記事一覧

8月号 『 商品を高くお買上げいただくためには?! 』 Ⅴol.43

 8月号 『 商品を高くお買上げいただくためには?! 』 Ⅴol.43



   みなさん、こんにちは! 今月も徒然日記を投稿いたしたいと思います。



 

 毎日暑い日が続きますネー! 今年も案の定、うだるような残暑厳しい年となってしまいましたが、我々飲料を取り扱う業者としては決して悪いことばかりではありません。



 ましてや、自然と相対峙してこの暑さの中でも秋の収穫を心待ちにされておられる米作農家の方々は、冷夏よりも陽が燦燦と照り続けるこの暑さこそ、糖度が増す品質の良いお米の源となる訳ですから、大歓迎といったところですかね。 ただし、何事にも限度はありますが・・・。(高温障害も大敵ですから・・・)



 さて話しは変わりますが、この時期子供たちにとっては今年の夏休みも残りわずかとなり、宿題仕上げのラストスパートといった具合ですが、我々本部のスタッフも夏の終わりを皮切りに今夏の中元期の総括やそのためのデータ取りなどで結構バタバタとしております。



 また、来る9月9日(日)の定例秋季店長研修の準備なども重なりまして、これからの10日間は資料作りに追われる毎日といった感じになると思われます。



 そこで、すでに皆さま方にもご案内しておりますが、あらためて今回の研修会のテーマをご案内いたしたいと思います。



 



 というテーマに基づいて、当日のプログラム内容を組み立てております。


             拡大版はここをクリック



 そして、今回のプログラムのメーンとして、外部講師として酒類の業務用市場のコンサルタントとして著名な㈱日本コンサルタントの山本稔氏をお招きして講演いただくことになっております。



 山本氏からは、小商圏内に点在する小規模料飲店様への新規開拓や既存料飲店様への顧客管理と申しますか、低価格面だけでなく如何に付加価値サービスで 『 顧客から、生涯顧客へ 』 に繋げていくのかを全国の繁盛業務用酒販店の事例などを取り入れてお話いただける予定でございます。



 また、加盟店活動事例発表といたしましては、ドリーム姫路市川台店の田中氏・酒匠米匠津田本店の津田氏より、さりげない外商活動にて好結果をもたらしたエピソードなどをお話いただきまして、その後参加者全員で意見交換をさせて頂きたいと思います。



 そこで毎年同じ事を申しますが、今回の研修で体得されたことを秋から年末商戦へとアグレッシブに具現化していくことが、この閉塞感漂う時代にこそ是非とも必要であると強く申し上げたいと思います。




拡大版はここをクリック

 上記、① ② については、全国のチェーン仲間同士で刺激し合い、そして情報交換していく中で「一皮、一皮、殻が剥けていく」 のではないでしょうか。その仲間が集う絶好の機会が今回の研修会であると思います。



 暑い日々が続く現場では、まだまだ多忙であるとは思いますが、是非ともご参加賜りますようお待ちいたしております。





 さて、話しは本題に入りまして、今回8月号のテーマについてですが、『 商品を高くお買上いただくためには?!』 といたしました。ただ、このように表現いたしますと、何かお客様に高く商品を売りつけるように思われてしまいそうですね。



 しかしながら、そうではなくてあらゆる商品には、低価格というのが全ての価値ではなく、それぞれの複合する価値がその商品に存在するわけですが、果たして私たちはその価値に気づいているのでしょうか? その価値を見つけ出そうとしているのでしょうか? そして、お客様にその価値をお伝えしようと努力しているのでしょうか? という訳です。

 



 残念ながら、私どもドリームチェーンでは「お酒のディスカウント」という切り口で、今日まで営業してまいりました。そのために、私たちは「安さが、お客様にとって最高の価値だ!」 と思ってしまっていることが、問題であるとここで申し上げたいと思います。



 先日、8月21日夜8時より月例兵庫エリア会議が開催されました。その会議議題の各店活動報告の中で、神戸市須磨区のデリバリーあだち・代表足立氏より、自店では「キリンのどごし350ml 1ケース」 2880円で販売していると報告がありました。さらに、同席しておられた同店店長の妹尾さんにお聞きしますと、その値段でも充分売れているとおっしゃっていました。



 



 そこで、神戸市兵庫区のなら酒店、奈良氏にその件で意見を求めますと、ひと言「自店では、ありえない!」とびっくりした表情で発言されました。ちなみに、なら酒店さんの特売価格は、2368円ということです。確かに私も2880円!!ということで、ビックリと同時に本当にうらやましい限りだと思いました。



 しかしながら、その当該商品(のどごし)の品質はどこでも同じなのに、お客様は何故価格が高くてもお買い上げされるのかという疑問を紐解けば、それはそこにデリバリーあだちさんのお客様への付加価値が潜在されているものだと頷かされました。



 その場で、私はホワイトボードに下記のような数式を書いてメンバーにお話しいたしました。



 



 上記のホワイトボードをご覧になって 「 何のこっちゃ?!」 (大阪弁ですが・・・) となる訳ですが、20年前のドリーム1号店東大阪店の事例をご紹介しながら、ご説明いたしたいと思います。



 20年前の酒販業界は、まだまだ全国小売酒販組合の力が強く、酒類価格の規制が根強く残っておりました。そこで、私は㈱船井総合研究所のご指導を受けながら、東大阪市で初めて酒ディスカウントをスタートさせました。



 当然のことながら、業界内では様々な軋轢があり、厳しい圧力や迫害に遭遇したわけですが、逆にその分お客様からは、予想以上の支持を得ることが出来ました。



 そのお客様の支持、言い方を変えれば『お客様満足』 ( C S ) ということですが、具体的に数値化してみると、先ほどの数式でその意味が理解できると思います。



 まず、東大阪店が打ち出したビール350ml缶1ケース価格が4280円でした。(ちなみに、その時代には、まだ発泡酒や新ジャンルは世に出ておりませんでした。) 当時の一般酒販店の販売価格が、5280円でしたので1000円の格差がありました。



 そこで、東大阪店では、店頭に大きなテント地の横断幕を掲げました。

 



 お客様満足は、100%を超えることが重要となりますので、当然東大阪店は、当時大繁盛いたしました。しかしながら、現在はどうでしょうか。お客様は、現在の東大阪店のビール価格に対して感動もしないし、当然満足もされておりません。 それは、次なる数式で分析できます。

 



 ここで、はっきりしているのは、常に時代と共に市場価値は流動的に推移しているということに気づかなくてはなりません。あだち店さんのように、速配デリバリーやお客様との良好な人間関係作りといった付加価値を提供することにより、販売価格を高めるという考えも私たちが選択する一つかも知れません。



 ただ、滋賀県のしくマルハチ店さんのようにビール系飲料は、客寄せ用カテゴリーと考え、店頭価格4080円で販売して地域最安値を実現されております。(当然、満足度100%超えとなります。) ただし、マルハチ醤油という製造直売の高粗利益商品(率約50%)を販売努力し、育成されているという戦略が同時進行されることが絶対条件となると思います。



 最後になりましたが、『顧客価値の創造』 とは従来からの課題となっていますが、今もって十分にそれぞれのお店の中で発揮されてはおりません。それには、そこに働くスタッフ一人一人に、特に店長や経営者の意識の問題があると思われます。



 販売するスタッフが価値というものに気づいていないものは、お客様に伝えられません。そして、伝えられていない価値にお客様が気づくということは、かなり難しいことだと思われます。



 いや、もしかしたら様々な情報入手手段から、かえってお客様の方がよくご存知かも知れない。そう考えると、プロの販売員とは、何ぞや!!   ということをお伝えして今月の投稿を終えたいと思います。



       今月もご覧いただきまして誠に有難うございました。