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11月号 『 座右の銘を考える! 』 Ⅴol.82

 11月号 『 座右の銘を考える! 』 Ⅴol.82



 みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。

 



 さて今年も残すところ1ヶ月余りとなりました。現場では、冬ギフト商戦が始まり、各店いよいよギフト包装などで毎日慌ただしくなってまいります。ただドリームチェーン加盟店ではない、かつての酒屋仲間に聞きますと、お店では閑古鳥が鳴き、なかなか酒類を中心とした商品が売れないと嘆いておられました。



 後述いたしますが、かつて明治維新という大きな時代の変化の中で、大阪商人がどのように対応し、生き残りのため新しいことにチャレンジしていったかを先人に学んだ時に、私たちも酒類をかつての大黒柱オンリーと捉えずに一つの支柱として捉えて、さらに新しい支柱を打ち立てていく気概を持たなくてはいけないのではないでしょうか。



 そのような意味では、まだまだ基礎数は小さいけれど、『まちギフト』 という柱が育ちつつあるというのは、本当に頼もしい限りであります。私自身酒屋の三代目として、当然のことながらお酒に対しての思い入れは人一倍ございます。矛盾するようですが、いずれ近い将来酒類を大黒柱として据えることのできる新業態へと復活させたいと常々考えております。



 そのためにも、今は酒類だけに固執するのではなく、様々なカテゴリーに挑戦し、地域のお客様に対しての存在感やイメージ付けを優先し、旧来からの商売のあり様から脱酒屋を目指さなくてはなりません。そして、回りまわっていずれ新しい進化した酒屋業態が生まれてくると確信しています。そのためにも今まで以上に
『酒屋スピリット』 だけは持ち続けていきたいと思っております。



 かつて、何年か前にこの徒然日記において、ご紹介いたしました『小売りの輪 理論』 を覚えておられるでしょうか。60年前、アメリカピッツバーグ大学での経済シンポジウムにて発表されたこの理論は、いまもなお生き続けております。

 





 さて先程ご紹介いたしました明治の大阪商人の話になりますが、そのお店の屋号は『加 野 屋 』 さんです。と言えば、だいたいお察しの方がおられると思います。そうです、10月から始まりましたNHK朝ドラの『あさが来た』 で登場いたします両替商の加野屋さんです。



 先日11/17 (火) に加野屋のあさちゃんに会いに行ってまいりました。実は、下記画像にあるようにドリーム姫路市川台店の田中オーナーより電話があり、NHK大阪のスタジオに遊びに行くのでご一緒しませんか?とのことで、一つ返事で、行きます! ということでスタジオ見学が実現いたしました。

 



 田中さんのお嬢さん(瞳さん)が、NHK大阪の朝ドラ出演者のメイク担当チーフをされておりまして、その関係で一般見学コースではなく、臨場感あふれるスタジオ内密着見学をさせて頂きました。当日は、あさちゃんと新次郎さん中心のロケ撮りでしたが、撮影が始まりますと出演者はじめ撮影スタッフ(約20数名)にピーンとした緊張感が漂い、私自身も物音や咳込しないよう細心の注意を払いました。自分が出演している訳でもないのに、肩に力が入り本当に貴重で疲れた体験でした。

 



 この朝ドラ 『あさが来た』 のあらすじですが、ご存知のない方もおられると思いますので、簡単にご紹介したいと思います。

 

 今回の時代背景は、連続テレビ小説初の、「幕末」からスタートするもので、幕末から大正を生きた女性実業家 広岡浅子さんの実話物語であります。

 



 今回のNHK朝ドラも 『 マッサン 』 の時と同様、毎朝欠かさず第一話から女房共々、しっかりと見ております。すでに民間の視聴率リサーチ会社の発表では、前々回の『 マッサン 』 の時よりもすでに視聴率が高く、近年もっとも好調な推移を見せているようです。



 私が今回注目したのが、「運命の姉妹」を横軸 という所です。詳しく解説いたしますと、京都の名門両替商『今井商店』の長女(はつ)・次女(あさ)として育った姉妹が、大阪の両替商( はつ・山王寺屋
) 、( あさ・加野屋 ) へそれぞれが嫁ぐことになりました。ところが、冒頭述べました通り、明治維新の大きな時代の変化の中で、積極的にチャレンジして生き残りが実現した加野屋、逆に古い慣習やプライドを捨てられず、変化しようとせず没落してしまった山王寺屋、この二つの両替商の運命が、姉妹の人生に大きく陽と陰を投げかけていくのでした。



 ここに、時代に翻弄された商人の立ち回りを今の酒販業界に重ね合せた時、私たちの取るべき道筋、並びに気持ちの持ち方、心構えのヒントが見え隠れしているようであります。
『マッサン』 同様、ドリーム鴻池店の松本社長絶賛の朝ドラでありますので、是非とも加盟店オーナーの方々には、この泣き笑いの人生ドラマをご覧いただきたいと思います。





 さて、今月のテーマは 『 座右の銘を考える!』 にさせて頂きました。実は、今月の日本酒倶楽部勉強会において参加者各人の 『座右の銘 』 の有無を聞きましたところ、持ち合わせていないということでした。そこで、来年1月度の例会時にそれぞれ書物やネットで調べて取り敢えず、現在の心境の中で心に感じる四文字熟語やフレーズ、キャッチコピーを発表しようということになりました。

 



 その11月の勉強会の中で、三木市の津田本店番頭さんの小林君が、「自分は、座右の銘というほどの難しい言葉ではないけれど、好きな言葉があります。」と発言し、「その言葉とは、相田みつをさんの次の言葉です。」 とありました。

 



 そもそも、座右の銘って何なんでしょうね。まずは、そこからお話させていただきます。

 ちなみに、ネットで調べてみますと、次のような解説がありました。



   座右の銘の意味

「座右の銘は○○です」

漢字の意味を知らずに使う人が多いと思います。 自信を持っていう言葉ほど、漢字の意味を知っておきたい。

<座右の銘の読み方> これは、 「ざゆうのめい」 と読みます。

<座右の銘の意味> これは、 「常に自分の心に留めておく戒めや励ましとする格言」 という意味です。



  次に漢字を分解して、それぞれの意味と語源・由来を説明します。

「座」は「座る(すわる)」という意味の漢字です。 本来は「裁判をするところ」を表わす漢字のようです。 「宀」は「建物「を表わし、「坐」は「裁判(法により処罰を受けるところ)」という意味で、
その意味から転じて座ることを表わします。

「右」はそのまま「みぎ」という意味がほとんどですが、 「助ける」という意味もあります。 漢字の由来は「右手で神に奉げるための器を持つ」という象形から、
「神に祈る言葉」という意味になり、「神の助け」を意味します。

よって、この二つを合わせると、 「座右」は「右に座る=手元にある・身近な存在」という意味になります。

「銘」は「刻み込む・刻み込んだ言葉」という意味になります。 本来は「金属に刻み込む」という意味の漢字。 大事なものを忘れないように刻み込むという意味で使います。


よってこの3つを合わせた「座右の銘」は 「手元にある大事な・忘れない・戒めとする言葉」という意味になります。



 私がある方から40年ほど前に教えて頂いた事として、『人生において人が成長する中で、その節目節目において自分自身の人生観が生まれ変わる三人の人物との出会いがある。』 とありました。そして、いま思い起こせば三十代・四十代・五十代と劇的な出会いの方々が頭に浮かんでまいります。



 そのエピソードをここで語れば長くなりますので、またいつかこの徒然日記の中でお話ししたいと思います。今回は人ではなく、『人生の中で、三つの書籍や言葉に出会うことの大切さ 』 をお話ししたいと思います。その言葉の一つとして私は35年前に次の四文字熟語に出会いました。

 



 この言葉は、今から150年ほど前に皆さん1万円札でお馴染みの福沢諭吉翁が、慶応義塾にて書生に戒めた言葉であります。これが私の 『座右の銘』 であります。ウィキペディアでは、下記のような解説がありました。



和魂洋才(わこんようさい)とは、日本古来の精神を大切にしつつ西洋の技術を受け入れ、両者を調和させ発展させていくという意味の言葉である。



 ただ私が解釈する意味は、さらに深堀したものであります。この言葉に出会って35年。常に崖っぷちの35年でしたが、この言葉のおかげで私は明確な目標と強い信念を授けられたような気がいたします。65歳にして、まだまだその域には達しておりません。恐らく死ぬまでこの言葉の言わんとするところには辿り着けないと思います。



 これまでの私の人生、様々な方々に助けられ、支えられて今日があります。そして、この和魂洋才という言葉との人生ドラマも語り尽せないほどあります。出会うことのできた方々とこの言葉との融合が私の人生観となりました。



 そんな訳で、今回日本酒倶楽部の若いメンバーたちに是非とも人生訓となりうる言葉を発見し、人生の糧にしていただきたいと思っております。1月度の日本酒勉強会において提出された各メンバーの座右の銘を(その選んだ理由も含めて) 1月末の徒然日記に掲載して皆様方にご披露させていただくことをお約束して今月の投稿を終えたいと思います。 



  今月もご覧いただき誠にありがとうございました。



 [ P S ] どんな座右の銘が出てくるのか、楽しみでたまりません。また機会がありましたら、皆さまと『座右の銘 』 談義をしたいものです。取り敢えず残り一ヶ月、がむしゃらに包装・包装で頑張ります!