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1 月号  『 本年もよろしくお願い申し上げます!』 Ⅴol.119

 1 月号    『 本年もよろしくお願い申し上げます!』    Ⅴol.119





 みなさん、こんにちは! 今月の徒然日記を投稿いたしたいと思います。



 それにしても毎年のことですが、相変わらず毎日寒い日が続きますね。お店の売上も厳しいこともあって、二重の寒さ感が身に沁みます。とは言うものの、日本海側にお住いの方々からすれば大阪の地は本当に恵まれた環境下にあるなとTVニュースを見るたびに思うところであります。

 





 さて当たり前のことですが、一月の東大阪店の営業状況は何とも言えない閉塞感が漂っております。ヒマな時期とはわかりつつもスタッフ達とかわす言葉もまず最初に 「今日もまたヒマやなー 」 から始まります。そのような状況でありましたので、時間をタップリ使って、お店や倉庫・事務所においては整理整頓を実践し、綺麗にスッキリしたものとなっております。(でも、お客さんは来ませんけどね・・・)



 また、2018年度の業績の総括として数値検証を1月に入ってしっかりと算出してまいりましたので、何やかやと充実した1月であったように思えます。2018年度の簡単な業績発表としては、100点満点とはいきませんがかなりの高得点で締めくくれた1年であったように思います。粗利益率0.8%増 がその主たる要因であります。



 働くスタッフのみんなには、2018年の流れを引き続き今年も絶やさずして、さらに向上心をもって日々の業務に精進していってもらいたいと願っております。というように、この度の表現の仕方として何か人ごと的でありますが、これには理由がありまして今年の私のいくつかの課題の一つとして、『 東大阪店 現場からの撤退 』 があります。



 来年2020年を新しいドリーム元年として、今年よりその準備のため徐々に東大阪店からイノウエカラーを消していく作業に入っていきたいと計画しております。以前にもお話ししましたが、来年ドリーム東大阪店は創業100周年を迎えます。大正9年に大阪市内で初代井上辰蔵が創業して戦前・戦中・戦後と激動の時代を酒屋業ひと筋で駆け抜けてまいりました。

 





 酒 舗 『 うめや 』 (祖母の井上梅乃から命名) から井上酒店、イノウエ酒販そして25年前にドリーム東大阪店へと何とか三代目として、かろうじて酒屋を潰さずにやってこれました。ただ四代目の長男は、すでに別業種に従事しておりますので、今後同族経営から第三者経営と移行していかなければなりません。



 今から、9年前に60歳を期してドリーム本部代表については、みなさまご存知の通り西田氏に事業継承いたしました。次は来年の70歳にして現場の東大阪店を次世代スタッフに継承していく予定としております。「老兵は死なず、されど去り行くのみ」 とかつてマッカーサー元帥が言ったようですね。



 私の場合は去りはしませんが、いつまでも私のような年寄りが現場でウロウロするようではロクな店舗・会社になりません。ただ、~イズム いわゆるアイデンティティだけは、次世代の人たちには理解し、継承していってもらいたいと強く願っております。



 話しは急にガラッと変わりますが、先日今もなお話題になっておりますクィーンの『ボヘミアン・ラプソディ』 を鑑賞してきましたよ。皆さまご存知のフレディ・マーキュリーの激動の半生を描いた伝記映画であります。

 





 見終わってから、年甲斐もなく涙してしばらく席を立てずにおりました。本部木学君から一度は見てきてくださいよと言われて物見うさんで行ったのですが、どうしてどうして私の感動映画ベスト10 に入るほど素晴らしい映画でありました。この映画に出会わせていただいて木学君にはお礼を言いたいと思います。



 私の音楽ジャンルには、ハードロッカー クィーンは正直入っておりませんでした。どうも波長が違うというのか、ビートルズとは違う印象がありました。しかしながら、この映画を見てフレディの音楽に対してのポリシィというか、そのアイデンティティーの持ち方 が最高で、その熱い思いに共感し、感動させられました。



 例えば、映画のワンシーンで、フレディと大物プロデューサーとの激しい口論のやり取りがありました。その中で、自分たちの音楽の世界観を絶対に譲らない、妥協しない姿にクィーンの凄さがあり、だから
『ボヘミアン・ラプソディ』 なんだなと思わされました。



 人生、仕事をしていく中で、音楽においても酒屋をしていくにおいてもアイデンティティーが絶対不可欠なんだと改めて気づかされました。いわゆる自分自身の~イズムを持ち続けることの大切さであります。組織の上に立つ人間には必ずそ下部にいる人たちの道しるべとなるべき 『 合言葉・合言霊 』 が不可欠となります。それを全員で共有できることにより、組織が更に飛躍していくのです。



 我々の商売でも同じで、地域のお客様に対して自分お店はこのような思いで、このような形で、そしてこのような付加価値でお役に立ちたいんですよと熱い思いで訴求していかなければならないと思います。いわゆるお客様からの共感を得るための
『ブランディングの構築 』 が今こそ必要となってまいりました。



 ドリーム・酒匠米匠チェーンのお客様に対してのブランドストーリーは、どのようなものであるのか、そしてそこに働く奥さんやバイト・パートさんがそのブランドをどのように理解されているか、そしてお客様にどのようにお伝えできているのかが、いま物が売れなくなった時代であるからこそ、形にして拡散・伝播していかなければならないと思います。



 ちょっと難しい表現になりましたが、いわゆる地域で最安値のお店ですよと言う 『ブランディング』 は、いまはもう通用しないという事なんです。じぁ、何を自店は売り物にするんですか?という事を追い求めて形にしていってもらいたいと思います。



 さて前置きがかなり長くなりましたが、今月号は『人手不足の問題』 についてお話ししたいと思います。昨年の11月号・12月号にもお話ししましたが、改めて2019年初頭にあたり今日本全国で深刻な問題になっているのが、『人手不足 』 なのです。



 先日の 日経MJ新聞 にこのような記事が掲載されておりました。

 





 とありました。「うちの店は、お母ちゃんと二人で営業しているから、人手不足なんか関係ないよ!」 とおっしゃる加盟店様もおられると思いますが、そうはドッコイ、そのことが私たちの商売のあり方について大いに影響してくることをこれからお話ししたいと思います。



 ちなみに現況の労働条件状況をみるために、求人誌 「タウンワーク 」 のHPで、私たちの身近にある業種のパート・アルバイト募集の時間給を調べてみました。大阪府下全業種平均では、1,065円/時 でありました。

 





 最低賃金法に基づいて、その年の各都道府県別最低賃金を厚生労働省が発表する訳ですが、昨年10月に大阪府では、最低賃金936円 となりました。上記の内容を見てもいよいよ我々の業種においても1000円の大台は目の前に迫っております。今月に入って、ドリーム鴻池店では時給1000円で募集をかけているのですが、いまだに応募はないそうです。本当に厳しい時代となりました。



 先月号でもお話ししましたが、昨年大阪万博が2025年開催と決定し、大阪市此花区の夢洲に各国の様々なパピリオンが建設されるのですが、この建設ラッシュに人手は確保されるんでしょうか? 仮にされたとしても、建設業に人手が取られ、他の業種に影響を及ぼし、人材というよりも人手そのものがひっ迫してくるのではないでしょうか。



 関西地区において、大阪万博で世の中が活況を呈するのは大歓迎でありますが、現実に深刻な人手不足という社会現象が起きるのは間違いないと思われます。何か矛盾しているようですが、経済が活性化する裏で
『人手不足倒産 』 が発生し、仮に倒産しなくても人件費高騰のため、我々中小の零細企業が危機に追い込まれていくことが大いに予想されます。

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 その対策として、我々のような小売業の現場では、自分の命をすり減らすような過度な価格競争は避けていかなければなりません。人件費中心に経費が増大していくわけですから、粗利益率も高めていかなければならないのです。これが日本政府の提唱するデフレからの脱却 なのです。



 しかしながら、日本小売業のプライスリーダーでありますイオングループ が消費者ニーズに寄り添うという考えで、低価格路線を変えようとしないところに変革の難しさがあるのです。そして、そのような背景の中で、私たちの生き残りのあり方の一つとして、取り組むべきことは、『 外販の強化 』 なのです。



 かつてセブンイレブンが、地域の食品スーパーが、宅配事業の強化を標榜していましたが、今やそのような気配は全くありません。何故なら、セブンイレブンの店内では、レジ係の人手不足が悩みの種だからです。配達に人手をまわす余裕なんてありません。スーパーにおいても然り。



 ただ進行する高齢化社会は、今後さらに日本において大きな問題になるのは必定であります。あらゆる分野での宅配ビジネスは大いに可能性 が見えてまいります。間違いなく、そこに大きなビジネスチャンスが存在します。それもお年寄りを対象とした領域であります。パソコンのやスマホが使えない消費者、そこにはアマゾンが入りこむ余地は少ないのです。

 



 あと10年間は、地域密着型の泥臭い宅配ビジネスは通用する と思います。パパママストアにおいても、即日配達可能という売り物があるのですから、お父ちゃんが今の売上に一日10件の配達をプラスすれば、何とか飯は食っていけます。小さいなりにお父ちゃんの配達という売り物の機動力があるのです。大手業務用酒販店のように配達社員が10人いることが機動力だけではありません。一人でもなんとかやっていけます。配達することがこれからの時代、お客様にとっての大事な付加価値 となりえるのです。



 あとは、1日10件の配達を求める近隣の弱小料飲店や高齢の一般消費者へどうアプローチしていくかです。それをみんなで考えていきましょう。しっかり利益のとれる商売をこれからみんなで構築していきましょう。常に次なるステージをサーチしながら、大手が入り込めない領域で勝負していきましょう。



 そのためにも、毎月各地区で開催されるエリア会議、そして来る3月12日(火) に毎年新大阪で開催される春季勉強会 に参加されて、自店の今年のあるべき姿を見つけていただきますようお願い申し上げまして、今月の投稿を終えたいと思います。 



     今月もご覧いただき誠にありがとうございました。