みなさん、こんにちは!井上です。
この度、本部の代表として、また一個人として加盟店の皆さまと定期的に情報のキャッチボールをやってみたいなと思い、一念発起いたしまして、ブログを開設いたしました。
そして、そのタイトルは『徒然日記』と命名いたしました。
今後は、毎日とはいきませんが定期的に(最低月一回)徒然なるままに日々の中で感じた事や出来事、また全国の加盟店様のご活躍やプロフィール、さらには業界ニュースや世界の時事などアレコレと持論を述べていきたいと思っております。
大阪のオヤジが何か語ってるなという感じでご理解いただけましたら有難いです。
さて、今回は第1回目ということもあり、余り仕事っぽくないものをテーマにしたいと思います。
今年の各店販売戦略などは、来週からの各地区新春フォーラムにてご提案する予定ですので今回は、この『徒然日記』のサブテーマであります“人の出会いを大切に!”という事を題材にお話ししてみたいと思います。
読み終えるのに恐らく10分ほど要すると思いますがお付き合いのほどお願いいたします。
さて、上記の言葉をご覧になった事がおありでしょうか?多くの方が、この一編の詩をすでにご存じかと思いますが・・・、そうです「相田みつを」さんの『にんげんだもの』という
詩集の中の一つです。
私とこの詩集との出会いは、今から20年前のある方との出会いが始まりでした。
そして、その方のお名前は、『山田義重』氏という方でした・・・。
そうです、その方をご紹介するのに過去形を使わざるを得ないのが残念でなりません。
山田氏は、15年前51歳という若さで無念の病死を遂げました。
自分の人生にとって、山田氏とのこの劇的な5年間を全てここでお話しは出来ないのですが、先ほどからの“出会い”の部分について、お話ししたいと思います。
22年前、所用で大阪空港から鹿児島へ行く際、空港の書店でたまたま買い求めた本が『アサヒビールの挑戦』という書籍でした。
ちょうど業界に「スーパードライ」がデビューする一年前です。
その中に、これからのアサヒビールを変革させる『七人の侍』の話がありまして、実はその中の1人に山田氏の名前が入っていたんです。
当時、全国に100支店以上あるアサヒビールの中で、若くして新宿支店長であった山田氏の業績全国トップ支店の武勇伝が紹介されていました。
その時は、メーカーと小売屋との違いはありますが同じ業界人として、その活躍ぶりを見ますとスゴイ人がアサヒさんにいるもんやなーと思う程度でした。
まさか、その人と出会えるなんて・・・。
その半年後、偶然の偶然で大阪支社副支社長として赴任されてきた山田氏と、ある方の紹介で初めてお会いしました。
その時のインパクトというものは、本当にスゴイものでした。
関東弁(標準語とは言いません)で熱く語られるそのノリは、まさしく関西人のソウルそのものでした。私もまだ30代の頃でしたから、訳もわからず何やら熱く語ったように覚えております。
お互いすぐに意気投合して、その夜他のメンバー達と『北の新地』で飲み歩きしました。
その時、同席されていた福地支社長(後に社長に就任され、現在NHK会長を歴任)から「井上さん、この山田君はおそらく近い将来弊社の社長になる男だよ!」とこれまたホロ酔いかげんで熱くお話しされておられました。
前置きが長くなりましたが、なんせこの山田氏のスゴイのは肩書きで仕事はしていなかったという事です。
ある時、アサヒさんと大阪府小売酒販組合幹部との宴席で、ある筆頭幹部が酒屋特有のメーカーいじめの理不尽な言動があり、正義感が暴走してお膳をひっくり返してその酒屋さんと殴り合いをするぐらいの人でした。
私もその時同席していましたので後から止めに入った事を覚えております。
そんな出来事も山田氏との5年間のお付き合いの中でのほんの一例でした。
実は、本題はこれからなんです。
その山田氏から、ある日一冊の書籍が宅急便で送られてきました。てっきりイメージとしては、ビジネス書かと思い、開封してみると実はそれが相田みつを詩集『にんげんだもの』だったのです。
いつもお会いして話しをする事は、営業のテクニックや業界のあるべきビジョンなど、現実的な話題ばかりだったので、その本のタイトルを見た時、本当に意外でした。
早速、大阪支社へお礼の電話をした時に、
山田氏から
「井上さん、あなたの商売に対する情熱やこだわりには、いつも感服しています。前向きな取り組みや積極性に共感もします。
しかしながら、私があなたを客観的に見た時、どうも危なっかしいところが多々あります。
階段の踊り場のように、たまに立ち止まって自分の『生き方・生きざま』について考える時間が大切ですよ。
人も動物も植物も『根っこ』が、あるかないかで成長度合いが決まるものです。
急ぐほど足を取られることが人生にはつきものなんですよ。」
という返事をいただきました。
私はその時受話器を持ちながら手が震えていたのを覚えています。
まだ本の中身を見てはおりませんでしたが、山田氏の私への人生のアドバイスがこの本に全て凝縮されていると感じさせられました。
自分自身のうぬぼれからくる情熱やこだわりに何の意味があるのか、自己中心的な前向きさに誰が共感してくれるのか、本当に自分の未熟さに情けない想いをいたしました。
いわゆる『目からウロコが・・・』という衝撃でした。
今もなお、その人生のテーマは克服できず、試行錯誤の毎日ですが、私の人生の根底を変える山田氏との『出会い』と、今では形見となってしまった一冊の本が今の自分を形成してもらえたのではと自戒し、心より感謝しております。
人は、この情報化社会の中で多様なニュースソースを基に情報収集し、様々な知識を蓄え成長していきます。しかし、それ以上に毎日繰り返される『人との出会い』の中にこそ、真の成長が形成されると、私は信じて疑いません。
人は、『出会い』の中から、『何かを気づき』そして努力して成長していくと痛感いたします。
どうぞ皆さまにも、人生の素晴らしい出会いが、これからもありますよう心から願います。
“人の出逢いを求め、楽しみそして大切に!よき出逢いを・・・”
最後に、その相田みつをさんの『にんげんだもの』から詩の一節を引用して第1回目の投稿の結びとしたいと思います。
〔故山田義重氏へのレクイエムとして捧ぐ〕