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10月号 『 逆境時代の商売のあり方について 』

10月号 『 逆境時代の商売のあり方について 』

 みなさん、こんにちは! 最近のTVのニュースでは、北海道の山間部を中心に既に紅葉が真っ盛りという報道がありました。

都市部では、まだまだ昼間の暑さに閉口してしまいますが、朝晩はすっかり楽になりました。

 自然の摂理と申しますか、秋の時期になるとやはり秋になりますね!

       

 さて、今月も徒然日記を掲載いたしたいと思います。

 今月のテーマは、『 逆境時代の商売のあり方について 』 という事で、いま日本全国の小売流通業界の中で圧倒的にお客様から支持を得ているコンビニ業界を例題としてお話しさせて頂きたいと思います。

 『コンビニエンスストア』(直訳すると便利なお店)の誕生秘話について、私の知る範囲での内容でご説明いたしたいと思います。コンビニのスタートは、1927年アメリカ合衆国テキサス州でオープンさせた氷販売店が始まりだといわれております。会社名はサウスランド・アイスカンパニーといい、当初店舗名は「トーテム・ストア」と呼ばれていました。

 1946年に店舗名を当時の営業時間にちなみ、「7-Eleven」に変更されました。という訳でコンビニの草分けは、「セブンイレブン いい気分!」なのです。1927年から遅れて12年後、1939年にオハイオ州のミルクショップ「ローソン」が開店いたしました。(ローソンは、創始者の名前〔J・Jローソン〕からきていまして、また看板のロゴのミルク缶は、牛乳屋さんであったからです。)

       

 さて、『セブンイレブン』に戻りますが、先述の通りサウスランド社は、氷の製造販売業者でありまして当時まだ家庭に電気冷蔵庫が普及していなかったため、周辺住民にとって保存用氷は、なくてはならない存在でした。      という事で商売は、大繁盛していました。

 しかし、1930年代前半から普及されだしたGE社(ゼネラル・エレクトリック社 創始者エジソン)製の電気冷蔵庫に押されて保存用氷の需要は激減していきました。

会社存亡の危機でありました。 緊急役員会の中では、年配の役員たちが的確な対応策を考えることなく、GE社に対して恨み辛みを述べ、ただ現状を嘆くばかりでありました。

     (かつて、どこかの小売組合の会合に酷似していますが・・・)

 そこで、ある若手社員が手を挙げ、『今後、アメリカ社会において各家庭に何千万台の電気冷蔵庫が普及するのであれば、これは逆にチャンスである。いつまでも保存用氷に執着するのではなく、電気冷蔵庫の中に入る商品(例えば、卵や牛乳・飲料など)を商品開発し、販売していこう!』 という発言があり、更に
『ついでに「電気冷蔵庫」の枠から更に大きくして「住居全体」を考えた時、人間が朝7時に起きて、夜11時に寝るまでに家の中で使う小物商品(歯ブラシや食パンなど)を洗い出し、それを50から100坪の店舗面積の中で売れるものを優先順位をつけて展開していこう!』
という事になりました。 これが『セブンイレブン』の始まりでした。

 ここで、私たちは 『 何を学ぶのか!』 であります。 逆境の中で『レスポンス脳』を使ってポジティブに対応策を考えていく事の大切さがいかに大事であるか です。 日本に初めて『セブンイレブン』のシステムを導入した現イトーヨーカ堂名誉会長の鈴木敏文氏も導入したキッカケは、『逆境からの選択』でありました。(鈴木敏文氏の話をすると、また長くなりますので次の機会に・・・。 鈴木さんも辛い時代があったんですよ!)

 『 逆境時代の商売のあり方について 』は、まず気持ちを前向きに持っていく事と、そして次なる時代の流れをしっかりと情報収集のうえ把握して対応策を一人で考えないで、みんなと一緒に意見を戦わせて議論していく事が肝要であると思います。

    



 例えば、先日の秋季研修で事例発表いただきました岐阜市の日乃出屋さんの市橋氏は、かつて店舗周辺の商圏は『お年寄り』ばかりと嘆いておられましたが、それを逆転発想し積極的に『お年寄り』のニーズにあった商材を探し出し、そして提案販売され、確実に利益の上積みをされておられます。

 将来は、独居老人を対象にした低価格弁当の宅配も視野に入れておられます。高齢者の消費ゾーンは我々にとって、まさに宝の山とおっしゃっておられます。

 このように、店売りであろうが宅配であろうが自店の回りにお客様がおられる限り、何か工夫していけば必ず活路が生まれると確信する事です。それが『商人の心意気』です。

 嘆きからは、何も生産性のあるものは生まれてきません。常に脳に刺激を与えながら、お客様との会話の中で、そして仲間との議論の中で『次なるヒント』を見つけ出していきましょう!

 という事で、今月の徒然日記は終わりますが、10月後半からは、いよいよ御歳暮商戦の準備へと突入してまいります。

是非とも1年の中で最大の催事であります年末商戦を昨年よりもさらにひと味加えたアイデアを駆使して、素晴らしい成果へと結び付けていただきたいと祈念いたします。 

    



それでは、また来月にお会いいたしましょう! 失礼いたします。


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