5月号『 ニッチビジネス Part 2 』 Vol.87
みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿いたしたいと思います。
さて東大阪店では、いよいよ待ちに待った夏ギフトシーズン到来ということで店内外では、ギフトショップの様相を呈しております。ギフト商品が大量に積み上げられますと、ギフトパッケージが華やかなものですから店内が一気ににぎやかで明るくなってまいります。そして松藤店長を先頭に販売スタッフも元気よく、気合いを入れてギフト拡売に取り組んでいく雰囲気となってまいりました。

今年の東大阪店での夏ギフト売上目標は、685万円(6~8月) [昨年対比111%] (ギフト個数3500セット)と設定しております。今年に入って現在のところギフトに関しては好調で、1/1から5/20までのギフト売上は132万円で昨年対比176%という数値で推移いたしております。

平常月ということで売上高の基礎数は小さいので、まだまだ手放しで喜べるレベルではないのですが、夏ギフト商戦突入の勢いとしては、いい意味で弾みがつくことを期待しております。そして改めてこの酒販業界の苦境期に、かつて十数年前よりギフトカテゴリーに特化してきて本当に良かったなと安堵しております。
さて先日、その夏ギフトちらしの件でお聞きしたいことがありましたので、京都の酒匠米匠 高木酒店 高木くんに電話いたしました。彼の声を聴くのがなんと三年ぶりということで懐かしく、しばらく電話越しに語らっておりました。そこで言われたのが 「たまには、井上さん顔見せに店に来てくださいよ!」 という言葉でした。
そういえば、高木さんに限らず、二年前から東大阪店の現場で従事するようになり、全国の加盟店さんにお伺いする時間や余裕がなくなり、なかなかお会いする機会がなくて大変申し訳なく思っております。
ただ私としては、今までスーツ姿で偉そうにご指導させていただいたのが、作業着で前掛けをし、現場最前線で働くことにより、今改めて現場の大変さやご苦労が20数年ぶりに体感できて逆に全国の皆さんと思いが共有できているように感じています。

私は、従来よりこれからの時代は、売上より利益を重視した体質改善を実施していかなければならないと常々申し上げてまいりました。しかしながら、自分自身がいざ現場に立ってみますと改善したつもりでも、当初はなかなか数値に現れない。ただ、頭でわかっていてもなかなか形にしていけないのが、現場の直面する一番難しいところであると痛感いたしました。 いわゆる『 机上の空論 』 では、ダメであるということです。
私の成功体験は、20年前のものであって今はそんなものは通用しない。そしていま自分自身がもう一度原点に立ち返って、ご来店されるお客様の声に耳を傾け、また現場に精通されている全国の加盟店様より逆にアドバイスいただいて、再度これからのドリーム・酒匠米匠チェーンの方向性や在り方について明確に打ち出していかなければならないと強く思っております。
幸いにして東大阪店では、この2年間におきまして何とか苦しみながらも先述のギフトカテゴリーの伸びなどが功を奏し、2年前より 利益率が 2.0% 向上し、手前味噌ではありますが年間粗利益額で約300万円増益となってまいりました。 『 念ずれば叶う!』 当然実行が伴わなければならないことなんですが、利益率を上げるという強い思い、この 思い続ける! という不退転の心構えが大事であると思います。

そして、現場で実践する中で達成したこの2%粗利益率アップの要因を加盟店の皆さんに今後フィードバックしていくことが次なる自分の役割であると思っております。なかなかお伝えする機会や場面が少なく、焦る気持ちはございますが、加盟店様の方から何かありましたら、ご一報いただければ私なりのアドバイスはさせていただく所存でございます。どうぞ、お気軽にお電話いただきますようよろしくお願い申し上げます。
さて、店舗の増益ということでは、先日日経MJ新聞 (4/18付) に『食品スーパー増益相次ぐ!』 とありました。その記事のさわりをちょっと転記いたしますと、

とりわけ、各社その中でやはり比較されるのが、春季勉強会でも発表いたしましたようにイオングループとセブン&アイHDであります。イオングループの昨年の売上高は、8兆1,767億円で、営業利益額は、1,769億円でありました。そして、セブン&アイHDは、売上高6兆457億円で、営業利益額は、イオンの2倍の3,523億円でありました。

やはり今回もセブン&アイHDの財務体質の良さが他企業よりも群を抜いている状況であります。セブン銀行やコンビニのセブンイレブンの業績がすこぶる好調で、収益性の高い事業部門を持つということはとても大事なことであると物語っております。
私どもの店舗で落とし込みますと、収益性の高いカテゴリー(ギフトや店頭精米など)をいかに育成していき、売上高に占める構成比率を高めていく事が大切で、その努力を怠ってはなりません。その努力の結果として、売上高が横ばいであろうが粗利益率を高めることにより収益性を向上させることができるのです。
セブン&アイHDのような最大手であろうが、私どものような零細店舗であろうが、生き残るための考え方ややり方はまったく同じであるということであります。なぜなら、そこにおられるお客様は、まったく同じ消費者であり、そのお客様ニーズを常に把握し、さらにはこちらから様々な生活提案できる店舗・企業こそが最終的に存在感を示せるものとなるのです。
またさらには、大手ではマネのできない小回りの良さのような強み・売り物を兼ね備えれば、なおさら地域のお客様の支持を得ることにつながってまいります。それが、先月号でもお話いたしました『ニッチビジネス』なのです。
今月号で我々の業種・業態において、どのようなニッチビジネスの手法があるのか、お話しする前に先日あるウェブサイトで 『 隙間産業の見つけ方と具体的な例!!』 というタイトルで説明がありましたので、まずはその記事をご紹介いたしたいと思います。
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こんにちわ起業マンでっす!☆
起業するなら、まず狙いたいのが隙間産業ですよね。
だれも気づかなかった隙間を見つけてやろうと毎日
考えながら生きてます。
隙間産業とはなんなのか。ニッチ市場とも言いますよね
あと実際に隙間産業で起業したのはどんなものがあるのか。
いろいろ考察していきます。
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・特定の用途、目的や趣味などに特化したものなので消費者の絶対数が少ない
・マイナーなもので、誰も仕事に結びつけようとは考えられなかった事
・収益になりづらく、市場としての魅力がないもの
21世紀の今日。もうほとんどの事がサービスや商品になっていますが、
それから取りこぼされた、いわば仕事にならないような些細な事。
これが隙間産業です。
そしてこれらはもちろん仕事にする事は難しいんですけど、これらに手を加え
付加価値をつけて、もしビジネスに出来れば、競合のいない状態で
独占できるという夢のビジネスに一転するのです。
なんかすばらしい事ですね。リサイクルにも似てますね!
ゴミ同然の誰も見向きしなかったものを拾い手を加えて売る。
死んでいるアイデアがどうすれば蘇ることができるのか。
色々考え出すと楽しくなってきます!!
実際どんなことがあるの??
実際隙間産業とはどんな形で行われてるのか。
もちろんこれらは全て実際にビジネス化している人がいるので既に
隙間産業ではないかもしれませんが、どんな感じで見つけたのかの方法や
発想は参考になると思います。
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事業がうまくいってない起業マンがいました。
ある日恋人の付き添いでフリーマーケットに足を運び、つまらなそうに
荷物持ちをしていると、ふと展示されていた着物が目に入りました。
そして値段を見てビックリ。そんなに豪華な物ではないものの、
数千円で売っていました。
そしてそれを外国人客が買って行くのを見て、すぐさま起業マンは20万円を
銀行から下ろしてきて、フリーマーケット内の着物を買い占めました。
そしてそれをインターネットで販売したところ、驚くように売れ、その後は
着物の転売で成功したのです。
当時はまだそういったものがありませんでした。
しかし着物を国にもって帰りたいという外国人は多くいました。
でもその多くは、お土産で買うには値段が高すぎて断念していたようです。
そして中古の着物は溢れかえっている状況。
そうして中古の着物を販売するオンラインショップは、 隙間産業として
ビジネス化されました。
需要はあっても、高価で売れなかった着物を中古で仕入れて安価で販売した。
また、ネットショップも外国人向けとして数ヶ国語で観覧できるようにし、
ただの着物ショップではな く、「 お土産専用 」 としました。

これが手を加えたところで、付加価値になったんですね。
そして気軽に着物が買えるようになり、今では自分の 部屋着用として
買う外国人旅行者も増え、喜ばれているそうです。
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ある移動販売のおにぎり屋さんがありました。しかしそこは激戦区。
ランチタイムはもう戦争です。
移動販売は味も値段もそうですけど、一番は 、「 場 所 」 ですよね。
学校、ビジネス街などランチタイムに人が多い場所。
そして、移動販売店やお弁当屋さん、飲食店の少ない穴場。
正直そんな集客を独占出来るようなところがあればすごい事になります。
500円の弁当を100個売れば5万円ですからね。
土日休んで月20日のランチタイムだけ働いても100万の
売上を独り占めです。
そんな事を考えてたおにぎり屋は仕事後いつものようにパチンコ屋に。
いつものように売れ残ったおにぎりを食べながらパチンコをしていると、
ふとひらめきます。

パチンコは長い人だと一日中打っています。
ご飯の時は40分だけ休憩が出来て、その間席を離れられますが、
基本ノッているときは運、流れが変わるのを恐れて
席を立たず、何も食べずに打ち続ける人も多いです。
そんな時に片手で食べられるおにぎりだったらいけるかもしれない・・・。
そしてパチンコ屋に営業をかけ、見事店の敷地内での販売の
許可を取りました。
これで、そこの客は独占状態。成功を収めました。
見込み客はいるのに店がない場所を見つける。
こういったアイデアも隙間産業の一つですよね。
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これらの例を見ると、
「 なくて困ってる 」 と 「 あったらいいな 」
これが隙間産業、ニッチ市場を見つけるヒントになります。
そしてそれらは無限におちています。
もうアイデア拾い放題。 しかしそれらはすべて「訳有りアイデア」。
これをどうビジネスに変えるのかは頭を使い、そして実際に行動に
移すことしかありませんね!
とりあえずこういうアイデア出してくの面白いですね!
楽しんで行きましょう!!!
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という具合の記事でした。何かのヒントにしていただければと思います。
さて話題は我々の業界に戻しますと、以前にもお話ししたと思いますが、我々のような弱小店舗が大手と張り合って生き残るということは、至難の業です。でも現実に小さいながらも着実に地域に根を張って、元気に頑張っておられる商店主は全国にたくさんおられます。
では、そのようなお店はなぜ残っているのか、そこに答えがあります。全国各地それぞれの地域に大小さまざまな店舗が同じ業種であっても共存できるのは、何故なんでしょうか。
ここで、緊急報告なんですが、われらが仲間ドリーム鴻池店のごく近くに 『 やまや 鴻池店 』 が今月末、数日後にオープンいたします(車で約2分)。 かつて 『 ドリーム鴻池店 』 にも、創業来この20年間いろいろな危機がありました。それを松本オーナーを先頭に各スタッフたちの頑張りで、その困難を打ち破ってまいりました。
今回も厄介な問題であるのには間違いありません。しかしながら、松本オーナーとお話をさせていただいても強力な競合店出現にもかかわらず焦りや戸惑いはありません。何故なら自店の進むべき方向性や店舗コンセプトをしっかりと把握し、地域の消費者に対して自店の売り物を常日頃からアピールされているからです。

その売り物とは、『 近くて便利 ドリーム鴻池店 』 『 まかせて安心 ドリーム鴻池店 』 なんですね。いつもお話しするように、『やまや』と対抗して差別化を図るというよりも、ドリーム鴻池店の独自性を地域のお客様にアピールして、『やまや』とは違った酒専門店のあり方を構築していこうとされております。
その一つの取り組みとして、先述の 『ニッチビジネス』 の発想を前面に押し出されておられます。今後のドリーム鴻池店さんの取り組みに注目していきたいと思います。他人事のようですが、この取り組みこそが冒頭お話いたしました今後のドリーム・酒匠米匠チェーンの目指すべき姿の序章であると思えるからです。
次月は、是非とも 『 ドリーム鴻池店 』 夏期奮戦記をお伝えして具体的に手法をご紹介することをお約束して今月号を終えたいと思います。
今月もご覧いただき誠にありがとうございました。