記事一覧

8月号  『 混迷する秋冬商戦 』 Ⅴol.138

8月号  『 混迷する秋冬商戦 』 Ⅴol.138

 みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。

 



 いやー、毎日毎日暑い日が続きますね。7月は、長い梅雨が続き早くカラッとした夏が来ないかなと心待ちいたしておりましたら、来たら来たで限界を超えた暑さ到来ということで、いやはや自然現象というものは、これだけ進化した人間界においても、どうしようもないということを改めて思い知らされております。



 そんな中、先日うちの家内が買い物から帰宅して即、「お父さん、このキャベツ一玉いくらすると思う?」 と聞かれ、適当に「200円ぐらいか」と答えると、大きな声で「何言うてんのー、480円もしたんよー」と叫ぶではないですか。私にとってはどうでもいいことなんですが、家内にとっては大問題。

 

 



 その後、ホウレンソウやジャガイモ、白菜の値段がいくらいくらと立て続けに解説を聞かされ、私の方は右から左へと適当に流しておりました。ただ、その夜のTVニュースで全国的な野菜の高騰内容(通常の2~4倍)を報道されているのを見て、今年の長雨と猛暑がもたらす深刻さをしっかりと理解させていただきました。



 地球温暖化の影響で海水温が上昇し、不漁続きの漁業関係者の方々も深刻な被害となっているようです。みなさまご周知のとおり秋の味覚の一つでもあるサンマの初物がなんと東京のスーパーでは、1尾1875円で販売されているとのこと。また回転寿司店では、サンマの握りがマグロの大トロと同価格でレーンを回っているとのことでした。

 



われわれ取り扱いのビール等の商品は、どちらかというと屋内での工業生産ですので価格も品質も安定しており、日々の価格見直しは不要であります。そして、商品管理についてもそんなに手間がかからず、またお客様からのボヤキも聞かずに済んでおります。本当にありがたい業種であるなと喜んでおります。



 ただ、問題のコロナ関連においては、業務店を中心に苦戦 いたしております。しかしながら、後述のとおりこの3か月の業績に関してさほど大きなダメージには、なっておりません。『家呑み族』の一般家庭用需要が、業務用売上をカバーし、また夏ギフトや店頭精米などのカテゴリーが貢献して事なきを得ております。



 厳しいのは、業務用を最大のマーケットとしているビールメーカーであります。特に、アサヒさんにおいては首都圏の業務用市場の構成比が大きいため大変苦戦されているようです。先日の日経新聞報道によりますと、「アサヒ 純利益44%減 新型コロナウィルス下の外出自粛で業務用を中心にビール販売が苦戦 」とありました。



 また、アサヒビールの1~6月の日本国内でのビール類 販売金額は、17%減であった。今年から販売量の公表を取りやめており、日経推定で1~6月は第三のビール「本麒麟」など家庭向けが好調なキリンビールが11年ぶりにシェア首位に立った模様だ。 とありました。



 今回の新型コロナウィルスの影響で様々な産業分野において 『 泣き笑いの構図 』 が表面化しております。いつの世も様々な要件で経済・社会が揺れ動いているという一例であると思います。願わくは、常に 『 笑い 』 の部分にスタンスを取り続けていたいものですね。





 さて話しは変わりますが、みなさん今年の夏商戦はいかがでしたか。毎年8月下旬から9月上旬にかけて各店では、今年の夏の売り上げ状況などの振り返りをされているのではないでしょうか。ドリーム東大阪店では、6/1 ~ 8/15 までの夏ギフトの販売状況を総括する意味で、現在数値結果などを分析中であります。

 



 おおまかな数字でありますが、東大阪店では、全体売上が3 ケ月(6~8月) で 昨対98.9%、利益額ベースでは、昨対101.2%でありました。夏ギフト関係では、酒類ギフトが昨対108.2%食品ギフトが102.5% ということで、夏ギフトに関しては厳しいコロナ禍の中で何とか健闘した結果となりました。



 特にビール中心に送料込みギフトに関して産直ギフトも含めて昨対139.1%と大幅な伸びを見せました。やはり宅配料の負担を意識しての商品選びが法人顧客中心に支持されたようです。この流れは本年冬ギフトにおいても傾向として続くと思いますので、冬季のドリーム本部B3カラーチラシ作成に反映させていただきたいと思います。



 そして先日店舗におきましては、夏から秋模様への売り場変更を実施して『キリンの秋味や秋の酒 』 など秋の味覚フェアと銘打って展開し、残暑まだなお厳しい時期ですが、東大阪店の雰囲気は、秋一色となってまいりました。

 



 まだまだコロナ禍が世の中を席巻する毎日ですが、さてこれから年末に向けてどのような動きになってくるのでしょうか。





  そんなことで、今月のテーマは 『 混迷する秋冬商戦 』 とさせていただきました。



 9月に入りますと、いよいよ10月1日の 「 酒税改正 」 そして 「 たばこの値上げ 」 に向けて仮需を喚起するための販促企画等の準備をしていかなければなりません。そして東大阪店では、昨年より予定しておりました社名変更と代表者の交代など、思い切った組織改革を断行することとなります。

 



 たばこに関しましては、1カートン500円の値上げという事で、やはりボリュームが大きいので昨年同様大口顧客中心に早い目の予約受注を促進 していきたいと思っております。また新ジャンルの値上げにつきましては、すでに店前・店内各所に大型POPにてアピールをしておりますが、これまた大口顧客に対しては、タバコ同様個客別ダイレクトメール を発送し、少しでも早く仮需を前倒しして近隣競合店対策を実施していきたいと思っております。



 どちらかと言えば、毎回毎回ビール等の値上げ前販促については、従来通りに粛々と怠りなく実施していけば、さほど心配する必要はないと楽観視しております。問題は、10月以降なんといっても今年の秋冬に向けて一番の悩みの種となるコロナ対策であります。



 先日の日経新聞紙面で、「飲食店倒産 最多の398件」とありました。その記事の一部を紹介してみますと ⇒ 帝国データバンクの調査で、飲食店の倒産が過去最多ペースで推移していることが分かった。2020年上期(1~6月)の倒産件数は398件で、上期としては近年最多を更新。

 このままのペースで下期も推移した場合、年間の倒産件数も最多だった2019年を上回り、最多を更新する可能性がある。新型コロナウィルスの影響が直撃した飲食業のダメージがあらわになった。

 とありました。



 ここに紹介されている倒産件数は大手の飲食業中心でありますので、われわれがお取引する地域の零細店を含めると、すでに倒産件数は全国で数千店舗に及ぶのではないでしょうか。当然のことながら、われわれ納品業者もその影響を受け、苦境に立たされるのが現況であります。



 ただ先述のとおり、私ども小売店はギフトやお米で、そして家呑み需要で何とかカバーできますが、居酒屋さんはお店に来て頂いて一杯飲んでいただかないと売上は立ちません。そのような状況の中で納品業者として、業務店様へ何とか支援していきたいのはやまやまなんですが出来ることにも限界があります。

 年末の忘年会需要もおそらく壊滅状態 になるでしょうし、大変な事態となってまいります。各々お得意様が孤軍奮闘し、頑張っていただくしかありません。





 そしてまた暗い話になりますが、先日8月17日に内閣府が速報値として発表した4~6月のGDP ( 国内総生産) の内容について新聞記事をご紹介いたします。

 



  ●GDP実質27.8%減、4~6月年率 戦後最大の下げ

 内閣府が17日発表した2020年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で1~3月期から7.8%、年率換算で27.8%減った。新型コロナウイルスの感染拡大で、リーマン・ショック後の2009年1~3月期の年率17.8%%減を超える戦後最大の落ち込みとなった。



4~6月期は感染拡個人の外出や店舗の営業が制限された。個人消費を中心に経済活動が広く滞り、GDPは統計を遡れる1955年以降でかつてない落ち込みとなった。   

とありました。



 おそらくこの流れは今後一年間は続くとみても間違いないでしょう。日本の国はどうなっていくんでしょうかね。そうでなくとも世界一の借金大国 ( 約 1,100兆円 の国債・公債) であるうえに、この経済内容が続くのであれば、現場サイドでは、当然消費者の更なる買い控えや給料の減額、そして企業倒産続出という最悪のシナリオがこの秋冬から始まっていくんではないでしょうか。





 さらに悪い材料として、長期政権を担ってきた安倍一強内閣のトップ安倍首相の突然の辞任となれば、政局が一気に混乱し、さらに日本の国内外の不安定要素が高まります。日本国民の特性として、このような時にストライキや暴動など起きることはないと思いますが、一人一人の国民の焦燥感や生活苦が増幅して大きなうねりとして私たちの小売業界にも押し寄せてくるのは必至であります。



 さあ、どう対処していけばいいのでしょうか。 『 着眼大局 着手小局 』 この意味する心構えを常にブラッシュアップして日々の商売に臨まれんことを祈念して今月の投稿を終えたいと思います。

           今月もご覧いただきまして、誠にありがとうございました。

 
 [ P.S ] 秋冬商戦の対処方法など、お悩みの方々はどしどし本部までお問い合わせいただければと思います。またエリア会議に参加して積極的に意見交換していただきたいと思います。