しかしながら、現在既存店舗として営業を続け、いまだにかつての『薄利多売』の発想 から抜け出せないお店がたくさん存在します。



 問題は、ここからです。新店を出すことは、『無謀』 と分かりながら、自店の中では以前と同じやり方を続けているのに『無謀』 と思えていない、ここに殻を破れないもどかしさがあるのです。相田みつをさんの言葉にこのような詩があります。

 “ そのうちに そのうちに 弁解しながら 日が暮れる ”



 先日、1月31日にドリーム東大阪店の近くにある酒DSが倒産いたしました。自己破産されたその理由は知る由もありませんが、考えられることとしてはやはり安さ一辺倒のご商売をされていたのではないかと憶測ではありますが、そう推察されます。そして、この事象は『薄利多売』の怖さを物語っております。

 



 そのお店は、ある意味、時代の変化についていけなかったのだと思います。結果として、2月に入ってドリーム東大阪店にそのお店のお客様が来店されたり、問い合わせがあったりと着実に新規客が増えております。人様の不幸に乗じて、ということで複雑ではありますが、有難いことです。



 これが本日のテーマ、『生存者メリット』 であります。過酷な商売の世界、生き残ることが大事であります。生き残ってこそ、メリットが享受されるのです。去っていく反対の立場でなく、本当に良かったなと思います。



 そこで今回新規のお客様として会員登録いたしました方々の傾向を見ますと、見事にある属性が見当たります。それは、ほとんどが宅配を求めるお客様 なのです。今のところ、約20軒ほどの新規顧客の中、料飲店が半数の10軒、一般顧客が残り10軒となっております。



 そして、一般顧客の方々のほぼ全員が、配達希望のお客様で、しかも有難いことに平均配達単価が約15000円となっております。あるお客様は、ドライの大瓶2ケースとアクアブルー500ml 4ケース(約3万円)という内容の配達で月一回は発注していただけるということでした。



 店頭に来られて持ち帰りのお客様は、皆無でした。全てが配達希望のお客様であります。 ということは、店頭テイクアウトの顧客は、ドリームに来ずに近くの食品スーパー(万代)やドラッグストア(スギ薬局・キリン堂)へと流れているのだと思われます。ここに『生存者メリット』 のヒントがあるのです。

 

             ココをクリック(PDFファイル)



 料飲店においても夜8時まで土日でも配達してもらえるということで、ほとんどのお客様が、価格交渉なしで取引を開始することが出来ました。利益率も15%前後は確保できております。



 ここで、この一連の流れを総括してみますと、もしドリーム東大阪店が日ごろから「喜んで配達します!」 という配達サービスを情報として地域にお知らせしていなかったら、例え競合店が閉店したとしても自店のお客様へと取り込めなかったのではと推察されます。



 また一般顧客においても全てとは言いませんが、宅配希望の方々は単価が大きいということもデータ上、如実に出ております。当然特売ののどごし2ケースすぐに持ってこい!というお客様もおられますが、グロスで考えると今後の店舗運営の中では、業務用市場の開拓も含めて配達機能の強化は急務であると考えます。



 『生存者メリット』 を期待しておとなしくじっと待っていても、常日頃から地域のお客様の付加価値ニーズを探し求め、装備していく努力を怠っていたら、そのメリツトもやってこないということです。



 私は先述20数年前の『先駆者メリット』 を得るため、多大なるリスクを背負ってチャレンジしてきたことをお話いたしました。しかしながら、それ以上に『生存者メリット』 を享受するための生き残り方を実践する方が、はるかに難易度が高いと最近痛感いたしております。いわゆる「いけいけどんどん」では、ダメなんですね。会社を、そして店舗を継続させていく事が 『本当の力』 なんですね。

 



 ご夫婦だけで営業されてるお店におかれても、やはり数値管理のスキルが必要とされ、経営全般を見極めていく中で黒字経営を確保することが重要であると思います。できるだけ経費をかけず、自店の身の丈に合った販促活動や自店の強みを見つめ直しすることで、お客様の要望にお応えできる店づくりを目指す必要があります。



 東大阪店では、今回の競合店の閉店に伴う一連の新規顧客獲得の中で再確認することができた宅配サービスの強化、今年はこの部分に焦点を当てて、更に利益率のアップを目指してスタッフ全員で繁盛店を目指してまいりたいと思いまます。



 最後になりますが、生き残りというテーマでこの徒然日記の中でも度々進化論としてご紹介してまいりましたあのイギリスの生物学者チャールズ・ダーウィンの言葉を借りて今月の投稿を締めたいと思います。



         今月もご覧いただき誠にありがとうございました。