4月号 『 販売価格について 』 Ⅴol.75
みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。
さて今月のテーマは、前回言いそびれました 『 ビジネスは、価格に生きて、価格で死ぬ!』 という内容でお話を進めてまいりたいと存じます。
その前に先日久方ぶりに兵庫西エリア会議に参加した時の模様を報告させていただきたいと思います。過日4/20 (月) に、当該会議を担当する本部木学並びに東大阪店段上店長と共に会議に出席いたしました。会議場所は、毎月姫路市の酒匠米匠サトウ店様の2階会議室(ウィスキーボトルの中)を佐藤様のご好意でお借りいたしております。
議事は、昨年より木学くんが進行してくれており、私はオブザーバー的な感じで参加させていただきました。議事内容は下記のとおりです。
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上記のとおり、会議スタート時間は夜の8時からです。会議終了は、11時過ぎになります。当日の参加者は、我々3名をいれて13名でありました。今回、高砂市の春日野商店さんが店頭スタッフの都合がつかなくて欠席されましたが、いつもは全店ほぼ100%の出席率ということです。
私の思うところ、酒販業界において毎月こんな遅くに、しかも大所帯で販促活動について会議しているグループは、日本全国どこ探しても無いのでは・・・?と思います。昼間ならともかく・・・。
本当に熱心なメンバーだなと感心させられます。ただ残念ながら、夜遅くまで私的な時間を費やして眠い目をこすりながら情報交換をすれば、必ず売上や利益が上がるという保証は一切ありません。現実は、そう甘くはありませんからね。そこが本当に辛いところです。でもコツコツと努力を積み重ねていくことが重要だと思います。
ちょうど良い機会だったので、当日昼間に酒匠米匠サトウ店の近くのスーパーセンター『トライアル』 を視察してきました。かつて10年ほど前に千葉県の八千代市で『トライアル』を見たことがあるんですが、あの時代よりもさらに店舗が進化しておりました。そして、何よりも値段が安い!
コスモス薬品といい、九州福岡県出身企業の強さを肌で感じさせられます。九州地盤企業という関係であるのか、焼酎の安さは半端じゃありません。たとえば、黒霧島25°パック 1350円(税込)、いいちこ25°パック 1350円(税込) エブリデイ ロープライスといったところです。
ちなみにドリーム東大阪店では、下記の売場画像にあるように『トライアル』とは、一本当たり200円~300円の価格格差がありますので、もし近所に出現でもしたら大変なことになります。
そんな厳しい商環境の中で、兵庫西地区のメンバーは頑張っておられます。先々、様々な不安や課題を抱えてはおりますが、楽しく和気藹々に会議が進められているのを見て安堵いたしました。笑顔の絶えない勉強会がなりよりですからね。また、ちょくちょくと顔を出してお話しをさせていただきたいと思います。
さて、それでは本題の 『 販売価格について 』 というテーマでお話ししたいと思います。先日ある書籍を購入いたしまして読んでおりますと、次のような文節が書かれておりました。
とありました。確かに値決めと値段の打ち出し方が、いかにビジネスの様々な要素を左右する元であるかと改めて感じさせていただきました。売上も利益も、そしてそこから捻出される経費もすべて、お客様との取引の根源である価格から生み出されるものなんですからね。
今回は、その書籍 「世界一ずる賢い価格戦略 」 という本をベースに皆さまに私の考えをお聞きいただきたいと思います。著者のプロフィールは下記にあります。
<プロフィール>
著書14冊以上(13冊は日本語にも翻訳されている)出版しているダイレクト・レスポンス・マーケティング・コンサルタント、コピーライター。
「日本一のマーケッター」にも選ばれた神田昌典氏も、彼の著書を監修し、絶賛のコメントを寄せる。ダイレクト・レスポンス・マーケティングの世界的権威で、アメリカで最も有名なコンサルタントのひとり。
当たり障りのない成功法則ではなく、耳の痛い・あまり聞きたくないことでも、すべて包み隠さず話してくれることから「不都合な真実を教えてくれる先生」と呼ばれ、クライアントから多数の億万長者が生まれていることから「億万長者メーカー」とも呼ばれている。
ブッシュ元大統領、 マーガレットサッチャー元英国首相、 ジグジグラーやブライアントレーシー、フォード元大統領、レーガン元大統領、ノーマンシュワルツコフ将軍、などのスーパースターと共に講演を行なっている。
さて、今回購読いたしました書籍 『 世界一ずる賢い価格戦略 』 何かウサン臭いものが漂っているようなタイトルですが、決して決してなかなかのコンテンツでありました。約300ページの本で姿かたちなど普通なら1500円~1800円程度の価格なんですが、この本の価格こそがこの書籍の価値価格であると本自らがアピールしているのです。
いわゆる価格というものは、仕入原価から逆算して小売価格を決定したり、地域の市場性を常に勘案して(例えば、新聞折込の競合店チラシを参考に・・・とか)決定するのではなく、地域のお客様に提供する商品やサービスに対しての価値がどの程度の価格であるかということを意識してお店自らがお客様本位の値決めをしていくことの重要性を語っております。あらためて言いますが、本当に値段の高い書籍です。紙の原料や製本代は他の書籍と同じ原価ですのにね。
確かに、スーパードライやキリンのどごし等、画一化された商品の場合、唯一の価値訴求は、価格の安さのみということになります。その価値に支えられて我々量販店は数年前まで消費者の支持を得てきたわけです。しかし今は、その価値は大手競合店の出現で半減したわけです。決して消滅していないという事実は現存します。なぜなら、いまだに売上として確実にいくらかはあるからです。
だからこそ、次に私たちが挑戦しなければならないのは、その売上を支えていただいている既存のお客様を中心に、今後どのような価値提供をしていくのかを創造することに他ならないのです。単なる粗利益ミックスがどうのこうのではなく、そこにお客様への価値提供、お客様満足が存在するのかということであります。
低価格販売を中心に営業活動をしてきた私たちは、毎月判で押したように競合他店の価格情報を基に新聞折込のチラシ原稿作成に注力してきました。それは決して間違ってはおりません。今後も大事な仕事の一つです。ただ今までは、そのことに重きを置くことにより、自店の価値を安さ以外でお客様にアピールしたり、新しく価値創造する努力を怠ってきたのであります。そのことに深く反省しなければなりません。
商売の原点は、時代と共に移り変わりゆく 『お客様満足の提供 』 にあります。かつて低価格で支持していただけたお客様に対して次なる付加価値の提供とは・・・?! 販促行動すべきことは、もうすでに春の勉強会などでご理解いただけていると思います。
昨今、ファーストフードにおいてマクドナルドの業績が世界的に不振を極めていることをみなさんお聞きになっておられると存じます。単なる食品偽装問題だけではなく、かつての80円バーカーのリバウンドがここにきてやってきたと私は分析しております。かたやモスフードは、さらに品質・サービス向上を推進するため、5月から販売価格をこの時代に敢えて値上げする予定であります。
同じハンバーガーチェーンとして、ここにきて戦略性の違いが如実に出てまいりました。日本の流通小売業において過去の歴史から見ても長期的に利益を出し続けている優良企業はみんな安売りはしていません。あるいは、安売りから脱皮しております。かつて激安価格でスタートしたユニクロでさえ、今回販売価格の値上げを実施し、次なる高みを目指しております。 品質において「ユニクロブランド」と呼ばれるように競合他社よりも高い品質でなおかつ高度な接客サービスを提供しようと長期ビジョンを掲げております。
規模の大小は別として、我々チェーンの目指すべきところはそこの部分であると思います。次月は、今回の書籍の中にありました 『 スターバックスコーヒー 』 と 『 コンビニコーヒー 』 との販売戦略及び価格の違いについてお話させていただくことといたします。ついでに 『 コピ・ルアク 』 についてもお話させていただきます。
また、身近なところではいつも徒然日記でご紹介させていただいております和歌山えがわ店さんでの焼酎量り売りの 『 販売価格の値決め 』 についてのエピソードなども参考にお話ししたいと存じます。お楽しみに!
今月号は、販売価格の値決めについての序章ということで、つかみだけの内容となりましたが、今回購読いたしました本のさびの部分を今後毎月ご紹介してまいりますことをお約束いたしまして今月の投稿を終えたいと存じます。
今月もご覧いただきまして誠にありがとうございます。
それでは、ごきげんよう さようなら