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2月号 『 お客様目線でビジネスモデル構築 』  Vol.73

2月号 『 お客様目線でビジネスモデル構築 』  Vol.73



   みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿したいと思います。



 さて2月も残すところ僅かとなりましたが、この時期になりますとTVや雑誌・新聞でよく取り上げられてくるのが、『春の訪れ』 という文言や様々な話題となります。特に太平洋側の各地区でのウメや菜の花の開花情報、そしてあの嫌な花粉や黄砂の飛来と、毎年同じ繰り返しの中で季節が巡ってまいります。



 身近な所では、奈良の東大寺二月堂の 『お水取り』 も春の訪れとして確か3/1~14日までの期間で 『本行』 が執り行われます。そしてクライマックスは、3/12の 『 お松明 』 です。

 

 そして、この催事が終わるといよいよ 「 暑さ寒さも彼岸まで 」 と言われている春のお彼岸へと移ってまいります。そこで次なるは、『 近くて便利 まちギフト まかせて安心 まちギフト 』 となる訳です。東大阪店では、今年のお彼岸ギフトにかなり力が入っております。2015年の年間ギフト強化のため、ここから好スタートを切りたいと思います。



         “ 冬来たりなば 春遠からじ ”



 自然の摂理もそうですが、ビジネスも人生もそうありたいと常に信じながら頑張っております。





 さて本題に入る前に、前月号でお話ししておりました東大阪店のたばこ販売免許取得による店舗改装が先日終了いたしました。オープン冷蔵ショーケースの一部撤去や玄米工房・焼酎玄人売場の変更など全面的にレイアウト変更いたしました。



 其々のカテゴリー売場にちょっとオーバーですが、今年の東大阪店の商品戦略を意識した売場へと展開いたしました。すぐには、なかなか結果がでませんが、大きな意味で
『 専門性と伝える力の強化 』 をテーマといたしました。

 

 

 ちなみに、間違いなく売り上げに貢献するであろうタバコの年間売上目標は、初年度1000万円といたしております。ただ私自身タバコを喫煙しませんのでタバコに関してまったく無知でありますので、この機会にタバコについていろいろと考えてみました。



 みなさんご存知のように、タバコとお酒は同じような境遇にあり、それぞれタバコ税・酒税が課せられております。またその上に消費税まで課税されて常に2重課税の状態になっております。それゆえ特にタバコについては、商品価格よりも税金の方がはるかに上回る価格体系になっています。いわゆる税金の塊りのような商品という訳です。



 さらに、近年医療費の増大に苦しむ政府の考えに伴い、予防医学との観点から国主導で禁煙を推進しているため、我々の酒類業界以上に消費量の激減がおきている状態であります。確かにお酒の場合、飲酒運転や未成年の飲酒防止の立場から必ずしも良いイメージはありませんが、うまく飲酒すれば
『酒は百薬の長 』 とも言われますし、人と人とのコミュニケーション作りには欠かせない存在であります。

 

 しかし、タバコは 『百害あって一利なし 』 と言われ続けております。私もそう思います。しかしながら、そうも言いながらそんなタバコに東大阪店の利益貢献を期待している自分自身に複雑な思いを感じております。 でも、いいんじゃないでしょうか、難しく考えないようにしていきます。



 ちなみに一昨年の国の歳入における租税収入は、43兆960億円でした。そのうち、酒税の歳入は1兆3470億円、タバコ税は9910億円でした。また、全国の喫煙率は男性30.3%・女性9.8%・男女計19.7%という事で、禁煙化は推進されておりますが現在5人に1人は喫煙されているという状況です。





 さて本題に入りまして、今月のテーマは 『お客様目線でビジネスモデル構築 』 とさせていただきました。ちょっと仰々しい言葉になっていますが、来る 3/17 の 『春の勉強会 』 においても討議される課題でもあります。



 と言いますのも、これだけ多様化する消費者のニーズへの対応や大手競合店の出現、寡占化する流通小売業の台頭など、この厳しい環境下私どもの立ち位置のあり方がぶれないよう再度加盟店の皆様と確認する必要性に迫られております。



 話しは変わりますが、2月の初めごろ和歌山の江川さんとお会いした折、江川さんの方から 「井上さん、先日アメリカの家電量販店大手ラジオシャックとかいう会社が潰れたの、知ってる?」と聞かれました。何のことか、全く分からず 「ラジオシャックって、何者?」 と逆に聞き返しました。

 

 江川さんから聞くところによりますと、日本でいうヤマダ電機のような会社で全米で4400店舗展開している全米業界第2位の家電量販店チェーンという事でした。ちなみ日本におけるに業界第1位のヤマダ電機の店舗数は、確か全国で900店舗ぐらいだったと思います。



 早速、日経新聞のネットで調べてみると次のような記事が出ておりました。



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【ニューヨーク=杉本貴司】 「米家電量販専業2位のラジオシャックは5日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用をデラウェア州連邦破産裁判所に申請し、経営破綻した。負債総額は13億8700万ドル(約1630億円)。米国ではネット通販の普及で家電量販店の顧客離れが進んだ。専業大手が相次ぎ破綻し、残る大手はベストバイだけになった。

 近年はネット通販の普及が価格競争に火を付け、家電量販店の体力を奪っていった。米調査会社カンター・リテールによると、米国では昨年に家電購入の25%がネット経由だった。

 ラジオシャックは「固定ファン」が多く、差別化を図ってきたが昨年春に経営難が表面化。当時、全米に約4400あった店舗網の4分の1を閉鎖するリストラを表明したが、昨年9月に資金繰りに行き詰まった。存続に向けて複数の金融機関と交渉を進めたが、再建のメドが立たなかった。」

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 時代の流れと申しますか、やはりネット通販の威力に白旗を揚げたという事です。ネットショッピングの急成長で、『ショールーミング 』 と呼ばれる新しい消費行動にラジオシャックのようなリアル店舗が対応できなかったという事です。



 今年の1月に末娘がダンナと一緒に我が家に孫を連れて遊びに参りました。孫二人は、女房が預かり二人はドリーム東大阪店の近くにあるJS電機に冷蔵庫を買い替えるために出かけました。私は同行しませんでしたが、あとから二人に買い物内容を聞きますと、思わず愕然といたしました。



 『 ショールーミング 』 なのです。身近にこのような購買行動を見ますとやはり時代が変わってきたと痛感させられました。内容は次の通りです。



 まずは、目当てのメーカーや機種をネットで下調べ、そしてJS電機でその商品や同じような他メーカーの商品を品定め、さらにはJS電機のスタッフにその商品のスペック(機能)などを説明してもらい、最終的に価格をメモって取りあえず帰宅。

 

 大体その先はお分かりだと思いますが、ネットでその商品の型番などを検索して価格を確認。案の定、JS電機より10%ほど安価で購入。下取りも問題なく対応してもらい、さらにアフターフォローも万全。『人の褌(ふんどし)で相撲を取る 』 とは、この事だとつくづく娘の厚かましさに感心させられました。



 まさしくJS電機の売場をショールームに利用して、さらに詳しく使用法まで聞いて・・・・、スタッフの給料は誰が払ってるねん! と叫びたくなります。

 

  アメリカで起きている流通変革と淘汰は、必ず日本にもやってまいります。しかもスピーディに・・・。第1位ヤマダ電機・第2位ビックカメラ・第3位エディオン・第4位ケーズデンキ・第5位ヨドバシカメラ・第6位上新電機・・・、どこの企業が退場を余儀なくされ、どこだけがどのような形で生き残るのか、今後の家電量販業界の構図をしっかりと見ながら私どものお店の参考にしていかなければなりません。



 ネット通販大手のアマゾンは、今春より酒類の直接販売に乗り出します。例えば、スーパドライ350ml 2ケース 8500円、のどごし350ml 2ケース 4800円で無料配達。しかも翌日に玄関までお届けし、支払いはカードでキャッシュレス。さらには、取扱い酒類アイテムが数千種類、そんな時代がもうすでにそこに来ているのです。



 だからと言って、まったくドライやのどごしが売れなくなるのかと言うとそうではありません。それなりの売り方があるのです。しかしながら、ドライやのどごしだけで飯が食える時代は終わったという事です。低価格商品プラス高付加価値商品や高付加価値サービス、いわゆるハイブリッド戦略の構築が急務となります。

 

 しかも、アマゾンが、楽天が、その他ネット通販業者の苦手とするところの分野でビジネスモデルを構築することが重要となります。そのためには、戦う土俵を変えるそのキーワードを探索していかなければなりません。例えば、 『 まちギフト 』 のキャッチコピーであります “ 近くて便利 ” “ まかせて安心 ” “ 相談できる ” などなど、少しの工夫を駆使することでモンスターと共生できる事は可能となります。



 最後に、加盟店様一店一店の精度と情熱を高め、常にお客様目線で変化に対応できる集合体であることを目指して日々精進されんことをお願い申し上げまして今月の投稿を終えたいと思います。



    今月もご覧いただきまして誠にありがとうございます。



      それでは、ごきげんよう さようなら