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11月号 『 お客様満足実現のプロセスを考える 』 Vol.34

11月号 『 お客様満足実現のプロセスを考える 』 Vol.34


〔1+3=□ 2+4=□ 5+6=□ VS □+□=4 □+□=6 □+□=11〕



  みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。



 いよいよ秋も深まり、大阪では町の街路樹の紅葉が鮮やかになってまいりました。メタボ対策として運動のため、たまに自転車で出勤するんですが、車と違ってスピードが遅い分、晩秋の風情がゆっくりと感じられる今日この頃です。

   



 そんなのんびりとした気分もお店に入ると一転して、ギフトチラシの第2弾ポスティング配布準備や前回お買上リストを持参されお歳暮ギフトのご注文をされるお客様の接客対応など、ドタバタと現場では慌しくなってまいりました。



 そういえば、あと数日で『師走』なんですよね。お恥ずかしい話ですが、中学生時代に『師走』とは、学校の先生(教師)が二学期の終盤ということで忙しくて走り回ることが語源と信じておりまして、のちのち友達から大笑いされ初めてその語源を知ったというエピソードがあります。



    

 皆さんご存知かと思いますが、正しくは古く平安時代にさかのぼり、その由来は僧侶(師は、僧侶の意)が仏事で走り回る忙しさからきたものなんですね。



 この不景気の世の中、残り1ヶ月の中で僧侶でも我々商売人でも全国のあらゆる業種の方々が走り回る忙しさに恵まれることを大いに願いたいところです。







 さて僧侶といえば、話はガラリと変わりますが先日久しぶりに家内と一緒に『紅葉狩り』をかねて西国三十三ヶ所寺巡りに出掛けてまいりました。今回は、第10番札所 三室戸寺(宇治)から第16番札所 清水寺(京都東山)までお参りをいたしました。大げさに言えば巡礼ということなんですが、恥ずかしながら私にはそんな信仰の心得などまったくありませんので、まことに不謹慎でありますが、ちょっとしたスタンプラリーのような感覚で続けております。



  



   



 しかしながら、自然の中で仏様に手を合わせておりますと不思議と心が洗われ何か一瞬たりとも雑念を忘れられるというか、そのときの時間・空間、いわゆる時空間が一体化するというか、日本の宗教文化の奥深さに触れられることが出来ます。



      『 心が形をつくり、形が心を作る 』





 私が自分の人生の中で大切にしている言葉の一つなんですが、全ての人に対しての感謝の心があるのなら手を合わせることから始める、そして手を合わせるという形が感謝への心へと通じていく、そのような繰り返しの中で人は成長していけるような気がします。





 このフレーズは、商売の中にでも通じることでお客様と私たち商人との関係性も同様で、「いらっしゃいませ!」というたったひと言の挨拶用語という形からお客様に心が伝わることの大切さ。 

 ということは、マニュアル漬けされ、心がこもっていない挨拶は、何の意味もない!ということに帰結されます。





 「形にも常に意味がある」 ということを自覚したときに初めてお客様への『おもてなしの心』が芽生えてくるような気がします。また皆さんとお話が出来る機会があれば、是非とも京都の『MKタクシー』のドライバー1泊研修のエピソードをお話しさせていただきたいと思います。青木前社長の提唱で、京都嵯峨の大覚寺を借りきって開催されたお客様への挨拶をテーマにした研修内容は本当に接客業の基本というものを感じさせていただけます。

  



 そのような基本四原則に則ったお客様満足実現が、時代が変われどもいつの世でも非常に大事なことであるといえます。そして、その基本を習得した上で次に大事になってくるは、個々の考える力です。





 ここで、冒頭に取り上げておりました算数のテスト問題をご覧いただきたいと思います。



〔1+3=□ 2+4=□ 5+6=□ VS □+□=4 □+□=6 □+□=11〕



 左側の数式と右側の数式の違いを皆さんお分かりになられると思います。解説しますと左側が日本の小学生へのテスト問題で、右側がイギリスでのテスト問題なのです。

 日本の場合は、結果を求める特徴がありますが、イギリスの場合はどの鍵を使えばよいかを考えて問題を解きます。



 いわゆる日本では、結果重視であり、イギリスでは過程(プロセス)を重視し、『考える』面白さを学ばそうとしています。日本では、答えは一つであり、イギリスでは、答えは数種類ある。そこに『考える』面白さがあるのです。そして、面白いから又考えるというプラススパイラルとなります。



  



 そこで今月号のテーマにいたしました『 お客様満足実現のプロセスを考える 』 についてですが、私たち物販業を営むものとして先ほどの数式に当てはめてみますと、=(イコール)の先にある答えは、何かと申しますと「売り上げ増」や「利益増」ではなく、その根拠となる『お客様満足の実現』にあるのです。そして、その結果として売上や利益に繋がっているものだと認識する必要があります。



 その次に大事なことは、『お客様満足の実現』へと答えを導くプロセスがどうあるべきなのかということであります。そこで登場してくるのが先ほど申し上げました『イギリス式算数』の考え方なのです。私共のチェーンはフランチャイズチェーンということで、従来は本部と加盟店様の考え方は、答えを出すプロセスの段階で本部が皆様に画一的にご提示してまいりました。どちらかといえば、『日本式算数』のやり方で踏襲してまいりました。



 しかしながら時代が変わり、消費者の志向やニーズといった外部環境が変化していくの中で、またドリームや酒匠米匠に参加される方々の規模や業態、そして市場性・立地などの違いの中で画一的な販促や商品構成で果たして地域のお客様の満足・支持が得られるのかという問題に直面いたしております。



 近年、本部の考え方として徐々に日本式⇒イギリス式へと移行していっておりますが、来る2012年は、日本式・イギリス式のそれぞれの良さを取り入れて更に筋肉質のお店作りを目指していきたいと思っております。



 そのためにも、そのプロセスにある□+□+□を本部・加盟店全体で様々なパターンを自ら考えることが重要になってまいります。そして、その幾通りものパターンを全員で情報共有することがこれからのチェーン強化の礎となることを確信しております。



 是非とも来年は、いやこの文面をご覧になった時点からでもお互いに様々なお客様満足を実現する工夫や仕組みを試行錯誤しながら、前に向いてチャレンジしていきましょう! そして、地域のお客様にとってなくてはならないお店作りを目指していこうではありませんか!



 最後に、皆様の歳末商戦のご健闘を祈念いたしまして今月号を終わりたいと思います。





      今月もご覧いただきまして誠にありがとうございました。