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3月号 『 アフター3.11を考える 』

みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿いたしたいと思います。

 まずはじめに、この度2011年3月11日に東日本地方において発生いたしました地震並びに津波で被災されました皆様方に心よりお見舞い申し上げます。また、同時に被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 私どもチェーンといたしましても店頭にて募金活動を実施し、少しでも被災者の皆様のお役に立てるよう共に頑張って参りたいと思っております。





 ただ地震後、約2週間以上経過いたしましたが、現地ではまだまだ復興の兆しが見えてこないのが現状でございます。避難所における被災者の皆さんの居住環境は非常に厳しいものがあり、なおかつミネラルウォーター等の生活物資がいまだ十分に行き渡っていない状況をテレビにて報道されたとき、本当に胸が痛む思いがいたします。

 そしてまた福島第一原発の事故が更に問題の深刻さに拍車をかけております。今回の震災では、確かに瞬間風速的にマグニチュード9.0という地震のダメージが未曾有の被害をもたらしております。しかし、それ以上に震災後発生した放射能漏れ事故は、今後の日本社会・経済に及ぼす長期的影響は計り知れないものがあります。



『 アフター 3.11を考える 』
これから日本は、どうなっていくんだろうか!?




 私なりに大所高所からの考えを皆さんに述べてみたいと思います。今回の『徒然日記』は、少しだけというよりも大変硬い内容になると思いますが、よろしくお付き合い下さい。

 さて、近年より日本社会において少子高齢化と国家財政状況の劣化は、地震とは関係なく日々進行してきましたが、今後は地震対策で財政的に更に負荷がかかることになると思われます。いずれ、これに対処する政府の予想される行政及び税制措置などにより、国民一人一人の閉塞感は日増しに高まってくると思われます。また同時進行して日本全国の経済活動は当面、鋭角的に落ち込むと覚悟しなければなりません。

 現実に今回の大震災による地震災害保険及び死亡保険の給付や被災地区のインフラ整備復興の費用、更には東京電力の放射能漏れによる補償問題など、何十兆円規模の出費が余儀なくされます。また、電力や製品部品等の供給不足のため企業の生産活動が停滞し、今後景気低迷が長期化する懸念が出てきております。

  

 それに呼応して国民の将来に対しての不安感から、私どもの流通業界において今以上の買い控えや節約志向が主流となってまいります。 そこで私たち小売業に携わる者として今後の国の政策や消費者の動向について、しっかりと見極めそして的確に対応していくことで業界から淘汰される側ではなく、生き残る側に着地していくことが絶対条件となります。

 そこで加盟店の皆さんにその絶対条件のポイントを私から改めてご提案したいと思います。内容的には、従来より再々お伝えしてきた事の繰り返しとなりますが、ここでしっかりと腹を据えて体得して頂きたいと思います。

 そのポイントを3つ列記してみますと

   ① あらゆる情報に敏感になり、情報整理しながら前向きに対処する

   ② 従来の商売における考え方について、『発想の転換』を試行する

   ③ 仲間との情報共有を推進し、本部との連帯をさらに強化する



① あらゆる情報に敏感になり、情報整理しながら前向きに対処する

  ・取り敢えず、貪欲にビジネス情報を様々なルートで収集する。

  例えば、商品情報や販促情報などは、本部西田社長宛てに電話等で、積極的にメーカー様や取引業者様等の新情報を入手する。当然のことながら、本部からも逐次メール等で情報提供いたします。

 ・また店舗運営情報については、特に財務面などは井上宛にどしどしお問い合せいただき、財務体質の細分化指導を受け、『体脂肪一ケタ台』の店舗運営を目指す。いわゆる体質のスリム化を実現する。

 ・メーカー様や卸様の担当者から、商品供給の見通しや業界の推移などを常に情報収集する。

                などなどです。



② 従来の商売における考え方について『発想の転換』を試行する 

  ・「試行する」とあるのは、従来からの染み付いた体質を180度転換するのは、なかなか難しいと思われますので徐々にトレーニングしながら体質改善を行なって下さい。ただし、あまり時間は残されておりません。

 ・『発想の転換』と硬い表現をしておりますが、要は考え方の幅を少し広げて柔軟に取り入れていく姿勢をもっていただきたいということです。

  例えば、下記の内容について「バランス」を徐々に移行させていただきたいと思います。

   *売上高至上主義 ⇒ 利益額至上主義への移行

   *酒・食品を中核とした商売 ⇒ 地域密着型の『 なんでもあり!』

   *新規客増客販促 ⇒ 既存客固定化・PI値アップ販促への移行

     (新規客獲得は必須ですが、既存客満足から口コミ効果を創出)

   *大ロット多品種販売 ⇒ 小ロット多カテゴリー販売への移行

   *お金(経費)をかけた販促 ⇒ 知恵と手間をかけた販促へ

   *売り手側の考え方 ⇒ 真のお客様視点で自店販促を見つめる

   *損をしない商売 ⇒ 『損して得を取る』 目先で商売しない

   *他力本願の広告宣伝 ⇒ 自前作成し、現場の知恵を繰入れる

   *メーカー等からの販促 ⇒ お客様ニーズからの販促活動

     ( トップダウンの商流から、ボトムアップ型の販促へ )

                                     などなど・・・

 以上のように『発想の転換』は、まだまだ際限なくありますが今後人口減や今回の大震災で急激に消費が落ち込んでいくという前提で対策を考えて頂きたいと思います。

    

③ 仲間との情報共有を推進し、本部との連帯をさらに強化する

 ・今回の震災において、本部を中継して様々な情報がメーカー様・卸様及び加盟店様間でアウトインされています。また、関西地区では加盟店様同士で商品の供給の相互やり取りが自然発生的に実施されております。

 ・ここで感じることは、一般酒販店の皆さんはどのようにしてこの難局をクリアされて行くんだろうかという問題です。直接的な商品の回し合い等が無くとも少なくとも精神的な部分での仲間が存在するのだろうかという事です。

 ・いま東北地方の避難所におられる皆さんの仲間意識の大切さをテレビ等で報道されたとき、いずれ間接的な被災者となっていく私たち小売業者が逆に彼らから学ぶべき事が多々あるように思えます。     

       

 最後になりましたが、イタリアセリエAのインテルに所属の長友選手が震災後の試合に出場し、劇的な逆転勝ちしたのを皆さんご存知でしょうか? そして試合後、下記の「日の丸」を持って観客の皆さんにアピールし、5万人の観客から日本への励ましの拍手を頂きました。そして、その「日の丸」には、欧州サッカーの有名な応援歌のタイトルが書かれておりました。



     『 You’ll never walk alone !』 (君は、ひとりじゃない!)

  

 いま日本は、未だかつて経験したことの無い困難に直面しております。そして、その日本に住まいしている私たちも大変な状況におかれております。しかし、私たちには仲間がいます。



 だからこそ、今こそ被災者の皆さんも、ドリームチェーンの仲間も、そして日本全体が一緒に声高らかに、こう叫ぼうではありませんか!



     『 ネバーギブアップ!』 そして、『 イエス ウイ キャン!』

  (注) 日本人が英語で叫ぶってのは、おかしな表現ですよね・・・。



  今月もご覧頂きまして誠に有難うございました。