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7月号『1.6%の成長?!』 Ⅴol.78

7月号『1.6%の成長?!』 Ⅴol.78



 みなさん、こんにちは!今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。

 



 さて、先日全国各地で『梅雨明け』が発表されました。と同時に、TVや新聞では『熱中症』により、どこそこで救急車が出動し、お年寄りが病院に搬送されました!との報道が相次いでされております。近年、この時期通例の出来事とはいえ何か自然環境の変化の中で人々が厳しい環境変化への対応に順応できていない現状が見えてまいります。



 『カエルの釜茹で』じゃありませんが、地球規模で自然環境破壊が数十年前から進んでいるのにもかかわらず、ちょっとずつ、ちょっとずつの変化の為、気づいていても思い切った対策を取られず、後手後手の対応に追われているのが将来に向けての大きな問題なのではないでしょうか。

 



 私が小学生のころの『夕立ち』が、いまや『ゲリラ豪雨』、そして『日射病』『熱中症』へと呼び方が変化し、夏といっても何か風情のない表現の時代になってしまいました。それだけ自然環境が厳しくなってきたということでしょう。時代と共に環境の変化に伴い、なかなか即カイゼンできない人間という性の弱さと曖昧さというものを最近つとに思うことしかりです。



 私も仕事において『カエルの釜茹で』にならぬよう常に時流というものを意識しながら、決断すべき時は決断し、自店のみならずチェーン全体の羅針盤となるべく努力を今後とも継続していきたいと思っております。





 さて、時流といえば先日マスコミからこのような報道がありました。

 



 この規模は、スーパーの食料品、日用雑貨、化粧品の売上高が9兆7500億円を上回るものであります。売価が地域スーパーよりも高いにもかかわらず、続伸している理由の大きな要因の一つとしては、24時間営業という身近感や安心感があるのではないでしょうか。



 いわゆる価格以外の要素で支持されていると言う訳です。結果として、コンビニ業界は非常に粗利益率の高い業態として今なお進化し続けているのです。ここで、先月にご提示致しました物販主要企業のランキング表をご覧いただきたいと思います。

    ここをクリック 大きくする(PDFファイル)



 先月号で、セブン&アイHDとイオングループとの違いにちょっとだけ触れましたが、ここで少しだけ解説してみたいと思います。



 表をご覧いただいてお分かりかもしれませんが、売上高については、イオンは業界NO.1であります。しかも前年対比10.7%伸びております。しかしながら、営業利益については前年対比17.5%のダウンで1413億円、競合するセブン&アイHDと何と2000億円以上の差をつけられております。



 この総営業利益額の差は何なんでしょうか?みなさん、お気づきかと思いますか゛、両グループが抱えるコンビニ事業部門の差なのです。いわゆるセブンイレブンとミニストップとの差なのです。セブン&アイグループは、営業利益3433億円のうち約65%(2233億円)の利益をコンビニ部門で稼いでおります。その他、セブン銀行など。

 



 セブングループの基幹事業であるイトーヨーカ堂のGMSスーパー部門では、年間たったの18億円しか(3433億円のうち)収益があげられておりません。イオンの全国スーパー部門も25億円しかありません。ドリーム東大阪店の近くにある地方スーパー「万代」でも年間70億円(経常利益)を計上している訳ですから、いかに全国スーパーが苦戦しているかということです。原因については、また次の機会に解説したいと思います。



 そこで、セブンとイオンの違いについて戻りますと、全体的な収益性の違いの要因は、収益性の高い事業部門の育成の差となってくるのです。冒頭でもお話ししました通り、コンビニ業態の強みはほとんど価格競争に晒されない優位性があるのです。当然その分、常にお客様の日々変わっていくニーズに対して、敏感に反応し、対応していくスピードと企画能力が問われてまいります。



 その差が、セブンとイオンの違いなのです。ここで学ぶべきことは、我々のような小規模な商店に縮小版してみますと、当然セブンやイオンのような別事業部門としての子会社など持ち合わせるものではありませんが、取扱いカテゴリーに置き換えてみますと、薄利多売中心であったアルコールカテゴリーの販促を継続させながら、高粗利益カテゴリーである店頭精米やギフト、その他付加価値酒類、場合によっては『立ち飲み』(飲食業部門)などの高収益部門を強化していくことの重要性がうかがい知ることができます。



 ハッキリしているのは、従来から言われているように『売上重視』から『利益重視』への移行を促進しなければならないのです。イオンの方々には申し訳ないですか、かつてのダイエーのようにならぬよう対策を講じて頂きたいと思います。





 と、偉そうなことを言って、私自身自店を振り返ると人様の事をとやかく言えるような状況ではありません。



 ご承知の通り、今年に入って本格的に現場に従事しておりますが、最近特に現場の難しさというものを痛感させられております。ドリームを始めて22年になりますが、恥ずかしながらこの年齢になって、あらためてここまで現場が大変であるかと思い知らされている毎日であります。



 かつて自分が体験してきた現場とは、数段レベルの高い知恵と体力が要求される時代に直面しているなと実感しております。それだけ、お客様が情報化時代の中で様々な情報入手手段を持ち合わされてきたことだと思います。特に価格についての情報入手は、いとも簡単に可能であります。



 地域の物販業に求める消費者のニーズは常に進化し、しかも多様化しております。先述の全国スーパーの苦戦もそこに要因の一つがあるのかもしれません。また、少子高齢化という日本全体が抱える構造的な変化に対しての取り組みも問題を投げかけております。



 時代の流れをしっかりと読み解き、分析し、新しい試みを実践し、そして検証する。大事をなす時の基本である『PDCA』サイクルをしっかりと繰り返す中で、答えは自ずから見えてくると信じております。まずは、行動あるのみです。

 



 先日、NHK大河ドラマで現在放映されております『 花 燃 ゆ 』を女房と見ておりますと、吉田松陰先生(ドラマでは、すでに亡くなっていますが・・)開設の『松下村塾』の床の間に掛けられておりました掛け軸に、『知行合一』という言葉が画面に映し出され、ちょっと気になりましたのでメモを取り、後ほどネットで調べてみました。そこで、その四文字熟語の指し示す意味に大変共感いたしました。



 今の自分に足りない部分、取り組まなければならない部分を指摘されているようでとても感銘を受けました。そんな訳で今回ネットに掲載されておりました内容を引用いたしまして、皆様にご紹介いたしたいと思います。

 



 明治維新を支えた幕末の志士の精神的指導者として有名な吉田松陰が自身の私塾「松下村塾」の掛け軸に掲げていた名言として有名です。



 中国、明の時代の儒学者・王陽明が始めた「陽明学」の命題のひとつが「知行合一」。



 この陽明学では、「心即理」・「知行合一」・「到良知」の言葉に思想が凝縮されていると言われています。陽明学者でもあった松蔭は、私塾の掛け軸にこの言葉をすえ、指針にしていたことがうかがえます。



     「知行合一」の意味は?



 「知識や耳学問で、物事を知ったかぶり判断するのではなく、実際に体験し、実践をかさね、工夫し鍛錬してはじめて物事を真に理解できる」という意味になります。



 もっと簡単に表現すると「知って、行動してこそ本当の知恵」という感じでしょうか。



 陽明学の「実践重視」の立場をしめす言葉と言われています。当時対立していた儒教の一派「朱子学」が実践よりも、理屈を重視していたのに対する陽明学のスタンスともいえます。

 



 この「知識をつけるだけでなく、行動をすることによって知識を完成させる」という理念を追求するからこそ、徳川幕府に無断で、黒船に乗り込んだり、何度も何度も捕まって、牢獄に入れられてもめげなかったり、カリスマ的影響力で、時代を先導することができたのでしょう。

                   とありました。



 いかがでしょうか。時代は変われども、世に偉人といわれる方々の発する言葉には、素直に「なるほど」と思い知らされ、説得力があります。私自身もただガムシャラに現場で働くだけではなく、今まで培ってきた知識や情報とを現場と常にリンクさせながら酒屋業というものを完成させていきたいと思います。努力します!





 さて、今回のテーマについてですが、『1.6%の成長?!』とさせて頂きました。この1.6%ってなんやねん?ということになりますが、もうすでに察しておられる方もおられると思いますが、粗利益率の数値を表現いたしております。

 



 先日、7/22にドリーム東大阪店のスタッフ会議を実施いたしました。その中で、本年1月から6月までの上半期財務内容をみんなで確認いたしました。東大阪店では、2015年度の課題として、とりあえず売上よりも粗利益重視ということで粗利益率のアップを大きな命題として掲げました。



 そして結果として、狙い通り昨年の粗利益率13.9%から本年15.5%へと1.6%上乗せすることができました。全体の成績としては、減収増益となりました。その要因として、この6ケ月の活動内容や意識の変革などを手前味噌になりますが、そのプロセスを皆さまにご報告し、何かの参考にしていただきたいと思います。



 ただ・・・今回いつものように前段が長くなってしまいましたので申し訳ありませんが、次回8月号にて詳しく述べさせていただきたいと思います。今秋9/15には、恒例の秋季勉強会が開催されます。8月号では、その勉強会への心構えなども併せて投稿いたしたいと思います。中途半端な投稿となりましたが、次回をお楽しみに!!



 最後に、先述の吉田松陰先生の名言集の中から『学びの賞味期限』というフレーズを皆さまにご紹介して今月の投稿を終えたいと思います。



   今月もご覧いただき誠にありがとうございました。