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7月号 『  豊平川の鮭の遡上って?! 』 Vol.89

 7月号   『  豊平川の鮭の遡上って?! 』 Vol.89



 みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿いたしたいと思います。





 いよいよ、夏 真っ盛り!! 毎日暑い日が続きますが、みなさんお元気で夏商戦、頑張っておられますか。

この時期、年々最高気温が更新されておりますが、熱中症にならぬようお体ご自愛ください。



 という私もちょっとここにきて夏バテ気味で、毎日包装包装・配達・荷受け等々で疲労困憊、満身創痍といったところでしょうか。年々体力が低下するにもかかわらず、仕事の量が更に増えるといったパンパンの状態です。



 ただ、この年になっても健康で一生懸命働かせてもらっているということに対して、とても有難く感謝しなければなりませんね。東大阪店の業績数値も良好ですし、疲労とは裏腹に毎日楽しく仕事をしており、人生晩年の生き方として大変充実いたしております。



 さて話は変わりますが、先月日経MJで今年の上半期 ヒット商品番付が発表されておりました。内容は下記のとおりですが、安倍首相が進めているアベノミクスによるデフレ脱却とはなかなかいかないようです。



          

    



 いかがでしょうか。 かつてアベノミクス初期に盛り上がった 「ちょい高消費 」 は、すでに過去のものとなりお客様は再び安値を求める様相となってきたと分析されているようです。そうですよね、われわれ日々商売をしていても、景気が良くなってきているという実感がまったく無いですよね。



 前月お話しさせていただいたようにイギリスEU離脱など世界情勢を見ても地球全体がデフレ傾向にあるのは間違いないでしょう。今後十数年間、世界的にデフレ化による不景気が続くのは避けられないと思います。



 昨今われわれチェーンにおきましても、日本国の人口減少という動向を見て、量よりも質の向上というものを標榜し店舗体質のカイゼンに取り組んでまいりました。しかしながら、それは『 品質向上 = 高値提案 』 ということではなく、やはりリーズナブルな安価提案も継続的に同時訴求していかなければなりません。



 いわゆる再三申し上げてまいりました 『 粗利ミックス』 の徹底 につきます。東大阪店では、この2年と6ヵ月をかけて当時年間粗利益率14.0%を15.5%へと引き上げてまいりました。さらには、今後3年と6ヵ月後2020年に向けて、粗利益率18.0%達成を目標にして活動内容を具現化してまいりたいと思っております。



 2020年までは、日本経済も東京オリンピック需要ということで、ごまかしながらも何とか景気は維持していけると思います。しかしながら、オリンピック開催後の日本経済について明るい話題が見えてまいりません。おそらく予想だにできない不況に直面することは必至であります。



 その時に粗利益率15%以下の加盟店様におかれましては、大変な状況に追い込まれると推察されます。どうぞ、あと3年と6ヵ月の間に粗利益率アップのための行動を速やかに実施していただきたいと思います。



 その行動内容については、例年開催されております2016秋季勉強会 [ 9/13 (火) 新大阪 開催 ] にて事細かくご提案させていただく予定となっております。ただ、先んじて東大阪店では、東大阪店オリジナル戦略
『 リメイク 2020 』 と銘打って当面2020年までと、次に2020年以降の中長期事業計画を立案し、間違いなくやってくるであろう不況期対策を今から準備怠りなくしていきたいと思っています。

   



 その当面の数値目標が、粗利益率18.0%なのです。その他にいくつかの数値目標がありますが、今年の9月よりの事業計画書作りの中で、具体化していきたいと思います。また機会があれば、その進捗状況をこのブログの中で随時ご紹介してまいりたいと思います。







 さて、今月のテーマは、『 豊平川の鮭の遡上って?!』 とさせていただきました。遡上って言葉は、普段なかなか使わないんですが、読み方は「ソジョウ」って読みます。いわゆる川の下流から上流に向かって上っていくということなんですが、みなさんご存じ「鮭は川で生まれ、海に出て、再び生まれた川に帰って来ます。そして、上流域で産卵し、その後命尽き鮭の一生が終わります。」



 例えば、北海道における各河川から海に出た鮭たちは、春 北に向かいオホーツク海で過ごします。その後 ベーリング海へと向かい、アラスカ湾でUターンして千島列島沿いに南下し、平均約4年の歳月をかけて生まれた故郷の河川へと産卵のため帰るのです。



 鮭が生まれた川に帰ってくることを 『 母川回帰 』 と言うらしいのですが、広い広い海原に出た鮭はたくさんある河川の中で、なぜ生まれた川を見つけることができるかという素朴な疑問がわきます。その答えは、いろいろ諸説があるらしいのですが、一番有力な説が「生まれた川のにおいを覚えている」 ということらしいです。

 



 今回このテーマにしたキッカケは、最近レジに入っていて来店されるお客様の動きを見たり、接客時の会話の中で旧来(スリープ客)のお客様がまたボチボチと来店され、お買い物いただいているという実感があります。そして、そのほとんどが、ギフト購入客であります。



 お客様と鮭とを同じにするのは大変失礼な話なんですが、ドリーム東大阪店の旧顧客の 『 母川回帰 』 が少しずつ現れているのでは・・!! という淡い期待と分析をしております。



 私が30代の時に、ある経営セミナーに参加し、その時経営コンサルタントの先生からお聞きしたのが、『豊平川の鮭の遡上』 の話でした。その話になぞらえて 『基本四原則の徹底』の大切さを説いておられたのを記憶しています。今から30年も前の話ですのでうろ覚えでしかありませんが、その言わんとする内容をお話ししたいと思います。



 さて豊平川は、山岳地帯を抜けて石狩平野に至り、広大な扇状地を形成しています。アイヌ人はその扇状地の様子をサッ ・ポロ ・ペツ(乾いた大きな川) と呼び、これが「さっぽろ」の地名語源となったとされています。そして江戸中期ごろから、鮭の漁場として栄えていたといわれています。 



 近年、昭和30年ごろまでは漁場として賑わいをもたらしていたということですが、そのころから豊平川に上る鮭がピタッといなくなったのです。理由は明らかです。北海道の中心都市として高度経済発展を目指す中で人口がどんどん増え、その結果市民の生活排水などが垂れ流しとなっていったからなのです。



 いわゆる 『川のにおい』 が変わってしまったのです。そのため鮭は、自分の生まれた川を見つけることができなくなったのです。その後、十数年間は鮭の遡上は見られず、昭和49年から
『カムバックサーモン』 という市民運動が始まり、昭和54年までに川の水質改善がなされ、稚魚が放流され、その3年後から豊平川に数十匹の鮭の遡上が見られてきたのです。そして、平成7年には6600匹の鮭が確認されました。



 北海道の他の河川に比べるとまだまだ遡上数は一ケタ違いますが、札幌市民の努力がきれいな川を取り戻し、鮭やその他諸々の生命体の復活を成し遂げたのです。



 いかがでしょうか。いま現在のわれわれの店舗に当てはめた場合、様々な商環境の変化の中でお客様離れが始まり、来店客数減が深刻な状況となっております。再び回帰現象を起こすためには、その環境や流れを変化させなければなりません。



 その変化のためには、いろいろな要件が必要とされますが、まずは基本四原則の徹底(QSCF) と新しい商材の提案となります。そしてその2点の共通するキーワードは、『居心地の良さ 』 ではないでしょうか。



 単なるお店の清潔感というものだけではなく、フレンドリーな会話や接客がお客様の心を和まさせていただける、そのようなスタッフ ( ご夫婦二人だけでもOK!) がいるお店。是非ともお客様の遡上がどんどん促進されるお店作りを目指して日々精進していただきたいと思います。



 店舗風土や企業風土というものは、豊平川のように悪化するときは一気に劣化しますが、再び好転させようとしても長い時間と努力が必要となります。かつて私も本部の仕事に忙殺されていたという言い訳がありますが、長年手間をかけてこなかった東大阪店をこの2年半の間、基本4原則を中心に店舗風土浄化のため頑張ってまいりました。



 しかしながら、まだまだ道半ばです。 『 リメイク2020 』 ドリーム東大阪店では、先述の『 居心地の良さ 』 を中心に据えたコンセプトで、この秋より新戦略を練ってまいりたいと思います。今後とも、現場を通じてドリーム・酒匠・米匠チェーン加盟店皆様のリードオフマンとなれるよう努力することをお伝えいたしまして、今月の投稿を終えたいと思います。

     



今月もご覧いただき誠にありがとうございました。